日向如く 作:尾田栄~郎
うずまきナルトは人柱力である。12年前里を半壊させた九尾の妖狐の、いわば入れ物であり、故に嫌われ者であり、だから悪者扱いをされている。妖狐が鬼子へと化けたものの、化けたモノノケが差別対象なのは原作に相違ない。せいぜいナルトの隣に
例えばお面屋のおっちゃん――アニメの無限リピート回想のせいで、売るより投げる印象が強い――がナルトを見てはお面の在庫を投げつくして大赤字を出す生活に肩を壊し、今では店を畳んで通院生活をしていたり、あるいは出自不明の大量のお面を転売して荒稼ぎしていたナルトが、今では買い手がいなくなって新規事業を模索しているくらいの違いである。些細で些末な違いである。
いやマジで、最近肩を壊した人が心療内科に殺到して診察2時間待ちとかナルトに潰された店が巷で上納金呼ばわりされてるとか色々聞くんだけども、頭下げるべき店は全部閉まってるし心療内科は休日の某遊園地に匹敵する賑わいで近づけないし、そもそも俺悪くないしでお手上げなのだ。ナルトに鋭い
本人不在のまま白影の悪名だけが独り歩きしている状況に、半ば勘当状態の本家は「狐につままれたんだろう」と冗談みたいな冗談でお茶を濁している。
なんと吹きこんだのはヒナタ様らしい。悪い冗談は続くものだ。
曰く「秘孔で素直にさせた所をサスケの幻術にはめた」らしいが……もはやヒナタ様じゃねえなこれ。我らがヒナタ様は「ナルト君」以外の言葉を知らない引っ込み思案お嬢様の筈だ。父親を昏倒させて素直と言い切る女のどこが引っ込み思案だろうか。貴賤問わずそんな娘がいては全国のお父様方が卒倒する。これが週刊連載の少年誌ならPTAの出動を待たず俺自ら編集長を殴り伏せている所だ。そんな漫画は俺が打ち切らせてやる。
悪評もこう悪事千里とあっては直接文句を言いに来る輩もいない。百*1と二人暮らしになった白庵には今日も閑古鳥が鳴く。最近キバも来ないし、夕食の席で百と話す事だけが日常の楽しみとなっていた。
「いいかげん造血丸をスパイス代わりに使うのを辞めて下さい……味は良いんですが体が火照るのはどうも」
世間の風当たりが厳しい中、(今世では)自炊を始めて間もない俺の食事に文句を言ってくれる同居人の存在は嬉しい。俺は自分の皿に造血丸を盛る手を止め頬を緩めた。
「好き嫌いするな。血は力だ。忍の知力、体力、瞬発力は体内を循環するヘモグロビンの力。忍の命を握るのは使える技の強さでも持ってる術の数でもない。血の練度だ」
「目を疑う行為をしながら耳を疑う発言をしないで下さい。血の練度とか初めて聞きましたし、忍の命以前に義兄さんの握ってるそれは劇薬です。ふつうにその摂取量はやばい」
「普通が取り柄の俺に何を言う」
「普通が取り柄を自称する人は既にマイノリティです」
「ならば痛風を取り柄としよう」
「普通の逆は痛風でもないし、痛風が取り柄も普通じゃないです。食事中にまどろっこしい事言わせないで下さい。舌を噛んで出血多量で殺しますよ?」
「死なないよ?舌を噛まれても舌を噛まれた程度の出血だよ?出血少量だよ?……大体13歳相手に変な脅しをするなよ。噛むって、俺の健全な舌を、お前の口で咥えて歯で傷をつけるって事だぜ?」
「……変態ですね。御見下しました、義兄さん」
「見下すなよ。殺した俺を丁寧に見下すなよ。お前は何にも知らないだろうが、お前には想像以上の
「変態だ……あの、流石に妄想癖はマズいと思いますよ?僕、身の危険を感じたらすぐにでも再不斬さんに言いつけますからね?あーあ、こんな事ならお義父さんのご厄介になるんだった」
「なに?俺に惚れ込んだんだろ?」
「面の皮が厚すぎますね。僕は男ですし、今ので義兄さんに惚れる事は無くなりました。実は本家のヒアシ?様に千本を使ったのがお義父様にバレてしまいまして、話し合いの結果事が明るみに出る前に
「……ヒザシよ、それで良いのか」
