TS転生セシリアが『原初』のリンクスになるようです 作:相川翔太
二次創作の投稿は初めてですが頑張って投稿していこうと思います。
それはある日、唐突に起こった。
世界有数の軍事企業達が各国に対して大規模なクーデターを起こし、全面戦争を開始したのである。
本来なら“白騎士事件”に匹敵しうるこの大事件に対して各国政府は驚きつつも楽観視していた。
なぜなら最強の兵器である“インフィニット・ストラトス”、通称IS467機の大半は各国が所有しており、企業達が所有している物はせいぜい技術研究用のISが十数機程度だったからである。
「企業共の反乱など三日で鎮圧してみせる!」
某国の将軍は作戦本部でそう息巻いた。
――しかし、その予想は開戦早々に裏切られた。
企業がこの日の為に秘密裏に開発していた新技術を盛り込んだ最新鋭兵器、『ネクスト』を実戦投入したのである。
その性能は凄まじく、国家の最強の兵器であったISすらも軽く凌駕するその姿は正に、『
――このネクストの登場により、各国の戦線は僅か五日で崩壊した。
あまりの事態に各国政府は恐慌状態に陥り、企業側のネクストに対抗する為に国家保有のISを根こそぎ送り込むだけでなく、国際条約を無視してIS学園の保有するISや代表候補生、教員、生徒を強制的に徴用し各戦線に投入する事態となる。
しかし、そんな国家の努力も焼け石に水であり、戦況は悪化の一途を辿っていた。
――そして開戦から三週間が経った・・・。
「何処だッ!何処に居るんだ、セシリア!!」
あちこちから砲撃や爆発の音が響く戦場で、
その少女の名は“セシリア・オルコット”。
今回、国家に反乱した企業の一つに所属していた少女であり、開戦前にIS学園から去り、一夏の前から突然姿を消した少女である。
普通に考えればセシリアは企業のスパイとしてIS学園に潜入しており、世界に二人しかいない男のIS適正者である一夏に接触してきたと考える方が自然である。
――しかし、それでも一夏はセシリアを信じたかった。
物心つく頃から天才である姉と弟と比較され続け、すっかり荒んでいた一夏の心を癒やしてくれたのはセシリアだったのだ。
セシリアは一夏に、一人の『人間』として、そして一人の『男』としての『自信』と『誇り』を与えてくれた。
もしセシリアがただのスパイだったらそんなことまでする必要は無い。怪しまれない様に当たり障りのない関係を維持しようとするはずだ。
なのに、セシリアはこんな自分に親身に寄り添ってくれたのだ。
――セシリア自身に、そんな
だから一夏は戦場でセシリアを探した。
もう一度、一目でも会いたくて、想いを伝えたくて・・・・・・。
一夏はネクストが出現したという報告が来たら、たとえ怪我の治療中であろうとも即座に出撃した。
国家の為でも、他の誰かの為でもなく、ただセシリアに会う為に。
ブリーフィングで聞いた情報によれば、現時点で世界で確認されている企業のネクストの数は26機。その中にセシリアがいるはずである。
そして今日もネクスト出現の情報を得た一夏は出撃し、戦場を駆けていた。
――企業の戦車や戦闘機、車両や歩兵を吐きそうになりながらも撃破しながら・・・・・・。
開戦から三週間、ずっと戦い続けていた一夏だったが、セシリアとの交流によって元来の優しさを取り戻していた一夏にとって“ヒト”を殺すという不快感と罪悪感は慣れなかった。
(セシリアもこんな思いをして戦っていたのか・・・・・・)
一夏は戦場にいるであろう心優しい少女に思いを馳せ、心を痛めた。
その時である。一夏の体に悪寒が走り、一夏は咄嗟に回避行動を行った。
その判断は正しく、さっきまで一夏がいた場所をレーザーキャノンの砲撃が通過した後、地面に着弾し巨大なクレーターを作った。
一夏は砲撃の飛んできた方を見て敵を視認した。
そこにいたのは特徴的な皿の様な頭部を持つ、軽量型のネクストだった。肩にはオーメル・サイエンス・テクノロジー社のエンブレムが取り付けられている。
