今回で水名神社のウワサは終了です。
それではどうぞ。
龍騎「駄目だ!勝てねぇえええええええええええ!!!」
あまりにも硬すぎるウワサのバケモノに、打つ手がない俺は頭を抱えて叫び出した。まさしく絶体絶命、どうしようもない状況だった。
いろは「龍騎さん!前に戦った時の技じゃダメなんですか!?」
龍騎「それで倒せたら苦労しねぇよ...。あれは...、竜滅剣は火力が高い分、魔力の浪費が激しんだ。下手したら動けなくなって下敷きにされちまう」
いろは「でも前は立っていたじゃないですか」
龍騎「ほんのちょっとだけ魔力が残ってたから立ってられるんだよ...。それとも何か?俺を人間魚雷みたいに特攻しろってか?生贄に捧げる気か?」
いろは「そんな事言ってませんよ!」
いやお前が言ってる意味はそう言う事だぞ?
やちよ「為す術がないわね........」
マミ「やちよさん、悔しいですけど........」
やちよ「えぇ........、一旦退くわよ」
流石の七海もこの状況はまずいと判断したのか、戦略的撤退を判断した。それに現状の戦力じゃ勝ち目はない、俺も賛成だ。決して敵前逃亡じゃない。
鶴乃「よーし!戦略的撤退だ!よーいどん!」
マミ「あ、待ちなさい!」
すると鶴乃が一目散に走り出してしまうと、マミも慌てて後を追う。まったく、少しは連携を考えてほしいものだ........。
やちよ「やれやれ........、行くわよ環さん」
いろは「はい、やちよさ........」グラッ
やちよ「環さん!?」
龍騎「環!」
環が言ってる途中に、環はふらついてしまった。俺と七海が駆け寄ると、俺は環のソウルジェムを確認する。すると、環のソウルジェムは既に穢れに溜まり切ろうとしていた。
やちよ「貴女........、そのソウルジェム................!」
いろは「ごめんなさい、なんだか急に...、力が抜けちゃって........。もう少し大丈夫だって思ってたんですけど........、ういに会えなかったの、ショック........、だったのかな........?」
龍騎「馬鹿野郎!なんで回復しなかった!?グリーフシードは!」
やちよ「グリーフシードは...、私が........」
龍騎「っ!ちぃ!」
こいつ........、俺以上のお人好し過ぎだろ........!俺は慌てて環をお姫様抱っこして、走り出す。
させない........、絶対に魔女化なんかさせない!!
いろは「龍騎さん........?」
龍騎「気をしっかり保て、絶対に死なせない........!」
いろは「................はい」
やちよ「早く移動するわよ、時間がないわ」
七海がそう言うと、背後からウワサのバケモノが迫ってきた。まぁ、あいつが見逃してはくれないよな...。
龍騎「そんなにしつこいと嫌われるぞこの野郎!」
やちよ「ウワサに言ってどうするのよ...」
早速全力ダッシュするが、背後から迫ってくるウワサのバケモノが追いかけてくる、命懸けの鬼ごっこが始まった。背後からウワサのバケモノが鼻から鼻提灯みたいな風船を飛ばして攻撃してくる。
やちよ「っ、避けきれない!」
龍騎「おい七海、予備のグリーフシードは無いのかよ!?」
やちよ「生憎、今は持ち合わせてないのよ」
尚更早く此処から脱出しなければならないな...。
マミ「ティロ・フィナーレ!」
鶴乃「火扇斬舞!」
すると横からマミと由衣の攻撃が放たれ、ウワサのバケモノに直撃する。
鶴乃「大丈夫!?敷地外に出れば追いかけて来ないから!」
マミ「私と由衣さんで押さえます、先に行ってください!」
龍騎「すまん、頼む!死ぬんじゃねぇぞ!」
そう言ってマミはマスケット銃を発射し、由衣は扇子で攻撃する。その後ろで俺と七海は急いで神社から離れようとひたすら走る。そして、環のソウルジェムを確認するが、更に穢れが溜まっていく。
......やばい、時間がない...!まさに時間との勝負だった。
〜いろはside〜
なんでだろう...、危険な状況なのに、なんだかホッとしてる......。だけど、胸の奥がどんどん冷たくなってる。凍り付くように、少しずつ...、少しずつ...。なんだか意識が吸い込まれていって、胸の奥に落ちて消えてしまいそう......。私が飲み込まれていく......、何かに........。
龍騎「もうちょっとだぞ、しっかりしろよ環!」
いろは「........龍騎さん、私......」
龍騎「話しは終わってから聞いてやる、だからしっかりし........、ぐわっ!?」
すると、龍騎さんの背中から衝撃が伝わり、私と龍騎さんは倒れてしまう。でも、龍騎さんは私を抱き締めて衝撃を押さえたが、意識の方はダメだった。身体の奥が凍えるように冷たい...、ぼんやりとしていた意識が吸い込まれていく...。
深く...、深く...、暗くて...、黒くて...、禍々しくて...、鬱々しくて...。自分の闇の底に......。
「ダメだ!いろは!!」
この声........、龍騎さん...?
