MHR:Sの例のクエストの話。終盤までのネタバレを含みます。

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例のクエストが余りにもアレだったので書きました。


本編

 新天地を探しに行った番が暫く振りに戻ってくると「そう簡単に良い場所は見つからないもんだな」と意気消沈した顔で私に伝えた。

「仕方ないよ。私達、ずっとここで暮らして来たもの」

 まだまだ小さい子供達は、無垢な顔で久々に帰って来た父に甘える。

 生まれ育ったこの地は、僅かずつ、僅かずつながらも何か、おかしくなり始めていた。

 ……それはいつからだったのだろう。

 違和感が積み重なって、それを気のせいだと拭いきれなくなったこの頃。

 血吸いの蝶が再びこの地に現れてからだろうか。それを統べる古龍がこの地に見えてからだろうか。

 分からない。

 番はくたびれた様子を隠して子供達をあやす。

 ……でもこの時はまだ、どうにかして平穏な日常は続けられるのだろうと根拠もなく信じていた。

 この地で、番に比肩する者なんて、はぐれ者の雷狼竜しかいなかったから。

 その雷狼竜だって、一匹だったから。私と番で襲い掛かれば雷狼竜は敵わない事を、雷狼竜自身も分かっていたから。

 

 図体ばかりがでかい剛纏獣は、血吸いの蝶に毎日のように血を吸われている。

 その図体のせいで身を隠す事も出来ないそいつは、気が立つ以上にどこかおかしくなっていた。

 敵わないはずの番を見るなり、襲いかかって来る程だった。

 あの蝶には、毒もあるのかもしれない。

 ああやって休める間もなく襲い掛かられては、私達も危ない。

 だが、まだ幼い子もいて、その蝶を統べる古龍が近くにいる今は、迂闊に動く事など出来なかった。

「あの古龍は、どうやらこの地に留まるようだ」

 神経を尖らせっぱなしで、寝床に戻るなり私に寄りかかった番は、ほとほと困り果てながらそう言った。

「狩人達もやって来ていた。この異変に狩人達も気付いている」

「じゃあ、私たちは隠れていれば良いでしょう。もしかしたら、あの古龍も殺してくれるかもしれないし」

「…………あの古龍を殺せるなら、俺達なんぞ屁でもないだろうな」

「あっ……」

 それからそう時間が経たない内に、その愚鈍な剛纏獣は狩人に捕らえられて、その拠点へと連れていかれた。

 

 蝶の数は日に日に増えていた。

「あの古龍のせいだ。あいつのせいで、俺達は」

 番はそう言うけれど、そう断じるにはどうにも違和感があった。

 繁殖しているだとか、そんな速さじゃない。まるでどこかから湧いて出て来ているような。

 でも、危ないからと私をも寝床に隠れさせて一匹、外に見回りと日々少なくなっていく獲物をどうにか獲ってくる番にはそんな私の予想なんて声に出す事もできなくて。

 段々とやつれていく番を、せめて労わる事しかできなかった。

 氷牙竜も千刃竜も雷狼竜も、何もかもが気が立っていると言う。

 ……貴方ももう、前と同じとは言い切れないわ。

 そんな事も言える訳もなくて。私に出来る事は、子供達に出来るだけ心配を抱かせない事と、番を労わる程度の事。

 何一つとして物事が好転としないまま、日々は過ぎていって。

 そんなある日。

「じゃあ、今日も行ってくる」

「……気をつけてね」

 そんな事しか言えない私は、それが番との最後の会話になるとは微塵も思っていなかった。

 夜になっても、翌朝になっても、番は帰ってこなかった。

 そして、意を決して外に出れば、この大地の変貌っぷりに思わず慄く。

 番が私達を外に出さなくなってのもすぐに分かってしまう程だった。

 でも、どこを探しても番は見つからなかった。

 最後に古龍の居ない間を見計らって、城の近くまで訪れてみれば。

 番の新しい爪痕と、どの竜のものとも違う鋭い爪痕があった。

 それは紛れもなく、狩人の持つ爪のもので。激しい戦闘の跡。

 砕けた青い鱗の破片がばらばらと草に隠れて見つかってしまう。

「……どうして。どうしてどうしてどうしてどうして!!??」

 どうして、狩人に歯向かったの? どうして私達を置いていったの? どうして? どうしてどうして!?

