綾小路清隆の妹として、全力で支えます 作:ぐれーぷ
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1つだけ嬉しい事を言わせてください!お気に入り1000人突破&ランキング37位でした!まさかの50位以内にランクインでした!嬉しすぎてモチベ上がって、指が走り投稿です笑
これからもよろしくお願いします。
後日談的な感じなので今回は短いです
一悶着あったものの退学者を出す事なく、私たちは無事中間テストを終えた。
須藤くんたちには鈴音ちゃんが上手く立ち回り、退学を取り消して貰ったことになっている。本当のことを伝えようとした鈴音ちゃんだったけど、清にぃと私からのお願いでそれはやめて貰った。
きっと皆は今頃、心身共に羽を伸ばしているのだろう。私もそうしたいのは山々だが、今日はこれから南雲副会長と午後1時に会う約束になっている。指定した日が全て学校のない土日なのが憎たらしい。
「服はこれで大丈夫かな?」
ナチュラル系無地の水色のカラーをしたAラインタイプのワンピース。このベルトがまた可愛いんだよね。ウエストを細く見せることが出来る。またレトロカジュアルなファッションで、私好みのワンピースだ。
出かける以上、不恰好で手の抜いたファッションはできない。日差しも強いからしっかりとUVカットも塗らないと。帽子は普通のキャップでいいや。とにかくダサい焼け方はしたくない。それなら全身を焼く。ポッキー焼けもやだ。個人的にはロングソックスを履いたミニスカの焼け方がダントツで可愛くない。
準備が整い、忘れ物が無いか最後に確認して私は部屋から出た。
今日と明日を過ぎれば6月。もうこの学校に来て2ヶ月近い時間が過ぎようとしている。この1ヶ月と数十日は東奔西走な学校生活だった。悲しいことに9月10月まではこれが続くと思われる。11月辺りから落ち着くと私は考えていた。恐らく8月からが1番忙しくなるだろう。先が思いやられる。思わず笑ってしまうぐらいだ。
そんな事を考えながら歩いていると目的の場所に着いた。約束の時間十分前、南雲副会長の姿は見当たらない。中で待つように言われたけど、約束の時間まで待ってみよう。
ここはショッピングモールの中にある人気カフェの前で、辺りを見渡すと同級生は勿論、顔見知りの先輩達も多くいた。流石は土曜だ。さっきからめっちゃ声をかけられる。
挨拶で終わる人も居れば、遊びに誘ってくれる人もいた。約束の時間になると南雲副会長が姿を現した。
「よう。もう来てたのか愛歌。中に入って待ってればよかっただろ」
「こんにちは。先輩を待たせる訳にはいかないですから。それに折角なら一緒に入った方がいいと思いまして」
「そうか。てっきり俺とのデートが楽しみで早く来たんだと思ったんだがな」
「楽しみよりも緊張が勝ってます。ご迷惑をおかけするかも知れません」
「はっ、心にも無いことを……結果的にはまた待たせてしまったな。お詫びに昼食を奢らせてくれ。Dクラスで退学者を1人も出さずに済んだ、功労者を祝う次いでにな」
南雲副会長がドアを開けてくれたので私は一礼してから中へと入った。店員に案内された席に座る。パンケーキが美味しそうだ。清にぃは食べたことあるのかな? 無いなら今度作ってあげよう。
「──ご注文承りました。失礼します」
「ありがとうございます」
「……それで南雲副会長、私に何か用事でもあるんですか?」
「ただ普通に愛歌と遊びたかったのもあるが、幾つか聞きたいこともあるな」
私に聞きたいことか。南雲副会長が私に聞きたいことなんて何かあったかな? きっと今日は私と遊ぶことがメインで、聞きたいことは次いでなんだと思うけど。
「過去問は櫛田桔梗が手に入れたことになってたが……どういうつもりだ?」
「私は皆に過去問をテスト2日前に渡そうと思ってました」
「そっちの方が必死になって覚えるからな。だが渡すのが遅過ぎた。その結果、櫛田桔梗が3年生から手に入れた過去問のおかげで、退学者が出なかったことになったと」
「知ってたんですね」
よかった。ちゃんと櫛田さんの噂は広がっていた。たった数日でまさか上の学年にも周知されるとは思わなかったけど。
「折角この俺から過去問を手に入れたものの、その手柄は横取りされた訳だ。5万ポイントを無駄にしたな」
「無駄では無いですよ。2年生と3年生から貰った2つの過去問のおかげで、本当に同じかどうか確認することもできましたから」
「俺のことを信じられないと?」
「違います。南雲副会長のこと
「いい笑顔でムカつくことをさらっと言いやがる。ますます気に入った」
「お気に召したようで何よりですよ。あ、料理が出来たみたいですね」
まるで獲物を狙うかのような視線を向けてくる南雲副会長。相手にするだけ面倒くさいと思っていたけど、堀北生徒会長と約束した手前、この人の相手をしないとな。卒業間際で退学にさせるのも面白い。3回以上は退学を免れる気はするけど。パンケーキうま。流石は人気カフェのシェフ、あなたの腕は信じてたぜ。
お腹も満たされもうここで解散してもいい気分になった。勿論それは私だけなんだけどね。
「どこに向かってるんですか?」
「プレゼントを選びに向かってる」
「もしかして女性物ですか? それで私の意見を聞きたい的な」
「正解だ。こういうのは苦手でな、女性が選んだ方が喜ぶだろ」
「さてどうでしょうね? 女性同士でも趣味趣向は結構違いますから。にしても南雲副会長にも苦手なことがあるんですね」
「当然だろ。幾ら俺でも不得意なものはある。こう見えてピュアなんだよ」
「全世界のピュアを代表します。私に謝ってください」
「ぬかせ」
失礼な。私は本当にピュアなんだぞ。
私のこの穢れも知らないくりっとした瞳、純粋で純白な純真にして純情な心を持ち、滑らかにさらりと砂金の様な美しい髪を伸ばし、いつも健気に一途で兄を想い慕い行動する私を見なさい。純粋そのものでしょうが。
それはそうとこの人は今、何を買いに何処へと向かってるのだろう?
