バイオハザードRTA アンブレラ崩壊チャート   作:アルさん

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今回はちょっと裏話のような感じです。それと遅くなってしまい申し訳ございません。


ラクーン事件直後

 

 ラクーン事件と呼ばれる悲劇がミサイルを使い感染者を街ごと焼き尽くすという結果で幕を閉じ2週間が経とうとしていた。アメリカ合衆国の情報部に所属する私、アダム・ベンフォードはこれが間違っていることだと思いつつ生存者の市民の一部とラクーン市警の生き残りを不当に拘束していた。

 名目上は生存者の感染確認、治療、捜査協力などだが真実は情報隠蔽だ。現在、さまざまな組織が事件の捜査を行い、責任のなすりつけ合いをしている。だが今回の事件の発端はウィルスを開発したアンブレラとそれを支援した合衆国によるものだ。これを証明する証拠のほとんどはラクーンシティと共に消え失せたかに思えたがラクーン市警が持って帰ってきたものが問題だった。まずワクチンである。これを持っていた警官を保護したのはミサイル投下の約3日前だ、ワクチンがあったにも関わらず滅菌作戦を強行したことを世間が知れば非難は免れないだろう。そしてそれに加えてマービンという警官が持っていた捜査資料だ。これにはラクーンシティの設計計画や街の地下にあった研究施設の存在、その製作に政府が関与していることさえも記されていた。

これら二つが引き起こすのは世界中からの非難などの生易しいものだけではない、政府が国民を実験台に生物兵器を作り証拠隠滅のために数万人のアメリカ市民を新型ミサイルで虐殺したことを誰もが知ることになるのだ、下手をすればアメリカと言う国そのものがなくなってしまう。

 そしてこれらの物は一人の人物によってもたらされたものだった。

ウィリアム・コクラン

 

 ラクーン事件当時にはラクーン市警の署長代理として生存者の保護、避難を指揮し数千人の生存者を生還させた。英雄と言っても差し支えのない人物は失った片腕の治療を受けた後、残された腕に手錠をかけられ外部と連絡が取れないように監視されている。あれらの証拠を握っていたと言うことは政府とこの事件の関わりを知っていると言うことだ。だと言うのにこちらを糾弾することや強請るような素振りさえも見せずに沈黙を貫いていた。その様子を不気味に思いつつ過ごしていたある日のことだった。

 

「局長、大変です!」

 

出勤すると職場の全ての電話が鳴り響き、部下が慌ただしくそれらの対応に追われている姿が眼前に広がっていた。

 

 デスクに置かれていた新聞の記事にはラクーン事件、黒幕はアンブレラか!?と言う題名がデカデカと書かれてあった。内容にはテレビ局に匿名でラクーン事件にアンブレラが関わっている証拠が送られてきたとのことだ。裁判所、上層部、そしてアンブレラからの電話を振り切りコクランが収容されている部屋へ向かう。

 

ありえない

 

移動中にその言葉が頭の中を埋め尽くす。

目標の部屋にたどり着くと引き止めてくる部下を置いて部屋に入った。

そこには今まで身じろぎもせずにただ座っていただけだったコクランが机の上に足を投げ出し、口をニンマリと歪ませこちらを見ていた。

 

そこで理解した、こいつがやりやがった‥と。

 

「‥どうやった」

 

見張りに金でも握らせたのか?いやありえない。いくら金を積んだ所で全ての証拠は既に上に徴収され手の届かない所にあるのだ、できるはずがない。同僚や友人に予め指示していたのか?それこそありえない。同僚は全員死んだか捕まっている。我々の知らない友人がいるのかと考えたが奴は孤児として保護された後、その人生のほとんどを監視されて育ったのだ、奴の交友関係に漏れがあるはずがない。

 

「あんた達が聞かなきゃならないのはどうやったかじゃないだろ?」

 

その発言とこちらを見下すような態度は言外にこれ以上バラされたくなければ言う通りにしろと告げていた。

 

「お前の要求はなんだ」

 

「とりあえずラクーン市警についての偏向報道はやめてもらおうか」

 

その発言に驚き部下がいるであろう方向のマジックミラーに視線を送る。

 

『私たちは何も話してません』

 

右耳につけたインカムから部下が告げた。

 

「なぜ外のことを知っている」

 

「お前達のやり口は5歳の時から知っている。どうせ警官全員殺すのは面倒だから俺たちを犯罪者に仕立て上げて発言力を消すつもりだったんだろ?」

 

どうだと言わんばかりにこちらの目を覗き込んでくる。その通りだった。ラクーンシティに関する証拠は消え失せ、こいつらの社会的信用を底に落としてしまえばコイツらがいくら騒ぎ立てようとも犯罪者の妄言として処理できる筈だった。非常に面倒なことになったと舌打ちをしてしまう。

 

そこで一つの考えが脳に浮かんだ。

 

もう手の打ち用がないのではないのか?と。だってそうだろう?コイツはアメリカが吹き飛ぶような秘密を握っていて、この世界のどこかにコイツと話した記録さえないような人間がその秘密を持っていて、尚且つコイツの身に何かあったらその秘密をバラされるのだ。

 

全身から汗が噴き出る。

 

気づいてしまったのだ、この薄汚い男の気まぐれで合衆国は崩壊し、そしてそれを防ぐ手段が私達には何一つないことに。

 

 それからしばらくして私はこの件から降ろされ、私よりも上のものが対応することになったがあいつがアンブレラのトップとなって好き勝手している様子を見るに上層部は奴を丸め込むことに失敗したのだろう。

 

奴がアンブレラのトップになってしたことは粛清だ。記録によると奴は初めての出勤日に正当防衛の名目で旧アンブレラ幹部を含め36名を射殺したらしい。

さらにライバル企業に兵器の情報を持って転職しようとした人間は例外なく行方不明になっている。

 

だが粛清人数に反比例するように企業利益は伸びていった。原因はTウィルスワクチンの存在だ。ラクーン事件直後はバイオ兵器開発の有無の確認のための査察が頻発し、それを恐れ各製薬企業は一時的にバイオ兵器事業から手を引いた。その直後にネオアンブレラはワクチンの製造成功を発表した。元々ウィルスを作った企業なのだ、ワクチンの製造成功もおかしな話ではなかった。当時はバイオハザードを起こした会社として不買運動こそ起きたがインフルエンザ等とは違い感染したら怪物に変貌して人間を食べるようになるウィルスだ、同調圧力と恐怖心によりワクチンの奪い合いが起こるようになるまでそう時間は掛からなかった。数年後に別会社がワクチンの開発に成功したことで市場の独占状態を崩せるかと思ったが既にその頃にはネオアンブレラ社製のワクチンの効果は世界から認められており、元々世界トップの製薬企業だったアンブレラは世界中に工場を持っており、それらを受け継いだネオアンブレラが作ったワクチンは輸送コストを抑えることが可能だったため他社のものよりも格段に安かったため独占状態を崩すには至れなかった。

その結果今ではネオアンブレラの対バイオハザード関連の事業のシェア率は驚異の74%超えだ。

 なんとかしてネオアンブレラの増長を止めようとBSAAやFBCなどの対バイオハザード部隊の設立やアンブレラのライバル企業であるトライセルへの支援をおこなっているがアンブレラが止まる気配はない。

 

 もはや一個人が持つには大きすぎる権力を持っている。だから止めなければならない、例えラクーンシティでアメリカが犯した罪を全世界に知られることになったとしても。

 




次回かその次あたりに久々の実況パートを入れたいと思います。次は遅くならないように気をつけます。
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