「あ、ああ、ああああ、ああ」

 かぷり。

「いつっ」

 思わず振り払えば、血吸いの蝶が何匹も寄って来ていた。

「え、あ……」

 多い。とても。切り裂いたその蝶の口からは血がだらだらと。その気持ち悪い牙は私の固いはずの鱗を容易く貫いていた。

 逃げなきゃ。これからは、私が子供達を養わなきゃいけないんだ。

 ……私だけで? こんなおかしい場所で?

 

 落ち込む暇なんてものも私にはなかった。

 子供達を心配させないように、できるだけ短い時間で獲物を狩って戻らなければいけない。

 食べ盛りな子供達の腹を満たす為に、多くの獲物が欲しかった。でも、こんな生命が余りにも少なくなってしまったこの地では獲物なんてもう簡単には見つからなかった。

 逃げる? どこに? そんな当てのない旅を私だけでするなんて、出来やしない。せめて、せめて番が居てくれれば。そんな決断もできただろうに。

 でも、もう全部遅い。遅過ぎる。私は何もできなかった。それが、それだけが、事実で、もう何も変わりようはない。

「何が、どうして、私達は、こんな事に」

 しゃり、しゃり、と雪の大地を、下を向いて歩く。前を向いていられるような気力なんて、今の私にはどうしてもなかった。

 だから、遠くから何かが走ってきたのに気付いた時には。

『乗らせて貰うぞっ』

「えっ、えっ!?」

 背中に狩人が。振り落とそうとしたその瞬間、体が勝手に動き始めた。

 隣には鎧を身につけた、狩人の犬が。

 そして抵抗出来ないまま連れて来られた先には、あの血吸いの古龍。

 もう一人の狩人が戦っている。

 ……もしかして、私、囮にされるの?

「えっ、いやっ、やだっ、私はまだっ!」

 けれど、体が勝手に動く。古龍が私に気付いて、私の爪なんかよりよっぽど太くて鋭い爪を備えた尾を向けてくる。

『はあっ!!』

 その瞬間、体が横に引っ張られた。私のすぐ隣を尾が突き刺した。背筋が凍って私の体が硬直した、と思った時にはどうしてか私の爪が古龍の胸を突き刺していた。

「ギィアァッ!!」

 かんたかい悲鳴。その胸元に集まっていた血吸いの蝶を、一気に何匹も切り裂きながら引き抜いた。

 血が私の顔に降りかかる。その古龍の血は、鼻に触れるだけでも危険な匂いがして。

 でも、それを振り払う暇もなく。

『引き裂けぇっ!!』

 私の意志とは無関係に体が動く。

 古龍の攻撃をするりするりと避けながら、私の爪が古龍の急所を的確に切り裂いていく。

 心地良い、と思わない訳でもない。けれど、私はそれでも、こんな古龍と対峙出来る器じゃない。

 攻撃を一度も喰らってないのに。動かされているだけなのに。

 胸の鼓動が酷く激しい。私が動ける理想以上に体を動かされていても、恐怖が消えない。

 最後に両腕の全ての爪を古龍の胸元に突き刺し、そのまま開くように引き裂いた。

「カッ……グカッ……」

 どば、と思い切り血が噴き出した。

 私の指先に古龍の肉片さえもがこびりついている。どれだけの蝶を引き裂いたのかも分からない。

 私の種族でもこの古龍をここまで追い詰める事は、きっと可能なのだろう。

 でも、それはただの理想論だった。

 私から降りた、そして、私が操られている間も戦い続けていた、二人の狩人。

 私よりもとても小さな体で、微塵も怖気ず、それどころか弱った古龍により勢いづいて戦いに臨む。

 そんな様子を、私は見ている事も出来なかった。

 私は生きなければいけない。私は、子供達を残して逝く訳にはいかない。

 だから、尻尾を巻いて一目散に逃げた。

 

