「!」
トラックがそこに居るという事実しか認識出来なかった。
大きな音と同時に吹っ飛ばされる
意外にも走馬灯は見ない、走る馬の灯火ってかっけえなとか思いつつ
「トレーナーさん!」
珍しく大声を出してかわいい目を見開いている。君がそこまで慌てる姿は初めて見る
「大丈夫!大丈夫ですか?!」
なわけないだろうと心の中で突っ込む、しかし反射的に
「大丈夫だから」
と言い同時に起き上がろうとする、腕が痛すぎて動かない
「動かないで下さい、救急車を呼びますから……」
救急車なんて大袈裟な、ギャラリーも増えて来たのでさっさと退散したいのだがなんだか体の力が抜けて行く
「ダメ!寝ちゃダメです!」
そう言われても抗う事が出来ない、アスファルトってゴツゴツしてて熱いから嫌だなぁ
――――――――――――――――――――――――
「おはよう」
誰?
「オハヨウゴザイマス」
反射的に答える
「まさかここに来るとは思ってなかったなぁ」
「!」
「アナタ撥ねられちゃったのよ」
「じゃあここは……天国?」
「ちょっと違う、生きても死んでもない魂が彷徨う空間」
「カフェは?」
「自責の念に駆られてる、私の事も見てくれない」
「じゃあ……あなたがカフェの言うお友達?」
「正解、まさかこんな形で会えるとは思わなかったけどね」
「死んじゃったのか……」
「死んでないから」
「……」
「ともかくどうすればいい?」
「私に聞くの?」
「だって……」
「はぁ……あまり私の友達を悲しませないで頂戴、次はないから」
「?」
「じゃあね、いつも見られてるって事忘れないように」
――――――――――――――――――――――――
……朝、体が思うように動かないのでもう少し寝ようと寝返りをうつ。
「トレーナーさん!」
カフェが足元にいる
「君がなんでここに?」
「病院で撥ねられて重体のお医者さんに意識が植物人間で無理だからって……」
「落ち着いて」
足元で泣きじゃくるカフェにそうそう見れないなと思いつつ身体中に刺された管に機械の音、アルコールの匂いやいつもと違う高さの枕から病院なんだと理解する
「寝ぢゃダメっで言っだじゃないでずが」
鼻をすすりながらカフェが言う
カフェ以外にも看護師さんやたづなさんも居る、理事長は泣いていた。
「8番さん目覚められましたー」
看護師さんが無線のようなものを使っている
「ご自身のお名前と生年月日言ってください」
自分の名前を言うのって慣れないなとか思いつつ答える
「大丈夫だよ、大丈夫」
泣きじゃくるカフェを撫でる
「私のせいで……死んじゃったのかと思って、ごめんなさい……助けられなかった、私が近くに居たのに……」
「君のせいじゃない、私は今生きてるよ、君のおかげだよカフェ」
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
「謝るのはよしてよ、私の不注意も原因だしあまり君が悲しむと今度は私が友達から怒られちゃう」
「?」
「友達でしょ?君の大切な」
「そっか……そっか……ありがとう……ありがとう」
まだ泣いているカフェを撫でながらやけに静かな天井を見て言う
「ありがとう」
蛍光灯が一段と明るくなった気がした。
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