TS転生セシリアが『原初』のリンクスになるようです 作:相川翔太
感想を三つもいただいて嬉しい限りです。
感想を頂けるとモチベーションがムンムンと湧いてきますね。
セシリア日記1
12月24日 雪
五歳の誕生日プレゼントに日記帳を貰ったので今日から英語の練習の為にも日記を付けていこうと思う。
――突然だが俺には前世の記憶がある。
前世は日本人で、いい年をしてアニオタだった男である。
よくある神様にチートを貰って転生!、みたいなのでは無く、今日みたいに雪の降る日に職場に向かっている途中に事故って死んだんだと思う・・・。
思う、と言うのは最後に見た光景が車のタイヤがスリップした反対車線の車が突っ込んで来た瞬間だったからだ。
そして気がついたとき、俺は赤ん坊になっていた。それも元気な『女の子』に・・・・・・。
ナンデッ!?と思ったが、転生しなかったらそのままくたばってたのでこの幸運に感謝することにした。
そして俺の“セシリア”としての第二の人生が始まったのだった・・・。
○月×日 雨
俺が生まれたのはファンタジー世界などではなく現代のイギリスだった。それも名門貴族の生まれである。
最初それを知ったとき“勝ち組だ、やったぜ!”と思ったのだが貴族としての知識や教養、マナーなどを徹底的に教え込まれた。
日本人から見たら優雅そうに見えた貴族だったが、実際にはこんなに地味な努力をしているんだなぁ・・・と現実を思い知らされた。
△月×日 晴れ
今日テレビを見ていたら緊急速報が入った。
なんと、日本に向かって2341発ものミサイルが発射されたというのだ。
前世の故郷が火の海になるとあっては流石の俺も気が気じゃなかったのだが、ミサイルは日本に着弾することはなかった。
一月前、うさ耳を着けた、なんとか束とかいう女が発表したISとか言う機動兵器が全て迎撃したのだ。
その後、各国がその兵器をとっ捕まえようとしたみたいだが失敗したようだった。
俺は現代に転生したと思っていたけれど、未来に転生してたんだな~と暢気に思った。
12月24日 雪
七歳になった。
――この二年で世界は変わった。
二年前の『白騎士事件』によって・・・・・・。
最強の兵器であるISは女しか使えないということで、世界は『女尊男卑』の世界になったのだ。
正直、俺は疑問しか浮かばなかった。
だってそうだろう?石器時代じゃあるまいし、強い武器を使えるから偉いってなんだよ!!
前、俺は未来に転生したと日記に書いた気がするが、どうやら人類の精神的には過去に転生してしまったらしい・・・。
女尊男卑の世界になってしまったおかげで、元々婿養子で肩身の狭かった親父がますます縮こまってしまった。
あのお袋から俺を生ませたんだからもっと自信を持ってもいいのになぁ・・・。
しゃーない、また慰めてやっかな!
◎月□日 くもり
ISの世界大会『モンド・グロッソ』が閉幕した。
総合優勝したのは日本の織斑千冬と言う人だった。まだ若いのにすごいなぁと思った(小並感)
でも優勝した称号名が『ブリュンヒルデ』は厨二全開すぎてまったく関係ない俺が何故か恥ずかしくなった。
女になってから結構経つが女の感性は慣れないなぁ・・・。
12月24日 雪
今日、俺は記念すべき十歳の誕生日を迎えた。
実は一週間前から俺は今日を楽しみにしていた。
なぜなら今日は日本食レストランでラーメンを食べに行く日だったからだ。
一週間前にお袋が「セシリア、誕生日に外食に行くけど何が食べたい?」と聞いてきたので、俺は迷わずに「ラーメンが食べたいッ!」と言った。
転生してから十年経ってイギリス料理にも慣れてきていたが、元日本人の俺としては日本食が恋しかった。それも高級な日本食じゃなくて庶民の味であり、俺の大好物だったラーメンが食べたかったのだ。
俺の発言を受けてお袋はやはりと言うべきか「そんなモノ、私たちが喰うモノじゃない」と言って反対してきた。
「やっぱり駄目か~」と俺ががっかりしていると意外なところから援護が飛んできた。
――親父である。
親父は「セシリアの十歳の誕生日だし、セシリアの食べたいものを食べさせてあげよう」とお袋に意見したのである。
親父がお袋に意見するのは俺が十年間生きてきて初めての事だったので俺は驚いた。
お袋はもっと驚いたらしく、ポカンと口を開けて親父を見ていた。そんなお袋の姿を親父はまっすぐに見つめていた。
そのまま十秒ほど時間が経ったかと思うとお袋が折れ、俺はラーメンを食べに行けることになった。
俺は親父にお礼を言うと親父は「僕はセシリアの“父親”だよ?当然じゃないか!」と何かスッキリした顔で言った。
親父に何があったか知らないが、親父のおかげでラーメンが食べられるのだ。俺は親父に心から感謝した。
そして今日、家族三人でラーメンを食べてきた。
十年ぶりのラーメンは想像を絶する旨さで俺はおかわりもした。
お腹がいっぱいになり、帰りの親父の運転する車でついウトウトして眠ってしまった。
目が覚めたのは家に着いてからだった。目が覚めるとなんとなく親父とお袋の距離が近くなったような気がする。
俺が寝ている間に何かあったんだろうか?