 あの古龍は敗北したようだった。

 どこに行こうがあの古龍の面影はなく、私が操られて古龍を切り裂いた場所も、その戦いの痕跡が残るだけ。

 でも、どうしてかあの蝶は数を増すばかりだった。

 この異変は、あの古龍がここにやって来たからじゃない。私の予想は当たっていた。

 でも、だからといって何だと言うのか。私の番は異変に巻き込まれて狩人達に殺されてしまった。その事実は変わらない。変わらないのだ。

 隙あらば私の血を吸おうとしてくるその蝶を切り裂きながら、今日も獲物を探す。

「ギィィアアアア!!」

 千刃竜……?

 あの蝶にあの竜もやられてしまったのか? そう思いながら振り向けば、口から何か黒い靄を吐いていた。

「な、なに、あれ」

 完全に正気を失っているかのように突っ込んでくる。飛び蹴りを躱して、一応声を掛ける。

「これ以上来るなら……容赦しないわよ!」

「ギギッ、ガグッ!?」

 ……完全に正気を失っている。その身に蝶は一匹もついていない。

「殺せっ! そいつはもう助からない!」

 声のした方を振り向くと、雷狼竜が居た。

 私の隣まで駆けつけてくると、千刃竜から目を背けずに言った。

「あの黒い靄に出来るだけ触れるな。あれには俺達を狂わせる毒がある」

 何でそんな事を知っているのか聞きたかったけれど、目の前の千刃竜はいきなり倒れたかと思えば、飛び上がってあらぬ方向に鱗を飛ばした。

 何をしてくるのか、全く分からないイカれた様子。

「……分かったわ」

「氷牙竜もあれにやられている。もし来たら、容赦するなよ」

 自ずと、共闘する事になっている。けれど、これを野放しにしてはいけないという事は私にだって分かる。

 氷を纏い、爪を尖らせる。

 雷狼竜も咆哮をして雷光虫を奮い立たせた。

 

 誰も居ないところに鱗を飛ばしたかと思えば、不安定な飛行から唐突に私の頭を蹴り飛ばそうと突っ込んでくる。

 目の前の私達の事をちゃんと認識できているかすら分からないまま。まともな千刃竜を相手にするより何倍もやり辛い。

 でも、一つ一つの行動の隙自体は変わらない。種族として染み付いた動きはそのままだった。それが分かれば、私も雷狼竜も戦えた。

 戦闘は段々と私達に傾いていく。

 そして私が翼を引き裂き、地へと蹴り落とす。崩れ落ちた千刃竜の頭を雷狼竜が前足を叩きつけて、止めを刺した。

 砕けた頭から、血が流れ出る。ただ、その色は血とは思えない程にとてもドス黒かった。嫌な匂いすらしている。

「これは……」

 雷狼竜は前足に付いた血を地面に擦りつけて落としながら、言った。

「また、古龍が来ているんだ。こんな毒を撒き散らす、あの血吸いの古龍より恐ろしい奴さ」

「え……」

 何で、そんな。

 それから雷狼竜は私の方を向いた。

「なあ……俺と一緒に逃げないか?」

 至極真面目な顔をして、私と目を合わせて。

 私が何かを言う前に、雷狼竜は続けた。

「ここでは、何かもっと大きな事が起きようとしている。古龍達が集まってくる位に。少なくとも、俺はそう思っている。

 勿論、あんたに子供が居る事も分かっているさ。でも、それでも俺はお前と逃げたい」

 それは、とても魅力的な提案だった。

 でも、けれど。

「その言葉……番がまだ生きている時に聞きたかったわ。

 いきなりそんな提案をされても、私は……貴方を信用出来ない」

 この雷狼竜は実力がある。でも、その根っこは小心者か、卑怯者か、そんなものを感じさせた。だから群れてもおらず、こうして一匹で居るのだろう。

 雷狼竜はそれを聞くと、そう返される事が半ば分かっていたかのように、大して落ち込まずに言った。

「……そうか。残念だ。でも気が変わったら言ってくれよ」

「……ええ」

 そう言ってさっと去っていく雷狼竜の背を眺めていると、血の匂いを嗅ぎつけてか蝶が群がって千刃竜へと飛んできていた。

 この蝶さえ居なければ、私達は今も平穏に暮らせていたのに。

「……狂って死んでしまえ」

 