................暗い。なんだろう此処......、さっきまで皆んなが居た筈なのに、身体も心も...、何も感じない...。あの凍えるような冷たささえも...、何も......。
落ちて.....、落ちていく......。私........、無くなっちゃうのかな........。
ーーーそれってあれだよね、ふたりがいればこの世界って何でも出来るって事だよね!
うい........?この記憶......、病院の........?
あれ........、違う........。落ちてない......、何か........、昇ってくる...!
あなたは........、だれ!?
いろは「っアアアアアアアアアア!!」
〜いろはside out〜
いろは「っアアアアアアアアアア!!」
龍騎「うわっ!?」
突然、環が叫び出すと、覇気みたいなので俺を吹き飛ばす。すると、環の頭部から何かが飛び出すと、何かの形を作り始める........。
龍騎「っ!」
やちよ「環さん..........?」
マミ「なっ........!?」
鶴屋「いろはちゃん!?」
環の頭部から出て来たのは、まるで鳥の形をしたバケモノだった。環は無言でウワサのバケモノの方向に向く。
いろは「............................................」
龍騎「環......?環!おい返事しろ!」
俺が声を掛けても返事するどころか、此方へ振り向く事も無かった。
マミ「ま、魔女......」
龍騎「!ダメだマミ!撃ってはダメだ!!」
混乱してるマミがマスケット銃を環に向けると、俺は咄嗟にマミのマスケット銃を奪う。
マミ「で、でも龍騎さん!あれはどう見ても魔女ですよ!」
龍騎「................いや、何か違う」
マミ「え........」
よく見てみると、環の頭部から出てからバケモノは、環の後ろ髪で繋がっている。まるで環の髪の毛で出来たような感じだった。魔女........、と判断するには早過ぎる。
龍騎「なんか...、背後霊とか守護霊みたいな感じがする...」
いろは「............................................」
すると、環の頭部から出てからバケモノは背後には何枚もの白い布がかかったマスト?みたいな物で、ウワサのバケモノを拳を打ち込むかのように攻撃して、砂煙を発生させる。
鶴乃「す........、すごい........」
やちよ「今のは................」
マミ「................」
七海と由衣は呆然としていると、マミは目の前の現象に腰が抜けたのか座り込んでしまった。そして、あっという間にバケモノのウワサの姿が無くなってしまった。
龍騎「........俺達の攻撃が通用しなかった相手を、こんなあっさりと......」
いろは「................?え................?あれ?私................?」
意識を取り戻したのか、環の頭部から出てからバケモノはシュー、っと頭の頭の中へと吸い込まれていた。
マミ「........頭が痛くなってきた」
龍騎「心配するな、俺もなにがなんだかさっぱりだ」
既に頭も身体も精神的にも限界に来ていた俺とマミ。さっきのウワサのバケモノといい、環の頭部から出てからバケモノといい、ちんぷんかんぷんだ。
鶴乃「いろはちゃん!」
やちよ「環さん!大丈夫!?」
いろは「あ、はい。大丈夫です........、なんだか気分も嘘みたいにスッキリしててて」
スッキリ........?あんなに苦しそうだったのに........。
やちよ「!!貴女、そのソウルジェム................」
七海が気がついたのか、環のソウルジェムを確認すると、先程まで穢れが溜まっていたのが、嘘のように綺麗になっていた。
いろは「え?あれ........、ほんとだ。グリーフシードも使ってないのにどして........」
マミ「!?おかしい........、ソウルジェムを回復するにはグリーフシードしかないのに........」
龍騎「........................」
鶴乃「分かった!今のは穢れを使った技なんだよ!」
龍騎・マミ「「それは違うと思う(います)」」
鶴乃「そんな真顔で言わないでよ!?」
龍騎「................環、お前もしかして前世ではス◯ンド使いかペ◯ソナ能力者だったりする?」
いろは「いきなり何言い出すんですか!?」
マミ「環さんは、さっきのアレは知らなかったのかしら?」
いろは「は、はい........。私も初めてだったので........」
........ダメだ、さらに謎が増えたから頭が働かなくてなってる。さっきのウワサのバケモノやら、環が出したバケモノやら更に調べる事が増えた。
龍騎「........今日は解散しよう、正直頭が働かなくておかしくなりそうだ」
マミ「そうですね........」