物語が確実に怪異譚として成長している。実父に追い忍の――死体製作と処理専門の忍の千本を食らわす女とか都市伝説ってレベルじゃない。
「そうそう。義父様に提示した交換条件を忘れていました。これ、飛び級の推薦書です」
「なぜだろうか。弟子達の手で日向が手玉に取られていく。俺の家なのに」
「手玉なんてそんな恐れ多い。なんと言いましょうか、手間を取らせて手間賃を取っただけです」
「表現を選んだ事で事態の深刻度が増した。呪印が無いともうダメだなこの一族」
「それで、アカデミーを飛び級して現職の忍になるには色々と署名が必要なんですが……僕、義兄さんに書いて欲しくて。署名は中忍以上の物が欲しいんですけど、もうすぐ中忍試験だって聞いたので」
「それは構わないが、飛び級なんて三代目がよく許したな。過保護なのに」
「顔パスでしたよ?代わりに『ネジよ。これ以上ナルトを木の葉丸に近づけないでくれ』と懇願されました」
「またしても俺悪くないし……」
そうか。俺は全然触れてなかったが、その辺の進行は原作通りなのか。全然触れてなかったのに俺の所為になってるのは癪だし、今のナルトに育てられた木の葉丸も気になるので放っておこう。
放っておけないのは大暴走中の弟子達の方。このままでは本家のヒナタ様や白眼を持たない百までも呪印が施されるのは確定路線だろうし、そうなればナルトやサスケも黙っていない。最悪うちはの如く日向一族皆殺しだ。二度とネジの様な者を出してはいけないと急進派のダンゾウが食べ放題気分で兵を駆り立てて来るに決まってる。上げ膳据え膳で主人公食い放題である。土に還れ。
最悪な未来を回避するためには、弟子達が里にとって有益な事を証明する必要がある。内ゲバにしか使われてない実力を公に示し、不利益を帳消しにして超過する収益に昇華させる。策は一つ。
中忍試験合格者
つっても週刊連載、格好良い台詞まわしも話を跨げば噛ませ犬――なんて事はよくある話。俺が忘れていたある重要事項を思い出したのは、共に中忍試験を受ける俺、リー、テンテンの三人で試験前の最終確認をしていた頃合いだった。
原作ネジはこの中忍試験にて登場し、強キャラの風格を遺憾なく見せつけた後ナルトの噛ませ犬へ転落したのだが(初登場時から不遇なのはご愛敬)、問題は今回の試験に
そう、俺を遥かに超える変態のおじさん(51歳)の襲来だ。
中忍試験の
全ての術を究める為に里を抜けた夢見がちなおじさんは、逆恨みで木の葉を潰す事を決断、グローバルに開催される中忍試験に乗じて里内に潜入し、一目ぼれしたサスケの首筋にキスマークをつけて誘惑した後、合同開催国である風の国を抱き込んで木の葉崩しを発動、その手癖の悪さを咎めた三代目の死と引き換えに全ての術を失うというストーリーなのだが……
試験中どれだけ助力しようが、最後は弟子の
伝説級の戦いは俺も未知数、弟子の血が騒ぎ過ぎなければ良いが……いやまだ
「どうしたの?珍しく浮かない顔してるじゃない。あ分かった、また可愛いがってるお弟子くん達の事考えてたんでしょ?」
テンテンが横やりを入れる。原作より距離が近いのは、俺が原作ネジよりも女の心が解るからなどでは決してなく、単純な出会いの違いによる所が大きい。やはり初対面で「鍼灸教えて」と言う様な、マニアックな武器を語り合える仲というポジションが好印象だったのだろう。むしろ原作ネジはテンテンの事を格下と見限っている様な冷淡さがあった様に思う。だから仲間ができないんだよ。
俺の自己嫌悪(?)をよそに、楽しそうなのがもう一人。
「ウォオー!いつも話しているナルト君達の事ですね!燃えます!戦いたいです!」
「リー、うるさい。そんな単純じゃないんだよ師匠って。知らないうちに弟子が増えてるんだ」
「それはネジ君だけです!」
めいめい忍具や技の確認が終わり、中忍試験のエントリーを済ませる。仲間の士気が高まる中、俺は不安なままだった。