 意外な程に、その毒を撒き散らす古龍はすぐに狩人によって屠られた。

 その後、古龍が陣取っていたと言う場所を訪れてみれば、その近くで氷牙竜もあの毒にやられてか、大した外傷もなく死んでいた。ついでに、その毒までを吸って死んでいた蝶達も。

 良い様だと思ったが、それでも蝶は増すばかり。どこを歩いても、血を吸い尽くされて乾いた死体ばかり。食べても殆ど力にならない。

 蝶にも私達を狂わせる毒があると思うと、特に子供達を守るのが私しか居ない今では、試しに食べてみるなんて蛮勇は冒せなかった。

 それでも、この地から逃げるべきなのか、私には分からなかった。

 今となっては、敵は蝶だけ。他には何もいない。脅威も、そして獲物も。

 分からない脅威と、獲物が居る、未知の世界。

 分かる脅威は一つだけ。ただ、獲物も居ない、この場所。

 雷狼竜も、まだこの場所に居る。私が付いてくる事を期待しているのか、それとも守るべき者も居ないのに、一匹で外へと逃げていくのを恐れているのか。

 僅かに獲れた獲物を獲って帰ると、もう退屈に飽き果てた子供達が聞いてくる。

「おかあさん……ぼくたち、まだ外に出ちゃだめなの?」

「……ごめんね、ごめんね。私が貴方達を外でも守れれば、こんな場所で隠れていなくても良いのに」

「…………うん……」

 食欲の湧いていない顔。

 もう今となっては、普通ならまず食べようと思わない虫すらも貴重な栄養源だった。

 私のお腹からも音が鳴ってしまう。

「……おかあさん。食べていいよ。ぼくたち、お腹すいてないから」

「いいのよ、貴方達が食べて」

「やだ。やだよ。お母さんが元気じゃなきゃいやだ」

 子供達は言って聞かなかった。食べたくないというのもあるのだろうけど、それ以上に子供達を守るべき私すらもが気遣われていた。

 ……もう、限界だ。

「…………ねえ、聞いて。お母さん、決断をしようと思うの……」

 

