自分の才能のなさを突きつけられた彼は、今何を思うのだろう。
狂ってしまったことも、もしかしたら正しい人生の選択だったのかもしれない。

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80%

検査を受けたばかりで、知りたくもない事実でした。

 

(あなたの能力を診断します。)

 

そんな言葉に縋るほど、私は困っていたのです。

もし私に才能があったら

精進して一旗揚げるのだが。

いや、旗印とまでいかなくても、何か誇れるものを得たい。

その思いは深く、しかし、生きる希望となる。

最近は化学が優れているので、きっと私の才能を見出してくれるはずです。。

そして、診断を受けて...。

 

残念なことに結果は、すべて100%以下でした。

 

そして、平均は80%でした。

私は平均以下だったのです。

ありとあらゆる項目をチェックしましたが、やはり100%を超えるものは見つかりませんでした。

 

「先生、本当に合っているんですか?」

 

私は、まるで採点ミスを期待する生徒のように、目にかすかな期待を込めて尋ねた。

しかし、冷酷にも「そんなものはない」と言われた。

私はあきらめるしかなかった。

 

そして、今...こうしている。

「もしかしたら」から「絶対」へ。

「もしかしたら」と「絶対に」の違いが、私をここまで苦しめた。

確かな未来を、どうして受け入れることができるのか。

憧れを抱いたまま、無駄な死を迎えることができるのか。

でも、もう決まっているんです。

逃げ場はない。

ああ...このまま身を投じればいいのか。

しかし、私の勇気も8割程度、一歩も踏み出せない。

しかし、途方に暮れる。

その姿はあまりにも情けなかった。

 

 

 

 

しかし、それから彼は変わった。

誰よりも鋭く、暗くなった。

広く才能のある人たちでさえ、彼を異常な存在として見ていた。

確かに、彼は変わっていた。

 

彼は自分の才能のなさを嘆き、街中を練り歩いた。

夜の始まりは徐々にやってくる。

しかし、それは正気を失うための準備運動に過ぎない。

 

すべてを懐かしむほど絶望的であれば、狂人になるのに時間はかからない。

立った瞬間から、腰をつぶすようにぬるぬる歩く。

もう周りがどうなってもいい、そう思えるようになる。

 

それからは、何も考えなくなる。

壊れて発狂した方が楽だけど、運命がそれを許さないなら。

希望を捨て、思考を捨て、すべてを捨てる。

でも、理性と命は確かにここにある。

 

 

周囲にはきっと楽しく思えたに違いない。

そして、そうなのだ。

彼は何も持っていない。

得るものがないのなら、失うものもないのだ。

死兵はいつだって恐ろしい。

彼らは死を恐れず、失敗を恐れない。

その時、もう迷いはない。

そうなれば、もう何も望まない。

彼は犯罪を犯していないが、狂人である。

 

外から見れば、不気味な存在に見えたに違いない。

でも...そもそも何もないのなら。

それはそれで幸せなことだ。

私は何も知らない。

成功に伴う傲慢さを知らずに生きられるのは、実に謙虚なことだ。

才人になってから人の目を気にせず生きられるというのは、幸運なことだ。

実に大胆なことである。

それでも、間違いなく、彼はいい人だった。

生きていくだけでこんなに苦労したのだろうか。

だから、その必死さが、人をかわいそうに思わせるのだろう。

 

 

 

彼には適性がなかった。

しかし、正しい生き方とは、すべてを投げ出して、やっと手に入れたものなのだ。

彼は、虚無をありがたがる唯一の男であったらしい。




今回は、詩のような文章を作る練習をしました。
対句は難しいです。

とにかく、これはいろいろな意見があると思いますが、少なくとも私の意見はそうです。
虚無感への考えです。


もちろんフィクションです!いつもながら。
ありがとうございました!


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