TS転生セシリアが『原初』のリンクスになるようです   作:相川翔太

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お疲れ様です。
最後の投稿から時間が経って申し訳ありません。

リアルの方でかなり環境の変化がおきたり、途中まで書いていた今話を最初から書き直したりしてこんなに遅くなってしまいました。

拙作ですがどうか今後もよろしくお願いします。


秋二の『ギャップ』、グレイスの『内心』

セシリアと一夏がお茶会を行っているころ、別の場所でも同じくお茶会が行われていた。

 

「以上がわたくしの知るセシリア・オルコットとレイレナードについてとなります。どうでしょう、秋二さまのお役に立ちましたでしょうか?」

 

「あ、あぁ…。グレイス、その、ありがとう……」

 

そう、グレイスと秋二である。

 

秋二の記憶とは違う原作ヒロイン、セシリアとその所属している企業『レイレナード』の情報を得るためにグレイスに接触した秋二はグレイスの部屋で勧められた紅茶を嗜みつつグレイスから話を聞いていた。

 

そうして話を聞き終わったのだが、あまりの原作との違いに困惑しつつもグレイスに礼を言う。

 

秋二の礼に対して「それほどでも…」とグレイスが返す間にも秋二は頭を巡らす。

 

(…どういうことだ?少なくともセシリアに関しては原作と多少は違ったみたいだがお家騒動のきっかけになる両親の事故死は起こったみたいだ。だが……)

 

 

――そのあとが違いすぎるッ!!!

 

 

秋二は心の中でそう叫んだ。

 

そうなのだ。

 

グレイスの話ではセシリアは原作通り両親が事故死し、残された遺産を巡ってお家騒動が起こっていた。

 

まぁ、両親の死因が秋二の記憶だと原作では列車事故だったはずだが、この世界だと車での交通事故と多少違ったようだったが、とにかくセシリアの両親は死亡し、お家騒動が起き、セシリアはオルコット家を守護るための手段としてISの適正試験を受けた。

 

 

そこまでは良かった。

 

 

問題はそのあとだった。

 

(セシリアのIS適正がCランクで落選?原作に影もカタチもなかった企業に所属?専用機は持っているけど全身装甲の第一世代なんだか第二世代なんだかよく分からない機体?その上、そのISの試験中の事故で手足がなくなって髪が白くなる?ふざけんなっ!!)

 

確かに秋二は神に原作と同じとはいかないと事前に聞いていたし自分という存在がいる以上、オリジナルの展開もアリだとは思っていた。

 

 

――だが、これはやりすぎだ。

 

 

セシリアの原作との違いについては秋二は自分でも予測や推測はしていた。

 

しかしグレイスから聞いた話は自身の考えよりもあまりに濃く、その事実に秋二は思わず頭を抱えたくなってしまった。

 

(…どうする?セシリアに関してはもう諦めるか?レイレナードって企業もIS関連に関してはグレイス曰く大したことないみたいに言っていたけど大概ヤバいみたいだし…。ってか、こんな奴らが他も合わせて六つもあるとかマジでヤバ過ぎんだろ、常識的に考えて…)

 

そう考えたところで秋二は原作でもあった特記事項の存在を思い出した。

 

(いや、待て。原作でシャルが特記事項でIS学園に所属している間は大丈夫だったみたいにどんだけ巨大で力があっても企業は企業。手は出せない。それにこっちには千冬姉に対暗部用暗部の楯無会長、そしてなんと言っても『天災』の束さんがいるんだ。グレイスの話だと企業の連中も一枚岩じゃないみたいだし、レイレナードをなんとかすればいくつかの企業はこっちに味方するかもしれない。なら…)

 

そのようなことを秋二が考えていると……。

 

「秋二さま?」

 

グレイスが呼びかけてきた。

 

表情を見るにどうやら黙ってしまった秋二を心配しているらしい。

 

「大丈夫ですか?まぁ、気分が良くなる話ではなかったので仕方ありませんが…」

 

