異世界で格闘しますた‐スキルなんて無いが、格闘技術はある‐   作:劉鳳

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改めて見ると、誤字脱字ばっかで草、はっ生えますよ……


第10ラウンド 展覧試合予選会‐後編‐

 

槍術使い宇野を倒したものの、竹田はダメージが蓄積し、次鋒真田に後を任せた。真田は手に持つ銃を携え、リングへと上がる。対するインビジブル側は、副将の神戸遊星(かんべ ゆうせい)が上がる。手には樫で作られた四尺の木刀が握られている。

 

『宇野っちがやられた相手が降りたが、次の彼はそれこそ戦いの技術を叩き込まれた自衛隊員、刺し違えてでも倒すよ。』

 

神戸は木刀を中段に構えて真田と向き合う。

 

(剣道の有段者か。構えに無駄が無い。)

 

真田は即座に相手の動きを理解した。僅かにステップを踏みながら構える様は剣道のそれ、更には鉄剣ではなく木刀を持って対峙する辺り、手慣れた得物で試合をすると言う意思表示に見えた。

 

『木刀で失礼するが、鉄剣よりも使いやすいんでね。有段者にもなれば竹刀で人が殺せるんだ、これより上の業物は却って邪魔さ。』

 

『成る程な……ならばこちらもレンジャー仕込みの技術で貴方と戦おう。』

 

〔始め!〕

 

開始の号令と共に、互いが動いた。

 

『えぇえええぃ!!』

 

肝を潰すような叫びと同時に、神戸の面への一撃がかまされる。真田は其を銃剣で受け、即座に銃底を胸に叩き込む。神戸は僅かにバックステップして威力を殺し、今度は真田の胴へと剣筋を変える。真田は肘で其をガードし、銃口を神戸に向けるが、神戸は横にステップして射線から逃れる。

 

『流石自衛隊員、銃口を向けた後に引き金を引く躊躇いが無い。』

 

『貴方もな、一連の動きでこちらの動きを先読みするとは。』

 

お互いの力に差がそれほど無い事を悟った二人は、構えを解かぬまま間合いを維持しつつリングをまわる。両者右利きであるため、自分から見て左に動くと攻撃の視界から離れる為、右にまわる事になるのだが、そこは両者共に読んでいる為、同じ動きになり、まるで演舞でもするかのように観客席からは見える。

 

脚力強化(ダッシュ・ブースト)!』

 

神戸が脚力強化の魔法をかけ、回転の速度を上げる。通常の倍もの速さで射線を避けるように真田の周りを動くそれは、そのペースに合わせれば間違い無く脚をもつれさせる、例えついていけたとしても、その場を周り続ける事で目を回し、相手の術中に嵌まる事になる。

 

『突きぃ!!』

 

『フッ!!』

 

周りながらの突きを真田は着けていたボディアーマーで受け止めるが、肺を押されるような衝撃がかかった。しかし、それでも真田は息を乱さない。

 

『どおぉ!!』

 

『なんの!』

 

まわりながら今度は胴への一閃、まわる方向と同期させたそれはとてつもない速度に達して真田の脇腹をとらえた。しかし、これを片手で受け止める。驚愕する神戸に、銃を離して懐に潜り込み、金的を握りしめながら木刀を持った手を引きながら地面に叩き付けた。

 

『ぐぇっ……』

 

パキッと言う金的が潰れた音と、顔面がひしゃげる感触を確認した真田は、銃を拾い、神戸に銃口を向けた。神戸の反撃の兆候が無い事を確認すると、銃を肩に担いだ。

 

〔勝者、タケシ・サナダ!〕

 

レフリーの声が響き、会場は歓声とブーイングの入り雑じった声が響き渡った。

 

『お疲れ、真田さん。』

 

功用の声に苦笑しながら、真田はサムズアップで答える。その右手は、やや変形していた。

 

『木刀を素手で掴んだからね、流石に無事では済まなかったよ。しかもボディアーマー越しにあばらを二、三本折られる始末だ。』

 

『真田さん、ならば私があの大将を倒すよ。』

 