やちよ「なら環さんはうちにいらっしゃい、私に話しがあるんでしょ?私に話しがあるって運ばれてる時に言ってたじゃないの」
え?そうなの?逃げるのに必死だったから聞いてなかった...。
いろは「で、でも......、遅くなるとお母さんに怒られる........」
やちよ「大丈夫よ、私が説明するわ。スマホ貸して」
そう言って七海は環のスマホを借りて、本当に環の親に連絡した。こいつ意外と強引だな........。それから俺とマミは見滝原に帰るべく、環と七海と別れて、帰りの駅へと向かっていた。
マミ「........龍騎さん、ソウルジェムが穢れに満ちた時、魔法少女は魔女になるんですよね?」
龍騎「ほむらの言う事が確かならな...。俺も直接見た訳じゃないから何とも言えないが......、さっきの環のやつ...、どうも魔女には見えなかったんだよなぁ........」
マミ「........どう言う事ですか?」
龍騎「なんて言えば良いのかな......。上手く説明出来ないけど、もう一人の環が環を守ったって感じ?」
マミ「もう一人の...、環さん?」
龍騎「ほら、さっきのアレ...。環の髪の毛から形作られただろ?魔女になったら肉体も飲み込まれるんじゃないのか?偏見だけど」
マミ「あ........」
言ってみればそうだ、確かに髪の毛から魔女みたいなバケモノを作るなんて珍しい現象だ。神浜の魔法少女は見滝原の魔法少女と違って少しばかり特殊過ぎる...。
龍騎「................神浜には、まだ誰も知らない秘密が隠されてるな」
マミ「秘密........」
すると、マミの携帯に着信が入って来た。マミは携帯を取り出して電話に出る。
マミ「もしもし........、えぇ、今さっき終わった所よ。................それほんと?........分かった、伝えておくわ」
電話を終えたマミはすぐに携帯をしまう。
マミ「龍騎さん。佐倉さんから連絡があって、新しいウワサを見つけたとの事で........」
龍騎「................」
俺、ストレスで禿げそう....。
〜数日後〜
いろは「すみません...、手伝って貰って」
蓮子「全然大丈夫!寧ろ全然頼っていいよ!」
龍騎「引っ越しの作業なら男手は必要だろ?」
水名神社のウワサから数日後、俺は蓮子と共に環の家へとやって来た。どうやら環の父親が仕事で急遽、海外へ行く事になってしまい、環の母親も着いて行く事になってしまったようだ。当然学校も転校、幸いにも転校先に寮があるので住まいには困る事は無いのだが、どうやら環は寮ではなく、七海の住む下宿屋で過ごす事にしたそうだ。
まぁ、知らない人と一緒に居るよりはマシだな。
龍騎「そういや、転校先って何処なんだ?」
いろは「神浜市の大附属学校って所で小中高の一貫校です」
蓮子「エスカレーター式!?」
わぁ...、エスカレーター式ってエリート学校じゃん...(個人的な意見)
龍騎「........あっ、そうだ。環、お前『フクロウ印の給水屋』って知ってるか?」
いろは「え?」
俺は思い出したかのように環に質問すると、環はすっとぼけた返事をする。
蓮子「?何それ?」
龍騎「佐倉が見つけた新しいウワサだ。話しによると『飲んだら幸せになる水』だそうだ。しかもその給水屋は偶にしか見かけない激レアらしい。ソシャゲで例えるなら、ピックアップキャラガチャの排出率が0.01%って所か?知らんけど」
蓮子「本当に激レアじゃん......」
いろは「........フクロウ、お水...........」
龍騎「あと、ただの水なのに美味いらしい」
いろは「...........................」
蓮子「それで、杏子ちゃんはその水飲んだの?」
龍騎「みたいだよ、しかも一人一日一杯。しかもその水飲んだら数字の書かれた紙が落ちてくるらしい。しかも数が減っていくみたい」
いろは「................................」
蓮子「減っていく?ゼロになったら?」
龍騎「俺の予想だけど...、今まで幸せだった事が逆に不幸になっちまうんじゃないかなって思ってる」
いろは「!!」
蓮子「え?どうしてそう思うの?」
龍騎「一応神浜のウワサなんだぞ?ゼロになったら幸せ終了、だけなんて単純な事とは思えない。だったら幸せになった分、飲んだ奴は不幸になる決まりが課せられる...、的な?まぁ等価交換みたいなもんだ」
いろは「........................................」
龍騎「...ってかさっきからなんで環は黙って........、おいまさか嘘だろ?」
いろは「........の、飲んじゃいましたぁ...。そのお水........」
龍騎・蓮子「「既に飲んでる奴が近くに居たぁぁぁぁ!!」」
おいおい嘘だろ........、もしそれが毒水だったらお前死んでたぞ?魔法少女が毒で死ぬのか知らんけど...。あと気のせいか環に犬耳と尻尾が生えてるんだけど幻覚かな?
