「僕と契約........................」
早苗「私と契約して、守矢神社に信仰して下さい!」
椛「早苗様!?」
さやか「........あはは、キュゥべえの言った通りだ。その気になれば痛みなんて完全に消しちゃえるんだ........」
龍騎「................」
狂ったかのように笑いながら魔女を斬り付けるさやかの姿を見て、俺は驚きを隠せなかった。その場に居た杏子は顔を青ざめ、まどかは見てられないのか涙を流しながら手に顔を当ててさやかの姿を見ないように隠していた。
それでもさやかは笑い続けながら魔女を斬り付ける。杏子は遂にさやかの姿に見て居られず、そっぽ向いてしまった。俺も我慢の限界が来てしまった為、カードデッキを取り出す。
龍騎「........変身」
俺はカードデッキに魔力を流し込んでベルトを出現させて腰に巻き、ベルトにカードデッキを差し込み変身すると、ベルトからカードを引き抜いて甲冑を装填して召喚機を元に戻す。
【STRIKE VENT】
そして上空から龍の頭部を模した手甲が飛んできて、俺は右手に装着すると、魔女に向けて小さく態勢を低くする。俺は魔女に向けては無く、さやかに向けて火炎弾を放つ。
さやか「うわっ!?」
杏子「なっ................!?」
まどか「お兄ちゃん!?どうして................!?」
龍騎「................」
さやか「................何してんの......、お兄さん」
龍騎「................佐倉、まどかを頼む」
杏子「え...........あ、ああ........」
俺がさやかに向けて火炎弾を放った事により、さやかは俺を睨みつけるが俺は佐倉にまどかの面倒を任せると、俺は魔女に向けて歩き始める。そしてカードデッキからカードを引か抜き、召喚機にセットして元に戻すと、更に別の効果音が鳴り響く。
【AD VENT】
上空から赤き龍が現れて、使い魔に向かって火炎弾を吐き出すと、さやかの攻撃によってボロボロな魔女は、火炎弾に直撃すると爆散し、グリーフシードが落ちたので回収する。
さやか「........まぁ良いや。やり方は分かったし、こっちのもんだね。これなら負ける気がしないわ」
そして元の姿に戻ったさやかは、そのまま帰路に着くがフラフラな状態だった為、まどかがさやかを支えて行ってしまった。
杏子「.........あの馬鹿」
龍騎「........後は俺に任せろ」
俺は回収したグリーフシードを佐倉に渡して二人の後ろに着いて行った。そして、ポツポツと雨が降り始めてしまった........。
まどか「........さやかちゃん、あんな戦い方ないよ」
さやか「................」
まどかとさやかは雨宿りをしていると、まどかは正直な気持ちを伝えていた。
まどか「痛くないから傷ついても良いなんて、そんなの駄目だよ........、いつか本当に壊れちゃうよ........」
さやか「........ああでもしなきゃ勝てないのよ、私才能ないから」
まどか「それで勝ったとしてもさやかちゃんの為にならないよ........」
さやか「........私の為って何?」
まどかの発言が引き金になったのか、さやかは怒りを露わにした。
さやか「魔女を殺す事しか意味が無い石ころの私に、何の為になるって言うの?」
まどか「わ、私はただどうすればさやかちゃんが幸せになるか考えて........」
さやか「だったらまどかが戦ってよ!キュゥべえに聞いたけど私より才能あるんでしょ!?私の為に何かしようって言うならまず私と同じ立場になってみなさいよ!無理でしょ!?当然だよね!ただの同情で人間やめられる訳ないもんね!何でも出来ない癖に何もしないまどかの代わりに私がこんな目に遭ってるの!知ったような事言わないでよ!」
バチンッ!
