そして久しぶりの(殆んど)スヴェン視点です!
短めで申し訳ございません。 (汗
お読み頂きありがとうございます、楽しんでいただければ幸いです!
………………………………………………どこだ、ここは?
気が付くと、俺の周りは一面の暗闇だった。
どこを見渡しても『黒』で、別にこれは『瞼を閉じている』とも『微睡で意識がない』などとは違うような気がする。
強いて表すのならば、まるで
あの『自称神様』曰くの、『魂だけの状態』。
やはり前世の記憶がぼんやりとしているからか、あの時を思いだすと『懐かしい』と感じてしまう。
この状態になっているということは……死んだのか、俺?
あの『自称神様』が現れるような気配がすれば、取り敢えずは罵倒をするか。
『いや、それはただの八つ当たりだろ?』、だって?
『俺が確認しなかった所為でもある』、だと?
『コードギアスの世界を堪能しているだろ?』、か?
否定もしないし正論だが、まさか『
文句の一つぐらい言わせろ。
『それにしては好き勝手やっていた様子じゃね?!』の声も聞こえそうでそれもそうだが……
目の前で『タイミングやすれ違いといった不運からの悲運が待ち受けていると知ったらどうにかしたい』とは思わないか?
勿論、自分へのリスクを極力無しで。
……それがどうしてこうなった?
そう思っていると、次第にふわりと意識が上がっていくような気がしては瞼越しに明かりが見えてきそうになったところで、急に体が重みを増してガクリと浮上するのが止まる。
不意に下を見ると、上の光によって照らされた手の形をした『黒』が俺の足先、足首、膝、太股などが掴まれていて、嫌な汗が身体中から出て不安が胸を埋め尽くし、俺はむやみやたらとただ無我夢中に暴れようとする。
鉛の鋳型に体が埋め込まれているようなダルさを文字通り肌で感じながら、目を開けると白い蛍光灯の光と変哲もない室内の天井を見上げていた。
「………………………………ぃ天じょう、だ。」
言ってみたかったセリフの“知らない天井だ”が乾いた喉から変なイントネーション付きで出る。
ちょっと残念。
「起きてからの開口一番が“天井だ”とはマイペースね。」
横から来た声の元を見るとふてぶてしい表情をしたアリスがいた。
「ここはどこだ。」
「
「なぜ俺は動けない? そして体に違和感がありまくりなのは何故だ?」
「痛覚麻痺の薬物を使って、アンタ無理したでしょ? 胸だけで割創4、杙創3に骨格筋の損傷、大腿骨にヒビ、内部出血と内臓破裂、その他もろもろ。 生きているのが奇跡に近い瀕死状態だったわ。」
ナニソレ。
思っていたよりヤヴァイ状態やったんか。
「そうか……」
「聞かないの?」
アリスにしては珍しい、おずおずとした様子でその問いが来る。
何を?
逆に質問がありすぎてどこから始めたらいいのかわからん。
「トウキョウ租界のことか? それとも黒の騎士団か? もしくはユーフェミア様やコーネリア様かゼロのことか? それともあれからどれぐらいの時間がたったとかか? なら全部だ。 全部、教えてくれ。」
「……そ。 長くなるわよ?」
「俺が動ける状態に見えるか?」
さっきから何度も身体を起き上がらせようと思って試みたが、ビクともしなかった。
まるっきりアレだ。
『体の動きが鈍いぞ』じゃなくて『動けん! まったく体が動かんぞ?!』状態だ。
「……そういやアンタってばこういう奴だったわよね。」
ここでアリスが某高校生とは思えないガタイ男性のように『限界はそこまでの様だな』とか言ったら『な、何ぃぃぃぃぃ?!』と田〇信夫氏ボイス風に内心で叫んでいただろう。
うん、ポーカーフェイスとは違い、内心はかなりテンパっている。
「なら俺の看病をしていたことに感謝をしたほうがよかったか?」
上記の様にちょっと嫌な言い回しを思わずしてしまうほどだ。
別に俺は彼女の横にはいつか編んでやった
「それはそれで変な感じだからパス。」
「だろ? 話を続けてくれ。」
「アンタってば三日間丸々寝ていたからね、長くなるわよ?」
「先にそれを言え。」
というか『三日間、寝ていた』ってどれだけだよ?!
あれ?
