また君と、今度はずっと 〜If you can Cross to tomorrow〜 作:Simca Ⅴ
ご注意ください。
読むのが辛くなったらブラウザバックも躊躇わないでください。
「トラブルは待ってくれない」。
前世の父は仕事で急な残業をする羽目になった時、電話口でよく僕にボヤいていた口癖のようなものだ。
そして、トラブルの起き方にも2種類パターンがあって、
一つは、兆候があるもの。
もう一つは、兆候なしに突然起きるもの。
その両方が僕らの牧場を襲ったのは、2001年9月のことだった。
9月12日の朝。
母家が騒がしいことに気付いて目が覚めた僕は、怒られるのはわかっているとはいえ、馬房の閂を自力でこじ開けて脱柵(脱走が正しいのかもしれないけど、これまで牧場の敷地外には出たことがないので多目に見てほしい)。
そのまま母家に行くと、その窓からたまたま見えたテレビの映像が目に入った。
それは、飛行機がまるで、ミサイルのように、どこかの高層ビルに突き刺さって爆発炎上する映像から始まった。
【アメリカで現地時間9月11日午前に発生した同時多発テロにより、ニューヨーク州にあった世界貿易センタービルが崩壊……現地映像をご覧ください。ここにかつて、110階建てのビルが二棟あったとは思えないような有様です……】
旅客機二機がニューヨークの高層ビルに衝突───後に《9.11》とも呼ばれる《アメリカ同時多発テロ》……ついにこんな日が来てしまった。
人間だった頃の僕は、あの事件の時まだ5歳だった。9.11のことを知ったのは中学時代の歴史の授業。そこで習った程度の知識しかないものの、馬になってしまった僕の身には縁遠い話だと思っていた。
ところが、牧場長のおじさんは憔悴した様子で、誰かと電話でやり取りをしていた。
「───えっ!? 宮崎雄馬さんが!? 亡くなったんですか!?」
───え!?
その話を聞いた途端、僕の頭は真っ白になった。
宮崎雄馬───つまり、美鶴ちゃんのお父さんだ。
冬が終わって、春になってからひと月に一回は僕とお父ちゃんの様子を見に来てくれた。
いつの間にアメリカへ? それにこんなタイミングで訃報だなんて……まさか?
……そういえば、8月末に美鶴ちゃんが僕のところへやってきたとき、こんなことを言ってたのを思い出した。
『ホッパーくん、しばらく会えないけど、元気でいてね? ちょっと旅行に行ってくるから』
その瞬間、僕の頭の中に嫌な推測が過ぎって……。
「───あ、ホッパー! こら、何してる……の?」
「ヒンッ……」
後ろから僕の脱柵に気付いた厩務員さんが慌ててやってきた。
けれども、僕にとってはそんな声すら遠く、それどころじゃなかった……。
「ホッパーくん、君、まさか泣いてるの……?」
「ヒンッ……」
目が滲んで前がよく見えない……それでも僕が厩務員さんに鼻で指し示した先に、窓から見えるテレビがある。
その映像を見て、厩務員さんも事情を察してくれた。
「高層ビルなんて見たことないはずなのに……そうか……確かにあんな映像怖いよね……よしよし……」
テレビでは、旅客機がビルに衝突し、燃え盛り、煙突のような煙を上げてる映像、そして、ビルが崩れ落ち、ビルの足元の街並みに、崩壊したビルの破片や粉塵がまるで昔見た
やめてよ……。
思わず僕は目を逸らしてしまった。
美鶴ちゃん、
……神様、僕はあなたを恨みます……。
今作に望むものは?
-
コメディ!
-
シリアス……!
-
スポ根!
-
哀愁……
-
ハッピーエンド!
-
曇らせ、鬱展開……
-
その他(コメント欄か活動報告へ)