前回の続きです。
それではどうぞ。
〜いろはside・調整屋〜
みたま「ももこ!いろはちゃんが目を覚ましたわよ!」
ももこ「本当に!?」
やちよさんに襲われた時に意識を失った私は、目が覚めると調整屋のベットの上だった。
ももこ「いろはちゃん、大丈夫か?」
みたま「良かった......。外傷はなかったけど、中々気がづかないから心配したのよ?」
いろは「ももこさん...、みたまさん...」
ももこ「どうした?何処か痛い?」
いろは「私、思い出しました........。魔法少女になった理由を........、自分の願い事を........」
ももこ「!?」
私がももこさんに魔法少女になった理由と願い事について話し始めようとときたら、入り口の扉が開かれた。
龍騎「........どうやら今気がついたみたいだな」
ももこ「意外と早かったな」
龍騎「まぁ、蓮子を駅まで送りに行っただけだからな」
そっか........、蓮子さんを送り迎えしてたんだ........。
龍騎「で、今の状況は?」
いろは「........私、魔法少女になった理由と、願いの事を思い出したんです」
龍騎「........お前のペースで良い、教えてくれ。それとその涙拭け」
いろは「は、はい........」
そう言って龍騎さんはポケットからハンカチを取り出して私に差し出すと、私はいつの間にか泣いていた目をハンカチで拭いて、思い出した事は話し出す。
いろは「私、妹の為に........。あの子の病気を治す為に魔法少女になったんです。どうして忘れてたんだろう........。こんな大切な事........」
ももこ「忘れていたって、そんな........。一体どういう........」
いろは「分かりません...。ずっと一緒に暮らしてた筈なんです........。入院してしまうまでは同じ屋根の下で寝てご飯も一緒に食べてました。でも、消えてるんです、みんな........。無かった事になってるんです........。お母さんもお父さんもいつも通りだし、私もついさっきまで自分は一人っ子だと思い込んでた........」
龍騎「つまり、最初から妹さんが居なかったことになってる、と........」
ももこ「そんな事って........」
みたま「魔女の仕業かしらぁ?」
龍騎(俺の知ってる限り、魔女は人間を魔女の口づけで操って、自殺に追い込む事はできるが、記憶を改ざんなんて出来るのか?)
ももこ「あたし長いこと魔法少女やってるけど、そんな魔女聞いた事ないぞ?」
みたま「でも他にそんな事ができるのって........」
龍騎「........または、何者かが妹さんを居なかった事にしたか、それとも妹さん自身がそうしたか........」
「「「え?」」」
龍騎「あ、いや、可能性の話しであって確証は全くない。気にしないでくれ」
いろは「は、はぁ........」
龍騎さんの発言も気になるけど、取り敢えず私は話しを続けた。
いろは「まだ、良く分かりませんが、私がまだ思い出せてない事が何があるかも...。きっと、この子がういの事を思い出させてくれたんだと思います」
スモールキュウべえ「キュ?」
そう言って私は側に居た小さなキュウべえを撫でる。
いろは「........決めました。私、また来ます!この神浜市に、今度はういを探しに」
龍騎(まぁ、この町なら手がかりはあるんだろうな。そのちっこいキュウべえも何か隠された秘密があるのかもしれないし........)
みたま「いろはちゃん........、あのね?嫌な事を言うかもしれないけど........。その記憶が実は嘘のもので、その理由があって貴女に植え付けられた、そういう可能性だって考えられると思うの」
龍騎「だからって、環はそう易々と意見を変えないと思うぞ?(なんか、昔の俺に似てるからな........)」
いろは「はい........。それでも私、この記憶を信じます。ういの事を考えるだけで、凄く愛おしい気持ちになって........。鮮明になった思い出が、あの子が居たって実感を与えてくれる。それに何よりも、今の私は『環ういって妹か居る環いろは』だって思えるから........。だから、今の私を『私』は信じたいんです。
それに、龍騎さんが言ってたあの言葉........。
龍騎『お前はただ自分の信じるものの為に戦えば良い!他人が何言われようが自分の決めた道だろ、だったら覚悟決めろ!』
龍騎の言われた通り、私は、私の信じるものの為に戦う。そう決めたんだ!
龍騎「........って言ってるけど?」
ももこ「はぁ〜、こうも言われちゃあねぇ」
みたま「いろはちゃんがそこまで言うなら、これ以上は何も言わないわぁ」
どうやら皆んな納得してくれたみたいだ、良かった........。
ももこ「........そういや、話し変わるけどさ。龍騎さんはどうやって龍騎士になったんだ?」
龍騎「ん?あぁ、これさ」
ももこさんの質問に、龍騎さんはポケットから四角い箱を取り出した。
龍騎「カードデッキ、これを使わないとまぁ変身は出来ないようになってる」
みたま「それって私達魔法少女で例えると、ソウルジェムかしらぁ?」
龍騎「そう捉えて良いかもしれない。俺は完全なイレギュラーだからな」
ももこ「調整屋、これを弄るって事は出来るのか?」
みたま「どうかしらぁ〜、彼は魔法少女じゃないし、何よりできるかどうか........」
龍騎「........取り敢えず、やってみてくれないか?出来なかったら出来なかったで別に良いし」
いろは「え!?良いんですか!?」
龍騎「流石に死ぬわけじゃないんだし、大丈夫だよ........。ソウルジェムが割れたらお前ら死んでるわけだし」ボソッ
....?今なんて言ったんだろ........。良く聞こえなかった........。
みたま「それじゃあ、そこの寝台に横になってねぇ」
それから龍騎さんは、みたまさんの指示に従って寝台に横になる。そして、みたまさんがカードデッキに触れると、カードデッキから光が放たれる。
ももこ「っ!いろはちゃんの時より凄い光........」
いろは「す、凄い........」
みたま「................っ!................っ!?................!!??」
龍騎「........っ、八雲!もういい!やめろ!」
みたま「っ!!」
突然、龍騎さんがみたまさんに叫ぶと、みたまさんは驚いて尻餅を付いてしまった。
ももこ「え!?何!?」
いろは「だ、大丈夫ですか!?」
みたま「はぁ........、はぁ........」
龍騎「........大丈夫か?」
みたま「........龍騎さん、貴方........」
みたまさんは龍騎さんを見ると、何故が怖がっていた。確かみたまさんは、その人の過去が見れるって言ってたような........。
龍騎「もしかして、見たくもない俺の過去が強制的に見せられたって事か?」
龍騎の言葉にみたまさんはゆっくりと頷いた。一体何を見たと言うの........?
