小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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投稿遅くなって申し訳ございません。

主に三人称視点でキリの良いところまで書きたかったのがいつの間にかカオスに……

それでも楽しんでいただければ幸いです! お読み頂き、誠にありがとうございます!


第73話 ブラックリベリオン1

 時間は少し戻り、外の世界で起きた一連の出来事を書きたいと思う。

 

 


 

「大丈夫でしょうか?」

「ゼロと2人きりなんて……」

「それに、神根島の噂もあるし……」

「だが実際、『二人は同じ島にいた』という事だけだろう? 接触はなかったそうじゃないか。」

「とはいえ、ゼロの事だ。 油断はできん。」

「今までのことを考えれば、特に。」

「確かに。」

 

「………………」

 

 無人になったG1ベースの中へと消えていったユーフェミアの安否を話しあう(議論)SPの者たちが小声で話し、もしもの時の為に、アヴァロンへの非常用直通インカムはユーフェミアにでさえ秘密裏に隠し持っていた騎士の正装に身を包んだスザクはジッとG1ベースを見ながら立っていた。

 

 今回、彼はあくまで『初の元日本人(名誉ブリタニア人)の騎士』の体で『行政特区日本』に参加していた。

 

 コーネリアの命令(というよりはシュナイゼルの“助言”)から、ランスロットもアヴァロンに乗せたままでそのアヴァロンもギリギリ富士山の制空権外に待機していた。

 

『ランスロットがいればゼロは100%来ないだろうね』、らしい。

 

「心配かね、クルルギ(枢木)よ?」

 

「ッ。 ダールトン将軍────」

「────そんな堅い言い方をするな! ここにはマスコミも、俺より上でうるさい貴族もいない! こんな時ぐらい気を抜け!」

 

 バシッ! バシッ!

 

「グッ?! ごほ?!」

 

 ダールトンは固まったスザクの背中をバシバシと叩きながら笑い、スザクは思わず同じような動作をよくする豪快なノネットを連想しながらむせてしまう。

 

「で、ですが自分は少佐で────」

「────その前にお前はユーフェミア様の騎士だろうが?! 少しはギルみたいになれ! あれはあれで堅物だが、案外面白い男だぞぉ?」

 

「(……………………あのギルフォード卿が()()()?)」

 

 スザクが内心思っていたことが顔に出ていたのか、ダールトンが言葉を続ける。

 

「そうだぞ? 意外だろ?」

 

 ふわふわとスザクの頭上に浮かんだのは、漫才のツッコミ役をするギルフォード。

 流石に『なんでやねん?!』と言ってはいないが。

 そしてボケ役はダールトン、またはノネット。

 

 逆にダールトンが思い浮かべるのは公務から外れて一緒にコーネリアの昔話やグラストンナイツ、そして今までのお見合いの申し込みを断り続けるギルフォードをからかいながらワインを共に味わう時間だった。

 

「あ~、自然と(漫才が)思い浮かべられます。」

 

「だろう! 今度、お前も一緒にどうだ?」

 

「えっと……自分では()不足かと……」

 

「え? さっきのは“一緒に飲まないか?”という質問だったが……」

 

「えっと……僕、未成年ですけれど?」

 

「じゃあ、ジュースでもどうだ?」

 

 ドゥ!

 

 そんな時突然、何かの音がG1ベースの内部から聞こえたような気がスザクにはした。

 

「??? ダールトン将軍、今の音聞こえましたか?」

 

「音? どんな音だ?」

 

「何かG1ベースの中から……」

 

 スザクの言葉にダールトンは目を細め、インカムの周波数をG1ベースの周りを警備している者たちに変えて通信を繋げる。

 

「おい、警備班。 何かG1ベースの中から聞こえたか?」

 

『…………………………』

 

「おい! 誰か返事をしろ!」

 

 だがダールトンの通信に答えは返ってこず、代わりにナイトメア特有のランドスピナーが動く音が会場内と外、両方から聞こえてきたことでダールトンはナイトメア部隊に周波数を変えて怒鳴る。

 

「誰だ勝手にナイトメアを動か────?!」

 

 会場内からけたたましい銃声が聞こえ、人の悲鳴声が聞こえてくる。

 

