綾小路清隆の妹として、全力で支えます 作:ぐれーぷ
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入学式が終わり、その他諸々も終え12時半。清にぃとは別々に行動していた。理由としてはクラスや他のクラスの生徒に捕まり、中々抜け出せずにいたからだ。入学式の時やっぱり目立っちゃったな。
清にぃには先に帰って貰った。待たせちゃ悪いからね。
この後クラスのみんなはカラオケに行ったり、カフェに行ったりするらしい。お誘いしてもらったけど断った。誘ってくださいって言った手前、断り辛かったけど流石に初日はね? 時間は有限だ。大切に使わないとね。
「今頃清にぃは鈴音ちゃんとコンビニに居るとして……取り敢えず買い物しようかな」
そう言っても私は特典のおかげで、コスメなんかは特に必要としていない。事前に必要な物で持ってこれる物は幾つか持ってきている。今欲しいのは部屋を飾る物だ。
「綾小路妹か、まだ居たのか」
クラスから出ようと身支度をしていると、クラスに来た佐枝ちゃん先生に声をかけられた。
「佐枝ちゃん先生! お疲れ様です」
「教師をちゃん付けするな。随分と手間を取った様だな。職員室までお前の話が上がっていたぞ」
そう言う佐枝ちゃん先生は楽しそうだった。
今クラスには佐枝ちゃん先生と私しかおらず、今なら色々聞いても答えてくれそうだ。
「先生、幾つか質問してもいいですか?」
「……構わない。質問するといい」
「来月も10万ポイントは振り込まれるのでしょうか?」
「……ああ、説明した通りポイントは振り込まれる。毎月1日に必ずな」
「わかりました。次にどうして私と兄は同じクラスなのでしょう? 普通同い年の兄妹は別のクラスになりませんか?」
「当校は他の高校とは違う。そういう事もあり得るだろう」
佐枝先生が少しだけ落胆した様に見えた。大丈夫、清にぃはあなたの想像を遥かに超えているから。私には何も求めないで。
「先生の事を、佐枝ちゃん先生と呼びましたが、これは減点に入りますか?」
「……どういう意味だ?」
「そのままです。このクラスには監視カメラがあります。もし生徒の態度を見て、来月払われるポイントの減点がありえるかと」
「どうしてそう思う? 安全の管理上かも知れんぞ?」
「もしもの場合です。想定し得ることを質問するのはまずいでしょうか? 10万は大金です。校則を破ったり、日常生活に問題がある生徒に対して、毎月こんな大金が支払われるとは到底思えなかったので。そして何よりもこの学校は実力で生徒を測る、先生はそう言いました。つまり優秀な生徒には10万以上の価値があるのでは? 逆に不出来な生徒にはそれ以下の評価を下すのでは? 疑問を疑問のままにしておくのはよくないかと。なのでもし先生の呼び方で、学校の規則等に問題があればやめようかと」
「……心配しなくていい。それで減点はない。私個人としてはやめて欲しいがな」
私は笑みを浮かべる。やめて欲しいなら嘘をつけばいいのに。それで減点はない……それ以外では減点があるって認めてるようなものだよね? 聞きたい事を聞けた私は佐枝先生に抱きついた。
「暑苦しい。離せ」
「ふっふーん。佐枝先生ありがとう! 大好き! また明日です」
「……廊下は歩け綾小路妹」
「はーい!」
そう言って私は佐枝先生から離れてクラスを後にした。
買い物を済ませ寮に帰りラフな格好に着替える。清にぃが部屋にいる事を確認して私は向かった。自分の部屋と変わらない内装。どの部屋もやっぱり一緒か。
「清にぃ冷蔵庫借りるよ〜」
「ああ、好きにしてくれ」
帰りに買った食材を仕舞っていく。基本的に夕飯は清にぃと済ませるつもりなので、私の部屋じゃなくていい。弁当も出来れば作りたいな。節約していかないと。
「清にぃ昼食食べた……?」
「食べたぞ。コンビニのおにぎりを食べた」
「えー! 私も食べたかったのにぃ。美味しかった?」
「美味いかどうかで言えば普通だったな」
「そっかぁ。明日私も食べてみよっと。よし、これで終わり」
器具やら何やらを片付けて手を洗い、私は清にぃの隣へと腰を下ろした。そのまま横になって清にぃの太ももに頭を乗せる。いわゆる膝枕ってやつだ。私達の間に沈黙が続く。
「……自由だ」
「……うん。自由だね」
「ああ。
そう。3年も、だ。私達兄妹にとって3年はとても長い。きっとあっという間に過ぎるのだろう。けれどもそのホワイトルームでの生活を考えれば、3年間もの自由の時間があると考えればありがたい。
