「GOD EATER」の世界に「バカとテストと召喚獣」のキャラクターを組み込んでみました。これは実験的な短編です。ちょっと短め。反応が良ければ連載をがんばってみようかなと思っています。楽しんでもらえると幸いですね。

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もし連載するとしたらここはプロローグ的な感じになりますね。
場面がイメージしづらければ、『GOD EATER』本編の冒頭のムービーの配役をいつもの面子にすれば大体OKです。


GOD EATER 第零部隊の戦い

 20XX年、人類は滅亡の危機を迎えた。

 偶然に発見された新種の生物。『オラクル細胞』と名付けられたその原始的な単細胞生物は、わずかな期間のうちに、それまで地球上で行われてきた僕たちの祖先となる動物たちの何千年にも及ぶ努力と学習をあざ笑うかのような驚異的な速度で進化を遂げた。

 オラクル細胞の集合体、『アラガミ』と呼ばれたそいつらはあるシンプルな行動を繰り返し続け、ついには人類を脅かす存在にまで上り詰めた。

 それは、『食べる』こと。

 やつらは貪欲だった。周囲のあらゆるものを食らい、その物質の形状や性質を自らの遺伝子に記憶し、自らの在り方を如何様にも変質させていった。

 アラガミは人類にとって脅威となった。それでもやつらは食べることを止めなかった。

 石や土、木や鉱物、獣や魚や鳥、自然界には本来存在しないはずの人造合成物。

 そして、人間。

 当然ながら人間も黙って食い物にされるわけではなかった。作り出した近代兵器によってアラガミたちを殲滅しようとした。

 そして失敗した。兵器を食われてその性質を向こうに与えてしまうというおまけつきでだ。

 通所兵器ではアラガミに対して有効な攻撃にはならなかった。けれど、それでも諦めないのが人間だった。

 目には目を。歯には歯を。そして、オラクル細胞にはオラクル細胞を。

 そうして開発されたのが生体兵器、通称『神機』だ。

 神機は組み込まれた調整済みのオラクル細胞によってアラガミを喰らい、倒すことが出来る。

 けれどもアラガミというのは厄介で、一度倒すだけでは駄目なのだ。幾億幾兆のオラクル細胞の集合体であるアラガミはその中枢の『コア』を抜き取り体が崩壊しても、またどこかで新たなコアへと集い、新たなアラガミへと姿を変える。

 そう、消しゴムのカスを集めて捏ねて固めればまた字が消せるようになるみたいに。

 

「いや、その例えはどうかと思うぞ」

 

 神機を使うには特別な素養が必要であり、神機を持って戦う戦士を『ゴッドイーター』と呼ぶ。

 ただし、アラガミを倒せるといってもそれはけっしてアラガミに対して優位に立てるという意味ではない。相手は人知を超えたバケモノだ。油断はできない。まさに食うか食われるかといった戦いになる。

 アラガミを倒し、けれど何処かでまたアラガミが生まれ、ゴッドイーターが戦い、いつか負けてしまうかもしれない。これではまるでいたちごっこだ。

 

「お前はものの例えというのが絶望的に下手だな」

「うるさいよ雄二!人の頭の中に割り込んでこないでよ!」

「落ち着くのじゃ明久。お主の方が声が大きいぞ」

「……気づかれたらどうする」

「うわ、そうだった!」

 

 気を引き締め直し、気配を殺しながら背にしている壁から少しだけ顔を出す。

 開けた視界の先には朽ちかけの建造物や崩壊した大地が映る。数十年前まではここにはもっと多くの建物があって、信じられないくらいの数の人たちがひしめき合いながら暮らしていたという。今となっては考えられない話だ。

 そして、荒廃した街並みの中で浮き彫りになる異質な存在。まるで自らがこの地の支配者であるかのように悠然と歩く白い個体。小型アラガミの一種、名は『オウガテイル』。

 巨大な尾が特徴のそいつらは視認できるだけで三匹。縄張り意識があるのか、それとも食べられるものでも探しているのか、ゆっくりと辺りを歩き回っている。

 ……よかった。気づかれてはいないみたいだ。

 ふう、と安堵の息を吐き、片手を顔の前に立て仲間たちに頭を下げると、苦笑交じりに気にするなと視線を送られた。

 出来る限り声を抑えながら、

 

「ごめんごめん。あんまり退屈だったからついぼーっとしちゃって」

「ったく、こいつときたら。緊張感ってのが無いのかよ」

「……だが、分からなくもない」

「そうじゃな。もう一時間ほど待ちぼうけじゃからの」

 

 緩んだ心を奮い立たせるために、手に持った神機の柄を握りなおす。

 今回のターゲットはオウガテイルではない。別のもっと大きなアラガミが討伐対象だ。小型のアラガミは比較的弱いけど、戦闘中に乱入して来た場合は無視できない脅威になる。なのでいつもは見かけたならすぐに倒してしまうのだが、今日に限ってはそうじゃない。雄二の発案で、あいつらは餌なのだという。