「いや、大丈夫だよ、グレイス。心配してくれてありがとう」

 

「いえ、どういたしまして」

 

するとグレイスはチラリと時計を見た。

 

「もうこんな時間ですか…。名残惜しいですが秋二さま、本日はここまでとしましょう」

 

その言葉に秋二も時計を見る。

 

グレイスの言う通りお茶会を開始してからだいぶ時間が経っていたようである。

 

(欲しかった情報は手に入ったし、ここまでか…)

 

「そうだな、そうしようか」

 

そう言って秋二はグレイスに促され席を立ち、部屋を出る。

 

「それでは秋二さま、よろしければまた二人でゆっくりと・・・」

 

「ああ、ありがとう、グレイス。またいろいろと話を聞け・・・、って、セシリア!?」

 

そしてドアの前でグレイスと会話していた秋二はガチ、ガチという床に何かがぶつかるような音に気付き、そちらの方を向くと…、

 

 

――セシリアが居た。

 

 

(あ、この状況は…マズいッ!!)

 

セシリアの姿を確認した瞬間、そう思った秋二はセシリアに近づく。

 

どこからセシリアが見ていたか分からないが状況的に秋二がグレイスの部屋でナニカをしていたのは明白。

 

今日一日のやり取りで秋二への印象が悪いであろうセシリアに対して「なにもいかがわしいことはしていませんよ」とこれ以上印象を悪くしないためにも弁明する必要があると思ったのだ。

 

 

すると…、

 

 

「えぇっと、秋二さんにファロンさん、ごきげんよう。それでは、私はこれで・・・」

 

セシリアは若干驚いたような顔をすると、そう言って近づく秋二の横を通り抜けようとする。

 

「い、いや、ちょっと待ってくれ!」

 

そんなセシリアを引き留めようと咄嗟に秋二はセシリアの左手を掴んだ。

 

 

――掴んでしまった。

 

 

「きゃ!?」

 

 

するとセシリアが短く悲鳴を上げ…、

 

 

――がちゃっ!ずるりっ!!どすんっ!!!

 

 

バランスを崩したセシリアが背中から倒れてしまった。

 

 

「わ、悪いセシリ・・・、うっわぁ!?」

 

悪気がなかったとはいえセシリアを倒してしまった秋二は慌てて助け起こそうとするが、ある事に気付き、思わず悲鳴を上げる。

 

そう、秋二の手には倒れた際にセシリアの身体から外れ、白い手袋が嵌められた義手が丸ごと握られていたのだ。

 

そして驚いた秋二は反射的にその握っていた義手を放り投げるような形で手放してしまう。

 

 

――ガチャンッ!!

 

 

と、音を立てて少し離れた場所に義手が落ちる。

 

普通、転ばされた上にこんなことをされれば怒りの言葉の一つや二つくらい口にしそうだがセシリアは秋二に対して特に何かを言うことはなく、転んだ状態から器用に四つん這い(正確には四ではないが…)になり、これまた器用に放り投げられた義手の方へ進み始めた。

 

そして義手の元へとたどり着くと左袖に義手を突っ込み、カチャカチャと外れた義手を装着し始める。

 

そんなセシリアに対して特に何かをすることもなく秋二は黙って見ていた。

 

いや、正確に言えばただ黙って見ていたわけではない。

 

簡単に言うと秋二はこの時、セシリアに対して……、

 

 

 

 

 

――ドン引きしていた。

 

 

 

 

 

別にセシリア自体は特段おかしなことはしていない。

 

セシリアの身体でも出来るように自分で外れた義手を拾い、着け直した。

 

 

――ただそれだけ。

 

 

にもかかわらず秋二がドン引きしていた理由はただ一つ。

 

 

それを行ったのが()()()()()()()()()である。

 

 

秋二は転生前の、前世の記憶がある。

 

前世で好きだった『IS』と言う作品の、好きだった登場人物である『セシリア』と言う存在(キャラクター)の記憶がある。

 

