デート・ア・ヴァルヴレイヴ   作:とりマヨつくね

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と言っても、最新話を投稿したのを伝えるだけですが。
おっと、これ以上身の上のことはどうでもいいですね。
それでは第六話、どうぞ。


訓練

 次の日。

 来禅高校、士道たちのクラス二年四組にて。

 

「ふぁ~。眠い」

 

 士道は一つを大きなあくびをした。

 それはそうだろう。士道は琴里に早く寝るようにとは言われたが、結局あのあと一睡も出来なかったのである。

 士道たちが精霊という存在と〈ラタトスク〉という組織のことを知り、その精霊との平和的解決が自分に掛かっているとなれば眠る暇さえなかった。

 士道は気怠い感覚がのしかかる中で学校にいた。

 

「えっと、新学期二日目ですけども、今日からこのクラスに副担任の方が付いて来ることになりました」

 

 士道たちの担任である岡峰珠恵先生、こと通称タマちゃん先生がいつもの間引きしたような声で言ってきた。

 

「珍しいね。こう言うのはもうちょっと先に紹介されると思ってた」

 

 隣の席に座っているハルトが小さな声で、士道に言う。

 

「ああ、普通ならそうなんだが……」

 

 そう、士道は頬をかきながら返答すると、タマちゃんがドアに向けて呼びかける。

 

「先生、入ってきて下さーい」

 

 その言葉に合わせて、クラスのドアが開き、一人の女性が入ってきた。

 

「....村雨令音です。担当教科は「物理」よろしく....」

「「ぶっ!」」

 

 二人は思わず吹いた。

 

 

その後、令音に呼び出されて、物理準備室に呼び出されていた。

 

「何をやってるんですか? 村雨解析官」

 

 士道は開口一番に聞いた。

 何故なら、つい先日出会った女性が、次の日に物理の担当の先生として入ってきたためだからだ。

 これ一つだけで、ラブコメ一つが出来そうな内容である。

 

「令音で構わないよ。しんたろう、はるのすけ」

 

「カスリもしてしねぇ!」

「ああ、すまない。シン、ハルト」

「なんでハルトだけ!?」

 

 士道はたまらず叫ぶが、令音は聞いていない様子だった。

  

「なんで僕たち、呼び出されんたんですか? 訓練するってのは聞いていましたけど」

 

「その説明は私がするわ」

 

 ハルトの質問に対して、どこからか聞き慣れた声が聞こえると、スライド式の扉が開いた。

 そこから入ってきたのは、士道とハルトの妹である五河琴里がチュッパチャップスを加えながら立っていた。

 リボン色と喋り方からして、今は司令官モードのようだ。 

 

「琴里!? お前、学校はどうしたんだよ」

「失礼ね。ちゃんと許可はとったわ」

 

 よく見ると、来賓用のスリッパを履き、中学の制服の胸には入校証をつけていた。きちんとした手続きを踏んで学校に入ってきたようだ。

 

「それで? 訓練って具体的に何をやるんだよ」

「ああ、その説明なら彼に任せることにしましょう。入ってきなさい」

 

 琴里が呼ぶと、一人の人物が入ってきた。

 銀色の髪に、紫紺色の瞳、そして知性的かつ整った顔が特徴の少年だった。

 士道はどこか折紙に似ているな、と思った。

 

「彼の名前は、エルエルフ。昨日はいなかったけど、彼も<フラクシナス>のクルーでいつもは戦術予報士をしているわ」

 

 琴里は、チュッパチャプスをピコピコ動かしながら、少年のことを説明する。

 琴里の時にも思ったが、いくら優秀だからって<ラタトスク>は人員不足かつブラックなのだろうか?