『闘技場最強の戦士、氷の山賀の実力、楽しみだね。』

 

そう言って笑いながら、真田は医務室へと向かっていった。

 

 

『インビジブルが……負ける?』

 

たった一人残った長谷川は、酷く動揺していた。インビジブルはノーシードで昨年の本戦に出場した実力者である。本戦第一試合でいきなり大場率いる大公爵チームに当たりながらも善戦した彼等が、相手方が二人も余力を残した状態で大将の自分に回ってくる等初めてだった。

 

『だが、やるしかない。無能認定ギリギリだった俺達がこれまで頑張って来たんだ、やってやる!』

 

気合いを入れ直してリングに上がる長谷川だったが、副将である山賀の目を見て臆してしまった。

 

(なっ、なんだこのプレッシャーは?!まるで熊にでも遭遇したかのような圧力を感じる。)

 

山賀の方は静かに佇んでいるのみだったが、その表情は嗤っていた。笑うではなく、嗤っている。それは、見る者によっては肉食動物が獲物に向ける表情と形容するであろうものだった。

 

(やられる、殺すつもりでやらなければ……)

 

〔始め!〕

 

開始の声がなった長谷川は、手に持つ片刃剣を構えながら、使える限りの魔法を唱えた。

 

全身強化(オール・ブースト)自動回復(オート・ヒール)炎付与(ファイア・エンチャント)!!』

 

全身の筋肉を強化する事で、大柄な山賀に負けぬ程体は膨張、自動回復で多少のダメージに備え、そして片刃剣に炎を付与した。呼吸を整えて攻撃のタイミングを待つ。だが、

 

(すっ、隙が無い……)

 

攻めようにも踏ん張れない。相手は無能認定、ブーストした肉体なら倒せると自分に言い聞かせてはいても、山賀から漂う雰囲気がその自信を悉くへし折ってしまう。

 

『攻めないのか?』

 

『!!』

 

軽い感じで言う山賀の言葉に思わずびくつく。山賀は柔道の構えである手を前に突き出した状態で待ったまま動きは無い。その様に自分が馬鹿にされたと言う思いと、相手に臆したと言う自分への苛立ちを爆発させるように、長谷川は飛び出して行った。

 

『だぁりゃあああ!』

 

『ぬぉお!!』

 

長谷川の動きは時速にして70km/s、更に突きの速度はその倍を越えるスピードだったが、山賀はそれを容易く掻い潜って襟を掴んでそのまま背負い投げで地面に長谷川の頭をめり込ませた。グシャッと言う音がしたが、自動回復のお陰か頭部はある程度元に戻った。しかし、そこから直ぐに裸絞めに移り、ゴキリと言う音が響き渡る。尚も自動回復が発動するが、二回共に主要部位の為完全回復は出来ず、長谷川の意識は既に失われていたが、山賀はまるで殺しを楽しむかのような目付きのまま、裸絞めを解かない。長谷川の口からは血が、下からは色んなものが垂れ流しになっていた。

 

『ちょっ、山賀さん、死んじゃうから!技を解いて!』

 

『はっ!……済まない。』

 

トランス状態にでも入っていたのか、やや自我が飛んでいた山賀は、竹田の言葉ではっとなり、裸絞めを解いた。余りにもえげつない技の連続に、会場は静まりかえっていた。ただ一人、功用が

 

『レフリー、長谷川さんの確認を!』

 

 

そう促し、レフリーが長谷川の意識が無い事を確認する。そして……

 

〔インビジブル側の敗北により、勝者はマークス騎士爵チームの勝利!〕

 

勝利宣言が言い渡されると、会場は歓声に包まれた。ブーイングをする者は存在しない、実力があると感じれば、素直に賞賛する、それは身分に関係の無いこの世界の理だった。

 

 

 




短い……けどこんなでもいいかなと開き直っております。

一話辺りの文字数はどの位がいいですか?

  • 1000字程度でよかよ
  • 2000から3000字程度は欲しい
  • 3000字から5000字は無いとね
  • 5000字以上は書きやがれ
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