異世界で格闘しますた‐スキルなんて無いが、格闘技術はある‐   作:劉鳳

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第2ラウンド 当主たんと戦士探し

 

功用は下騎士爵家であるマークス邸の前に着いた。マークス邸は下騎士爵家と言う事で、市民階級の家よりやや大きい程度の邸宅なのだが、それでも百坪程はありそうな広い敷地を有する。邸宅内には数人の使用人と、話に聞いていた異母姉がおり、当主たるアルが帰ってきたにも関わらず、誰もおかえりなさいの一言を言わない。それどころか、冷めた目でアルを見つめている。異母姉に至っては、

 

『アルクルス、何その薄汚い半裸の男は?そんな男が貴方の戦士なんて、笑わせるわね。』

 

こんなざまである。功用は癪に障ったが、アルの部屋に行くまでは我慢する事にした。功用達が横切る度に、使用人の

 

『あれが戦士?半裸の蛮族じゃないですか、アルクルス様は馬鹿ですね、早くお嬢様に当主の座が移らないかしら。』

 

と言う陰口にムッとするが、タイトルマッチでリングインの手前で転移してきたのだ、半裸の格好については否定しなかった。アルの部屋に着くと、開口一番、功用は思っていた事を口にした。

 

『気に食わないぜ、あの連中!仮にも当主、かつ異母姉弟だろ?なのに何だあの態度は、それにあいつらの言動、こんな小さな子供に放つ言葉じゃない。』

 

『こっ、コウヨウしゃん、仕方ないのです。ま、まだちっちゃいわたしはマークス家の当主としては弱いでしゅから……』

 

『にしたってさ、子供に向ける態度や言葉じゃないでしょ?あれ……なぁ、アルちゃん、見返してやろうよ、そしてあいつら全員をギャフンと言わせてやろう。』

 

功用は、ボクシングの顧問の教師からの言葉を思い出していた。

 

(ボクシングは互いに殴りあう競技だが、戦った相手に対するリスペクトを決して忘れてはならないぞ。先ずは普段の挨拶からしっかりと、こういった所から礼儀を学んでいけ。)

 

荒々しいファイトスタイルとは裏腹に、功用は周りからは紳士のファイターと呼ばれていた。口調が荒いのは召喚と言う名の拉致をした王女達、そして目の前の使用人達のような極端に礼節を欠く人間に対してだけだ。

 

功用はこの小さな貴族の顔を曇らせる事をしている大人達を、思い知らしめたいと誓った。何故、見知らぬ地に、かつ、会って間もない少年の為にここまで出来るのか?功用は後に言う。

 

『困ってる、泣いている少年少女(こどもたち)に手を差し伸べるのに、理由がいるか?』

 

これが、川島功用と言う男である。

 

川島功用の心

 

この少年はまだ五歳なのに、辛い現実に飲まれそうになりながらも踏ん張っている。姉にすらあんな態度を取られ、使用人には当主として見なされず、まるでゴミでも見るような目で見やがった。俺は、そんなの赦さない。大人がやらかしてゴミ扱いってんなら、一億歩譲って仕方ないとしよう、この少年は五歳だぞ?面倒な当主の座に就かされた上にそんな扱い、どんな理由があろうとも赦されない。だから俺はアルと共に、俺のような戦士を探す事にした。奴等をそれこそギャフンと言わせる為に。

 

でも先ずは、この世界を知る事から始めよう。俺はこの世界でアルが知っている知識を聞く事にした。アル、この少年は馬鹿なんかじゃない、五歳にして結構世界に関しての詳しい事を知っている。だから、もしも使用人や姉が彼をいじめる理由が嫉妬や僻みだったら、即ぶん殴ってやろうと決意した。

 

 

アルは、功用にこの世界の大まかな事を教えた。この世界は一つのやや縦長の大陸と、それに分断される形の二つの海で構成されている。国は大まかに五カ国に分かれ、其々牽制をしあいながらも形的には平和を保っていた。

 

と言うのも、異世界召喚の魔法を使えたのはヴァルカ王国のみであり、代理戦争たる国家間の展覧試合を有利に進めていたのだが、ヴァルカ王国の先代国王の代になって、高額な使用料と引き換えに、他国も異世界召喚者を試合に使い始めた。その時以来、国の代表を決める展覧試合では異世界召喚者のみを出場させるようになったのだ。

 

『迷惑な話だな本当に。』

 

『ごっ、ごめんなしゃい!』

 

『い、いや、アルは何にも悪く無いから、大丈夫だよ?なっ?』

 

王族、貴族が其々召喚された異世界の決闘者達を手を変え品を変えスカウトしていく中、スキルを持たない、或いは何の役にも立たないスキルしか持たぬ人間は無能認定の烙印を押して、奴隷として売買された。中には隷属の腕輪や指輪、首輪で傀儡にされた者までいる。女性に至っては慰みものにされ、望まぬ妊娠で私生児が生まれ、これまた新たな奴隷として売買されて行くのだ。功用は奴隷と言うワードが出る度にハラワタが煮えくり返る思いに陥ったが、どうにか理性を保っていた。

 

『とりあえず優勝したら(ばか)を始め王侯貴族(くそやろうども)を処刑しよう。』

 

『こ、コウヨウしゃん、怖いでしゅ……』

 

『安心しな、馬鹿王族とそれに連なる奴だけにするからさ、アルは巻き込まない、多分。』

 

『ひっ、ひぃでしゅ!』

 

少しアルを怖がらせたなと感じた功用は、アルの頭をポンポンと叩き、安心させた。功用の決意は半分本当ではある。召喚の儀式そのものを封印してみせる、馬鹿王族は歴史から退場し、アル達のような子供が笑顔を作れる世界をと考えていた。

 

『とは言え、代理戦争か、それそのものの考えは悪くないな。ただ、戦いばっかだと殺伐としすぎだから、後々オリンピックみたいなものに立て替えて貰おう。その為にはまず、仲間をだな。

 

アル、仲間をスカウト出来そうな所って無いかな?』

 

『この街の北にある闘技場に行くでしゅ。未成年者一人だと入れてくれなかったので今まで行けなかったんでしゅけど、もし行けた時にスカウトしようと思った人が二人いるんでしゅ。』

 

アルの言葉にほぅと言葉を出す功用、アルは貴族だが最下級、有能認定はおろか、スキル持ちスカウトも中々出来ないので、アルが目をつけたのは恐らく無能認定された人間なのだろう。

 

『よし、そうと決まれば早速スカウトだ、アル、その二人の情報をどの位集めてるんだい?』

 

アルは功用に自分が知っている限りの情報を出した。一人は投げと寝た体勢からの技で勝ち続けている、現在闘技場最強と目されている戦士、もう一人は、拳と蹴り、そして肘や膝から繰り出される打撃で注目される新星との事だった。

 

『ありがとう、そこまで聞いたら何か目星がついたよ。じゃあ、闘技場に行くか!』

 

『はいっ、コウヨウしゃん!』

 

 




ショタとお兄さんの組み合わせは黄金のハーモニーだと思う、北斗の拳のケンシロウとバットとか、仮面ライダーZOの麻生勝とヒロシ君とかね。まあ前者は後にロリもつきますがw

せっかく機能あるならせめてふり仮名位ふっとこうと思い、修正中です。まあ過剰な揺れ文字とか使う気は無いので初登場のキャラの名前にふるとか、技名にふる程度ですが。

一話辺りの文字数はどの位がいいですか?

  • 1000字程度でよかよ
  • 2000から3000字程度は欲しい
  • 3000字から5000字は無いとね
  • 5000字以上は書きやがれ
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