また君と、今度はずっと 〜If you can Cross to tomorrow〜 作:Simca Ⅴ
1月の極寒の中。
放牧から馬房に帰るまでの間に、僕は何故、クロスクロウはこの世界で生き延びたものの、呼吸器に疾患を抱える羽目になったのかを
それは、クロスクロウが、
その勝利がいかに辛勝であったか。
まず、
その勢いで本番に臨んだものの……やはり西欧競馬の平地競争に登場してくるライバル馬とその騎手たちは強すぎたようだ。
最初は逃げで先頭に立ったクロスクロウも、慣れない馬場でコーナリングを膨らませてしまい、後続の馬たちに抜かれるという失態を犯してしまったのだという(しかも、騎乗はクロスクロウの二代目主戦騎手である生沿さんらしい。どうやらこの世界では拓勇鷹とクロスクロウがコンビを組むことは無かったようだ)。
だが、さすがはあの生沿さん。何とか立て直してきて、最後の最後にデイラミらを差し切って、クロスクロウと共に
しかし、クロスクロウはやはり日本ダービーの2400m辺りが距離適正としては限界で、激しい競り合いを慣れない馬場で経験したとあっては、その反動が激しく出るのも当然と言えたのかもしれない。
つまり、勝利と引き換えに、競走馬としての能力を失ってしまったというわけか……。
そのため、競走馬のクロスクロウとしての物語は、「引退」で幕が引かれ、そして、僕が生まれた。
……クロスクロウが生き延びて、次世代への
スペおじさんから事の顛末を聞かされてから、僕は再び神様に問いたくなった。
あぁ、神様。何故あなたはクロスクロウという馬にそこまで過酷な運命を課すのでしょうか?
僕が生まれてからというもの、日に日に
そんなある日。お父ちゃんにこう言われた。
『ホッパー。お前、美鶴ちゃんの乗馬になるんだってな?』
『……うん、どうやら、そうなるみたい』
そういえば、今生、人から馬になってみて思うのは、「馬って、人間たちの言ってることを理解する頭があるのだろうか?」ということ。
スペおじさんや
……僕は人間だった前世があるからこそ、人の言葉を理解できる。
そんな時にお父ちゃんと話していると、馬が実は人間並みに知性と理性を備えた存在なんだと思えてきた*3。
そりゃ、動物愛護団体がヒステリーに喚いて騒ぐのも当然だろうな、とか今更ながら納得できた*4。
美鶴ちゃんとそのお父さんが話していたことについて、僕がお父ちゃんにそう答えると、お父ちゃんは、安堵したような、しかし陰があるような、なんとも言えない顔をしていた。
『そうか……』
『……』
思えば、お父ちゃんもスペおじさんも、競走馬として色んなレースに出ていた。
……前世の記憶どおりなら、お父ちゃんもスペおじさんもG1を4勝か5勝ぐらいはしていたはず。
きっとお父ちゃんの今の「陰のある顔」には、「競走馬として走って欲しかった」という
それに、そもそも僕は何故この
少なくともきっかけは『ウマ娘プリティーダービー』を見たことだったじゃないか。
だからこそ、だからこそ。リアルタイムで経験した体験談を聞きたくなってしまった。
『……ねぇ、お父ちゃん。皐月賞の時の話を教えて?』
『ん……ぁあ、皐月賞? ……俺が勝った皐月賞の話か? ……何で知ってるんだ?』
ギクッ……『未来で知りました』なんてとても言えない。
なので、
『あ、えっと、その……スペおじさんからちょっと聞いたんだ!』
『……あいつぅ』
馬房に引っ込んで早目にお昼寝し始めたスペおじさんの方に呆れた様な眼差しを向けつつも、お父ちゃんが先ほどより少し元気になったのが見てとれた。
そして、僕にとってはアニメで見たことを、お父ちゃんは実体験として語ってくれた。
アニメでは描ききれずにスポイルされてしまった部分まで含めて全部を。
そんな日々が、一日でも長く続いてほしい。
そう願い、日々を送り、8ヶ月が経った時───。
今作に望むものは?
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コメディ!
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シリアス……!
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スポ根!
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哀愁……
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ハッピーエンド!
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曇らせ、鬱展開……
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その他(コメント欄か活動報告へ)