さやかが言い切ると同時に俺はさやかの顔にビンタして、胸倉を掴む。
龍騎「良い加減にしろ、例え俺の妹が相手でも許さねぇぞ?」
さやか「................」
龍騎「それに俺は言ったよな?自分の行動に後悔の無いようにして欲しいって、お前俺の反対を押し切って魔法少女になったんだろ?それなのに何まどかに八つ当たりしてるんだよ?」
さやか「...............だって私、死んでるんだよ...?ゾンビなんだよ......?こんな身体で恭介に抱きしめてなんて言えない........」
龍騎「都合の良いように言い訳すんな小娘が」ギロッ
さやか「っ!」
龍騎「お前何の為に魔法少女になったんだ!?上条の腕を治してなりたかったんだろ!?あいつのヴァイオリンを聞きたいからなったんだろ!?お前俺の話し聞いてたよな!?魔法少女になったら碌な事しか無いって!今更後悔したってもう遅いんだよ!」
さやか「................」
俺は掴んでいたさやかの胸倉を話すと、鞄から折り畳み傘をさやかに投げるとまどかを肩を掴んで反対方向へ歩き出す。
龍騎「........今日は帰って頭を冷やせ、それとお前は当分魔女狩りは禁止だ」
それから俺はまどかと共に帰宅する事にした。隣に居たまどかは今にも泣きそうな顔をしていた、よっぽどさやかの事にショックを受けてるのだろう........。
まどか「........私、何も出来ないのかな................」
龍騎「........え?」
まどかが歩くのを止めると、拳を強く握り締めて涙を流す。
まどか「さやかちゃんの言う通り........、皆んな戦ってるのに私だけ黙って見てるだけなんて........、卑怯だよね........」
龍騎「........それは違う」
まどか「違く無いよ........、何も取り柄の無い私がさやかちゃんの為になれれなんて思えないし........」
龍騎「さやかだけなのか?」
まどか「........え?」
龍騎「俺が今戦ってるのはこれ以上、魔法少女に不幸になるのを防ぐ為だ。でもそれは俺一人で出来るような事じゃない、お前が帰りを待ってくれてるから俺は頑張れるんだよ。それは決して意味の無い事じゃない、まどかもしっかり仕事をこなしてるんだよ」
まどか「........でも、帰りを待つ以外にも出来る事が................」
龍騎「だからって魔法少女になるのか?俺はお前が側に居てくれれば十分なんだ、だから頼む........。これはお前の為でもあって、ほむらの為でもあるんだ........」
まどか「ほむらちゃんの........?」
俺はまどかの両肩を掴むと、勢い余ってほむらの事を口に出してしまった。此処まで来たら引き返せない........、仕方なく俺はほむらについて話す事にした。
龍騎「ほむらはな、俺と同じイレギュラーなんだよ。俺のような転生(?)した訳じゃなく、この世界とは違う平行世界の人間........。当時のほむらは今のような性格でも才能も無かったみたいなんだ........、そんなほむらを助けてくれたのが、まどかなんだ」
まどか「私が...、ほむらちゃんを........?」
龍騎「そうだ、でもまどかはな........、大切な友達を守る為に、ほむらを助ける為に自分を犠牲にした。そして死ぬ前に約束したんだって、『魔法少女になる前の馬鹿な私を救って』てな。それからほむらは幾度も平行世界を行ってはまどかを救う為に行動しては失敗の繰り返し、地獄の無限ループを味わって来ている。そして今回、この平行世界にやって来た。俺というイレギュラーが居る平行世界にな」
まどか「..................」
龍騎「ほむらが淫獣を狙っているのはお前との契約を阻止する為なんだ、どんな事があってもな。俺もこれ以上、魔法少女を増やしたく無い。お前が契約したら、ほむらのやって来た事は全て水の泡になってしまう........。この件は俺達に任せてくれ、だからお前は俺達の帰りを待ってくれないか?俺だけじゃなく、ほむらやマミ、佐倉、突然さやかもな」
まどか「........本当に、私が出来る事なの?」
龍騎「当たり前だろ?それとも何だ?お前は誰かしら帰って来ても出迎えくれないのか?」
まどか「........ううん」
龍騎「良い子だ........、さやかの事は俺に任せておけ。必ず元に戻してやる」
まどか「約束だよ........?」
龍騎「ああ、約束だ」
俺がまどかの頭を撫でると、まどかは俺の胸に抱きついて泣き出すと俺は咳き込んでしまう。風邪でも引いたのかもしれない........、そう思った俺達は急いで帰宅するのであった。
〜翌日〜
翌朝、さやかがいつもの集合場所に来る事は無かった。心配した俺は一度さやかの家に電話を掛けてみると、どうやら昨日の夜から帰って来てないらしいのだ。何処に行ったのが分からないのでどうしようも無く、この日は学校があるのでさやかの捜索が出来なかった。
放課後、今日はバイトがあるのでバイト先に向かってると、偶然にも仁美と上条が一緒に笑っている姿を確認した。あれはどう見ても結ばれちゃってるな........。何故か二人の姿に見て居られず、直ぐにその場から離れた。
〜数時間後・電車内〜
さやか「................」
男性A「稼いだ金はきっちり貢がせないと女って、バカだからさぁ........」
男性B「犬が何かだと思って躾けないとダメっすよね」
男性A「油断すると直ぐ籍入れたいだの言い出すからねー」
男性B「捨てる時がホントウザいっすよねぇ........」
さやか「........ねぇ」
電車に乗っていたさやかは、正面に居た男性A、Bの会話に割り込んで来る。
さやか「その女の人の話し、もっと聞かせてよ」
男性A「........お嬢ちゃん中学生?夜更かしは良くないぞ?」
さやか「その女の人、あんたの事が大事で喜ばせたくて頑張ったんでしょ?なのに犬と同じなの?ありがとうって言わないの?役に立たなきゃ捨てちゃうの?」
するとさやかの足元から禍々しいオーラが発生し出す。
さやか「ねぇ、この世界って守る価値あるの?私何の為に戦ってたの?教えてよ、今すぐあんたが教えてよ........。でないと私................