「戻ったら怒られるな」
「大丈夫、私がいるよ?」
そう言うと突然清にぃは私の両手首を強く握りしめてベッドへ押さえつける。ああ、ダメだよ清にぃ。私はあなたに求められるとおかしくなる。
無感情で淡々と私を見つめる。清にぃにどんな形であれ求められるという事は私の幸せだから。
「おまえはなんだ」
「
「そうだ愛歌。おまえはオレの物だ」
「ええ。わたしは清にぃの道具よ。清にぃのいる場所がわたしの居場所。なんでも命じて。わたしはあなたの全てに応えて見せるから。ねぇ、清にぃ。わたしの清にぃ。わたしだけの清にぃ」
幼い頃からパパに言われ続けたこと。
『綾小路清隆を支えろ。綾小路清隆の全てを受け止め、求められたら全てに応えなさい。お前は清隆の道具だ』
きっとパパは清にぃにも似た事を言った筈だ。私を使いこなせ、掌握しろ、と。それが私の望み。私の精神そのもの。
「清にぃ、この3年間を大事にしようね」
「……ああ、そうだな。愛歌、おまえの作るご飯が食べたい」
「うん、いいよ」
私達は起き上がった。清にぃはシャワーを浴びに、私は料理をしに台所へと向かった。
おにぎり食べたみたいだし、軽く食べれるパスタにしておこう。夕食もしっかり食べないとだしね。
学校生活2日目。
授業初日は先生達の軽い自己紹介と、今後の勉強方針についての説明だった。
案の定、須藤くんは居眠りをし、先生達もそれを注意しない。それを見たクラスメイト達も、各々がフリーダムになり、雑談や端末を弄ったりゲームをするなど、酷いものだった。来月のプライベートポイントは0か。覚悟したとはいえ泣きたくなった。
昼休みになると各々が食堂へと消えていく。私も今朝誘われた為、食堂へと向かう。清にぃが助けを求めていた。ドンマイアニ。頑張れ。妹は信じてます。
「すっかり人気者だね綾小路さん!」
「櫛田さんだったよね。よろしく」
え、なんでいるの? 清にぃに鈴音ちゃんの事で質問してなかった? 早速原作通りに行ってない……。それとどうしてだろう。向日葵のような笑顔を浮かべているのに、寒気が止まらない。
「うん! よろしく! 昨日男の子達からデート申し込まれて大変そうだったね……早速昨日行ったの?」
なんだろう。尻軽だもんね! みたいに聞こえるのは気のせいだよね? その後も色々と質問されたけど、連絡先を一向に聞かれなかったので、私は嫌われていると見て間違いないと思う。
学食には沢山の生徒が居た。暗黙の了解とかあるのかな? 一年生はここ、二年生はここ、三年生はここ、的な。パッと見だけどそれは無さそうだった。
「愛歌ちゃーん、買わないの?」
「うん。今日お弁当持って来ちゃった」
「え! 手料理!?」
「ううん、レンジでチンしたやつを綺麗に入れただけ」
中には卵とタコさんウィンナーに漬物。卵以外に手料理の要素が無い。なんかこんな事言ってるとまた櫛田さんに……あれ? 居なくなってる。清にぃの所に行ったのかな。因みに清にぃの弁当の中身も同じだ。学食覗きに来る筈だけどいつ来るんだろう。
「綾小路さん」
「ん? どうしたの松下さん」
「失礼だったらごめんね? 綾小路くんと似てないけど本当に兄妹なの? ほら、髪の色とか目の色が」
「大丈夫だよ。血は繋がってないから義兄妹なんだ。でも5歳から一緒にいるから、義理だとは思ってないよ」
「綾小路くんかぁ。愛歌ちゃん大丈夫? 綾小路くんに襲われない? こんなに美人なんだもん」
「何言ってるの佐藤さん。おにぃが襲うわけないでしょ。兄妹だよ?」
するとみんなが固まる。なぜ? 固まる要素あった?
「ね、ねぇ。綾小路さんってお兄さんのこと、おにぃって呼ぶの?」
「うん。清にぃ、おにぃって呼ぶよ。たまーにお兄ちゃんって言っちゃうけど。それがどうかしたの?」
「……いい」
「えっ?」
「「「可愛い!!」」」
松下さん、佐藤さん、篠原さんの3人が同時にそんな事言った。思わず私は仰反る。危うくコップをひっくり返すところだった。
「おにぃだって! おにぃ! こんな可愛い子におにぃって呼ばれるんだよ!?」
「お姉ちゃんいたらどうなるの!?」
「え、えっと。松下さんなら、秋ねぇ、佐藤さんなら麻耶ねぇ、篠原さんならさつきねぇかな」
「じゃあ、ねぇね、って呼ぶってこと!?」
「う、うん」
その後何故か3人は顔を見合わせると、その場でジタバタさせ声にならない声で盛り上がっていた。
うん……意味不明。なぜだ?