 雷狼竜の事は信用できない。

 安全な場所まで辿り着いた瞬間にでも子供達を屠って、私を手篭めにしようとしているのかもしれない、という疑念はずっとずっと付き纏っている。

 でも、もう、こんな場所で生き続ける事もできなかった。

 虫すらもあの蝶に体液を吸われている。残るのは植物ばかり。私達の糧にはできない植物ばかり。

 私だけで子供達を守りながら新たな土地を探すなんて事もできるはずがない。

 なら、頼るしかなかった。

 迷って、悩んで、それでも私はここに残るという選択肢を選び続けていた。

 でも、きっとそれは間違いだった。一番最初から、この地を去るという選択肢を選ぶというのが正しかった。

 番が新天地を探すなんて言うのに、それに私も子供達も付いて行くべきだった。

 番が戻ってきてから、すぐさまにでもここを皆で離れるべきだった。

 番が亡くなったなら、早く雷狼竜とここを離れるべきだった。信頼出来なくとも、その選択肢が既に最善だった。

 きっと……そうなのだろう。

 夜。

 明日、私の子供達と共にここを離れようと伝える為に、寝床を出て、外を出た。

「…………あぁ」

 もう、外には蝶以外の生物の気配を微塵も感じない。

 ここは、とうとう誰も生きられる場所ではなくなろうとしている。

 どうして、こんな事に。

 でも、それも今日までだ。

 蝶達に気付かれないように、そろりそろりと歩いて行く。

 雷狼竜の寝床へと。

 氷の土地から、今となっては緑だけが溢れる土地へ足を踏み入れた時。

 視界に入るよりも前に、臭いがそれを伝えてきた。

「……え?」

 雷狼竜が倒れていた。

「ね、ねぇ。冗談でしょう……? なんでこんなところで寝ているのよ……?」

 揺さぶっても全く動かない。顔を覗けば、口をだらりと開けて、乾いた舌をだらしなく見せていた。

 その舌にも、あの蝶に数多に噛み付かれた痕が。

「ね、ねぇ、ねえねえねえねえ! 起きてよ! 起きてよ!! 私、決めたの! 貴方とここから逃げるわ! だから! だから起きてよ、お願い! お願いだから!!」

 叩けば、まるで肉体そのものが空っぽかのように、その巨体がごろりと転がった。白い毛がはらりと散った。ひからびた雷光虫がぽろぽろと落ちていった。

「いや…………いやよそんなの……いやいやいやいや!!」

 叫ぶ私の声が虚しく響く。誰も、何もそれ以外に音がしない。

 もしかして……もしかして。もう、この地で生きているのは、私と子供達だけなの?

 あの蝶は、それ以外を全て吸い尽くしたとでも言うの?

 ばさばさばさばさっ!!

「あ、ああ、ああああ」

 蝶が、私の声を、聞きつけて。とても、とてもたくさん。空を埋め尽くそうと言わんばかりの数。

「や、やだ、にげな……ど、どこに?」

 子供達のところには逃げられない。せめて、どこかで、撒かなきゃ。

「あ、ああ、そうか、そうだったのね」

 番が狩人と戦った理由。私達のところに帰らなかった理由。

 今更理解した。全くもって当たり前じゃないか。

 私達までをも、危険に巻き込まない為だったんだ。

 でも……でも、私は死ねない。死ねない。私まで逝ったら、子供達も、もう。

「逃げなきゃ……生きなきゃいけないんだ、私は」

 

「ああ、ああ。私、まだ、生きているのよね……私、逃げ切ったのよね……?」

 夕闇。

 殆ど一日を、私は逃げ続けたみたいだった。

 沢山血を吸われてしまった。歩くのも辛い。でも、まだ、私は生きている。

 子供達に会える。

 でも、でも……それまでだ。

 だから……そうだ、私を食べさせよう。そうして、お腹いっぱいにしてもらって、この場所から逃げるように伝えよう。

 ……ごめんね。私、強くなかったの。

 これからする事を、許してね。ごめんね。

 ああ、寝床まで、帰ってきた。

 最後に、私は可愛い子供達の顔を見られれば、私はそれで満足よ。そう、それで良いの。

 たっ、たっ、たっ、たっ。

 ……えっ?

『もう既に、瀕死のようだな……』

『最後の生き残り、ですかニャ?』

 どうして。

 どうして?

 どうして??

 なんで、こんな時に、狩人が?

 血吸いの古龍を、毒を撒き散らす古龍を、その小さな身一つで屠った狩人。

「ウ、グ……」

 …………ごめんね。私の可愛い子供達。

 こんな唐突に、別れが来ちゃうなんて。

 でも狩人達は、近付けさせないから。

 最期の力を振り絞って、私は吼える。

「ウルルルルッ!!」

 どうか、どうか……生き延びて、立派に育ってね。




元々はこの後母親は捕獲されて、その場所に近づけさせたくないという意図まで気付いた狩人が子供達を発見、それらも捕獲して母親の元に置いて、気付いた母親は泣きながら子供達と再会、そして母親達も一緒にクエスト後のイベントシーンを眺める。
母親達はその後エルガドで療養、全てが終わった後でまた野に戻って行く or エルガドに住み続ける。

みたいなところまで書く予定だったんだけど、
まあここで終わらせておいた方が綺麗だよねって事で一旦区切り。
そのハッピーエンドは後日書くかも。

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