【注意】
・本作はシン・ウルトラファイトのウマ娘パロディです。

・本作におけるスズカさんは別で書いているシン・サイレンススズカ(https://syosetu.org/novel/291406/)における、所謂ぼくのかんがえたさいそくのスズカさんであり、アニメや漫画、ゲームでのスズカさんとはまた別です。史実再現は極力しません。

・本作は抜き焼き編と新撮影編の混成でお送りします。

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 ――シン・スズカファイト

 それは、かつて放映された番組『ウマ娘ファイト』にインスパイアされ、(主に監督の趣味で)サイレンススズカの活躍に特化した内容になった、異色のショート作品である。

 監督の俄庭 圭(ニワカバ ケイ)は、こう語っている。

「元々、スズカファイトって作品を作りたかったんですよ。異次元の走りをするサイレンススズカさんというウマ娘を、もっと色んな人達に見てもらいたい! 知ってもらいたい! って。勿論、ウマ娘ファイトをオマージュした作品としてね。私もウマ娘ファイトのファンでしたから」

「けど、諸々の問題があって、企画がお蔵入りになっちゃって。けど今回作るってなったのは、サイレンススズカさんの活躍が見たい! っていうお子さんからの声が増えて来てるっていう話を聞いて、これはチャンスだ! って思ったんですね。で、ゴルシファイトを作りたいっていう上の方をなんとか口説き落として、予算が下りて(笑)」

「結果、実際のレース映像を編集した、所謂抜き焼きだけではない、トレセン学園にも協力していただけて新たに撮影できた映像もお届けできる事になりまして、これはもうただのスズカファイトじゃない、シン・スズカファイトだ! というね。そういうわけで、平素から応援して下さっている皆様には大変感謝しております」

 監督曰く、原点のウマ娘ファイト同様「おふざけはナシ」の精神で作られた本作がどうなっているのか。是非、ご覧ください。


情け無用、メイクデビュー!

 本日は晴天なり、本日は晴天なり。といった具合に晴れた6月某日の阪神レース場。

 

 この日はサイレンススズカのデビュー戦。芝の右回りコース、距離は中距離2000mであります。

 天気の良さがそのまま馬場にも現れているのか、芝の状態は良、絶好のコンディションです。

 

 ウマ娘達が次々とターフに入り、ウォーミングアップとして芝の状態を確かめるように走ります。

 あっと、ここでサイレンススズカも出てきました。

 ゼッケンに書かれた番号は1番、最内枠です。

 まだウォーミングアップの段階ですが、それでも気持ちよさそうに走っています。芝の感触を噛みしめるように走るその顔には、にっこり笑顔が輝いています。

 現在、彼女は1番人気に推されているようで、その注目度の表れか、彼女が出てきてから観客席の熱が徐々に上がってきているようです。

 

 さて、所変わってゲート前。

 アップを終えたウマ娘達が、それぞれストレッチや深呼吸をしながら、ゲート入りを待ちます。

 サイレンススズカは……うずうずしています。さっきウォーミングアップで走ったばかりなのに、いや違う、ウォーミングアップで走ったからか、もう全力で走りたくて仕方がないといった様子であります。うずうずし過ぎて左旋回し始めました。これが噂の左旋回であります。

 そんな彼女を見やる他のウマ娘。その視線にはプレッシャーのようなものが感じられます。

 何せこれはトゥインクルシリーズのデビュー戦。勝って栄誉を掴む為、そしてゆくゆくはG1の大舞台に立つ為、ここで躓く訳にはいかぬ。

 そして、1番人気に推されるという事は、それだけ勝つと信じられているという事でもあります。

 フランスの言葉に「La victoire est à moi(調子に乗んな)」という言葉がありますが、皆、そんな気持ちで彼女を見ているのでしょう。

 

 さて、そんな視線を送られているサイレンススズカは……あーっと、全く気にもかけていない! 相変わらず左旋回を繰り返しております!