忍者アカデミーの講堂の一室――中忍試験一次会場の扉を開けると、そこに堆積する一触即発の空気が雪崩れた様に俺達を飲み込んだ。顔、顔、顔……新参者を観察する殺気だった受験者達の表情は、この試験の過酷さを物語
「うおおおお!よろしくお願いしまァっす!ビシ!」
無粋な奴が邪魔をした。
「……おいリー、空気読め。いま俺が凄む所だっただろうが。ほら見ろ、お前が訳わからん擬音語と共に意外にも礼儀正しい直角お辞儀を披露した事で、皆反応に困り気を使って目を合わせてくれないじゃないか。あまりの気まずさで俺渾身の白眼が見向きもされていないじゃないか」
「大丈夫です!皆さんが目を合わせてくれないのは、ネジ君渾身の白眼が気持ち悪いからです!凄みバッチオーケーです!」
「なんでだよ格好良いだろ白眼!こっち見ろ!おい!」
「リーもネジも、ちょっとは空気読みなさいよね」
テンテンも受験者も頭を抱えているが、ここまでの展開はおおむね予想通り。
今回の中忍試験は木の葉での開催。受験者は半数が木の葉の忍とくれば、俺達が
逆に他里の忍で頭を抱えるでも一笑に付すでもない忍がいれば、それは実力者の証明となる。
音忍三人衆、砂三人衆、薬師カブト。索敵完了だ。
なぜ音忍三人衆まで?とは思うが侮ってはいけない。原作でも忘れられがちな彼らだが実はかなりの実力者が混ざっている。ドスだ。音を武器にして直接三半規管や脳まで叩く攻撃は強力。耳を塞いだ所で体内の水分を音波が伝って攻撃する為"攻撃を受けない"事以外の対策はなく、ドスの間合いに入れば俺でも苦戦を強いられるだろう。原作でも中忍試験終盤で砂の人柱力に倒されているし、作者が扱いに困った感も否めない。
原作通りに進めば俺達は衝突しない。しかし今までむしろ原作通りに進んだ方が珍しいので、というか無いので危険視して問題はないだろう。石橋を叩いて壊して水面歩行。忍界の諺だ。
とりあえず近場の席に座って試験開始を待つ。他のルーキー達も続々と集まってきた。
エントリーナンバー1、
所見:幻術を究めて上忍へとなったくノ一、夕日紅の受け持つ班。感知のできる万能型の忍者が集まった印象。
構成メンバー。
その1、日向ヒナタ。言う事なし。魔改造品。
その2、犬塚キバ&赤丸。ヒナタ様の怒りを買って俺の弟子となったが、その詳細は不明。敬語も含めて色々教えた。感知も可能、攻撃力も申し分ないが、その器用さを地頭の悪さが邪魔している。もはや相棒の忍犬、赤丸の方が頭が良い。しかし底上げした体術技巧はナルトに匹敵する逸材なので運が良ければ結果を出せるだろう。魔改造済み。
その3、油目シノ。正直存在を忘れていた。なんだっけ?影薄いんだっけ?一族秘伝の忍術が強力だった気がしなくもないが、とりあえず純正品なので大した事はないだろう。多分。
エントリーナンバー2、アスマ班。
所見:三代目の息子の上忍、猿飛アスマが受け持つ班。猪鹿蝶と呼ばれるコンビネーションが強力。
構成メンバー。
その1、山中いの。心転心という精神乗っ取り忍術が得意。サクラと共にヒナタにぶっ飛ばされた仲間。おそらく純正品。
その2、奈良シカマル。影真似という自身の影を使って相手の動きを制限する術が得意。原作では今年唯一の合格者となった。IQ200。純正品。
その3、秋道チョウジ。倍化の術という巨大化術が得意。デブって言ったらキレるデブ。純正品。
エントリーナンバー3、カカシ班。
所見:木の葉一番の業師、はたけカカシの班。上忍最強が持つ主人公の班というご都合主義の塊みたいな班。
構成メンバー。
その1と2、ナルトとサスケ。主人公補正+魔改造というドリームコンボ。補正値高すぎて気づけば原作改変する奴ら。魔改造済み。
その3、春野サクラ。俺の人生最大の被害者。上2人の修行によって水面歩行までは出来るらしいがだから何だと言うのか。チャクラコントロールが出来てもそれを活かす大技がない。原作と違い別段ナルトに好かれておらず不遇ヒロインですらない。……本当にサスケとくっつくのか?
