またこの景色。
お前はまた上を飛ぶ。
銀色の世界であんたはどのように飛ぶんだ?
それとも、あんたは飛んでるんじゃなくて……
【
「グッ!?」
雲がすぐそこまで迫っていた。
雲に当たると機体はオーバーロードして制御が効かなくなる。
そんな雲を機器は地上だとして反応しているのだ。
立て直せ。
操縦桿を反射的に引き、スロットルレバーを最大にした。
突然の角度変更によりコブラのように機体が流されるが、ドリフトするように段々と地上へと落ちた。
しかし、それで安心は出来ない。
今は戦闘中なのだ。
ピピピピピピ!!
警告が鳴る。
ロックオンをしようとレーダーがこちらを探っている。
どこだ?後ろだ。
ピーーー!!
ロックオンされた!?
ミサイルはまだか!!
バルカンが来るのか!?
ビビビーー〜〜!!
来たか!!
バルカンも撃ってくるか!?
チャフに誘導されたミサイルが爆発した。
バレルロールしながらスロットルを戻し減速する。
しかし、相手の対応も速い。
流石に相手の減速性能には勝てないか?
ならばとバレルロールを激しくし、スロットルを押し込む。
機首をほんの少し上げてコブラだ。
しかもヨー旋回しながらの。
バレルロールと機首下げをもう一度して後ろへ回り込んだ。
相手さんはコブラをしようとしていた所だった。
ぶつかる!?
回避した事によりオーバーシュートさせられた。
ピピピピピピ!!
また来たか!!
【
速度がッ!?
クッソ!!こんなに近かったらバルカンは避けられない!?
ならば!!
高度を落として速度を稼ぐまで!!
チャフ自動設定ON!!
ピーーー!!
さあ、来い!!
ビ〜〜!!
来たッ!!やはりバルカンは……!?
ピュンピュン!!キンッ!ピュン!!
一発当たった!?弾いたか!?
【Pull Up!!Pull Up!!】
上も下も雲地獄だな!!ここは!!
流石は雲の渓谷。
すぐ横を雲が通り過ぎる。
乱立するこの雲の間は飛行機一つよりも狭く、運が悪ければ一瞬で袋小路の墜落だ。
しかし、その中を遊々とバレルロールも加えながら飛んでいく。
後ろをそれに着いていくように効率的に追い掛ける。
そして、雲の壁が突如として出た。
それを回避する為に急旋回。
ピーーー!!
スロットル最大でエンジンの暴力で機体が大きく軋む。
ビ〜〜!!
またミサイルだ!!
チャフは残弾無し!?
上がってエンジンの噴射角を最大にすれば!!
上昇してバルカンを回避し、ミサイルがしつこく着いてくる。
今ッ!!
機首を最大限下げ、エンジンを下へ向かせる。
機首があった所にエンジンが。エンジンがあった所に機首が来てミサイルはコックピットのすぐ横を通り過ぎた。
そして、敵機とすれ違った。
翼端から花火が散る。
視線を交わす。
カメラを睨んだ。
AI VS 人間
勝負は決まらなかった。
太陽が沈みきった。
暗闇だ。
雲が晴れる。
燃料はどちらも少ないらしい。
帰還だ。
【
スーパークルーズを開始した。