どうにかなっちゃうよ?」
バシン!!
さやか「........え」
龍騎「................」
すると頬を叩かれたさやかは振り向くと、龍騎が昨夜と同じ目をしていた。そして男性A、Bの前に立ち、頭を深く下げる。
龍騎「うちの妹がご迷惑をお掛けして申し訳ありせんでした」
男性A「...あ、いや別に迷惑って訳じゃ........」
龍騎「本当にすみませんでした、妹にはキツく言っておきますのでどうか........」
男性B「も、もう良いから........、それより早く家に帰るんだぞ?」
龍騎「はい........、あ、此処で降りますので失礼します。本当にすみませんでした」
電車が停止すると、龍騎は男性A、Bにもう一度一礼をして、さやかの手を掴んで駅を出る。
〜駅のホーム〜
龍騎「................」
さやか「........何でお兄さんが居るの?」
龍騎「バイト帰りだ、俺は隣町の喫茶店でバイトしてんだよ。........何考えてんだ」
俺がさやかに駅のホームで問い掛けると、さやかは全てに絶望したような表情をしていた。まさかとは思うがソウルジェムには感情によって穢れが操作出来るのか........?
さやか「........別にもう、どうでもよくなっちゃったからね。結局私は一体なにが大切で、何を守ろうとしてたのか。もう何もかも訳分んなくなっちゃった」
そう言ってさやかはソウルジェムを取り出すと、既に真っ黒であった。俺はソウルジェムを見つめるが、微動だにしない。
さやか「希望と絶望のバランスはさ、差し引きゼロだって。いつだったか杏子は言ってたよね。今ならそれ、良く分かるよ。確かに私は何人か救いもしたけどさ、だけどその分、心には恨みや妬みが溜まって。一番大切な友達さえ傷つけて...、誰かの幸せを祈った分、他の誰かを呪わずには居られない。私達魔法少女ってそういう仕組みだったんだね.......」
龍騎「........さやか、俺がマミに言った事覚えてるか?例えお前がゾンビだろうが魔女だろうが関係ない、お前が巴マミなら巴マミだ。俺はお前を受け入れる、だからお前も俺を受け入れろ、ってな」
さやか「........だから何?こんな私でも受け入れられるの?」
龍騎「当たり前だ、前世から何一つ変わってねぇよ。それと褒め言葉として受け取っておく」
さやか「........だったら私の事も受け止めてよ。恭介にはこんな体で抱きしめてなんて言えない。キスしてなんて言えない。でも...、お兄さんなら出来るんだよね?抱いてよ...、今すぐ抱いてよ........、でないと私........」
そう言って俺の腕を掴んで問い掛けるさやかに、俺はさやかの手を取って予備のグリーフシードを渡す。
龍騎「悪いがそんな理由で俺の純潔は渡せないし、こんな形でお前の初めてを貰いたく無い。でもな、それ以外にもお前を受け入れられる事が出来る」
そう言って俺はカードデッキを取り出してさやかに見せると、さやかは少しばかり驚いていた。
龍騎「さやか...、俺と戦え。お前の溜め込んだものを全部俺にぶつけて来い。全力でやらないと意味が無い、だからお前にグリーフシードを渡した。足りないならもう一つ渡す........、俺を殺す気で戦え」
さやか「........................」
暫く静寂が続く中、遂にさやかに覚悟が出来たのか俺の渡したグリーフシードを向かってソウルジェムに溜まっていた穢れを取り除く。そして万全な態勢が整い、さやかは魔法少女姿になると、俺もカードデッキに魔力を流し込み、ベルトを出現させてゆっくりとカードデッキをベルトに挿入する。
龍騎「........変身」
そしていつもの戦闘服になり、カードデッキからカードを引き抜き、カードを装填して召喚機を元に戻す。
【SWORD VENT】
甲冑から効果音が発生して、上から青龍刀が降って来て上手くキャッチすると、さやかは剣を両手で構えて、俺は青龍刀を左胸まで持っていく。
龍騎「掛かって来い........、お前の全てを受け止めてやる」
さやか「................うあああああああああああああああああ!!」
さやかは力強く叫びながら俺に向かって剣を振るうと、俺も青龍刀でさやかの剣をぶつける。そして俺とさやかの決闘が始まった........。
〜数分後〜
杏子「........何だよこれ................」