 アラガミはアラガミも捕食対象とする。成熟した個体ならばあんなのには目もくれないが、今回のは発生したばかりの若い個体だという。なら成長のために自分より弱いのを狙うだろうというのが雄二の考えだ。

 

「――—っ!」

 

 と、周囲を警戒していたムッツリーニが、事前に決められていたハンドサインを示す。

 ……どうやらお出ましみたいだ。

 

 寂れた高層建築物の中から一匹の獣が姿を覗かせていた。

 強靭な四本足で地面を踏みしめるその姿は、図鑑でしか見たことがない虎という動物にどこか似ている。そこにいるだけでその存在の強さを見たものに教え込むような風格の、オウガテイルの数倍もの体躯をもつ大型のアラガミ、『ヴァジュラ』。

 ビルのど真ん中に空いた大きな穴の縁に立つヴァジュラは、真下にいる一匹のオウガテイルに狙いを定めたようだ。見えずとも何かの気配を感じ取ったのかオウガテイルは頭を高く上げて周囲を見渡す。けれどそのために足を止めてしまったのは悪手だろう。

 結果は一瞬で着いた。マントのような部位を靡かせながら穴から飛び出したヴァジュラは一直線に標的へと向かい、オウガテイルが反応するより早くその頭を叩き潰した。

 爆発したかのように肉片と血が飛び散り、残された体はもう動くことがないだろう。

「ガァッ!」

 外敵の存在に気が付いた残りの二匹のオウガテイルは大きな尾を逆立てながら威嚇するが、ヴァジュラが交戦の意思を見せずにいると途端に反転して去って行った。あとで仕留めておかないと。

 ヴァジュラは周囲を警戒し、邪魔者がいないのを確認してから獲物に齧り付いた。

 それを見届けてから、仲間たちと視線を合わせ頷き合う。

 食事の時ほど生物が油断する瞬間はない。これも雄二が言っていたことだ。実際ヴァジュラは僕たちに背を向けて食事の真っ最中だ。

 

「いくぞ、いつも通りだ!」

 

 僕らのチームの中で参謀のような役割の雄二だが、出す指示はあまりにも単純なものだ。けれどそれもそのはず。このチームでの各々の役割は昔から変わらないからだ。

 バスターブレード『鮫刃ノコギリ』を構えながら真っ先に駆け出した雄二から一拍遅れて、僕も愛用の神機『クレメンサー』とともにヴァジュラへ向かう。

 ムッツリーニはその場から動かない。彼の『ヤタガラス』は遠距離からの狙撃が可能なスナイパー型の神機だからだ。

 一方で同じ遠距離式神機の持ち主であるはずの秀吉は僕たちと同じようにヴァジュラに接近している。なぜなら彼女のもつ『零型キャノン』などのブラストは射程の短いバレットしか撃てないからだ。その分、破壊力は折り紙付きだが。

 

「明久よ!今あまりにも自然にワシのことを女子と識別しなかったか!?何度も言うようにワシは……」

「そんなことはいいから!秀吉、来るよ!」

 

 地面を蹴る音を聞かれたのか、ヴァジュラは食事を止めて僕たちの方に向き直っていた。

「グォォオオオオオオオオオオオオ!」

 身をすくませるような雄叫びが体を痺れさせるが、それを強引に振り切って接近する。

 先行した三人の体の間をすり抜けるようにレーザーが飛び、ヴァジュラの顔に命中する。ムッツリーニの狙撃だ。有効なダメージにはならなかったが、相手の行動を一瞬遅らせることができた。その隙に、僕は雄二とは反対側に回り込み、刃を振りかぶる。

 

 ――ゴッドイーターの戦いに、もしかしたら終わりは来ないのかもしれない。世界中からアラガミを消し去りたいと願って戦っても、いつかは挫けてしまうのかもしれない。

 そうだとしても、僕は絶対に進むのを止めたりしない。挫けてしまうその日まで、全速力で駆け抜けたい。見えない未来に脅えて立ち止まったりなんかしたくない。

 なぜならゴッドイーターは希望だから。戦うことのできない人たちにとって、守りたいものを守ってくれる存在だから。少なくとも僕はそうであると、そうでありたいと思っている。

 だから、そう。世界からアラガミを消し去るまでじゃない。いつか世界のすべての人が安心して暮らせるようになるその日のために。

 

 ゴッドイーターは今日も戦うのだ。

 




立ち位置としては明久が主人公です。旧型の神機を使っていますが、これから新型神機に移行します。

これからのあらすじ。
ゴッドイーター吉井明久は支部長ヨハネスから自らが新型神機の適合候補者であることを知らされる。
新たな力を手に入れたために明久は第零部隊の仲間たちと離れ、第一部隊とともに行動することになる。
新たな仲間。同僚との別れ。もう一人の新型。そして、頼れる兄貴分の失踪。
次々と襲い掛かる困難に立ち向かう明久は無事でいられるのか!?そしてすべての事件を裏で操る黒幕とは!?
『GOD EATER 第零部隊の戦い』
Coming Soon!
神だけに

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