TS転生セシリアが『原初』のリンクスになるようです   作:相川翔太

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沢山の感想ありがとうございます。

前も書きましたが感想を頂けるとモチベーションが全然ちがいますね。

今話はもしかしたら前話以上の描写が入っているので苦手な方は閲覧をお控え下さい。


セシリア日記5(閲覧注意)

○月○日 晴れ

 

名実ともに“()()()()”となった俺は今日もアレサに乗り込んで実験を行った。

 

内容は歩いたり、物をマニュピレータで掴んで運んだりなどの地味な実験だ。

なんでも、AMSとアレサの駆動系への情報伝達不良改善の為のデータ取りのためにしばらくはこの地味な実験を続けるとのことだった。

 

実験をやってて思ったんだが、正直、アレサと繋がってた方が生身だった時よりも手足が自由に動くんだよなぁ・・・。

 

もっと義手と義足の練習をしてアレサに乗っている時と同じように動かせるようにしたいなと思った。

 

 

×月×日 雨

 

手術が終わったので日記を書く。

 

なんで手術をしたのかと言うと、盲腸からの腹膜炎と虫垂炎のコンボが発生して危うく死にかけたからだ。

 

こんな状態になるまで何故気付かなかったかと言うと、『痛覚』が死んでいたからだった。

いや、正確に言うと死んでるのではなくて神経は無事らしいのだが、俺の脳みそがその情報をシャットダウンしているとのことだった。

 

「なんか心当たりある?」と医者が聞いてきたので俺はAMS手術の後に起こったこと思い出しそれを伝えた。

 

医者は「あー・・・」と言うと俺の体に起こっていることを俺に伝えた。

 

医者が言うには、どうやらAMS手術の際の激痛が俺の脳の許容量を超えたらしく、防衛手段として痛みを感じないようにしているらしかった。

 

「それ治るの?」と俺が聞くと、医者は渋い顔で「なんとも言えない・・・」と言った。

 

医者曰く、ただでさえアレサと繋がって膨大な情報を処理している俺の脳が痛覚という情報の処理量を増やす様なことをするかどうか分からないとのことだった。さらに今後も実験を続ける内に脳が『()()()()』と思った情報をシャットダウンするかもしれないと言われた。

 

とりあえず痛覚に関しては治療は続けるとのことだったが「あまり期待はしないほうがいい」と言われた。

 

正直ショックだったが、手足がなくなるよりはまだ不便じゃないと自分に言い聞かせて我慢することにした。

 

 

○月×日 くもり

 

しばらく実験はお休みなので歩く練習をした。

なのだが、全然うまくいかないで転んでばかりだった。

 

自由に動くアレサの脚部をくっつけたいなぁ・・・。

 

 

△月○日 くもり

 

明日から実験再開!

 

いよいよ戦闘機動の実験を行うそうなので味の薄い病院食を食べながら気合いを入れた。

 

頑張るゾイ!

 

 

◎月◎日 晴れ

 

またまた病室で日記を書いている。

 

なんでまた病室にいるのかというと戦闘機動の実験が原因だ。

 

実験当日、クイックブースト(以下QB)と呼ばれる、簡単に言うと瞬間的に高出力でブースターを噴かし、前後左右への短距離ダッシュと高速旋回を行うものの実験を行った。説明とシュミレーターである程度理解していたつもりだったが、実際にアレサに搭乗してQBを行ったらびっくりした。

 

具体的にいうと短距離ダッシュとか高速移動とかの比じゃなくて、正に瞬間移動というような感じだった。

 

――そこで問題が発生した。

 

一回、二回とQBを行い“さぁ次だ!”と思っていると「実験中止ッ!中止だッ!!」と悲鳴のような主任の声と共にアレサを強制的に機能停止させられた。

 

その後、研究員と救護班がやって来てアレサから降ろされたと思ったら何かが喉元を込み上げてきてそのまま吐き出してしまった。

 

俺が“何だ?”と思って吐き出したものを確認するとそれは血だった。

“え!?なんで!?”と俺が思う間もなく担架に乗せられてそのまま病室送りとなった。

 

その後、主任がやって来て俺に状況を説明した。説明によると俺は痛みを感じないので分からなかったのだが、QBの際の強烈なGに俺の内臓が耐えきれずに損傷して吐血したらしい。

 

“じゃあ今後の実験どうするのかな?”と俺が思っていると主任が前みたいな目で「安心してくれ、方法はある!」と言ってきた。

 

“またとんでもない方法なんだろうなぁ・・・”と俺が思っていると主任はその方法を説明した。

 

――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

やっぱりと言うべきか主任の提案はとんでもなかった。

 

だが他に方法がないのも事実なので、“まぁ、仕方ないか・・・”と主任の提案を了承しようとした俺だがふと、あることに気付いて主任に質問した。

 

――内臓を交換した後、子供は産めるのか?

