トウカイテイオーと帝王を目指す 【完結】   作:Tmouris_

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第8話:クラシック初戦皐月賞

 今日は皐月賞当日。待機室にテイオーと2人だが、俺はすごく冷静でいられた。だってテイオーが走るんだから。

 

「あわわわ!クラシックついにクラシック1戦目だよ!なんでトレーナーはそんなに落ち着いていられるのさ!」

 

 逆にテイオーはテンパっている。正直言って、彼女の実力はクラシックの中でも頭1つ抜けている。皐月賞でも相手はいないだろう。

 

「テイオーが走るからだ。俺はテイオーの走りを誰よりも信頼している」

 

「ピエッ」

 

 タキオンやデジタルと共に何回も検証を重ねた。トレーニングも考えたし調整もバッチリだ。あの天才2人の力もあるんだ。テイオーが負けるわけが無い。

 

「普段は自己肯定感低いのにそういう事を急に言うのはズルいなぁ」

 

「何か言ったかテイオー?」

 

「何でもないやい!僕はレース前で集中したいからトレーナーは出てってよー!」

 

 俺はそのままテイオーに部屋から押し出されてしまった。何か怒らせるようなこと言ったか!?まぁ、本気で緊張してる感じじゃ無さそうだったし……大丈夫だろ。

 

「やぁ早かったじゃないからトレーナー君」

 

「いや、テイオーに部屋を追い出されちまってな」

 

 観客席にはタキオンとデジタルの2人が待機していた。タキオンには今日のレース相手の最新のデータを収集してもらうために。デジタルにはテイオーに故障があったら直ぐに気づけるように。

 

「ふっふっふ……トレーナーさん。今日は本気を出しても良いんですよね?」

 

「あぁ、やるんだな今ここで……行くぞ!デジたん!」

 

 俺たちは一瞬でテイオーグッズに身を包み、テイオーと書いてあるうちわを2本取り出した。

 元々は俺にこんな趣味は無かった。だけど、デジたんが気づかせてくれたんだ。ウマ娘の素晴らしさをテイオーの可愛さを。これを推さずして何をする!

 

「全く……最近は深夜に何か別のことをしていると分かってはいたが……才能の無駄遣いと言うのはこういう事を言うのかねえ……」

 

 あのタキオンに引き目で見られる日が来るとは……だがしかし、これはテイオーにとって重要なレースだ。勝つとは信じているが応援するに越したことはない。

 

「安心しろタキオン。お前らのデビュー線やG1の時もやってやるから!」

 

「「なっ」」

 

 どんな理由があろうと、俺は2人のトレーナーであることには変わり無い。それなのにレースを見に行かない訳にはいかないだろう。

 

 

 正直僕は緊張してた。クラシック1冠目の皐月賞。でも、タキオンは言ってた。僕の出走レースでトレーナー以上に考えてる人なんて居ないって。そのトレーナーが信じてくれてるんだから大丈夫って思った……パドックに入場するまでは。

 

「「テッイッオー!テッイッオー!」」

 

 そこから見えたのは凄い格好をしているトレーナーとデジたん……僕本当に大丈夫かな?

 

 

「何とか間に合ったようだ」

 

「ルドルフじゃないか。やっぱり見に来てたか。相変わらず変わりないな」

 

「そういう君は……随分と変わったな」

 

 ルドルフは苦笑いをしながら俺の隣に座った。

 

「シンボリルドルフ会長しゃん……」

 

 デジたんはルドルフのかっこよさというか……ビジュアルにやられて軽く昇天している。

 

「それにしても、アグネスデジタルとアグネスタキオンの2人を纏めてテイオーの育成をするとは。これほどの事を成し遂げるとは思っていなかったよ」

 

 タキオンは元々自分の能力を分析して把握してるし、デジたんも勝手に色々見て学んでるし……俺は特に苦労はしなかったが……

 

「私たちと彼は協力関係さ。お互いに利があるのだから協力するのは当たり前さ。そうだろうデジタルくん」

 

「ひゃい!その通りです!」

 

 すると、ルドルフは微笑んだ。何かを察したかの様な感じだ。

 

「なるほど……協力関係か。そういう事にしておこう」

 

 そんな事を話していると、ゲートインの準備が完了した。レース場の雰囲気は一瞬にして変わった。

 

「テイオーは勝てると思うかい?」

 

 テイオーが勝てるかって?

 

「勝ちますよ。帝王は皇帝を超えるんですから」

 

 リギルにいたからこそ分かる。テイオーのポテンシャルは並のウマ娘とは比にならない。

 そして、ゲートインが終わりレースがスタートした。

 

 

 今回のレースの作戦は先行策だ。トレーナーは終盤までポジションを保ちつつ、足を溜めてラストスパートに備えろって言ってた。

 

(全くさぁ……僕だってこのフォームだと走るの大変なんだから)

 

 そう思ってたのに……スタートしてからはその考えは覆った。

 

(なにこれ!足が軽い!)

 

 テイオーはここまでのレースとトレーニングでフォームが体にほぼ馴染んだ。それによって序盤から中盤の走りの負担が減った。何よりも、東海やタキオンによる綿密な調整によってクラシック3戦にピークが来るようにしてあった。

 

(理由なんてどうだっていいやい!足が早く動くなら早く動かすだけだ!)

 

 僕は一気にペースを上げた。あくまでもポジションを取るくらいの走りで。それでも、後ろの娘は置いてかれてく。

 

(これでレース終盤!いっくぞー!最強究極テイオーステップだぁあああ!)

 

 

「おらお前らあ!テイオーの勝ちだあああああ!」

 

 勝つと分かってはいたが実際にこの目で見ると嬉しいものだ。隣にいたタキオンとデジたんを手繰り寄せ。

 

「これも、お前たち2人のおかげだ!俺たち最強コンビだ!」

 

 俺たちは多いに喜んだ。テイオーが夢の第1歩を歩んだんだから!

 

 

 レース後のウイニングライブは大変だった。だって、先頭にトレーナーとデジたんがいてその後ろにも僕のファンがいてすっごく盛り上げてくれたから!

 本当に勝ててよかったな

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