「下着だ」
「……はい?」
「下着だ」
「いや、聞こえてます。正気ですか?」
「俺が狂ってるように見えるか?」
「正気に見えてないから聞いたのですが」
「面白い冗談だ」
「いえいえ。南雲副会長には負けます」
「着いたな」
無視された。
目的地に向かっている人が足を止めたので、当然それに付いていく私の足も止まる。止まった店は家電店だった。
「下着屋じゃないじゃないですか」
「じゃないじゃないうるさいぞ。俺のことも信じないんじゃなかったか?」
「根に持ってるんですか? 南雲副会長って意外と可愛いところあるんですね」
「……入るぞ」
あ、ちょっと拗ねた。ギャップが凄い。これは確かにハマる人には沼るわ。
でも家電製品か。私は結構家電製品見るの好きなんだよね。欲しいのも沢山あるし、人間の技術が1番感じられる。
にしても南雲副会長は、中々高い物をプレゼントに選ぶね。プレゼントする物を選ぶとなると、安い物でも5千ポイントは使う。
「こんなのはどうだ。ヘアーアイロン」
「確かに嬉しいですけど、作りたいヘアスタイルにもよります。相手は誰ですか?」
「相手は言えない。だがいつも愛歌と同じ髪型だな」
となると朝比奈なずなではない。私の髪は彼女より短いセミボブ。そうなるとカールアイロンか。
「ポイントの上限は幾らですか?」
「無限だ」
「じゃあここにあるヤツを全部──」
「──買うのは1つだけでいい」
無限って言ったじゃないか。なら全部買った方が確実にいいのに。そしたら間違いなく喜ぶ。選び放題の選り取り見取りなんだから。
「まあ待て。あくまでも俺からの1つの案として、ヘアーアイロンのことを言ったんだ。他にも色々あるだろ」
「そうですね。私の好みになるかもですがそこは見逃してください」
「それは構わない。こっちから頼んだんだ」
折角なので散策する。テレビか。私は必要性を感じない。ニュースなんて幾らでも調べられる。ドラマやアニメも今は興味ないからなあ。
望遠鏡は欲しいな。ワイヤレスイヤホンもいい。マッサージ機もいいな。って私の欲しいものじゃなくてプレゼントで選ばないと。
結局その後も中々決まらず、最初の南雲副会長が提案したヘアーアイロンで決まった。相手を教えてくれたらまだ選びようもある。事前に教えてくれたら調べたのに。
「すみません、お役に立てませんでした」
「そんなことはない。これでいい。俺が1人で選んで失敗するよりはいいだろう。プレゼント選びで疲れたな。あそこで休憩するか」
南雲副会長の視線の先にはスイーツカフェが。え? お前昼間もパンケーキ食ったろって? シャラップ。パンケーキはパンじゃ。
「ここのマカロンとカヌレは美味しいぞ」
即注文した。カヌレがどんなスイーツか知らないけど名前がオシャレすぎる。昼間は奢って貰ったのでここは私が出した。そこまで高い金額でもない。
南雲副会長の言う通りマカロンとカヌレは実に美味だった。マカロンは冷んやりしてて美味しいのは勿論、カヌレは外はカリッと中はモチっとしてて、見た目は大きくしたアイスのピノみたいな形をしてた。これも今度清にぃに食べさせたい。
「さて、愛歌……それともこれからは愛歌書記と呼ぶべきか?」
「堀北生徒会長から聞いたんですか?」
「ああ、そうだ。その内生徒会には入るだろうとは思ってたが、早いな。堀北先輩に何をして
これにはどんな意味が含まれているのだろう。ただ単純にどうやって自身の力を認めさせたのか、それとも私が南雲副会長を止めれるとなぜ認められたのか。けれどもこれをどう解釈するかは私の自由で、私はまだ誰にも教える気はないのだから。
「近いうちに教えて貰えますよ」
「俺は今知りたい。教えろ」
「ダメです。理事長と堀北生徒会長と3人との約束なので」
「……坂柳理事長と堀北先輩がこの間、対談したって聞いたがそこに愛歌、お前も居たんだな?」
「はい。その場に居ました」
流石は堀北先輩のストーカーだ。ずるいけどこう答えれば幾ら南雲副会長とは言え、無理には聞いて来ないはず。いいや聞いて来ない。仮に無理に聞いて来たとしても、私が徹底して坂柳理事長との間に交わした約束だと答えることは分かりきっている。なら時間の無駄だ。
これで腹を立てて私に何かしたとしても問題ない。自分の思い通りに行かない程度で怒りを覚えるのなら、退学にするのも簡単だろう。