「な、なんだ?! 何が起こっているんだ?!」

 

 スザクは会場からくる人の叫びとブリタニア軍のアサルトライフル、ナイトメアの対人機銃の音に誘われるかのように走り出してしまう。

 

「まて、クルルギ!」

 

 不幸にもスザクの身体能力が高いことが裏目に出たのかダールトンの制止の声より会場内からくる音が勝っていた。

 

 

 ……

 …

 

 上記での騒動が始まる前のフジサン付近にあるスルガ湾……ではなく、反対側にあるシモダから少し離れた海の中でアマルガムのディーナ・シーは待機していた。

 

 ()()()()()()()()()()()()

 

『ねぇダルク? どう思う?』

 

 そのアマルガムの一員であるアリスがパイロットスーツを着てGX01よりさらに広いコックピット内で野菜ジュースを飲みながら、同じスーツを身にまとってパイロット席を逆様の体勢で座りながら漫画を読むダルクに声をかける。

 

『どう思うって……私たちに出された指示?』

 

 実はというとスヴェンは先日の間、カレンや藤堂、留美さんたちのように毒島達に『もしもの時の為』の指示を書き残した封筒を渡していた。

 

『うん。 私がもらった封筒は大まかに“ゼロかユーフェミア殿下を保護して離脱しろ”と言ったものだったわ。』

 

『あ、そう~? あたしとぶっちゃん(毒島)とサンチアとルクレティアは同じようなモノが書かれていたけれど?』

 

『え? じゃあ、まさかアイツ(スヴェン)はやっぱり一人一人に見合った共通した奴や別々の指示を書き残したっていうこと?』

 

『みたいだねぇ~♪』

 

『……なんか妙にウキウキしていない、ダルク?』

 

『気のせい、気のせい♪』

 

 アリスの言ったようにスヴェンが書き残して渡した封筒は一人一人に渡されていたが共通の内容が書かれたものがあれば、『ディーナ・シー』に今はいない人物たちのように別行動をする指示もあった。

 

『……それでダルク自身、()()に対してどう思う?』

 

『ん~?』

 

『私たちの機体になった()()。』

 

 アリスのようにダルクは自分たちが騎乗したナイトメアを内側から見渡す。

 

『新型って言っても、()()()()()()()()でしょ?』

 

『でもこの場合、やっぱり“新型”になるんじゃない?』

 

 確かにダルクが言ったように、彼女たちが乗っているソレは『新型』とも呼べるものだろう。

 

 何せフレーム(骨格)はアッシュフォード学園に残されたガニメデを応用していたが、外側(筋肉)にはGX01以上のサクラダイト合成繊維が取り付けられていた。

 

 以前、スヴェンはGX01のことを『エヴァ』と呼んだが今の姿はさらに人型へと一気に近づいていたものとなっていた。

 上記で『新型』と定義されているが、実は『すでに開発途中だったプラン』を元に仕上げただけに過ぎなかった。

 

 強いて名づけるのなら、『ガニメデ・コンセプトMk.I』となるだろう。

 

 ビィー。

 

『よし、富士山に異常発生した。 これから私たちも動く、アリス機はカタパルトの()()()()()()に乗ってくれ。』

 

『了解。 (しっかし凄く操縦しやすいわね。)』

 

 アリスがガニメデ・コンセプトMk.Iを移動させてカタパルトに移動すると固まる。

 

『……何これサンチア?』

 

()()()()()()だ。』

 

『これのどこが輸送システムよ?! ただの超大型魚雷じゃない?!』

 

『だから()()()()()()だ。 早く入────じゃなくて乗れ。』

 

『“入れ”って今言いそうだったわよね、サンチア?! ちょっと待って! スッッッッッゴイいやな予感がするのだけれど私────?!』

『────よし、ダルクやれ。』

 

『は~い♪ “ザ・パワー”発動!』

 

『ちょっとダルク?! 待って?! 待って待って待って待って待って待ってぇぇぇぇぇぇぇ?!』

 

 アリス機がバタつくが力ではダルク機に勝てるわけもなく無理やり超大型魚雷輸送システムに入れ(乗せ)られる。

 

上部デッキ(カタパルト)のハッチオープン、角度と方角に気をつけろよダルク。』

 