キャラの濃いメンツも揃った所で、原作が動き始める。ここからの進行は知っての通りだ。
まずルーキー達が周囲の目も忘れてじゃれ合いを始める。いのがサスケに「やっほーサスケ君」と抱き着いたり、キバが「俺はお前らには負けねえ」と見得を切ったりだ。
「やっほー!サスケく……え、ヒナタ
「いのちゃん待って。命乞い待って。会う度に言ってるけど殺しに来てないから。命乞わなくて良いから。昔の事は私が悪いって決着ついたし、女の子同士もっと気楽にタメ口で仲良くしようって言ってるよね?キバもその方が良いでしょ?」
「はい!自分もヒナタ
「黙れ」
「はい!」
おかしいな、ナルトってこんな胃がキリキリする話だっけ?
ヒナタ様ヒナタ様?あんなに悪い顔してた受験者さん達、みんな仏像みたいな顔になってますよ?
あ、ひょっとしてお気づきでない?
どなたかこの中にお医者様はいらっしゃいませんか?胃が千切れそうなんです、助けて。
そこに胃薬、もとい薬師カブトが登場。自分が音隠れもとい
「あの……君達、周りを見た方が良いな……本当。胃が千切れそうだ」
うわ同じコメントしてる恥ずかし。才能といい器用さといい、ネジは少しカブトと似ているのか?……造血丸食べます?
受験者の情報を聞いて武者震いするナルト。次の瞬間、受験者全員に向けて名乗りを上げる。
「おーいネジ!俺はぜってェー負けねェぞ!!先に火影になるのは、俺だぁー!!」
何故か俺に対してのメッセージ。立ち上がるリー。リー!?
「すごいですナルト君!激熱です!この大勢を目の前によく言いました!うぉぉ!僕も負けないぞぉー!」
「おう!受けて立つってばよ!誰だ!?」
大勢の前でがっしりと握手をする二人の姿がそこにあった。
え、初対面だよね?昨日まで俺との会話の中でしか出てこなかった奴と握手するってどういう情緒?ガイ先生に何教わったの?空気の壊し方?
なかなか面白い絵面だが、面白くない人物が三人。カブトに自里を「小国」と説明された音忍三人衆である。次の瞬間、カブトを
「ゴフッ――――!」
「え……?」
「あれ、今のってばもしかして
「いや……」
「お前らいい加減にしろォ――!!」
俺は天井に突き刺さったまま落ちてこないドスを見て、声の限り叫んだ。
「俺は一次試験監督の
……どブラックじゃねえかというツッコミはさておき(首突っ込むだけ損だ)、一次試験のペーパーテストは何事もなく実施されるらしい。天井からぶら下がってるドスと彼をぶち上げたナルトを前に何事もないのはどうなんだと言いたくなるが、そこは説明前で譲歩してくれる優しい
冷静に考えてイビキ、二つ名"サディスト"を許容してるマゾだからね。当然だ。
「痛みはコミュニケーション」とか「痛みは嘘をつかない」とか言ってたし。
ペイン編のアニオリだけど。
しかもペインは裏切ったんだけどね。
イビキは一次試験の内容を説明し終えると、一つ大きな咳払いをした。威厳だそうとしても今更だよ?
「最後に一つ。今日はもう一人特別な試験官様が来て下さった。この試験の内容はその方を通して里の上層部も知る事となる。受験者諸君は各里の名に恥じぬような行動を心がけよ。それではお入り下さい」
特別な試験官?原作に無かったぞ?誰だろう、察しがつかない。特別上忍のイビキが敬語を使う相手だし、里の上層部には間違いないんだろうが……なんだあいつは!!
