鬼強ブロッコリー先輩   作:忍者にんにく

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第2話:何だかんだ必殺技よりも先ず力

 

 どうも、三国太一です。

 先日は黒の騎士団チームから0失点という好セーブを見せた俺と、ハットトリックを決めた上で化身までも出現させた神童君の活躍により、雷門中サッカー部を守る事が出来た。やったぜ!

 いやー、実に清々しい気分だ!

 

 だが、そんな俺達の尽力にも関わらず、雷門サッカー部の部員は殆ど抜けてしまった。

 剣城にズタボロにされた2軍(セカンド)の皆は勿論、黒の騎士団相手に辛酸を舐めさせられた1軍(ファースト)の奴らも一部抜け、代わりに剣城と天馬と信助が入って来た。

 まー、仕方ない。予定調和って奴だ。

 

「浜野、パスだ!」

「あいよー「甘い!」ありゃ、獲られちった」

「……え、何あの反応速度」

「チッ、相変わらずのバケモンだな」

 

 そんなわけで、原作通り12人での再スタートとなった我々雷門サッカー部は、全員が活き活きとした顔で練習に励んでいる。昨日の今日という事で強度は低く、全体としてはボール感覚と自分の得意なプレーを確認する事が主な目的だ。

 その為、部の雰囲気は練習というよりも遊びに近い。俺も浜野、神童、南沢、倉間を相手に4対1をしている。

 

「三国!こっちに来い!」

「次は俺達の特訓に付き合って貰うド!」

「胸をお借りします!」

 

 と、次は彼等を相手に3on1か。簡単にはいかない相手だからこそ練習をする価値があるというものだ。俺はボールを蹴って走り出す。

 

「【ザ・ミスト】!」

「そこだ!」

「なっ……!?」

 

「【ダッシュトレイン】!」

「シュッ!!」

「クソッ、抜かれた!」

 

「【ビバ・万里の長城】!!」

「【れっぷうダッシュ】!!」

「ドおおおおっ!!」

 

 濃霧の中から迫り来る霧野をヒールリフトで躱し、正面から猛スピードで突っ込んで来た車田をカットインからの急加速で振り切り、ドンと待ち構えていた天城は真正面から必殺技で突破した。

 それぞれの得意分野で圧倒しては見せたものの、予想よりも手応えがあった。この感じは……精神面で成長があった結果のようだな。だが、身体の不調を隠しきれていない。加減しながら……いや、彼等の指導も兼ねようか。

 

「おーい、松風!西園!

 一緒に練習をしよう!」

 

「「……!! はい!!」」

 

 元気に駆け寄って来る一年生コンビ。

 天馬も信介も自分達の基本となるプレースタイル……その先のビジョンが見えている。ならば、今の彼等に必要なモノはボール感覚とパス精度だ。

 ある程度これらが形に成るだけで、彼等は大きく化けるだろう。原作知識が無かったとしても、彼等のプレーを見ていれば分かる事だ。

 

「今から俺達で連携して、あの3人を抜き去る。

 ドリブルもパスも自己判断で構わないが、今の彼等がベストから程遠いコンディションだとはいえ、今の君達を止める程度なら余裕だろう。

 だから失敗しても良い、とにかく自分で考えてプレーしろ。俺は出来る限り応えてみせる、良いな?」

 

「はい!」「分かりました!」

 

 良い返事だ。

 だが、ここからは少しばかり辛いぜ?

 さあ、特訓を始めようか!

 

 

 ☆☆☆

 

 

「黒崎くん、例のものは?」

「……ここに」

「結構。今日はもう帰りたまえ」

「はっ……」

 

 聖堂山中学校の理事長室にて、裏に潜む悪意が蠢き始める。フィフスセクターという隠れ蓑は十分に機能を果たし始め、自分の支配体制は確立されようとしている。

 その計画にあたり、男が唯一懸念しているのは雷門中……伝説のイナズマイレブンを二度も生み出した存在だった。

 故に、雷門中に対してはチームの要となるポジションや学校の運営側に息の掛かった人材を送り込み、その機能を停止させて慎重に慎重を重ねて心をへし折る策を進めてきた。そして、それは先日の派遣チームを以って完了する筈だった。

 

「だが……」

 

 それは失敗に終わった。

 イナズマイレブンは伝説を呼ぶ。やはり、一筋縄では行かない存在だと男は事態を甘く見ていた自分自身に嘆息する。

 化身を出しかけたという報告が上がっている神童拓人と新入生の存在もあるが、一番の懸念はこの男の存在だ。

 

【名前】:三国 太一

【経歴】:IFC東京*1のジュニアユースチーム所属。正GKとして活躍するも、中手骨を骨折し退団。治療に通う姿が確認されるも退団後の動向は不明。

【備考】:優秀な選手だが、思想に難あり。楽園プログラムの適用を前向きに検討されていた模様。

 

 

「全力で潰さねば、な」

 

 かの影山零治は盤外戦術を多用したからこそ失敗したと聞く。だが、今の自分には盤内で有利に進めるだけの力がある。例えそれが「サッカー」から逸脱していたとしても、だ。

 

「フフフ……フハハハハハ!!」

 

 

 だが、男は知らなかった。

 相手が唯の優秀な選手ではなく、怪物であることを。あらゆる意味で規格外の存在である事を。怪物が所属するチームがやられた時のままで終わる筈がないということを。

 

「ほい、信介!」

「はい!天馬!」

「はっ!」

「おっ、天馬やれば出来るじゃん!」

「はい!なんとなく何かを掴めた気がします!」

「なるほど!んじゃ、その感覚を忘れない内にドンドン行ってみよー」

 

 なにより、怪物の手によって超が幾つも付くほどの天才が第二の怪物へと進化し始めていることを。

 

「おい。何かとんでもない事になってね?」

「後ろ向きのボールをめちゃくちゃトラップしてますね」

「初心者だよな、アイツ?」

「そんなん出来ねード、普通」

 

 

*1
正式名称はイナズマフットボールクラブ東京。架空のJ1リーグチーム





モブ「三国半端ないって!アイツ半端ないって!
 どんなシュートもめっちゃセーブするもん!そんなん出来ひんやん普通!出来る?出来るんなら言っといてや!
 しかもアイツ俺らの弱点を的確に把握してくんねん!良い笑顔でアドバイスくれるねん!そんで俺らのプレーが自分でも分かるくらい良くなるねん!
 そんでアイツは更にその先に行くねん!なんなんやアイツ!」
 
 

円堂サンの歴代フラグ、誰推し?

  • アキ
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