『はぁ~い! え~っと────?』

『────貴方たち覚えていなさいよ────?!』

『────よし! “ザ・パワー・()()()()()()()()()()”!』

 

 ダルク自身の額にあるギアス紋章と機体についていたサクラダイト合成繊維はさらに赤く輝くとアリス機の()った超大型魚雷輸送システムを掴んで軽々と持ち上げてしまう。

 

 ダルクの言った『オーバーホエルミング』とは遠慮のいらない、ギアスユーザー自身で決めたリミッターを解除した状態で、特殊名誉外人部隊(イレギュラーズ)の時とは段違いな能力の解放名称である。

 

 余談であるが、命名者はまたもやスヴェンである。

『スタク〇のコマンド的な?』、という彼の独り言を聞いたマーヤのおかげ(?)だった。

 

『うわ、本当に軽く感じるや────』

『────これで(アリス)が死んだら────!』

『────無駄口は叩くなダルク、さっさとしろ────』

 『────化けて出てきて────!』

『────オッケー!“タオパ〇〇イ輸送システム(スヴェン命名)”、いっけぇぇぇぇ────!』

 『────皆に“足の小指を家具の角に当たる”様に呪ってやるぅぅぅ!』

 

 ダルク機の足部分が固定するとアリス機ごと輸送システム(超大型魚雷)を投げると反動で『ディーナ・シー』が逆走する。

 

いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

 

 ……

 …

 

 

 スザクが見た会場では掲げられた日の丸の旗はボロボロになっており、そこかしこには遺体が転がっていた。

 

 若い男性が隣の老人をかばうかのような位置にいた。

 老人は席の背もたれに背中を預け、頭は鼻から上が失くなっていた。

 地面に横たわる成人女性は背中から撃たれ、彼女が手放しそうな赤子は足を吹き飛ばされ、すでに青くなっていて息をしていない様子だった。

 逃げ惑う日本人たちを、まるで狩りをするかのようにワザとナイトメアが外して前方に先回りしたブリタニアの兵士が容赦なく発砲する。

 

 親や親族の返り血を浴び、周りの状況が理解できないままただ泣く赤子に幼い子供の姿。

 

 それらはスザクが目にした惨状の一部でしかなく、彼に7年前の日本(無法地帯)を連想させた。

 

「なんだ……何を……お前たちは?! 何を?! やっているんだぁぁぁぁぁ?!」

 

『“日本人は全員始末しろ”との命令だ。 皇族のな。』

 

 スザクは近くのグロースターに叫ぶと、上記の答えにスザクは言葉を一瞬失ってしまう。

 

「……な、何を────」

『────そう言えば貴方も日本人でしたね?』

 

 スザクがハッとしてグロースターの対人機銃の銃撃を避けて近くの会場の建物内に逃げ込むとひどい頭痛が彼を襲う。

 

「うっ?!」

 

 次々と一枚画のようなイメージが彼の理解が追い付くよりも早く脳内を駆け巡る。

 

「(こ、れは……神根島、の?!)」

 

 前にも似たようなことを経験したと思うスザクはそのまま気を失ってしまう。

 

 

 ……

 …

 

 

 ガウェインの中で乗り出そうとしていたCCも同じ現象が起きていた。

 だがスザクと違い、CCは頭痛を我慢するかのように涙目になりがらも片目を開けたままG1ベースを見る。

 

「これ、は?! まさか、ここに、来ているのか?! アイツが?!」

 

 

 ……

 …

 

 

「……グァ?!」

 

 スヴェンのいた部屋から四つん這いになってG1ベースの脱出経路(通気口)を移動していたゼロもCCと同じく激しい痛みに思わず動きを止めてしまう。

 

「な、んだ?! こ、れは?!」

 

 ゼロはすぐにでも外に出ないといけないことを承知しながらも、脳の芯から来る酷い痛みに悶える。

 

 

 ……

 …

 

 

「こちらエリア11幕僚長のアンドレアス・ダールトンだ! 全フジサン付近のブリタニア軍は発砲を即刻止めよ!」

 

 上記のスザクたちとほぼ時間を同じくして、ダールトンは命令を出すが一向に銃声がやむ気配はなかった。

 

