これまで投稿してきた内容の話の筋道が非常に荒く、無理がある部分もありましたので、全話に多量の修正・加筆を加えました。
宜しければもう一度目を通して頂けると幸いです。
今回は短いですが、どうぞ。
深夜1時半を迎えた頃、私はグリフィンドール寮の入り口に背を寄せて、心底気怠げにもたれかかっていた。
「おい、そこのお前!・・・ああいや、失礼!フォートシュリット先生でしたか、見回りご苦労様です。」
すると時々この辺りを周回に来るグリフィンドール寮の監督生が灯りを手に小走りで声をかけてきた。
口調から察するに、夜中に出歩いている下級生達を叱りつける算段だったのだろう。結果は教員を誤認逮捕してしまったわけだが。
こういう時ほど自身の立場に恩恵を感じることはない。
彼の胸の辺りを見てみれば輝かしい監督生バッジが灯りの光をギラギラと反射していた。
「あら、そっちこそご苦労様。私を捕まえてスリザリン寮を減点でもするつもりだったのかしら?」
フフッ、とイタズラ心を織り交ぜて監督生を嘲笑うと、彼も自身の失礼を詫びようと思ったのか困った顔で私に謝罪し始める。
「そ、そういうつもりでは!・・・本当に申し訳ありませんでした先生。」
かなり意気消沈させてしまったようで、逆に監督生への減点さえ受けてしまうのではと彼が内心思っている事は、先程開心術を少しだけ掛けてみたので筒抜けだ。
監督生の立場で減点を喰らうのは、今まで築いて来た地位や名誉を一夜にして崩れ落としてしまうのと同義だ。
しかし私はそんな意地悪でもないし、グリフィンドール嫌いでもないため特に障りのない対応をする。
「そう・・・まあ最近、
なら、もう行って良いわ。ここは私が巡回しておくから早く他の
少し励ましたところ、彼も元気を取り戻したようで俯かせていた頭を持ち上げ、「はい!」と元気よく返事を返した後見回りへと戻って行った。
結果として彼ら監督生の見回りにやる気を与えてしまい、後ろに隠れている
「・・・いつまで隠れてるのよ、早く出て来なさい。」
私は痺れを切らし、いつの間にかグリフィンドールを守るこの太ったレディの扉裏から出てきていた例の三人組に姿を表すよう求める。
「・・・どうして分かったんですか、フォートシュリット先生。」
するとハリー達三人組は透明マントから頭だけを出すという器用な事をしながら、私に信じられないと言った表情で疑問を投げかけて来た。
私はいとも簡単な様子でその疑問に答える。
「私の目や耳は知覚魔法で強化されているの。
貴方達三人の息遣い・僅かな足音・扉を開ける音なんて丸聞こえよ。
普段はうるさいから呪文をかけてないけれど今日は特別よ?」
少々自信満々に種明かしをしてやれば、ハリーの隣にいた赤毛の子・・・ロナルド・ウィーズリーがバツが悪そうにしてこう述べる。
「そ、それじゃ先生が見回っている日はもう夜中に出歩けないじゃないか!」
「いい事じゃない。素行を良くする機会として快く受け取りなさい、ウィーズリー。」
私はフフ、と彼の絶望した目を見つめながら忠告をしておいた。そもそも夜中に出歩かなければいい話なのだ。
そのやり取りが終われば今度はグレンジャーが私に恐る恐るといった様子で声をかける。
「あの・・・フォートシュリット先生、本当に見送ってもらえるんですか?」
彼女は未だに教員である私が目的地まで引率してくれるのか疑問に思っているようだった。私は一度言ったことは守る主義だ。約束は違えない。
「もちろんよ、だから安心して頂戴。
なら早速だけれど、こんな所でいつまでも話しているわけにはいかないわ。
三回右廊下までなら案内してあげられるから、ついて来なさい・・・。」
監督生や他の見回りの先生に見つかる可能性があるため、寮の出入り口付近で棒立ちするのをやめて私達は移動を開始した。
「あなた、さっき
階段を登り薄暗い廊下を歩きながら、多少気持ちの余裕が出始めたので、私はグレンジャーに対して詰問すると、透明マント越しにギクっという声がした。
「先生なんで知ってるんですか・・・!」
ロナルド・ウィーズリー・・・ロンが驚愕の声音で質問してきたが、簡単な事だ。
「直前呪文よ。先程グレンジャーの懐にあった、呪文を使ったばかりの杖を盗み見たのよ・・・。
あの大人しそうなネヴィル・ロングボトムにかけるなんて、貴女案外容赦ないのね。」
私がさも当然のことと言うように彼らに小さな声で答えると、ハリーとロンは驚いた表情で私を見つめてくる。
それでもまだ疑問点が残り腑に落ちないのか、賢きグレンジャーは更に質問を返してくる。
「・・・でも先生、直前呪文を読み取るためには実際に杖に触れていなければいけませんし、それに誰にかけたかまでは分かりません。」
「良い質問だグレンジャー、グリフィンドールに2点。」
真夜中に出歩く生徒を褒めて加点してやるなど、教員として正気の沙汰ではないが彼女の鋭い洞察力に祝して、ということにしておこう。
私は彼女達に補足しながらもう少し詳しく説明してやった。
「まず一点目について。
確かに一般の魔法使い達は杖に触れなければ、その直前呪文を見分ける事はできない。
・・・しかし、私は少し
見るだけで何の呪文を使用したのか読み取れるという特異体質に三人は驚愕の表情を返してくる。
私はそんな反応を示す彼らに微笑しながら続きを話す。
「次に二点目について。
私はいつだって未成年の魔法使いが魔法を使用した時の
もちろん、その匂いには呪文をかけられた対象者の情報も付随してる。」
「だから私がネヴィルに呪文をかけたって分かったんですね。」
私の持つ能力への驚きと納得が入り混じった様子でグレンジャーは首を縦に振って理解の意を示す。
「先生、でも仕方なかったんです。ネヴィルが頑なに話を聞いてくれなくて・・・それで 」
すると減点でもされると思ったのか、焦ったハリーが必死に伝えてくる言い訳をそこまで聞いた私は、手で話の続きを制して至って普通の表情でこう述べる。
「確かに普段ならば同じ魔法を学ぶ友に呪文をかけるなんて許されない事よ。
それこそ、校則違反どころか
・・・けれどね、貴方達が行おうとしている
私は歩いていた足をとある扉前で止めて、そこでハリー達三人に振り返り真剣な眼差しで述べる。
「だからね、ハリー・ポッター・・・この世では
その言葉を聞いたハリー達三人は微妙な表情になりながらも取り敢えず肯定の意を返してくれたので、その先の道を指で示す。
「ここが三階右廊下の最奥よ。そして・・・この扉が賢者の石へと繋がっているわ。
何かあれば直ぐに向かうから、フクロウを飛ばして来て頂戴・・・特にハリー。貴方のことは常に見守っている。」
私は彼らに最後の言葉をかけた後に、自分が常々愛用する
すると扉にかけられていた南京錠はポトリと床に落ちていき、ゆっくりと木製の扉は開かれて行った。
それを見た目の前のハリーを筆頭とするグレンジャー・ロンを含めた彼ら三人組は覚悟を決めたようで、ゆっくりと部屋の中へ突き進んで行った。
その様子を横目に、私は無機質な壁に背を寄せて
いかがだったでしょうか。
半年ぶりの執筆で腕が落ちているかもしれませんが、
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