TS転生セシリアが『原初』のリンクスになるようです 作:相川翔太
年末までに投稿出来ればと頑張っていたのですがリアルが忙しくて年明けになってしまいました。申し訳ありません。
稚作ですが本年もよろしくお願いします。
何回か振り返って一夏が織斑先生と山田先生、会長と一緒に会議室に入っていくのを見届けた後、俺は部屋へと歩き出した。
う~ん、一夏は大丈夫だろうか・・・。
一夏の話を聞いた限り、織斑先生とは微妙な関係だし、今にして思えば会長も俺と話した感じだと、どことなくオーメル臭がするし・・・。
まぁ、匂いなんて分かんないからガチのヤツじゃなくて雰囲気がってことなんだけどね?
せめて山田先生が主体で一夏から話を聞いてくれるって感じだったら一夏もちゃんと喋れると思うんだけども・・・。
・・・・・・・・・。
だ、大丈夫さ!きっと大丈夫、大丈夫!!
一夏を信じるんだ!そう、信じるんだ!!信じなさい、信じなさい・・・。
そう自己暗示のように頭の中で一夏のことを考えながら寮の方まで歩いて来たのだが、ちょっち出会いたくないヤツらと出くわしてしまった。
「それでは秋二さま、よろしければまた二人でゆっくりと・・・」
「ああ、ありがとう、グレイス。またいろいろと話を聞け・・・、って、セシリア!?」
――そう、グレイスと秋二である。
二人は何やら廊下で会話していた様だが俺に気付いた秋二がグレイスとの会話を打ち切り俺に近づいてきた。
いやいや、秋二くん?それはちょっとグレイスに失礼でしょうよ・・・。
ほら~、グレイスが俺のこと睨んでんじゃん。これ、絶対面倒なことになるやつじゃん・・・。
「えぇっと、秋二さんにファロンさん、ごきげんよう。それでは、私はこれで・・・」
そう言って面倒なことになる前に適当に挨拶をしてやり過ごそうとすると、
「い、いや、ちょっと待ってくれ!」
「きゃ!?」
――がちゃっ!ずるりっ!!どすんっ!!!
秋二の横を通り過ぎようとした俺の
さらに運が悪いことに、転ぶ際に俺の体重と勢いが重なった結果、義手のジョイントが上手い具合?に外れてしまい、義手がなくなった俺は受け身が取れずに背中から盛大にぶっ倒れることになってしまった。
まぁ、痛みは感じないし、不幸中の幸いと言うべきか
さて、結果的にとは言え俺の左腕をもいでしまった秋二はと言うと・・・。
「わ、悪いセシリ・・・、うっわぁ!?」
倒れた俺の心配をしたかと思ったら、自分が俺の外れた義手を丸々一本握っていることに気付くとたまげたらしく義手を放り投げるようにして手放した。
いや、うん・・・。
状況が状況だから驚くのは仕方ないけど、人のモノをそんな風にされるとあんまり気分良くないよね・・・。
そんな気分になりつつもいつまでも倒れている訳にいかないので、とりあえず仰向けの状態から身体を反転。はいはいをしながら外れた義手を回収して装着する。
そして指を一本づつ動かして動作を確認。
――うん、問題なし!!
義手の動作確認も終えて杖を支えにして立ち上がろうとすると、
「あ!?ご、ごめん、セシリア!?手伝うよ!!」
「え、ちょ、し、秋二さん!?きゃっ!?」
秋二が背後から俺の両脇に手を通してそのまま持ち上げてきた。
いや、ちょっと秋二くん?お気遣いありがたいんだけど、いきなりは止めてくれ。
この持ち上げ方だと俺も身動きが取れないし、俺の見た目よりも重い全体重がお前の腕とか腰とかにかかって下手すると傷めるよ?
・・・まぁ、立ち上がらせて貰ったのは事実なので礼を言おうとすると、これまでのやり取りを静観していたグレイスが口を開いた。
「・・・秋二さま。あなたがお優しいのは分かりますが、あまり『弱者』を甘やかすのは良くありませんことよ?オルコット、さんも秋二さまのご厚意を当たり前だと思わないように気を付けなさい?」
――ははは、おもしれぇこと言うなぁ、
俺は別に秋二に自分から助けなんて求めてないし、ちゃんと秋二にお礼も言おうとしたよ?
なのにその言い方は無いでしょうよ?
グレイスのあまりに失礼な物言いに内心、
「・・・えぇ、そうですね。以後、気を付けようと思います。ご指摘ありがとうございます。秋二さん、立ち上がらせていただきありがとうごうございました。それでは、本当に私はこれで・・・」
「え!?ちょっと待ってくれセシリア、話を・・・」
秋二が何か言っているが気にしないで自分の部屋へ足を進める。
後ろから何やら言い合う声がするが気にしない。
――気にしないったら気にしないんだからねっ!!
