それでは本編、どうぞ!
「この本によれば普通の少年、衛宮士郎。彼には父、衛宮切嗣と同じ魔術使いとなる未来が待っていた。彼らは目的地である冬木市に向かう途中の山道で街を凄まじい速さで飲み込もうとしている巨大な闇があった。だがその闇は二人が対抗策を話している間に突然現れた強烈な光によって跡形もなく消滅した。衛宮士郎はその原因を探るべく光の発生源へと向かった。そこで彼が見つけた少女の名は……おっと、ここから先はまだ未来の話でしたね。」
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士郎side
やぁみんな、俺だ。あの後俺は雨の中で朔月家の屋敷の人達の墓を一つだけ作りじいさんと合流して山の麓辺りで止めていた車に誘……保護した女の子を乗せた。
(……じいさんがこの子を見たときの反応から見ると、この子がその───)
「……じいさん、その資料でなにか分かったことはあるか?」
俺は近くの岩に腰掛け朔月家の資料を読んでいるじいさんに声をかけた。
「……とりあえずその子の名前は判明した。名は朔月美遊───朔月家が秘匿し、継承し続けた神稚児。資料によれば屋敷の中には結界が張られていて出産も育児も全て、その中で完結していたようだ。……まぁ今回の件でこの冬木市にいる朔月家は彼女だけ、となったみたいだ。」
「……そうか。なら、墓作っといて正解だったな。」
そう言いながら俺は美遊を助けたときの出来事を思いだし納得した。
(……やっぱあの屋敷は朔月家のだったか。これで屋根が崩れたときの事も説明がつくな。あれは朔月家の一族であるあの子───美遊だからできた芸当、ということだな。)
「士郎、僕らはとうとう、見つけたかもしれない………」
「……何をだ?」
「しらばっくれるなよ。君が救ったあの少女が朔月家の人間だととっくに気づいていたんだろう?」
「……だったらなんだよ。」
俺はわざとしらばっくれた。じいさんが何を言いたいのかを分かったうえでだ。
「そういえば、まだ士郎には話してなかったね。朔月家の神稚児の力のことを。」
「……人の願いを叶える力じゃないのか?」
「そうだ。だがその力はただ願いを叶える力じゃない。朔月家の神稚児……その力の本質は
「願いを、無差別に……!?」
「まだ願いを叶えられる範囲や人数などの細かいところはまだわかってはいないが、それでもその力は絶大だ。君も見ただろう?あの巨大な闇を一瞬にして消し去った光を。あれは恐らく朔月美遊が冬木にいる人々の願いを聞き取りそれを叶えたんだろう。」
「……もしかして、朔月家の子達は小さいときから人の願いを叶えてたのか?」
仮にそうだったとしたら恐らく子供の脳には入りきらないほどの情報が入り、脳がパンクするだろう。物理的に。
「いや、普段は人の思念を遮断する結界の中に隔離し、母親のみの手で朔月家は六年かけて神の子である女児を人の子へと落とす。」
そんなことはなかったことに俺は密かに安心した。
「……でも人の思念を遮断していたのに願いが聞き取られたのはなんでだ?」
「恐らくあの闇が朔月家の結界を破ったんだ。あれは朔月家にとって想定外のことだと考えている。まぁとにかく、結界が破られたことによって人々の溢れるような怒濤の願いが屋敷に届き願いが叶えられたんだ。」
あの闇で犠牲になった人はまだ判明していないが、それでもかなりの数の人が犠牲になった。
その人たちは恐らく、“死にたくない”“助けて”といった願いが多いだろう。その全ての願いがこの子のもとへ行き、彼女はそれを叶えた。
美遊の力はじいさんからしてみたら、自分の長年の夢を叶えられる唯一のものなんだろう。現に今のじいさんは静かに歓喜していた。
「……旅は終わりだ、士郎。」
「……………」
「この子は僕が使う!そしてこの地で、人類を救おう……!」
そういったじいさんの目はどこまでも冷たい正義の味方の目をしていた。
士郎side out
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ウォズside
いつもの場所にいつもの本を持ったウォズが本を広げ、まるで誰かに聞かせるかのように話した。
「かくして、魔術使い衛宮切嗣とその息子衛宮士郎は日本にある冬木という街で一人の少女と出会ったことで世界を救う力を得た。この出会いが後に、世界を賭けた戦いが起きることになるのは、まだ誰も知らない物語。」
そう言ってパタンっと本を閉じ、踵を返して何やら喜ばしい表情と共に暗闇へと消えた。
ちなみに作者事ではありますが、先週の日曜にキングオージャーとギーツの映画見に行きました。
できる範囲での感想と言いますと、キングオージャーはスゲーイ、ヤベーイ、ギーツは劇場にいらっしゃった他の方々も途中でフフって笑っちゃいました。それぐらい二作品とも素晴らしく楽しい時間を過ごせました!
満足だ!
それでは!CIAO~♪