 

「すまないが、五河士道。俺は望んでここに入ったから、

「君は……僕と一度あったりしていないか。君とは初めてあった気がしないんだ」

 

 エルエルフの元へ一歩、歩みよるとそんなことを聞いた。

 普通ならどこかで見かけたのかな、程度で済むだろうが、それがハルトとなると話は変わってくる。

 彼は記憶喪失をしている。だが、もし、ハルトがエルエルフと親しい関係であったとすれば、無理矢理ではあるが説明がつく。

 ハルトの言葉に、エルエルフは少し驚いた気がした。

 

「いや、()()では初めてだ」

「それはどう言うーーーー」

 

 エルエルフの歯に挟まったような言い方に、ハルトは再度聞こうとした時。

 ハルトの弁慶の泣き所目掛けて、全力の蹴りをお見舞いをする。

 

「がああああ〜〜〜〜〜〜!」

 

 あまりの激痛に、ハルトは地べたを転げ回る。

 

「何をチンタラしているのよ。私たちには時間がないのよ。エルエルフ、例の物は持ってきたでしょうね」

 

「問題ない。この通り」

 

 エルエルフはバックを開けて、CDを令音に差し出す。

 CDを受け取った令音は、CDをデッキに入れてパソコンの電源をつける。

 画面には、可愛らしくデザインされた<ラタトスク>の文字が映し出される。

 次いで、ポップな音楽とともに、色取り取りの髪の少女たちが表示され、『恋してマイ・リトル・シドー』のタイトルロゴが出現した。

 

「これは……」

 

「ああ、いわゆる恋愛シュミレーションゲームと呼ばれるゲームだ。つまり……」

 

「ギャルゲーかよ!」

 

 士道は悲鳴じみた声を上げる。

 

「では、シン。一つ聞くが、君はいきなり現実の女の子と話せるのかい?」

「っ……、やっ、そ、それは……」

 

 言い淀むが……なんとか咳払いをして心拍を治める。

 

「お、俺はこんなんで本当に訓練になるのかなって思っただけで」

「それは僕も気がかりなんですけど……」

「……」

「……」

「……」

 

 数秒が経過する。

 

「さあ、始めたまえ」

「「スルーかよ(ですか)!!」」

 

 二人は同時に叫んだ。

 

 

 一つだけ言いたい、薄暗い自室で士道はそう思った。

 何故なら、この訓練は地獄に他ならないからだ。

 現在、士道が寝る間も惜しんでプレイしている、マイ・リトル・シドーはとにかく難易度が鬼畜なのだ。

 大体のギャルゲーは三択の中から選択するのだが、その全てが不正解の選択で時間経過で正しい答えが出る引っ掛けをしたり、引っ掛けがあると思ったら何もなかったりと色々と難易度が限界突破している。

 さらにおまけでーーーー。

 

「選択ミスったら、黒歴史をバラされるのは違うだろーー!」

 

 そう、これだ。

 ゲームを始める前に発生したルールで、選択を間違える度に士道の黒歴史が世に放たれるのである。

 ちなみに、中学校の時に書いた詩やキャラクターなどが作者を匿名にして、ネット投稿サイトに投稿されている。

 それを見たハルトの哀れみの目を向けなれた時は、本当に死んでしまおうかと思ったほどだ。

 

「だけどこれで終わりだーーーー!」

 

 ポチっと選択する。そしてその選択は正解だったようで、対象(ヒロイン)との幸せのキス後、ハッピーエンドの文字が起きる。

 

「シャーーーー!!!」

 

 あまりにも長き戦いの終幕に、士道は雄叫びをあげて喜んだ。

 十数秒ほど経った頃、士道はあることに気づいた。

 時刻は早朝、普通ならまだ眠っている人間の方が多い時間帯に、こんな雄叫びをあげてしまっては近所迷惑もクソもない。

 案の定、隣の部屋から走る音が聞こえ、勢いよく自室の扉が開かれ、ハルトが入ってきた。

  

「どうしたの、士道!? いきなり大きな声を上げて」

 

 いきなり雄叫びが聞こえ、駆けつけたハルトが心配するように聞く。

 

「ああ、すまない。起こしちまったか」

「いや、別に大丈夫だけど。一体、何が……って、ああ、訓練が終わったんだ」

 

 ハルトはすぐに納得したように言う。

 

「で? 効果は出た感じはあるの? 僕も横から見ていたけど、とても役立っているように思えなかったんだけど」

「効果はともかく、今は少し眠らせてくれ」

「わかった。今日は僕が朝食を作るよ」

「ああ、ありがとう」

 

