鬼強ブロッコリー先輩   作:忍者にんにく

1 / 16
第1話:さらばバーニングキャッチ

 

 どうも、子供の頃からブロッコリーヘアの三国太一です。齢8歳の転生者です。

 2週間ほど前のこと、ジュニアサッカーチームで練習をしていた俺は頭を強打し、ここがイナズマイレブンGOの世界であり、俺が前世の記憶を持っていることを自覚したというわけだ。

 

 状況を理解しきるには数日の期間を要したが、今では問題なく学校生活もサッカー生活も送れている。今日もチームとしての練習を終えてきたところだ。

 そんな俺は現在……

 

「グハァァァッ!!」

 

 木にロープで吊るしたタイヤに吹き飛ばされ、地べたに這いつくばっている。チクショウ、50kg強の重さは伊達じゃねぇぜ!

 

「もう一回だ! うおおぉぉ……!!

 ……ぶるあぁぁぁぁぁッ!?」

 

 吊るされたタイヤを投げ、戻ってきたソレを受け止めようとした俺は再びその大きな質量と加速度に吹き飛ばされた。

 端から見れば、俺が気でも狂ったのかと思われるだろう。だが、俺は至って大真面目だ。

 これはサッカー……いや、【必殺技】なんてものが存在する【超次元サッカー】の特訓だからだ。それも、キーパーとしてゴールを守る必殺技の。

 

『なんでサッカーに必殺技があるんだよ!? 世界観はどうなってるんだ、世界観は!?』って何処ぞのマッチョの如く言いたい気持ちはよくわかる。スゲー分かる。何なら俺も思ってる。

 

 ただ一つ、確かな事があるとすれば、この世界では元が一般人であっても努力次第で必殺技を身に付けられるし、超人にもなれる。

 だから、俺もこうして必殺技の特訓……もとい、自分の肉体と精神を痛めつける拷問(修行)をしているという訳だ。

 

「ゼェ……ハァ……絶対に諦めねえぞ……!!

 絶対に【ゴッドハンド】を身に付ける!」

 

 最初に習得するのは勿論、【ゴッドハンド(火)】だ。

 やはり、イナズマイレブンといえばこの技だろう。

 

 ……バーニングキャッチ?

 知らないなぁ、そんな技。

 

 ……フェンス・オブ・ガイア?

 あぁ、劣化版無限の壁ね。要らんわ。

 

 ……無頼ハンド?

 マジン・ザ・ハンドで充分でしょ。

 

 正史の三国さんが覚えていた技の内、【ゴッドハンドX】以外のキーパー技を習得するつもりは無い。なんなら、ゴールキーパーというポジションに縛られるつもりもない。

 

「俺にはイメージがある……」

 

 当面の目標は「コトアールの秘宝」ロココ・ウルパ。

 彼はゴールキーパーでありながらも、シュートもパスもドリブルも高い精度でこなすオールラウンダー。間違いなく、世界最高の選手の一人だと言えるだろう。

 

「やってやる!目標は高く!努力は惜しみなく!

 うおおお!……ぐっはァァァ!?」

 

 

<7年後>

 

 

 

「何なんだ、この惨状は……」

 

 剣城京介は、驚きを隠せなかった。

 本来の予定であればフィフスセクター選手のチームを率いて現雷門イレブンに力の差を思い知らせた上で痛めつけ、雷門サッカー部の主導権を奪い取っている筈であった。

 最新の雷門中のデータを基に綿密なシュミレーションを重ねた上での実行、自分達に失敗などあり得ないと信じて疑わなかった。

 

「よっしゃ! 決めろ神童!」

「はい!【フォルテシモ】!」

「ぐわぁぁぁ!!」

 

「ゴオォール! 雷門、3点目!!

 これは大胆! キーパー三国がゴール前からペナルティエリアまで上がり、神童がゴールを決めた!

 スコアは3対0で雷門がリード!

 さぁ、後半戦も残り時間もあと僅か! 雷門、黒の騎士団戦に勝利の王手を掛けました!」

 

 だが、現実はどうだ?

 自分達は掛け値なしの全力で雷門を潰しにかかっているにも関わらず、いとも容易くゴールを決められ、勝利どころか雷門のゴールネットを揺らす事すら出来ていない。

 その原因はただ一つ。もとい、ただ一人の男の存在だ。

 

「クソッ、あり得ねえ! あのキーパー、何処から湧いて出やがった!?」

 

 事前情報とあまりにも違いすぎる現状に、剣城の中で苛立ちが沸々と湧き上がる。

 

「さぁ、黒の騎士団ボールで試合再開です!」

 

「寄越せ!」「ぐおっ!?」

 

 チームメイトからボールを強奪した剣城はペナルティエリアまで単身切り込み、化身を出現させて本気のシュートを放つ。

 

「はぁぁ!……『剣聖ランスロット』!!

 【ロストエンジェル】!!」

 

 化身。それは超次元サッカーにおいて、通常の必殺技とは一線を画す力を宿す存在。化身使いには化身使いでしか対抗出来ず、当然ながら化身必殺技には化身必殺技でしか対抗できない。

 一般的にはその法則が成立する。

 

 だが、現在雷門のゴールを守っているこの男……三国太一に於いてはその限りでは無かった。

 

 迫り来る必殺シュートを前に、三国は右手に気を集中させ、赫く輝く大きな掌を空中に出現させ、左腕を引くと同時に右腕を前に突き出して剣城の必殺シュートに真正面から叩きつけた。

 

「【超・ゴッドハンド】!!」

 

 ゴッドハンドが三国の掌に収束する様に消滅した時、サッカーボールは完全に静止して三国の手中に収まっていた。

 取ったボールを腕の中で二、三度転がし、笑みを浮かべた三国は剣城へと声を張り上げる。

 

「良いシュートだ新入生!

 だが、この程度じゃあ無いだろう!?

 さあ、俺からゴールを奪ってみせろ!」

 

 敵である筈の自分に、何故か激励を送りながら不敵に笑う三国太一。

 その高く分厚く堅過ぎる壁を目の前に、剣城は自分の中の怒りが急激に熱を失い、冷たい何かへと変わって背筋を伝い落ちる感触を味わった。





 イメージが再構築されたので加筆修正しました。
 ネタは思いついたものの、力不足で書けなかった物が幾つかあります。下記しときますので、良かったら誰か書いてください。

・雷電真太郎(転生者)伝説
・円堂+歴代フラグCP if
・ヒデナカタ旅行記
・イナイレ×ブルーロック

円堂サンの歴代フラグ、誰推し?

  • アキ
  • 夏美
  • 春奈
  • 冬っぺ
  • 塔子
  • ウルビダ(八神玲奈)
  • 瞳子カントク
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。