当然、秋二の記憶の中のセシリアは四肢がない、なんてことはないのでこんな状況にはなっていない。

 

なのにこの世界のセシリアはこんなことになっている。

 

記憶の中のセシリアの姿と現実のセシリアの姿の違いを目の前でまざまざと見せられ、そのギャップから秋二はドン引きし、行動することが出来なかったのである。

 

そして同時に秋二は思う。思ってしまう。

 

 

 

 

 

(おい、マジかよ…。こんなの、こんなのセシリアじゃ――)

 

 

 

 

 

そこまで思ったところで秋二の脳に電流が走る。

 

(いや、待て…。良いことを思いついた。そのためにまずは……)

 

そう思い直し、秋二は行動を開始した。

 

 

そんな秋二の後ろでセシリアを冷たく見下す目があった。

 

(ふん!企業の犬は犬らしく、そうやって地べたを這っているのがお似合いですわ!!)

 

 

――グレイスである。

 

 

グレイスはとある理由により企業と、そしてセシリア・オルコットと言う存在が嫌いだった。いや…、

 

 

――大嫌いだった。

 

 

その大嫌いな存在が自分の目の前で無様を晒している。

 

表情にこそ表さないがグレイスの内心はザマミロ&スカッとサワヤカの笑いが出てしょうがなかった。

 

しかし、それも束の間。

 

なんと秋二がセシリアを手助けし始めたのである。

 

淑女としてはしたないため舌打ちこそしなかったが、グレイスは苛立ち、心の中で秋二に対して「余計なことを…」と思いながら口を開く。

 

「・・・秋二さま。あなたがお優しいのは分かりますが、あまり『弱者』を甘やかすのは良くありませんことよ?オルコット、さんも秋二さまのご厚意を当たり前だと思わないように気を付けなさい?」

 

そう秋二に窘める体でセシリアに対して『弱者』であること強調し、勘違いをして思い上がらないように釘を刺す。

 

するとセシリアは指摘したグレイスとセシリアを立ち上がらせた秋二に礼を言うと去っていった。

 

そんなセシリアを秋二が呼び止めようとしたので再びグレイスは口を開いた。

 

「秋二さま。こんなことををあまり言いたくはありませんが、弱者を甘やかしても良いことはありません。あなたは…」

 

「なに言ってんだよグレイス!甘やかすとかじゃなくて俺はただセシリアを…」

 

「なんであのお…、オルコットに秋二さまがそんなに気を掛ける必要があるんです?古い付き合いなわけでもありませんし、秋二さまがそんなことをする必要などないと思いますが?」

 

「いや、それを言ったらそうだけども…。でもさ、

 

 

 

 

――可哀想だろ?」

 

 

 

 

 

――嘘をつくな。

 

 

 

 

 

秋二の「セシリアが可哀想」と言う言葉をグレイスは心の中でそうバッサリと切り捨てた。

 

口では相手を思いやるようなことを言いながら心の中ではまったく違うことを考えている存在などグレイスは飽きるほど見てきたし、知っていた。

 

 

『あの子が■■■■だったら■■■■のに』

 

 

自分の両親もそうだったし、現在進行形でイギリス政府からとある指令を受け秋二と接しているグレイス自身もそうだった。

 

 

――そして目の前の男(秋二)もそうだった。

 

 

(…何を考えているかまでは流石に分かりませんが、これまでの様子から察するに天才などと持て囃されていてもこの男(秋二)は典型的な勉強が出来るだけの世間知らずの()鹿()。どうとでも利用できますわ……)

 

 

そう心の中で秋二のことを馬鹿にしながらグレイスは秋二との会話を続けるのだった…。




以上になります。

書き直したのはグレイス周りの話で、最初は詳細に書いていたのですがあとになって、これはもう少し後に判明させた方がいいかな?と思いこんな感じになりましたw

ご意見・ご感想、誤字・脱字報告よろしくお願いします。

追記:2024年11月2日修正および加筆
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