(セシリアじゃない・・・・・・)
セシリアはレイレナード社に所属していると言っていたのを一夏は覚えていた。つまりこのネクストはセシリアではないと言う事だった。
その事に若干落胆しつつも一夏は目の前のネクストとどう戦うか頭を巡らす。ISではネクストには勝てないということは既に証明されている。一夏はセシリアに会うという目的の為に、この死神からなんとしてでも生き延びなければならないのだ。
一夏が生き延びる為の作戦を考えているとネクストが回線を開いた。
「へぇ・・・、今のを避けるか・・・。興味アリ、だな」
その声を聞いて一夏はセシリアが言っていたとある人物を思い出し、慌てて目の前のネクストと回線を繋ぐ。
「お前、“セロ”だろッ!オーメルの天才のッ!!」
突然の一夏の通信にセロは怪訝な様子で返答する。
「なんで僕の名前を知って・・・。ああ、セシリアが喋ったのか。おしゃべりな女だ。と、言う事はお前がセシリアの言っていた織斑一夏、か・・・」
「俺の事はどうでもいいッ!なあ、お前なら知ってるんだろッ!セシリアの居場所をッ!」
「それを聞いてどうする?」
「セシリアと会って、会って話がしたい・・・。そして、そして・・・・・・。」
セロの問いに一夏は言葉を詰まらせながら答えようとする。
するとそんな一夏の様子を見たセロは静かに
「ふふふふ・・・」
「!?、何が可笑しいッ!!」
セロの自分を馬鹿にする態度に一夏は激昂した。そんな一夏を気にすることなくセロは口を開いた。
「いや、あまりに滑稽だったものだからつい、ね・・・。嗤ったことは謝るよ。そして、ああ、セシリアのことだったか・・・。残念だけど、レイレナード陣営の事は僕は知らないよ。この戦闘区域はオーメルの担当だしね」
「そ、そうなのか・・・」
セロならセシリアの事を知っていると思っていた一夏はセロの言葉に落胆した。しかし、すぐに頭を切り替えセロを睨む。
するとセロはそんな一夏を嘲る様に言葉を続けた。
「まあ、でも、セシリアは今回の戦争には出撃していないんじゃあないかな?お前が知ってるか知らないけれど、『
「それに・・・・・・?」
「今回の戦争が終わったら『
「え・・・・・・」
――セロの言葉に一夏は頭が真っ白になった。
セロの言葉が真実ならばセシリアは、あの優しい少女は、文字通り全てを捧げて尽くした『
知らず知らずの内に一夏は両手を力強く握りしめ、俯いた。
そんな一夏の様子に気を良くしたのか、セロは上機嫌に続けた。
「まあ、心配しなくてもセシリアは幸せにしてやるさ・・・。僕は自分の『
「・・・じゃないんだぞ・・・・・・」
「うん?」
俯いていた一夏は勢いよく顔を上げ、吠えた。
「セシリアは『
そう叫びながら一夏は機体を瞬時加速させ、セロに突っ込んだ。
――そして一人の少女を巡った激しい戦いが繰り広げられることになる。
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そんな二人の戦いを、カナダにある特徴的な構造をしているレイレナード本社、『エグザウィル』の作戦司令室の大型モニターで眺めている少女がいた。
一夏とセロ、二人の戦いの元になった少女、セシリア・オルコットである。
セシリアは愛用の杖を突きながらモニターをジッと眺めていた。
周囲の人間はそんなセシリアの様子を痛ましげに見ていた。
それはそうだろう。周囲の人間はセシリアが一夏、セロ両方の男と懇意にしていたことを知っていた。
そんな二人が殺し合っているのだ。セシリアの心中はいかばかりか。
そんな周囲の様子を尻目に、セシリアはまったく違う動揺をしていた。
(なぁにこれぇ・・・)
プロローグはこんな感じになりました。
登場するネクストの大きさはISと同じくらいの大きさです。
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