「チッ! お前たちも来い! 俺たちはユーフェミア様のところへ行く!」

 

「ま、まさかこれもゼロの仕業────?」

「────知らん! だがユーフェミア様の安全を確保する!」

 

 ダールトンがSPの者たちと一緒にG1ベースへと走りながら考える。

 

「(どうなっている?! 一部の兵士が暴走したのか? いや違う! この規模はそんな小さなものではない!)」

 

『きゃああああ?!』

 

 前方から少女の悲鳴がして、ダールトンが見ると警備兵らしきものたちが嫌がるユーフェミアを引っ張っている場を見る。

 

「ユーフェミア様────!」

「────ダールトン将軍、危ない!」

 

 さっきまでユーフェミアの安否で互いに意見を出し合っていたSPの者たちのうち一人がダールトンに体当たりをする直後、ダールトンたちに気付いた警備兵が銃を構える。

 

 パパパパーン!

 

 さっきから応答していなかった、G1ベースの周りを固めていた兵士が警護の者たちに銃口を向けて躊躇なく発砲し、ダールトンは反射的に伏せながら腰に手を伸ばしていつも携帯している筈の拳銃を今回は持っていなかったことに彼はハッとする。

 

「しまっ────!」

 

 

 ────ヒュルヒュルヒュルヒュルヒュルヒュルヒュルヒュルヒュルベシャアァァァァァァ!!!

 

 大きな音を立てて空から降ってきた何かが近くに落ちてきたことで、警備兵たちの注意が逸れた隙にダールトンが落ちていた銃でユーフェミアを連れ去ろうとしていた者たちを撃ってから彼女の側に駆け寄る。

 

「ユーフェミア様! ご無事ですか?!」

 

「ダールト────危ない!」

 

 ユーフェミアはダールトンを見てホッとしたのも束の間、彼の後ろで見たこともないナイトメアを見たことで叫ぶ。

 

「何?! 黒の騎士団か?!」

 

『違うわよ!』

 

「ぬ? この声……特殊名誉外人部隊(イレギュラーズ)の────?」

『────ええそうよ! 今は“元”が付くけれどね! 乗って、ユーフェミア様! ここから離脱するわ!』

 

「やはり黒の騎士団か?!」

 

『だから違うわよ! でも貴方だけじゃその人を護りながら抜けられると思うの?!』

 

「待ってください! 中にはまだゼロたちがいます! それにスザクも────!」

「────おい! 大丈夫なのか?」

 

 ガニメデ・コンセプトのコックピットが開き、アリスが身体ごと乗り出す。

 

「私の命にかけてもユーフェミア様は守ると誓うわ、ダールトン将軍。 (元々アイツに頼まれたから、そのつもりだったしね。)」

 

「……」

 

「そこの者に問おう、貴様は誰の指示で動いている?」

 

「「ゼロ?!」」

「る────ゼロ!」

 

 G1ベースから出てきた人物にアリスとダールトンがビックリする声を出し、ユーフェミアは嬉しそうになり、アリスはさっさとコックピットの中へと戻る。

 

「ゼロ! スヴェンさんはまだ中にいるのですか!?」

 

「なに? まだ出ていないのか?!」

 

「(ああ、もう!) それと私の指示した人と同一人物よ!」

 

「なるほど……」

 

「ゼロ! これはどういうことだ?!」

 

 考える仕草をするゼロにダールトンが当然の問いをしながら銃を構える。

 今までで彼が動いていたのは軍人、そしてコーネリアに頼まれたからだが当然未だに何が起きているのかはわからない。

 

『ならばゼロに聞けばいい』、と言う訳でもないのだが『彼ならば何か知っているかもしれない』というのもあった。

 

 無論、ゼロが素直に答えると彼は思って────

 

「────これは私の推測だが、何者かが『行政特区日本』を利用して騒動を起こそうとしている線が最も高い。 無論、我が黒の騎士団に見せかけたものだ。」

 

「何?」

 

「アンドレアス・ダールトン、これから私は黒の騎士団を率いてこの場の混乱を収める。 そこで貴方に頼みたいことがある。」

 

「頼みたいことだと? テロリスト風情が────!」

「────(チィ! やはり根は堅物の軍人か?! ええい、時間などないというのに────!)」

 