さやか「やあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
龍騎「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
数分後、杏子が駅のホームに向かうと、龍騎とさやかが剣を交えていた。状況が読み込めない杏子はただ二人の戦いを黙って見ている事しか出来なかった。
さやか「でやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
龍騎「どうした!?お前の溜め込んだものはその程度か!?」
さやか「ぐわっ!?」
龍騎がさやかに斬りつけては蹴り飛ばし、さやかは倒れるが直ぐに立ち上がって龍騎に斬り掛かるが、龍騎は容赦無くさやかに斬りつける。
さやか「まだ..........、まだ終わらない!」
龍騎「そうだ、お前が持ってる怒りやら苦しみやら全て解放しろ!全部受け止めてやる!」
さやか「だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
さやかの剣が龍騎の青龍刀が鍔迫り合いになり、さやかが龍騎の青龍刀を上空に吹き飛ばす。
龍騎「っ!?」
さやか「これでどうだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
さやかが龍騎にトドメを刺そうと斬り掛かるが、龍騎はさやかの足を引っ掛けて態勢を崩し、大きく飛び跳ねて上空に吹き飛ばされた青龍刀を回収し、さやかの持っていた剣を真っ二つにする。
龍騎「それで終わりかさやか!?お前の全力はそんなもんなのか!?」
さやか「........私は」
龍騎「お前はその程度の人間なのか!?お前の人生は此処までなのか!?」
さやか「私は........!」
龍騎「お前は何の為に魔法少女になったんだ!?何の為に戦うんだ!?」
さやか「私は!」
龍騎「お前一体、何者なんだ!?デカい声で言ってみろ!!」
さやか「私は!!魔法少女、美樹さやかだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
龍騎の問い掛けに、さやかは雄叫びを上げるかのように叫びながら折れた剣を力強く持って龍騎に襲い掛かる。
龍騎「やっと、いつものお前に戻った........」
龍騎は青龍刀を投げ捨てると、そのままさやかの剣が腹部に直撃した。
さやか「........................え」
龍騎「........やれば出来るじゃんか...、もっと自信を持てよ..............」
そう言って龍騎はさやかを抱きしめる。そしてゆっくりとさやかの耳元で囁く。
龍騎「お前は...、確かに間違った道を踏み外してしまった........。誰だって間違いはあるものさ、完璧な奴なんて居ない........。どんな世界でもな................」
さやか「................ぁ、ぁぁ........」
龍騎「一人で溜め込むな.........、一人で解決しようとするなよ.............。俺やまどかが........、居るだろう........。何の為の仲間だよ........」
さやか「................う、........うう.............」
龍騎「........また、お前が違う道を踏み外したら........、俺達が直してやる........。だから................、戻って........、こ................」
そして龍騎が最後まで言い終える事無く意識を失うと、さやかは倒れる龍騎を支えるが、彼女自身も泣き崩れてしまう。
さやか「........あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
さやかは龍騎に抱きつきながら盛大に泣き始める。自分を大切に想っていた人を手に掛けた事に罪悪感を憶えていたからだ........。
さやか「私って........、ホント馬鹿................」
どうもです、餡 子太郎です。
いかがでしたか?
これにてさやかちゃん救済です。やったね!
さて、お次はワルプルさんとの最終決戦です。
誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。
次回もよろしくお願いします。