そうすると、俺の身体ってもっとべたべたしてなくないか? 寝汗とかで。
いや、そもそも下の世話は?!
「いいから話を続けるわよ?」
おい?!
まるで俺が思い当たったことに気付いたようなタイミングで言いだすなよ
世界の三大国の一つである神聖ブリタニア帝国で初となる、『行政特区日本』。
イレヴンが夢にまで見ていた『日本人』として名乗れる夢。
その『夢』が『日本人の虐殺』という悪夢を発端に、今までかつてないほどの大規模な反乱がエリア11全土に及ぶまで時間はかからず、その同じ日に『行政特区日本』で活躍した黒の騎士団を旗印に様々な者たちが行動を起こす、あるいは集まった。
反ブリタニア勢力の残党、不平不満を持つ名誉ブリタニア人、そして手頃な道具を武器として手に取った
奇襲にも似た急展開と、実質敵地のど真ん中で孤立したブリタニア軍を初期での猛攻で圧倒的に押していたが、第三皇子の名の元にクロヴィスは一時的にエリア11の指揮権限を取った。
これも『行政特区』にて
トウキョウ租界で、ゼロは最終通告を出すもののこれに応じなかったブリタニア軍に対して外延部の一部を崩壊させた。
ほぼ同時に『非戦闘地域』と指定されたアッシュフォード学園で、黒の騎士団とブリタニア軍の過激派同士から始まった小競り合いが学園を戦場へと変えた。
戦況はまたもブリタニア軍が不利になり彼らは政庁付近まで撤退して立て籠もり、反乱軍は優勢になりつつあったがゼロが突然戦線離脱。
これを機にコーネリア軍は一気に攻勢に転じ、指揮系統がなくなった反乱軍の孤立した部隊を包囲殲滅し始めた。
皇女殿下や騎士であるギルフォードに、精鋭部隊のグラストンナイツの活躍で反乱軍の敗北はもはや時間の問題で、報道エリアも奪還された。
アッシュフォード学園も、予期せぬ
拠点としたエリアを奪還され、戦線は崩壊、そしてゼロの不在で黒の騎士団を含めた反乱軍は独断行動が目立つようになった。
ある者は退散、そしてその殿を務めてブリタニア軍の将との一騎打ち。
ある者は保身に走って投降。
ある者は徹底抗戦を告げて命と弾薬がある限りに戦った。
かつての日本が占領された直後の光景へと状況が再び蘇り、この戦いで反ブリタニア勢力と戦力は一気に壊滅、または大幅な弱体化を余儀なくされた上に、黒の騎士団の幹部らしき者たちもブリタニアの捕虜となった。
その例として『厳島の奇跡』こと藤堂鏡志朗、彼を救い出そうと決闘が終わった後に突貫した四聖剣の一人である千葉凪沙、『黒の騎士団副指令』である扇要と彼がなだめていた玉城真一郎、反ブリタニア勢力の支援組織であるキョウトのトップである6名中の
黒の騎士団のリーダーでもあり象徴でもあるゼロを追って神根島に向かった枢木スザクがゼロを捕縛し、本国のシャルル・ジ・ブリタニアの元に連行されて非公開での処刑命令が下され、これにより黒の騎士団という組織の支柱がごっそり捕虜となり、もしくは亡くなった。
その一連の出来事はまさに『夢』のように一夜にして潰えた。
そして枢木スザクは
エリア11に滞在していたブリタニア軍は大きな戦果を挙げると共に、大きな代償を支払った。
人的損失は全土で暴徒化した名誉ブリタニア人にイレヴンのおかげで口にせずとも想像はできるだろうが、行政特区日本の暴動でユーフェミア・リ・ブリタニアはゼロに討たれ、政庁に黒の騎士団の特殊部隊が侵入した形跡もあり総督であったコーネリア・リ・ブリタニアとアンドレアス・ダールトン将軍の二人は生死共に分からず行方不明。
辛うじてクロヴィスとギルフォードは無事だったものの、行方不明者を含めれば皇族二人を失ったことと、エリア11で汚職に手を染めていた者たちの繋がりがブリタニア本国にまで届いていたことで本国はハチの巣を突いたどころか、フルスイングしたバットで巣が粉々にされたように騒然としていた。
ブリタニア本国からの援軍がエリア11に到着すれば各地の暴動が鎮圧されるのはもはや時間の問題だった。
「というのがニュースで流れているわね、未だに。 んで、私たちサイドの情報も入れると明らかに別の誰かが関与していたわ────」
────そこからアリスは大まかに、自分たちが経験した状況などを掻い摘んで話す。
『ゾンビのような黒い機体』。
『クララ・ランフランク』。
『反乱軍と暴徒たちの被害が拡大化するような誘導』。
『ブリタニアに指名手配されている黒の騎士団たち』。
『毒島とアンジュは黒の騎士団の幹部たちの脱出ルートに手を貸してから合流する』。
『ユーフェミア様は今、ディーナ・シー内で客人として扱い、匿っている』。
などなど。
「……そうか。」
「んじゃ、私はちょっとその辺を歩くから何かあったら叫んで。 ドアのすぐ外に誰かはいるから。」
そう言ってアリスは『うーん!』と背伸びし固まった手足を伸ばしながら部屋を出る。
「………………………………」
静寂な部屋の中で、俺は悶々と考え込む。
コードギアスの『
なんという『ごった煮闇鍋パーティ』だよ。
どないすればええねん、コレ?
