「
光を両腕で受け止める。その瞬間、パッと、まるで昔見た花火みたいに弾けて、後ろの方で水の爆発がなんどもおきる。
そのまま、両腕から“怨嗟の慟哭”を発射。雪を巻き上げてボンドルドに__
ボンドルドは走って逃げる。鬱陶しい奴。
「
何。紫の光、アイツの仮面から、あちこちから____
待って。
ボンドルドはどこに行った。
「おやおや、視野が狭いですよ、オストガロア。関心しませんね」
腹__
「
『________________!!?!?!!!!』
熱い。
熱い熱い熱い熱い熱い痛い熱い痛い痛い痛い__
お腹が、横腹が焼かれた。ふざけるな。
怖い
いやだ
「おっと」
痛くて狙いが定まらない。取り敢えず引き剥がさなきゃ。
両腕をぶん回す。当たればそれでいいし、まずは距離を取らなくては。
本当にすばしっこい奴。全く当たらない。
それに、引き剥がせない。
「君は本当に
『_____』
熱い、痛い、両方のお腹が焼かれた。
「
なんだ、どこをやかれた。
そうか、顔__
『______!!』
今日一声だしたきがする?痛い、あう、かんがえられない、痛い、憎い、殺す、殺せ、ボンドルドを……
逃げよう
動けない。
黒いネバネバが、いくえにも重なってる。岸辺の
お腹も治りが悪い、口が裂けてしまっている。
ボンドルドが、目の前にいるというのに。このままじゃ。
しぬ
「さぁ、やんちゃはやめにして、また私の所へ帰ってくる気はありませんか?貴方や、貴方の友達のおかげで、私の研究は大いに進みそうなのです」
なにいってんだこいつ。
殺してやる。
いたい
食ってやる。
だめだ。逃げよう。
怖い。怖い。怖い、怖い、怖い怖い。
こいつはバケモノ。死にたくない。
ふざけてんのか、ボンドルドは殺す。
死ぬのはやだ。痛いのもやだ。
なんで。
……
「さぁ」
ひっ。
「なんということでしょう、取り逃してしまうとは。実に素晴らしい」
岸まで泳いでいき、水気を払った私の視界には、ちぎられた“
「
身体が震える。寒さからではない。新しい興味対象物が出来たことに対する歓喜。
しかし。
「しばらくはお別れのようですね、オストガロア」
掘り進めていった方向は上層部。
ああ、なんて口惜しい。
「さようなら、オストガロア」
私の目の前には、彼が残した青白い体液が飛び散っている。
ここがどこかもわからない。怖い。きずぐちから青い霧が漏れ出している。怖い。地面の中でうずくまっていたい。怖い。
怖い、怖い、怖い、怖い。
僕を食ったくせに
オレを食ったくせに
なんで逃げた。ボンドルドを殺せ。
あんなの殺せるわけがない。当然のこと。なんでわからないの。
そんなのアタシには関係ない。
なんで逃げたんだ。
なんで逃げた。
……
お腹、すいた。おなか、すいた。そうだ、腹が減った!
おい。
思い切り地面から飛び出す。その瞬間、花びらがふぶきのように舞い散った。すごい綺麗。
くそ、きいちゃいない。
あぁ、ここが“なきがらの海”の上の層なのだろうか。わくわくする。心が高鳴る。どんな生き物がいる?
おぼえておけよ
まだおなかと口元が痛いけど大丈夫。さあ行こう。冒険だ。これが私のしたかったことなんだ。
さようなら、オストガロア。また会う日まで。
私の周りに広がっているのは、だだっ広い真っ白な花畑。上を見ると、何か、きょだいな丸い天井が何枚もおおっている。
ボンドルドのやつが言っていた気がする。“第四層には《殲滅卿》の好きな、トコシエコウの花畑”があるって。ということは、ここは第四層“巨人の盃”なのか。
それにしても、殲滅卿。ボンドルドと同じ白笛……
早くこの場からはなれよう、そうしよう。
五層の乾いていた硬い土ではなく、ふかふかな茶色の土だから、掘り起こして進みやすい。万が一白笛に見つからないように、より深く潜っていく。
土がきずにしみる。細かい穴ぼこから青い霧がさかんに漏れ出しているけど、これは大丈夫なのだろうか、絶対に死にはしないだろうけど。
そうこうしているうちに、土の質がかわって、石っぽくなってきた。そろそろ地中からでても良さそう。
安全確認のために、片腕を地面から飛び出させて周囲を見る。
うん、問題なさそう。
ヒレに力を込める。そして、思い切り飛び出す。その瞬間、微風が私の半身に吹き付けてきた。気持ちがいい。
私が出てきたのは高台だったみたい。さっきしたから眺めていた光景が、上から見てみると、ゆげを放つ水をいっぱいにためた“盃”が、所狭しと並んでいるのがわかる。
やっぱり、ここは第四層“巨人の盃”だ。
情緒不安定なオストガロア君、なんとかしたいですよね。
ゾアホリックにかなり独自解釈入ってます