・
・
・
・
・
さて、そんなことがあり部屋へ戻って来た俺であるが、何かしないと内心のイラつきが収まらず、戻ってきてから一夏と二人で片付けようと言っていた割れたティーカップやテーブルクロスの片付けを一人で行った。
片付けが終わってもまだモヤモヤしていたので、自分のベッドで横になり枕元にあるクマのぬいぐるみをもみもみしたり抱きしめたりしていた。
ちなみに、このぬいぐるみはアクアビットの女性リンクス『P.ダム』がIS学園入学前に俺にくれたものである。
しばらくそうしているとだいぶ気分も落ち着き、時間を確認するともう夕食の時間だったので、ダンボールから栄養食のチューブを取り出し、明日からの予定を考えたり、もうこんな時間だけど一夏は夕食どうすんのかな?などいろいろ考えながら食べた。
そしてちょうど食べ終えたところで"コンコン”とノックの音が聞こえた。
お、一夏が帰ってきたかな?
チューブをゴミ箱に捨てドアへ向かう。
そうしてドアを開けると一夏が若干疲れた顔をしながら立っていた。
――もしかして・・・、結構
そんなことを思いながら一夏に声をかける。
「お帰りなさい、一夏さん。あの、かなり遅かったですけど大丈夫でしたか?」
「あ、あぁ、うん。・・・ただいま、セシリア。話が終わった後に参考書を取りに行ったりしてたから遅くなったんだ。心配させてごめん」
「いえいえ、大丈夫ですよ?とりあえず、中に入ってゆっくり休んで下さい」
いや、本当に今日はいろいろあって疲れたっしょ?
――ゆっくりしな?な?
あ、そうだった・・・。
「そう言えば、一夏さんは夕飯はどうしますか?」
もう時間的に食堂は閉まっちゃってるだろうし、下手すると飯抜きになっちゃうぞ?
まぁ、お茶会用の菓子があるから最悪、それで明日の朝まで持たせるって手もあるけども・・・。
「うん?あぁ、それは大丈夫。お茶会の前に購買でパンとか買ってたから」
あ、そーいや、最初部屋に一夏が入ってきた時になんかビニール袋持ってたっけか。
――なら一安心。
「あ、そうでしたか。なら、食べながら明日以降のことについて少し話しましょうか?」
「お、おう・・・」
・
・
・
・
・
その後、一夏が夕食を食べている間に今後のことを話し合い、今日は疲れただろうからシャワーを浴びてもう寝た方が良いということになり、一夏をシャワールームへ送り出した。
そして一夏がシャワーを浴びている間に寝間着に着替えようと思ったのだが、問題発生。
――俺の寝間着、ネグリジェしかないじゃん・・・。
IS学園に引っ越しの時、一人部屋だって聞いてたから、楽だからこれでいいやってネグリジェにしたんだけど、これは思春期真っ盛りの男の子には刺激が強いか?いやいやいや、それ以前に・・・。
・・・・・・・・・。
いや、よくよく俺の身体について考えたら、こんなのに欲情するヤツはいない、とは言い切れないけども、少なくとも一夏は違うだろうから大丈夫でしょ・・・。
大丈夫だよな?
そう考えながら一夏が出てくる前に寝間着に着替え、右腕以外の義手と義足を外す。
すると一夏がシャワールームから頭をタオルで拭きながら出てきた。
「どうです、一夏さん?すっきり出来ましたか?」
「あぁ、だいぶ・・・、うぉ!?」
あ、この反応は大丈夫そうですね。『
「あはは、驚かせて申し訳ありません、一夏さん。ご不快かも知れませんが今、私はこの寝間着しか持っていなくて・・・。後日、別のモノを用意しますのでそれまでは・・・」
「!?、い、いや、いや、いいよ!?そのままで良いって!?俺は気にしないから、全然気にしないから!!」
――本当ぉ?
めっちゃガン見してるじゃん・・・。また変な空気になっちゃってるじゃん・・・・・・。
あ、良いこと思いついた!!
「そ、そうですか。あ、一夏さん、私があんまりにも魅力的だからって手を出しちゃ駄目ですよ?文字通り手も足も、いえ、私の場合は義手も義足も出せないんですからね?」
場を和ませようと俺は渾身のジョークを披露したのだが・・・。
「・・・ごめん、セシリア。それ、ジョークのつもりかもしれないけど全然笑えないんだけど・・・・・・」
――盛大にスベった。
あれ~、おかしいですね~?何がいけなかったんでしょうかね~。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
はい、止め止め!もう寝よ、寝よう!!
「・・・とりあえず、明日から忙しくなりますし、もう寝ましょうか?」
「・・・そうだな、寝るか・・・・・・」
それじゃあ、
――おやすみ、一夏。また明日・・・。
セシリアの義手ジョークの元ネタはスペースオペラの某提督さんですw
誤字・脱字報告、ご意見・ご感想よろしくお願いします。