小心者、コードギアスの世界を生き残る。   作:haru970

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6/26/2022 9:17
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第09話 フルフェイスメットのライダーにクラスチェンジ

 アッシュフォード学園に入学したアンジュリーゼはすぐさま噂になった。

 

 悪い方向に。

 

 誰に対しても距離を置く『高嶺の花気取り』。

 そして俺には傲慢、我儘、短気のジェットストリームアタック。

 まるで一種のゲームに出てくる、『ざまぁ』される(された?)悪役令嬢そのものだ。

 

 ハァ~……どうしたものか。

 

「ちょっとスヴェン?」

 

 そんなことをシュタットフェルト家で考えていると、後ろからカレンがおずおずと名前を呼んだことで俺は今にも滑り落ちそうな仮面を戻す。

 

「……はい、なんでございましょうか?」

 

 「ね、ねぇ? 私、もっと学校に行こうか? なんか大変そうな顔しているよ?」

 

 え?

 顔に出るまで疲れていたか、俺?

 やばいな……なにか考えないと。

 でも俺の知っている『アンジュ』って基本、我儘が強いからな~。

 

「いえいえ、お気になさらずに。 では、今日も良い一日を。」

 

「う、うん……ありがとう?」

 

 カレンの言っていることは多分だが、俺の()()()()の事だろう。

 

 一つは、『病弱なカレンの代わりに学園を通う世話係』生活。

 彼女は事情により出席数が免除されている代わりに良い成績が前提とされている。

 試験などは『教師が個人で見張る』って感じでなんとか原作までには持っていけそうだ。

 ただ、これらに理事長であるルーベン・アッシュフォードが直接関与しているらしく、多分だがカレンがあっていた虐めとかからの配慮だと思う。

 道理で原作でもルルーシュが『殆んど見かけなかった』と言っていたわけだ、同じ二年生だというのに。

 

 二つめは『レジスタンスの後方支援、及び整備班』生活。

 これは出来るだけナオトさんが気を使ってくれて簡単な作業しか回してもらっていない。

 主にこの時間は俺専用の装備開発に専念できる。

 これから色々と動き出すからな、『備えあれば患いなし』だ。

 だけど玉城の奴が『暇だからなんか作れ』ってうるさかったから、原作で見た『仕込みナイフinポーチ』を取り敢えず作ったら何故かカレンが『これは私のだから! 他の奴らが何か欲しいのなら“自分でアイデアを考えな!”って言え!』で、頑なに同じようなものを俺が作るのを嫌がるし……

 

 余談だが玉城には『靴底に仕込みナイフ』を作ってやったが、早速無茶をして壊しやがった。

 “お気に入りのスライディングナイフだった”? 

 “高い靴だった”? 

 知らん。

 それを面白がって空き缶や壁を次から次へと蹴ってぶっ刺したお前が悪い。

 

 そして最後は『世間知らず(アンジュリーゼ)のフォロー』。

 まぁ要するに、シュタットフェルト家でカレンの為にやっていることを学園でアンジュリーゼにやるってことだ。

 

 上記の二つは紅月家に島流しされたからある程度の覚悟はしていたが、三つめは管轄&完全な予想外だ。

 

 何せ俺は実質上、カレン(レジスタンス)アンジュリーゼ(生粋の箱入り)のダブル世話係(フォロー)をしていることになるし。

 

 だが心配されずとも何とかやっていけている間は二人には秘密だ。

 特にカレンだ。

 

 もしこのことを彼女が知ったら容易に病弱設定を壊してでも宣戦布告の“めぐりあい”……じゃなくて、“なぐりあい宇宙”へと事は発展するだろう。

 

 人は悲し()み重ねて大人になる~♪ 

 俺は信じ(Believeし)てしまうぜ~♪

 

 ……コホン。

 原作が始まるのは確か二年生……その時まで一年を切ったというのに、カレンに明らかな原作外の行動に出させては駄目だ。

 

 何のために様々なことを耐え忍んで、それ(原作一話)までの一連の出来事を出来るだけなぞらえていると思う?

 

「と言う訳でミレイ会長。 いつまで私にミスルギ嬢の世話をさせるつもりですか?」

 

 元々“と言う訳で”で全てを始めた原因(ミレイ)に、それとなく“いつまでボランティア活動をさせるのか”で抗議した。

 

「あら? あの子に口が利けるのって、貴方ぐらいよ? あとはおじいちゃん(理事長)だけど、さすがにそんなに時間が取れないわ。」

 

 あれは“口が利ける”と呼ぶよりは、『ストレス解消の愚痴を受けている』だけなのですが?