 ゼロの仮面がスライドし、彼が手袋を取った手でコンタクトレンズを取る。

 

「────『コーネリアにありのままここでの出来事、そして“ゼロがトウキョウ租界に現れたら話をしたいので周波数を140.15に切り替えろ”と伝えろ!』」

 

 冷静かつ気丈に振る舞おうとしながらも内心焦るゼロの左目に浮かび上がったままの紋章がダールトンの目に写り込む。

 

「……分かった、そうしよう。」

 

 ダールトンがそう答えるとその場から走り出し、ゼロはコンタクトレンズをはめ直してユーフェミアを見上げる。

 

「ぜ、ゼロ……今のは、何?」

 

『(なるほど。 あれがゼロのギアス……マオの言っていた『クララ』とかいう奴に似ているわね。) ユーフェミア様、早く中に乗ってください!』

 

「でも────!」

『────スヴェンを助けたい!』

 

 ユーフェミアがゼロの方を見る。

 

「行け、ユーフェミア! (俺の考えている通りなら、目の前のこいつ(ガニメデ・コンセプト)もスヴェンの仲間だ……全く、何手先まで考えているのだ?)」

 *注*原作知識です。

 

「(落ち着いたらチェスの対戦を頼もう。)」

 *注*原作知識です。

 

『ゼロ!』

 

 ユーフェミアがガニメデ・コンセプトの乗り込み、アリスがG1ベースを殴ってライダースーツを着た誰かを、アリスとユーフェミアがガニメデ・コンセプトに乗せているとその場に新たな声が通信越しにして来て、ゼロが見ると紅蓮が近づいて来ていた。

 

「(カレン? だが俺はまだ、指示を────!)」

『────?! 敵────?!』

「────違う! と、取り敢えず敵ではない!」

 

 その間にさっきまで着陸の姿勢のままだったガウェインがやっと動き出してゼロが乗り込む。

 

「待たせたな、坊や。」

 

 CCはいつもの態度を装うが、泣いた跡を見てルルーシュが冗談交じりに小言を言う。

 

「なんだ、お前泣いていたのか?」

 

「ああ、あまりにも痛かったからな。 お前が。

 

「相変わらず口の減らないピザ女────!」

『────ゼロ! これはどうなっている?! 取り敢えず黒の騎士団を出撃させて日本人を護ってはいるが────!』

「(────藤堂まで来ているだと?! どういう────ええい! この流れを使わない手はない!) 黒の騎士団、総員に告げる! 行政特区日本は、我々をおびき出すブリタニアの罠だったのだ! 式典会場に突入し、日本人を救い出すのだ! カレンは私に続け!」

 

『了解!』

 

 ルルーシュは先ほどまであったガニメデ・コンセプトのいた場所を見るが、何の手品か既に消えていた。

 

「(さっきの奴がG1ベースの中から引きずり出していたのはスヴェン……と思う。 “トウキョウ租界で落ち合おう”、か。 瞬時に状況を把握し、そこまで読むとはな……この背中に寒気がするのはシュナイゼル以来だ。)」

 

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

「……フゥー、痛いのはどうしようもないかな?」

 

 G1ベースのコンダクションフロアの中で、ようやく回復したVVが盾&クッション代わりにした、微動だにしない防護服たちで出来た山の中から這い出てくる。

 

「……携帯もダメか。 ならインカムを借りて……もしもし? ボクだよボク。 君も『()()』を始めて良いよ……生死? 出来れば生きていた方が良いけれど、面倒なら亡骸でも良いよ。」

 

 VVが通信を切り、防護服に装着されているヒモを引いてその場からルンルン気分で歩きだすと瞬く間に防護服たちの遺体が炎に包まれていく。




尚何故アリスが投げられたのかは彼女のギアス、『ザ・スピード』が『加重力の操作』というのが主な理由です。

彼女も『オーバーホエルミング』も使えますがリミッターという『遠慮なし』でギアス使うのでCC細胞が激ヤバなレベルで活性化してしまうので『ロケットの第一段階噴射』をダルクが肩代わりしたような感じです。

勿論、アリスがこんなことに同意するとは思っていないのでワザと彼女には伝われていなかった様子です。

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