放課後になり、私は清にぃと鈴音ちゃんと3人で部活動の説明会にやって来た。何か入ろうか迷ったけれど、今後の事を考えて部活動に入るのはやめる事にした。もしもの時に困る。
「綾小路くん柔道部なんてどうかしら? みんな優しそうよ」
「気は確かか? あのゴリラみたいな体格を見ろ、間違いなく殺されるぞ」
「正気あなた? あのゴリラみたいな人を瞬殺できるの? いいわ、シャイなあなたの代わりに私が彼に伝えておくわね」
「絶対にそれだけはやめろ」
「なら綾小路くんチア部なんてどうかしら。女々しいあなたにピッタリよ」
「おいおい、一線越えたぞ堀北。チア部に謝れ」
すると鈴音ちゃんは、はっ、と申し訳なさそうな顔をして謝罪を口にした。反省したか、と清にぃは頷いている。うーん、多分違うと思うよ清にぃ。
「そ、そうよね。綾小路くんなんかがチア部に入ったら迷惑よね。ごめんなさい。配慮が足りなかったわ」
うん。やっぱり違った。言ってる事は間違ってないけど……言い方が酷かった。鈴音ちゃん私が清にぃの妹って事忘れてるのかな?
まぁ2人とも仲良さそうだからいいんだけどね!
「ダメだな。完全に頭がやられている。悪いが愛歌、保健室に鈴音ちゃ──っぐ!?」
清にぃの脇腹に洗練された動き、無駄を削ぎ落とした予備動作の少ない鈴音ちゃんのチョップが放たれた。恐ろしいほどに早い手刀、私でも見逃しちゃうね。だって止めたら私にも来そうだもん。
「なにすんだよ!」
「どうしたの綾小路くん? さっきから意味のわからない言葉や、奇声を上げて? 大丈夫?」
「おまえがチョップするからだろ!?」
「……? 私は何もしてないわよ。綾小路さん何か見たかしら?」
「わ、わーい。今日も天気がいいなぁー」
私は全力で顔を逸らした。おっかないおっかない。触らぬ神に祟りなし。そんな私達3人をよそに、部活動の説明は進む。2人とも本当に仲良しだなぁ。すると突然、鈴音ちゃんが何とも言えない表情を浮かべ無言になり固まった。
鈴音ちゃんの視線を追うと、壇上にはマイクの前に1人の生徒が立っていた。その人物は生徒会長であり鈴音ちゃんの兄でもある、堀北学だ。
この後の展開を知っている私は時間の無駄だと判断し、清にぃと鈴音ちゃんに断りを入れ体育館を後にした。部活に入るつもりはないしね。
「最後まで聞いて行かないのか?」
「南雲雅……先輩」
体育館を出て離れると南雲雅から声をかけられた。この人はこの人で目をつけられるとめんどくさいんだよね。
「なんだ俺の事を知ってるのか」
「この学校の生徒会副会長ですから。知らない方がおかしいでしょう」
「まだ2日目だ。知ってる奴の方が少ないだろ」
「この学校は実力で生徒を測ると聞きました。なら生徒会に入るメンバーは優秀な生徒、と推測し調べる。普通だと思いませんか?」
「なるほどな。向上心があっていい事だ。概ね間違いじゃない。誰でも入れる訳じゃない」
楽しそうに笑いながら、私のことを品定めするかの様に見てくる。まさかこんな早い段階で関わりを持つことになるなんて。本当に面倒くさい。早くこの場から、彼から私は離れたかった。
「生徒会に入りたいなら入れてやろうか?」
「お気遣いありがとうございます。ですが入る時は実力で入れさせて貰います」
「そうか。残念だ。俺の連絡先を教えておいてやる。困ったら連絡するといい。名前は?」
「ありがとうございます。綾小路愛歌です」
まるでこっちが断らない事を前提とした提案。もうこの段階で2年生は決着が着いているのだろうか? もしそうなら2年生はどれほど無能が集まっているのだろう。拒否した場合の後々の事を考え、私は素直に連絡先を交換する事にした。
今日は早めに帰って休もう。少し疲れた。
早く進めたいですね、とんとん拍子で行くかも知れませんが許してください。
注意、愛歌が清隆のヒロインになることはないです。