呼びかけに応じ杖をついて入ってきた老年の男に俺は目を見張った。顎に椎茸の様なペケ印の古傷を持ち、その威光たるや歴代の影に並ぶ様でもあり、ナルトにすら劣る様でもある奇妙な男の風格に一瞬にして魅せられたのだ。妙に気品ある佇まいは和装によって隠された右腕や包帯に巻かれた右目の様な上っ面の装飾に帰結せず、包帯の内側には若者の様な力強いチャクラが見受けられたし、隠された右腕をなお隠す厳重な封印はそこに内包されているであろう武勇伝がわざわざ語られる事すら野暮な英雄譚である事を雄弁に語っていた。
しかしどうだろうか私の慧眼をもってしても、いや白眼を見張れば見張る程包帯の内側の眼はうちはの写輪眼の様であり、封印の下には右肩から続く初代火影千手柱間の細胞が隠れている様である。これではまるでダンゾウである。いいやいけない、彼は里の上層部ながら試験官という末端の仕事まで行う人物。そんな彼にダンゾウっぽいという汚名を着せる訳にはいかない。しかして顔を見るがやはりどことなくダンゾウである。どことなくというか、耳も口も鼻も眼も顎の傷もますますダンゾウである。何故これほどまでにダンゾウに似てしまったのか、ダンゾウにさえ似なければもっと偉大な人物となっていただろう老人は悠然と俺の前を通り抜け、受験者全員に向き直ると重々しく口を開いた。
「試験を拝見する。志村ダンゾウだ」
「ダンゾウだ!?」
声出しちゃった!?
慌てて口を塞ぐがもう遅い。
他の受験者は俺の奇行に巻き込まれたくない一心でそっと目を伏せている。問題はダンゾウ。急な出現に驚いて咄嗟に我を忘れ、声を荒らげる――それは、認知が
志村ダンゾウ。謎多き木の葉の暗部養成部門「根」を私兵化し、根回しと裏工作によって実質的に火影にすら匹敵する権力を持つブラックボックスの王。二代目火影に「里の不利益になるから止めろ(意訳)」と言われた三代目との小競り合いを御年69歳の今なお続け、自らが薄汚い手で巻いた火種が繰り返し大火となって里を襲うのを静観しつつ全責任と後始末は全部火影に擦り付けて解決するという究極の要らん事しぃ。ちなみに作中の悪事はだいたいコイツが原因。もちろん俺が右肺を失ったのも、ナルトが暗部の忍に殺されかけたのもコイツが原因である。
そんなダンゾウに、俺は今猛烈に目をつけられているのだ。……物理的に。
こっち見んな、ダンゾウェ!!(イタチ顔)
「ほう……儂を知っておるのか」
ァ……いや待て待て、おそらく返答を間違えれば未来はない。大丈夫、死兆星はまだ役目を終えずに輝いてる。返答さえ間違わなければセーフティラインの筈だ。普通に、普通に……
「ぃひゃっ!……いや!初めて見ました!お初にお目にかかります日向ネジ、この面々の中貴方様の御目に止まった事を誇りに思います!だからどうぞ、お気になひゃらず!」
よし、アウトォォォ!!
駄目だこりゃ。名前知ってた時点で察したけど、俺を殺すつもりだろダンゾウ?ダンゾウがこうして日のあたる所に出てくる時は暗殺か火影就任の日って相場が決まってる。どうせ次の瞬間にはネジ暗殺の密命を受けた根の忍が俺を取り囲んでリンチにするんだ。そうなれば俺は生存不可能。反撃空しく屠られるだろう。……しょうがない、諦めて潔く木の葉を半壊させてから破茶滅茶にダンゾウに復讐して散るとしよう。
ダンゾウは唇の端でうっすらと笑う。ついにここまでか。
「ほう……初めて
生き残ったァァァ!?
生きてる!俺生きてるは良いけど後が怖いかも!人目が多いって何?後って何?ゆっくりって何!?あとダンゾウ君、初対面には見る前に知ってた的な意味はないよ!?
心の叫びも空しく、一礼したダンゾウはそのまま他の試験官達にならって講堂端に並んだ監督席に座る。具体的には、俺の真横に。
嫌がらせ止めてくれない!?
チートだ、権力チートだろこんな立地!俺の唯一使える転生特典を勝手に使うなよ!?
根は土に帰れ、ダンゾウェ!!!!
お久しぶりです。エドテンに手間取りました。
中忍試験編は毎日更新します。(予定)
日向ネジ、性質変化はどれ?(参考までに)
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火遁
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風遁
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雷遁
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土遁
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水遁