「愛歌が生徒会に入れた理由は大体の予想は着いた。愛歌は学校側に何かを提案した。それが何かは分からないが、学校全体を巻き込む何かなのは分かる。でなきゃ理事長ほどの人物は出てこないからな。それで生徒会長と理事長と愛歌3人で話し合う結果になった。今は話せないという事は、それはまだ正式には決まっていない。もし正式に決まれば学校全体を巻き込む以上、生徒会にも通達する筈だからな。けれど近い内に知ると愛歌は言った。つまりもうそれは認めて貰って、今は手続きか何かを待っているような状態、そんな所だろ。あともう1つ付け加えるなら、愛歌が生徒会に入るのを知っているのは、まだ副会長の俺と堀北先輩の2人だけってこともだな」
腐っても2年Aクラス……いいや、流石は2年Aクラスと言うべきかな。予想は見事に的中していた。落ち着いて視野を広げて考えれば分かることだけれども、この短時間でそこに辿り着ける生徒が何人いるだろう。1年で言えば坂柳有栖、龍園翔、高円寺くん、この3人ぐらいしか今のところ私は思い浮かばない。私の中で南雲副会長の評価が少し上がった。
「学校を動かす程のことを1人の生徒がしたんだ。まだ1年で生徒会メンバーが居ない以上、堀北先輩もそんな1年は入れたいと思うに決まっている」
「そこまで大したことではないですけどね」
「学校全体が1人の生徒の提案に動かされるんだ。それが大したことじゃないなら、何をすれば大したことになるのか教えて貰いたいぜ」
南雲副会長はそれだけ言うと注文したコーラを飲んだ。あんだけ饒舌に語ったら喉も渇くよね。
「因みにだが愛歌、俺はお前が生徒会に入ることは賛成だ」
「当然ですね。こんな美女が入るんですから。喜んでください」
「はは、自分で言うか? 自覚のある美女ほど厄介な奴はいないな」
一流の美女は行動で示す。しかし超一流の美女は言動全てで示す。寧ろ私が美女として振る舞わなければ他の女性は──割愛──。
長く語ってしまった。目の前にいる南雲副会長が居ることを完全に忘れていた。
時間もいい感じになって来たので、私たちはショッピングモールから出た。まだ外は少し明るい。6月にもなればもっと明るいだろう。
雑談を交えながら寮まで帰る。ちゃんと送ってくれた。
「それなりに楽しめました。誘って頂きありがとうございます」
「いいや、俺の方こそ助かった。祝い品を選ぶのに困ってたからな」
「ああ、それですね。きっと喜んでくれると思いますよ。無事に渡せるといいですね」
「お前がそう言うなら間違いないな。これは俺の自論なんだが、最初の中間テストを終えて、学校に残っている生徒が本当の意味で、この学校を入学出来たと言える……そう俺は思っている」
それはあながち間違いではない。この学校は特殊で入学できる生徒が決まっているのだから。幾ら受験の時に高得点を取ろうとも、面接が上手く行こうとも、最初から入学が決まっている生徒は入れる。逆に言えばどんなに酷い点でも酷い面接だったとしても入れるのだから。
「愛歌、改めて入学おめでとう。そして生徒会へようこそ。これは俺からのささやかな祝い品だ」
南雲副会長が手に持っている、先程買ったヘアーアイロンが入ったプレゼントを渡してくる。
この男まじか。祝いたい女性がいると明言してそのプレゼントを本人に選ばさせるなんて。そしてこのルックス、これは落ちる女は即落ちる。不覚にも一瞬だけドキッとした。
「いいんですか? これは予想できなかった。今からでも他の女性にあげたらどうです?」
「気にするな。これからは同じ生徒会の仲間同士、期待してるぜ」
「いつか刺されますよ? ですがありがとうございます。よろしくお願いします南雲副会長」
「ああ。またな」
南雲先輩はそう言い残し去って行った。
いやぁ、南雲副会長。今まで遊んだ男の中で1番男してた。何も知らなかったらまた遊びたいと思えるぐらい。けれど今後は男子生徒とは遊ばないつもりだ。逆に女子生徒と多めに関わって行く。手帳を開いて確認すると、6月の予定は女性陣との交友でスケジュールが殆ど埋まっていた。面倒くさい相手もいるけれど、松下さんや帆波ちゃんと言った仲のいい相手もいる。6月がとても楽しみだ。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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