ももこ「どう言う事だ?」
龍騎「........その言葉通りの意味さ、八雲が驚くのは無理もない。お前らはさ........、輪廻転生って信じるタイプ?」
〜いろはside out〜
〜三十分後〜
龍騎「........ざっくりだけど、こんな感じかな」
いろは「........」
ももこ「つまり、龍騎さんは........、元々は別世界の人間で........」
みたま「この世界の一般家庭の長男として、生まれ変わった........」
俺の過去を話すと、シリアスだった雰囲気が更に重い雰囲気となる。過去を見られるのは百も承知だったが、まさか前世の記憶まで覗けるとはな........。
いろは「じゃ、じゃあやちよさんを圧倒できたのは........」
みたま「前世から引き継いだ長年の経験って所かしらぁ?私達より死線を超えて来た訳だし」
ももこ「は、ははは........。アタシ、とんでもない人に会っちゃったかも........」
いろは「龍騎さんがこっち側で良かったですね........」
何かドン引きされてるんだけど?俺ってそんなに危険人物扱いされてる訳?それはそれで悲しいんだけど........。
それから俺達は連絡先を交換して、今日は解散する事になった........。
〜翌日〜
龍騎「........ん?」
学校が終わって放課後、俺は再び神浜市へスクーターを走らせていた。今日は蓮子はバイト、メリーは相変わらず習い事、マミも留守番しているので俺一人。適当に神浜の道を進んでいたら、環がスマホを片手に歩いていた。
いろは「ん〜〜〜、あれ...........?」
龍騎「おーい、環ー!」
いろは「あ、龍騎さん........」
龍騎「環一人なのか?こんな所で何してるんだ?」
いろは「えっと、実は昨日、思い出した事がありまして........。そこに行けば、何か手がかりがあるんじゃないかって........」
成る程、それでスマホのナビを頼りに歩いてたのか。そう思った俺は環のスマホの画面を見ると、環が向かっている目的地とは真反対な方向だった。
龍騎「........お前、迷子なのか?」
いろは「ち、違いますよ!確か此処を曲がって坂を登ると病院の筈........」
龍騎「その病院は後ろのやつか?」
いろは「え?........あ」
俺は後ろに建ってある病院らしき建物を指を指すと、環は固まってしまった。
龍騎「........お前、方向音痴か?それとも機械音痴?」
いろは「うっ........」
どうやら図星のようだ。今時の学生なら携帯ぐらい余裕で扱えるのに...。
龍騎「良いか?この赤い点は目的地、この青い点は現在地、そしてこの三角の矢印はスマホが向いてる方角。つまりお前は逆方向に向かってる訳だ」
いろは「........な、成る程」
龍騎「........何か心配になってきた。俺も一緒に行くよ」
いろは「だ、大丈夫です!一人で行けますから!」
龍騎「スマホのナビアプリを全く理解出来てない人が心配するなって言われても無理な話しなんだが?」
いろは「ぐふっ........」
龍騎「........はぁ、取り敢えず行こう」
そう言って俺はスクーターを押して歩いて、環の目的地である病院へと向かった。それから病院に辿り着いた俺と環は、環一人で病院に入って行くのを見送り、近くのベンチで一休みしていると、環が溜め息を吐きながら帰ってきた。
龍騎「お帰り。その様子だと、収穫は無かったようだな」
いろは「はい........、まさか二人とも憶えてない所か、病室にもいないなんて........。おまけに退院したのか、部屋を移ったのかも教えて貰えなかったし........」
最近の病院も厳しくなったな........。プライバシーにも気にする事になったとは........。
龍騎「........そういや、二人とも憶えてないって言ってたけど、知り合い?」
いろは「あ、はい。灯花ちゃんとねむちゃんって言って、いつもういと仲良く遊んでた友達だったんです」
龍騎「もしかして、環の妹さんもあの病院に居たのか?」
いろは「はい........。とても仲か良かったです」
龍騎「ほぉ〜」
いろは「灯花ちゃんは、宇宙のお話しを偉い人と議論するようなすっごく頭の良い子で、ねむちゃんは、お話しを書くのが大好きで、ネットに載せた物語が本になるような子なんです。二人共、本当に才能に溢れた子達だったけど、いつもはよく喧嘩し合う普通の女の子だったんです」
お、おう........。中々個性豊かなお友達で........。俺が苦笑いしてると、いろはは思い出したのか、少し笑った。
いろは「やっぱり、記憶違いだとは思えないや........。ほんとよく絶交って言ってたなぁ........」
龍騎「あー、分かる分かる。大抵は絶交って言ったら直ぐに元通りになるオチだよな」
いろは「ですよね........」
「絶交........、ですって?」
龍騎・いろは「「!?」」
突然、背後から声が聞こえた俺と環は、聞こえた方向へ向くと、昨日環に喧嘩を売ってきたやちよと言う人物だった。
いかがでしたか?
誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。
次回もよろしくお願いします。