いろは「そ、その........、無料だったみたいで、つい........」
龍騎「........お前、将来詐欺師に騙されてそうだな」
いろは「そ、そんな事はありませんよ!?」
現に無料という単語に引っ掛かってるじゃねぇか。
龍騎「........で?その給水屋は何処で見かけたんだ?今からその屋台ぶっ壊しに行く」
蓮子「慈悲がない!」
龍騎「ゼロになったら環に不幸が訪れるんだぞ?知らんけど。だったら時間は早い方がいい」
と言う事で、俺達はさっさと引っ越し作業を終わらせて、環が訪れたフクロウ印の給水屋のある参京区に行ってみる事にした。
〜参京区〜
いろは「な、なんで無いのぉ〜!?」
環がフクロウ印の給水屋を見つけたであろう場所に向かってみたものの、その給水屋は見つからなかった。仕方なく周辺を探しても屋台など何一つなかった。
蓮子「本当にこの近辺にあるの?その給水屋?」
龍騎「もしかして、販売する場所も時間帯もランダムだったりしてな........」
いろは「そ、そんなぁ......」
参ったな......、グズグスしてると環のカウントがゼロになっちまう...。環が水を飲んだ時間まで待ってられないし...。
「えーーー!?なんだよいねーじゃん!」
すると後ろから叫ぶ少女の声がした。振り返ってみると、彼女もフクロウ印の給水屋を求めてやって来た感じだった。
いろは「あ、貴女は........」
?「あ?お前、昨日一緒に居たヤツ!なーなー、此処のおっさん知らない?」
蓮子「?もしかして貴女も給水屋に用が?」
?「ん?連れか?まさかお前、あの水をもう一度飲みに来たのか!?すっげー美味かったもんな!」
龍騎「生憎と俺達は水じゃなくてそのおっさんに用が......」
すると、俺が言いかけてる途中で知らない少女から何かが落ちて来た。拾ってみると、6の書かれた数字が二枚もあった。
いろは「紙が........、二枚!?」
龍騎「二枚...、と言うよりどっちかが6で、どっちかが9になるな」
?「んだよ、またこれか」
龍騎「........少しいいか?その紙が落ちてくるようになったのは昨日お前が飲んだ水が原因だ。ちなみにその数字がゼロなると、良くない事が起きる、と思う」
?「は?良くない事?なんだそれ?」
龍騎「詳しい事は此方も捜査中だ。しかし、ただ美味い水飲んだら紙が落ちてくるなんておかしいとは思わないか?それも謎のカウントダウンと来た...。気にならないか?」
?「いやオレ全然興味ねーし、全くそういうの信用してねーから」
龍騎「自分の命に関わる事になってもか?」
?「................」
龍騎「無理にとは言わない、今回限りでいい。俺達に協力してくれ」
?「........そんなに言うなら協力してやってもいいぜ?ただし、報酬はあるんだろうな?」
龍騎「報酬........?」
?「オレは傭兵なんだ、報酬があるってんなら協力してやるよ」
環と同じ水を飲んだ少女は、どうやら傭兵だったようだ......。
いかがでしたか?
今回で二巻目が終わり、次回から三巻目に突入します。
誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。
次回もよろしくお願いします。
マギレコ編でヒロイン増やすかどうか
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増やそう!そして修羅場そう!
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いや、秘封倶楽部だけでいいだろ