 

 余談だが“配給品の食べ物ですって? そんなもの食べられるわけないじゃない。 貴方が何か作りなさい”と言われて作った肉じゃがを、彼女が高級なシチューと間違えて黙々と食べたのがおかしかったとか。

 

 けれどそんな『面白い事』より『ストレス』が勝っている。

 

「それにあの子って箱入り過ぎるから、学園にいる間は『従者見習い』としての能力を活かせれる “練習台”と思えばいいじゃない!」

 

 プライドが高くて頑固な箱入り貴族はノーサンキュー。

 

 しかも俺の場合、『従者見習い』は色々と都合が良かったからで本気でそれを一生やるつもりはない

 

 機嫌次第でころころ変わる要求と雑務の追加。

 身の回りの世話に食事の準備に掃除。

 ……………………………………………………あと(下着を含む)洗濯。

 

 最後のは『肌着(下着)はご自分で』と伝えようとしたが、聞く耳を持たなかった。

 

 決して俺の意思で始めたわけじゃないぞ?

 

 体(と精神)が持たねぇよコンチクショウ。

 

「ミレイ会長ならば同じ女性ですし、それに────」

「────無理。 話かけようとしたけれど、相手にされなかったわ────」

 

『────同じ没落貴族同士なのにねぇ~?』という続きの言葉を、俺は困った顔で苦笑いをするミレイが言ったような気がした。

 

「それに、もし本当にスヴェンが嫌だというのならあの子に構うことをやめれば済む事じゃない?」

 

 前言撤回。

 

 そんな、“もう面倒見たくないからペットをポイ捨てバイバイビ~!”をする最低野郎みたいなことが出来るかッ!

 しかもその邪悪な笑みは、それを知っていてわざと言っているだろ?!

 

「う~ん、でもスヴェンの言い分もあるから……あの子がせめて、私たち生徒会と()()()話し合えるまででいいわ!」

 

 ミレイさんや。

 その条件、難易度が逆にヘルモードなのでは?

 

 どないせぇちゅうねん。

 

 …………

 ………

 ……

 …

 

「その……心中お察しします、スヴェンさん。」

 

 俺はあの後、癒しを求めた。

 

 ナナリーマジ天使。

 

「ありがとう、ナナリー。」

 

 彼女の侍女である咲世子さんが淹れた紅茶を俺は飲み干して、一時の平和をかみしめてから再び()()へと向かう。

 

 やっぱりすごいな、咲世子さんは。

 従者としても、武術方面でも()()をしなければまるで勝てる気がしない。

 

「ごちそうさまでした。」

 

 ハァー……昴、いってきま~す。

 

 内心でため息を出しながら席を立つとその時、ルルーシュが入って来て俺を見ては複雑そうな顔をする。

 

「ん。 スヴェンか? 丁度良かった、になるのか?」

 

「ルルーシュ? どうかしたのか?」

 

 丁度良かったとは何ぞや?

 

「俺の見間違いと思いたいのだが……スヴェン、ミスルギさんから租界へ出る予定とかあるか聞いたか? さっき通りかかった学生から彼女が少し前にフラフラしながら学園の門から出るのを見たと言っていたぞ? 時間もかなり遅くなっているし────」

 

 ────あンのひねくれ娘ぇぇぇぇぇぇ!

 

「ルルーシュ! リヴァルに“バイクを借りる”と伝えてくれ。」

 

 俺は近くの窓を開けて、そのまま飛び出した。

 

 昴! 行きまぁぁぁぁぁす!

 

「スヴェン、バイクのエナジーは満タンに戻しておけよ?!」

 

 知ってらぁ。

 

 俺は地面に着地し、転がりながらリヴァルのバイクにまたがってスペアキーでエンジンをかけてから携帯をいじる。

 

 プルルルル。 プルルルル。

 

「(頼む、出てきてくれ!)」

 

 ピッ♪

 

 フルフェイスのヘルメットをかぶる前に携帯を耳にかけ、バイクをフルスロットルにしながら学園の門を抜けると同時に優男()の仮面を取り外す。

 

『久しぶりだな、()?』

 

「ああ。 久しぶりだな、()()。」

 

『君からこんな時間に連絡を寄こすとは何ごとだ?』

 

「手を貸せ。」

 

『相変わらず強引だな君は。 学園で見かける()()()()調()()はどうしたというのだ?』

 

「今は急いでいる、お前の雑談に付き合う気はない。 アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギが租界へと出たとついさっき聞いた。 一人でだ。」

 

『ふむ……それで? 君は私に彼女を探す()()()をしてほしいと?』

 

「話が早くて助かる。」

 

『良いだろう。 今度の週末、私と付き合え。』

 

「彼女が無事ならばな。 今、どこにいる?」




短くて申し訳ございません……
キリが良いところ&ストックが出来ていないので……(´;ω;`)

ただ、このぐらいの長さでしたら大体同じ時間帯&毎日投稿は可能……と思いたいです。 (汗汗汗
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