ただ生き残りたい、と思っていたのに。
自分へのリスクを少なくしながら少し手を加えてみた。
そんなことを思っていたら、いつの間にか俺が『原作介入』をしようとした途端に
『原作知識があれば』と思っていたが……
四つの作品が混じり合っているなんて聞いてへんぞワレェェェェェェ?!
あの『自称神様』めぇぇぇぇぇ!!!
今度会ったら殴る。
……いや、違うな。
落ち着け、落ち着くんだ俺。
俺はてっきり、この世界がコードギアスのアニメを基準にしていたとてっきり思い込んでしまい、その考えを基準に行動してきた。
そこで『ナイトメア・オブ・ナナリー』のアリスたちを、毒島やアンジュのような『異例の
何せ全裸ナナリー『ネモ』がいなかったし、ルルーシュも無事にちゃんとCCと出会い、シンジュクゲットーは『ナイトメア・オブ・ナナリー』とは違う結末だったことでどこか安心してしまった。
その結果が、今の体たらくだ。
「クソ。」
思わず動かない手を握ろうとして、それさえもできないフラストレーションがたまってはそんな言葉が口から出てしまう。
アリスの言ったことを踏まえると、『アニメ』だけじゃなくて『コミック』や『ゲーム』などが混ざりこんでいる世界だろう。
……多分。
いや、そうとしか考えられない。
という事は、俺の持つ『原作知識』はもうそろそろ頼れなくなる。
「クソ。」
そう言いながら今後の事を考えることしか、今の俺には出来なかった。
これが俺の思っている通り……というかR2の描写から察するに、カレンと四聖剣の残りは逃亡中だな。
……井上さんや吉田は大丈夫かな?
一期でかなり呆気ない亡くなり方をしたから一応マーヤにメッセージを送ったし、今のところ『死亡者リスト』に出ていない。
キョウトの生き残りである神楽耶、ラクシャータ、ディートハルト、それ以外にも桐原は多分中華連邦に逃げているだろう。
毒島が何故これを手助けしてから戻ってくるか気持ちは分かる。
何せ最後の肉親とも呼べる
それに原作と違って『ユーフェミアはゼロに討たれた』という放送はされているが彼女は生きている。
もう完全にラクス・クライ〇シチュだよ、コンチクショウめ。
あとはギアスにかけられて、『ありがとう、ダールトン』からのハドロン砲で死んだはずのダールトンが、コーネリアと一緒に『行方不明』となったことか?
多分、これから二人でギアス響団を探るんだろうな。
と言うか、して欲しくはある。
それに……一番気がかりなのはカレンだ。
原作で神根島までスザクを追った彼女は、ゼロがルルーシュであることと彼のギアスに操られていることで、その場から逃げ出してしまった。
流石に時間が無かったから『ゼロ=ルルーシュ』とそれとなくド直球で伝えたが……
そう思ったら、敗戦後によく泣くカレンを思い出してしまう。
あの時はなだめるのに、俺もナオトさんも苦労したな。
泣いてなければ良いが……
「クソ。」
今の俺は、動けない状態が凄くもどかしく感じる。
良くわからない、モヤっとした感じが俺の中でグルグルと循環していた。