 これは彼女が大物である証左か、それとも鈍感なだけか!?

 

 さぁ、順番にゲート入りが進んで……体勢完了!

 

 スタートしました!

 

 まずは誰が行くかといったところで、速攻で出ました! サイレンススズカです!

 ゲートからも問題なく出ました。そして、あっという間に先頭を確保し……そのまま後続を引き離します!

 なんとなんと、デビュー初っ端から大逃げであります! 彼女が勝つと信じて人気投票に入れた観客も、これには動揺が隠し切れない様子! これは作戦か、それともマイペースなだけなのか!?

 そんな彼女の遠のく背中を見て、後続のウマ娘も焦っているのか!

 一人、また一人と、彼女に追い付こうとギアを上げていきます! これが吉と出るか凶と出るか!

 

 さぁ、第二コーナーを曲がって向こう正面。先頭は相変わらずサイレンススズカ、サイレンススズカであります。圧倒的スピードだ!

 それに対して一番近いのは、6番チャコールメイトか、それとも3番エグゼクティブか! それでも5、6馬身差はありましょうか?

 隊列は当然のように縦長! レースの常識に当てはめるならハイペース、つまり後方有利な展開ですが、はたしてどうなるのか!?

 

 ……おや、どうやら後方に控えていた4番のエナジーステップ、進出するようです! ここで捕まえておかないといけないと判断したのでしょうか?

 それに釣られるように5番のワイルドワインド、進出を開始!

 7番ディーディー他5人はまだ様子見ですが、見たところ彼女らも離されまいと必死なようであります!

 

 さぁ、レースは中盤を過ぎ、いよいよ第三コーナーに差し掛かります。依然としてサイレンススズカは先頭をキープしたまま、後続を引き連れるように、そのまま第四コーナーへ差し掛かる!

 急な坂のある直線勝負に備えてのスタミナ配分を考えればもう少し控えてもいいものだと思いますが、まだまだ加速していくサイレンススズカ!

 まさか、スタミナがまだ持つというのかサイレンススズカ!

 このままハイペースで走り切ろうというのかサイレンススズカ!?

 

 さぁ、残り400mを切り、最後の難関、急な坂が目の前に迫っております!

 しかしサイレンススズカ、まだ伸びるか!

 果敢に坂に挑んでいく!

 彼女に後れを取るまいと、後ろのウマ娘達も最終直線に入り……あーっと、チャコールメイトとエグゼクティブ失速! 彼女についていこうとしてスタミナが尽きたようであります!

 その間に彼女らを避けながら来るのはエナジーステップとワイルドワインド! 後続も追いすがろうとしますが、先頭のサイレンススズカとの差は絶望的!

 

 サイレンススズカ、坂を上る!

 僅かに脚が鈍って……いやしかしそれでも差が縮まらない! 坂の影響などまるで無いかのように駆け上がる! 先頭は変わらずサイレンススズカ!

 追いすがるエナジーステップとワイルドワインド、必死の形相で追いかけるが、サイレンススズカは楽しそうです! 一体何が楽しいのか、サイレンススズカ! 私の視点では伺い知る事はできません!

 

 サイレンススズカ上る! エナジーステップ、追うがいっぱいいっぱい! ワイルドワインドはまだスタミナが持つのか、エナジーステップを僅かに追い越す!

 そんな彼女らに後続もようやく追いついたようですが……サイレンススズカはまだそれを突き放す! そしてここでサイレンススズカゴォール!

 

 着差はなんと脅威の10馬身! 大差勝ちです!

 このレース、まだメイクデビューの筈なのですが、それにしても大逃げでこれ程までの差を作るとは、恐れ入りました!

 

 他のウマ娘が彼女から遅れてゴールし、ぜぇぜぇと息を漏らしながらクールダウンする中、サイレンススズカはこの余裕の表情です! やり切ったという様子の笑顔が眩しい!

 

 このレース、結果はサイレンススズカの圧勝となりました。

 


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