疑問は尽きないが夫婦仲がいいことは良いことだと俺は思った。
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親父side
家族三人でラーメンを食べに行った後セシリアは眠ってしまった。
その姿は普段の大人びた姿ではなく、年相応のものの様に見えた。
――セシリアは聡明な子だった。
幼いころから我が儘も言わず、妻の方針で淑女としての教育も文句を言わずに受けていた。
・・・・・・本当は子供らしく、もっと遊びたかっただろうに・・・。
何度か妻にセシリアの教育について意見を言おうと思ったが、自分の婿養子という立場に萎縮してしまって結局何も言う事は出来なかった。
我ながら父親として恥ずかしい姿だったと思う。
しかし、そんな父親の姿を見ながらもセシリアは決して自分を軽蔑したりしなかった。むしろ妻が家にいない時などは積極的に自分に甘えてきてくれた。
それが嬉しくもあり、情けなくもあった。自分はこんな小さな娘にさえ気を遣わせてしまっていたからだ。
ある日、ポロッとセシリアに聞いてしまった。
「こんな父親でセシリアは嫌じゃないのか?」と・・・・・・。
僕のこの疑問に対してセシリアは一瞬驚いた顔をした後、僕をまっすぐに見つめて言った。
「お父様は私のお父様だよ?どんなにかっこ悪くたって嫌いになんかならないよ?」
その言葉を聞いた瞬間、僕は泣いてしまった。そして泣きながらセシリアを抱きしめて、何度も“ありがとう”と言った。
相変わらずかっこ悪い僕だったが、そんな僕をセシリアは静かに抱きしめ返してくれたのだった・・・・・・。
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そんな昔の事を思い出しながら車を運転していると後部座席の妻が話しかけてきた。
「ねぇ、あなたどうしたの?」
「どうしたって、何がだい?」
「この間のことよ。あなたが私に何か意見を言うなんて結婚前も後もなかったじゃない?何かあったの?」
「何にもないよ。ただ・・・」
「ただ?」
「セシリアにちょっとでもかっこ良くて、頼れる父親の姿を見せたかった・・・。それだけさ」
僕の回答に妻は一瞬呆けた顔をした後、笑いながら言った。
「あっはっは。あなたからそんな言葉から出てくるなんてね、驚きだわ」
「悪いかい?」
「まさか。ようやく私に相応しい男になったわね、褒めてあげるわ」
「光栄だね」
「ねぇ、結婚前に一回だけあなたの運転でドライブデートしたでしょ?今度予定を開けるからもう一回どう?」
「いいね、夫婦水入らずで楽しもう」
「エスコートお願いしますわね、旦那様?」
そんな会話をしながら家までの帰路に着くのだった。
いかがだったでしょうか?
色々考えた結果、テンポを良くする為にセシリア視点は基本的に日記形式にしていくことにしました。
後、セシリアの親父の名前って原作で明らかになってましたっけ?
作者の原作知識は7巻までしかなく、現在手元にない状態なのであやふやです。
もし親父の名前があったら修正しますので現時点では申し訳ありませんがこれでお願いします。
誤字・脱字報告、ご意見・ご感想よろしくお願いします。