 そこで士道はベットに倒れ、意識を暗闇の中に落とした。

 

 

「よし、とりあえず及第点ね。これなら次のステップに行けるわね」

 

 数日前に集まった時と同じ、物理準備室で琴里は言った。

 

「次って言ったって何をやるんだよ」

「そんなもの決まっているだろう。実際に女子と話すのだ。手始めにコイツと話してもらう」

 

 琴里の隣にいたエルエルフは、胸ポケットから一枚の写真を見せる。

 よく見ると、そこにはクラスメイトの鳶一折紙が写っていたのである。

 

「鳶一?」

「ああ、そうだ。お前は、彼女とは大なり小なり話しているだろう。口説くにはまずは接点が重要になる。だがいきなりは難しいと思っため、コイツをターゲットにした。異論はあるか?」

「理屈はわかるけど……」

「タラタラ言い訳をするんじゃないわよ、どん亀。彼は、士道が一週間かけたゲームを全イベント一発合格で、二日で終わらせたのよ」

「な、なんだって!?」

 

 これには思わず士道も尊敬してしまう。

 大真面目に反応する士道に対して、ハルトは「多分、エルエルフが異常だからじゃないかな」と言う。

 

「あと、これを渡しておくわ。このインカムから私たちの指示を受けられるわ」

「ああ、わかった。それじゃあ、口説いてくる」

 

 士道はインカムを付けると、物理準備室を出た。

 

「それとハルト、あなたにも渡さなければいけないものがあるから、後でフラクシナスの格納庫に来なさい」

「え? うん、分かった」

「さて、そろそろ接触する頃合いでしょうし、助けてあげようかしら。令音」

「分かった」

 

 令音が頷くと、士道がいる監視カメラの区画がパソコンの画面が移り変わる。

 そこにはM字開脚してパンツをもろ見せに折紙に、それに戸惑う士道が映し出されていた。

 

「なに……これ?」

「これは恐らく、シンとぶつかって尻餅をついた結果だろう」

「いや、尻餅をついたとか、そこらへんの次元を軽く超えているんですけど……」

「いや、これは好都合だ」

 

 エルエルフが言うと、マイク機能をオンにする。

 

 

 気まずい。

 士道は予定通り折紙を探していた所、曲がり角でその本人とぶつかった。

 ここまでならまだいい。まあ、よくはないのだがまだこんなに気まずいとは思わない。

 その理由はいたってシンプル。

 目の前の少女、折紙が純白の下着をもろに見てしまった。

 折紙と士道が交差し、体感で途方もない時間が経った頃、インカムが軽く振動すると声が聞こえる。

 

『五河士道、聞こえているか?』

「あ、ああ、聞こえているよ」

 

 パソコンのスピーカーから士道が戸惑った声が聞こえた。

 まあ、当たり前のことではあるのだが。

 

『今から俺たちがバックアップする。とりあえず、彼女と話してみろ』

「わ、分かった。なあ、鳶一」

「なに」

「その服、可愛いな」

「制服」

「なんで制服をチョイスするのよ。このウスバカゲロウ」

 

 ただ虫の名前を言っているのに、すごい罵倒に聞こえる。

 その合間合間にもエルエルフと令音から指示を出し、その指示通りに言う。

 

「実は……前々から鳶一のこと知ってたんだ」

「私も」

「……」

「……」

 

 ダメだ。間が持たない。

 いくら二次元で百戦錬磨でも、やはりリアルとは大違いすぎる。

 今でもサポートがなかったら、逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

 

 ウゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーー!

 

「空間震警報!」

 

 その音とほぼ同時に走り出す。

 

『士道、空間震よ』

「まさか精霊が……?」

『ええ、そうよ。場所はここよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  




はいは〜い。後書きですがな。
と言ってもあまり話すことがないんですよね。やっぱり、ここら辺は書いていて楽しいですね。
まあ、そろそろ波乱な展開にシフトしていかないと、クダクダになりそうなので頑張りたいと思います。
それでは次回、『肯定』(仮)で会いましょう
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