 

俺のこの質問に対して主任は一瞬、ギョッとしたあと沈痛な顔になり、口を開いた。

 

――()()()()()()()

 

その言葉は流石の俺も許容できなかった。

 

俺はレイレナードには恩がある。しかし元を辿れば俺はオルコット家を守護る為に協力しているのであって、協力した結果お家断絶に繋がるのであれば本末転倒だからだ。

 

俺はそれを主任に告げると主任は少し考えた後、俺に「生理は来ているか?」と質問してきた。

そのデリカシーのない質問に俺は少し顔を赤くしながらも「来てる・・・」と答えた。

 

すると、俺の答えを受けた主任は嬉しそうに笑いながら「なら手術の前に卵子を取り出して冷凍保存すれば問題ない」と言った。

 

・・・あんまりにもあんまりな主任の言葉だったが、その方法なら俺もレイレナードも目的を達成できるので俺はそれで妥協することにした。

 

 

 

 

俺の子供は母親の温もりを感じないで生まれてくるのか・・・・・・。

 

 

 

 

 

・・・・・・すまない。

 

 

 

 

○月○日 雨

 

手術完了!

 

卵子も冷凍保存してもらったし、これでオルコット家は安泰だなッ!

 

 

×月×日 雨

 

術後、容体が安定したのでアレサの実験が再開。

 

手術の効果はてきめんで、連続でQBを吹かしても血を吐いたりはしなくなった。

それにしてもアレサのこの機動性はヤバイな。相手からしたらアレサの巨体からは想像もできないほどのスピードで動くんだから悪夢でしかないだろうな(小並感

 

 

◎月△日 くもり

 

最近食事の味付けが薄く感じる。

 

匂いもあんまりしないし、風邪でもひいたかなぁ・・・。

 

でも昨日の検査では問題なしだったんだけどなぁ・・・。

 

 

○月×日 雨

 

簡潔に書く。

 

――()()()()()()()()()()()

 

正確には前、医者が言っていた通り、俺の脳みそが味覚と嗅覚を『()()()()』情報と判断してシャットダウンしているらしかった。

 

一応、味覚と嗅覚がなくなっても食べ物を食べることは出来るのだが、食べてる途中で身体が異物だと判断してしまうらしく途中で吐き出してしまうようになってしまった。

 

おかげで固形物は食べられず、スープのような液状のモノか流動食しか食べられなくなってしまった。

 

俺はもう大好物のラーメンを食べることが出来ないという事実に悲しみに暮れた・・・。

 

だから親父とお袋と一緒に食べたラーメンの味を忘れない様にしようと心に誓った。

 

 

×月×日 くもり

 

今日の実験が終わった後にシャワーを浴びて鏡の前で髪をとかしていたのだが、最近何だが白髪が増えてきた気がする。

 

俺の身体は苦痛を感じないようになっているんだけど、ストレスは別なのかなぁ・・・。

 

 

○月△日 雨

 

髪が全部白髪になりました。

 

杖をついて白髪って某学園都市最強みたいでかっこいいなと思いました。

 

 

 

 

・・・・・・そう思わなきゃ、やってらんないよ。

 

 

 

 

12月24日 雪

 

12歳になりました。

 

今日は実験はお休みで、自室で小さいけどケーキを用意して貰ってささやかながら誕生日を祝った。まぁ、食べられないんだけどね。

 

それにしても、レイレナードに来てから一年と少し経ったが色々なことがあったなぁ・・・。

 

俺がこの一年のことを思い返しているとお世話をして貰ってる女性職員さんに「辛くない?」と聞かれた。

 

・・・正直、辛くないといったら嘘になる。

 

――()()()()()()()()()()()()()

 

自分の選んだ道で自分を哀れんだら、それこそ訳が分からない。

 

だから俺はその質問に「辛いけど耐えられるし、頑張れる」と答えた。

 

すると職員さんは「仕事が残ってるから席を外します」と言って部屋を出て行った。

 

クリスマス・イヴなのに大変だなぁ・・・。

 

 

 

 

 

レイレナード女性職員side

 

何が“()()()()?”だ、巫山戯るなッ!

 

私は自分の浅はかさに吐き気がした。

 

社の最終目的の為とはいえ、年端もいかない少女に普通の『ヒト(人間)』としての人生を捨てさせた者がする問いではなかった。

 

――セシリア・オルコットは強く、そして()()()少女だった。

 

あの化け物(アレサ)を動かす為に手足を切断した際にも不満を漏らさなかった。代わりに与えられた万が一の逃走防止の為に()()()()()()()()()()()()にも文句を言わないどころか「ありがとう」と礼を言って、うまく動かす為の練習に励む姿は涙を誘った。

 

そればかりか美しかったブロンドの髪は白くなり、味覚、嗅覚、痛覚も失い、身体を弄くり回して愛する者の子供を産むという女の幸せすらも奪った。

 

にも関わらず彼女は恨み言の一つも言わずに笑顔で実験をこなしている。

 

・・・私の馬鹿な問いに微笑みながら答えた彼女の言葉が頭を離れない。

 

「辛くないといったら嘘になります。でも私も貴女たち(レイレナード)も一蓮托生の『仲間』です。楽しいことも辛いことも一緒です。だから頑張れます」

 

私は堪らず部屋から抜け出し、薄暗い廊下で嗚咽を漏らした。

 

――どうか彼女に幸せが訪れますように・・・。

 

そんなことを願う資格が無いと知っていても、私はそう願わずにはいられなかった・・・・・・。

 

 




いかがだったでしょうか?

セシリア日記3で起こったことや義足の秘密などが明かされました。

一回限りの出撃では無くて継続的にアレサに乗せ続けた結果、最高のAMS適正を持つセシリアでもかなりの不具合が出てきてしまいました。

とりあえずセシリアの身体に関しては今回でひとまず終わりになります。
今後は物語を進めていく中で追加していくかもしれません。

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