デート・ア・ヴァルヴレイヴ   作:とりマヨつくね

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第5話、投稿。
今回も楽しんでください。
一体、どこにアンダーテイカーがあるんだ?



ラタトスクのやり方

 

「ーーーーでこれが精霊って呼ばれる怪物で、こっちがASTでーーーー」

 

「ちょ、ちょっと待った!」

 

 ペラペラと説明を始めた琴里を制するように、士道は声をあげた。

 

「何、どうしたの。せっかく司令直々に説明してあげているってのに。もっと光栄に咽び泣いてみせなさい。今なら特別に、足の裏を舐めさせてあげるわよ」

 

「ほっ、本当ですか!」

 

 喜び勇んで声を上げたのは、琴里の横に立った神無月だった。

 その様子に琴里は即座に、「あんたじゃない」と強烈な肘鉄が神無月の鳩尾に突き刺さる。

 

「ぎゃっホォう!」

 

 そんなやりとりを眺めながら、士道は呆然と呟いた。

 

「本当に琴里なのか?」

「あら、妹の顔すらも忘れたの、()()、それに()()()。物覚えが悪いとは思っていたけど、まさかここまでとは思わなかったわ。今のうちに老人ホームを予約していた方がいいかしら」

 

 士道とハルトは頬に汗をひとすじ垂らした。

 士道に至っては、自らの頬をつねって痛覚があるかどうか確認している始末だった。

 ちなみに結果は、きっちり痛かったので夢ではないらしい。

 

「もう訳がわからなくて、頭がごちゃごちゃだ。お前、何をしているんだ? ここはどこだ? この人達は誰だ? それにーー」

「落ち着きなさい。まずこっちが理解してもらわないと、説明がしようがないのよ」

 

 言って琴里は、艦橋の大モニタに指を差す。

 そこには、士道達が遭遇した黒髪の少女と、機械の鎧に身を包んだ集団が映し出されていた。

 

「えっと、精霊っていたっけ?」

「そ。彼女が出現するだけで、己の意志とは関係なく、あたり一帯吹き飛ばしちゃうの」

 

 琴里は両手を使って、爆発を表現する。

 士道は、額に手をあてて渋面を作った。

 

「……悪い。ちょっと話が壮大すぎてよくわかんね」

「うん。まだ、アニメの話だと思う方が信じられるよ」

 

 まだ状況を飲み込めていない二人に対して、琴里は肩をすくめながら吐息した。

 

「つまり、空間震って言うのは彼女が出現する時に発生する余波なのよ」

「「なーー」」

 

 思わず眉根を寄せた。

 世界を蝕む未曾有の災害の原因が、あの少女だというのかーーーー?

 しつこいようだが、まだ信じられない。

 

「ま……規模はまちまちだけどね。それにしても、二人ともバカなの? 警報中に外にいるなんて」

 

「いや、だってお前これ」

 

 士道はスマホを取り出すと、琴里の位置情報を表示させる。

 やはり、アイコンはファミレス前で固定されていた。試しにハルトのGPSも確認してみると、同じ結果だった。

 

「ん? ああ、それね。盲点だったわ。だってここ、ファミレスの前だから」

「は……?」

「ちょうどいいわ。フィルターを切って」

 

 琴里が言うと、薄暗かった環境が一気に明るくなった。

 照明がつけられた訳ではなく、天井に掛けられていた暗幕が取り払われ、あたりには青空が広がっていた。

 

「わっ!?」

「なんだ、これ!」

 

 いきなり事で、士道、ハルト共に驚愕する。

 

「ここは上空一万五千メートル。位置的には待ち合わせのファミレスの前に当たるわね」

 

 琴里はそう言いながら指を二本立てると、神無月が代わりの飴を取り出し、手渡した。

 

「それと、こっちがASTね。精霊専門の特殊部隊で精霊を処理するのよ」

「処理って、具体的に何をするんですか?」

 

 ハルトの質問に、琴里は当たり前のように眉を上げた。

 

「要するにぶっ殺すってこと」

「なっ……!」

 

 琴里の言葉をまったく予想していたことではなかった。

 しかしーー士道は心臓が引き絞られるかのような感覚に襲われた。

 

 ーーーーお前も私を殺しにきたのだろう。

 

 不意に、あの少女の今にも泣き出してしまいそうな表情を思い出す。

 少女があんなことを言った意味が、ようやく理解できた。

 

「何もおかしいことはないわね。この世界に現れるだけで破壊をもたらす災害よ」

「だけど、お前言ったじゃねえか。空間震を起こすのは、アイツの意思ではないんだろ!」

「そんなの、AST達にとっては関係ないのよ。あるのは悪を滅しようとする正義の気持ちだけよ」

「違ぇよ。もっと他に方法はないのかよ」

「じゃあ訊くけど、どんな方法があると思うの?」

「それはーーーー」

 

 琴里の発言で、士道は黙り込んでしまった。

 その様子を耐えかねたのか、ハルトは思わず叫んでしまう。

 

「琴里! 本当に他に方法はないのか! みんなが笑顔になれるような、そんな夢のような方法はないのか」

「方法……ね」

 

 ハルトの言葉に、琴里は待っていましたと言わんばかりに口角を上げた。

 

「そう、なら手伝ってあげる」

「は……?」

 

 士道が口をポカンと開けていると、琴里は両手をバッと広げる。

 

「私たちが手伝ってあげるのよ。<ラタトスク>の総力をもって、士道をサポートしてあげる」

「なんだよ。どう意味だよ」

 

 士道の言葉を遮るように、琴里が声を上げる。

 

「いい? 対処法は二つよ」

「二つ……?」

 

 士道が問うと、琴里は大仰に頷き、人差し指を立てる。

 

「まずは一つ目、ASTのやり方。武力を持ってこれを殲滅をする。ただし前述の通り、精霊は高い戦闘力を持つため非常に困難だわ」

 

 次いで、中指を立てる。

 

「そして二つ目。それには士道、あなたの力が必要よ」

「「えっ、俺(士道)?」」

 

 士道とハルトはお互いの顔を見る。

 

「んで、その方法ってのはなんだよ」

 

 言うと、琴里は小さく笑みを浮かべた。

 

「それはねーーーー精霊に恋をさせるの」

「「......はい?」」

 

   




うへーなんとか出せた。
今回はあんまりハルトが絡ませられなかった。
おまけに前回ちょろっと出たアイツもしばらく出番がない。
もう少し待ってくれ……あと数話でヴァルヴレイヴ出せるから……!
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