とりあえず試しに
ロックフォート島
海の上を二機のヘリコプターが飛んでいる。両方の機体の側面にアンブレラのマークが描かれていたがそれらは青く塗りつぶされていた。
「あの、本当にここまでしてもらっていいんですか?」
そう言葉を発したのはクレア・レッドフィールド。一緒にあのラクーンシティを脱出したレオンに行方不明の兄のことを相談した所このコクランを紹介され、気付けば全身黒づくめの上に最新装備を身に纏った特殊部隊の人間に囲まれて、兄の目撃情報のあったロックフォート島と言う場所に連れて行ってくれる事になった。
「ああ、私も此方に用があったし。それにレオンには借りがある」
そう言ったコクランは手元の資料に視線を移した。
「ところで用っていうのは?」
ヘリに乗る時に色々と注意を受けたがその時は兄に会いたい一心で乗り込んだ。だが冷静になってみれば周りには殺気立った特殊部隊、しかもこっちのヘリには機関銃、おまけにミサイルまで積んでいる。これで何もないだなんてことは普通ないだろう。ちょっとした戦闘に巻き込まれるぐらいの覚悟はあったがこれじゃあただの戦争だ。
「あー、今そこの元責任者と揉めてしまってな。ちょっと自衛のために色々と持ってきてしまったが君たち兄妹を巻き込むつもりはない」
そう言うと前のヘリコプターのパイロットから声がかかる。
「ロックフォート島が見えました、ですが‥」
そう言われヘリの小窓を覗き込む。
「島が燃えてる?」
近くに見える島からは火の手が上がっていて、目を凝らせばなんとなく人が束になっているのが見えた。
「ああ、しかも感染者までいるな。ヘリポートにいる感染者を機関銃で掃射、安全を確認したら降ろしてくれ。それとクレア、君はヘリに乗って帰れ」
「いえ、私も残ります」
そう言うとコクランは露骨に面倒臭そうな顔をする。
「いいか、これはアンブレラの問題だ。一般人が無闇に首を突っ込んでいい事じゃない」
「いいえ、これは家族の問題よ。兄がここにいるかも知れないの、私にはここで兄を探す権利があるわ」
両者譲らずに言い争っていると機銃による掃射が始まり、島のヘリポートに着陸した。そしてゆっくりとヘリの出口が開く。
「ここで待て‥‥おいっ!」
ヘリが地面に着陸すると、クレアはすぐにヘリから降りた。
「絶対に戻らないわよ」
そう宣言するとコクランは観念したかのように溜息を吐いた。
「カルロス、タイレル、クレアを頼む、それとこれを持っていけ」
そう言うと隊員と思わしき黒ずくめの男が二人クレアのそばに行く、そしてアサルトライフルをひとつクレアに投げ渡した。
「餞別だ、兄貴と会えるといいな。残った隊員はついて来い、目標は未知のウィルスの確保又は破壊。そして責任者であるアルフレッド・アシュフォードの逮捕だ、行くぞ」
そう言ってコクランは部隊を連れて奥に向かっていく。しばらくすると部下の一人がコクランに近づきマスクでくぐもった声で報告をする。
『通信が入りました、どうやらこの件はH.C.Fが関係しているようです。それと目標と我々との間に大量の感染者が存在します』
「そうか、警戒を怠るな。恐らくバイオハザードが発生して時間は経っていない。リッカー共に邪魔されずに探索出来るのは今の内だ、突っ切るぞ」
一方その頃
「ねぇ、あなたカルロスっていうのよね」
「ああ、そしてこっちはタイレルだ」
「よろしく」
クレア達は先程コクラン達が向かった道とは別の方向に進んでいた。
「それにしても兄さんは大丈夫かな?」
「ジルから聞いた話だとお前の兄さんはかなり強いらしいし大丈夫だろう」
そう聞くとクレアはかなり驚いていた。
「兄さんの事を知っているの?」
「ああ、ラクーンシティで知り合ったジルから話を聞いたよ」
「ああ、あのジルが強いって言う程だどんな化け物な「待て!!」なんだよ」
カルロスがいきなり叫ぶ。
「おい、なんだ」
「さっきそこで何か動いた」
そう言って銃を構えた。
「大人しく出てこい!!危害を加えるつもりは無い」
そう言うと少し前にある街路樹の茂みが揺れ、クレア達三人の間に緊張が走る。
「撃たないでよ」
そう言う声は明らかに少年のもので、三人の間の緊張が和らいだ。少しずつ近づいてくる少年の手には2丁の金色の拳銃が握られていた。
「名前は?」
クレアが聞く。
「スティーブ」
黄色のシャツに黒い上着を羽織った少年はかなり疲れた様子で自分の名前を口にした。
ロックフォート事件は短くするつもりなので試験的に小説形式で書いていきたいと思います。