この学校にはAからDの4クラスがあるが、もし所属するクラスを選べるなら俺はBがいい。
理由は単純。この学園で1番優しいからだ。
この学園は実力至上主義を謳うだけに、とにかく他クラスと競わせる。勉強に運動、集団戦と様々。そのせいもあってか、各クラスのリーダー格たちが獰猛に他クラスを攻めていく。
Aクラスは坂柳と葛木を中心とした派閥争い、Cクラスでは王となる龍園による暴力的な恐怖支配。そしてDに関しては生徒一人ひとりが地雷で、その中でも綾小路の存在が怖い。
気分はまさしく、車を使わずサファリパークの肉食エリアでタップダンスをするようなものだ。
そんなこと好き好んですることじゃない。
その点、Bクラスはいい。
全クラスで競争力が最低なのが残念だが、その分クラスメイトたちは一般的な高校生で接しやすく、中心人物である一之瀬帆波は根がいい子で接しやすい。
争いよりもみんなで仲良くを大事にしてくれる。
なによりおっぱいがデカい。
ハーレム候補第1位である彼女とは同じクラスになって、仲良くしたいと思っている。
「私たちはCクラスみたいですね」
ですよねー。
バスを降りて、自分たちが所属するクラスをワクワク気分で確認したのに、最悪だ。
ひよりが言ったように、俺たちの所属先はCクラスになっていた。
まぁ、ひよりと幼なじみの時点でなんとなく察してたけど。でも、よりによってCクラスかぁ。
正直、テンションがだだ下がりだ。
知っているネームドキャラなんて、ひよりと伊吹澪の2人ぐらいで。あとは、軽井沢と揉め事を起こしていたモブ子たちぐらい。
しかも、Cクラスは今後他のクラスに攻撃をしかけるため、4クラスの中でも全方位からヘイトを向けられてしまうのは確実。
俺のハーレム生活がまた遠のいてしまった。
「同じクラスだな」
「これで10年の付き合いになりますね」
悲壮感を隠して、隣の幼なじみに言葉を返せば、ニコリと微笑んだ。
この学校にはクラス替えがないから、実際は12年なんだけどな。言わないけど。
「まぁ、よろしく頼む」
「はい、よろしくお願いします」
ぺこりと丁寧に頭を下げるひより。
丁寧な所作はまるで清楚。
あぁ、天使だ。なんで俺、この子と付き合えないんだろう?
時間を止めて、ふつふつと湧いてくる妬みを込めるように、ひよりのおっぱいを軽く揉む。
「んっ……」
「とりあえず教室いくか」
「そ、そうですね」
さて、ハーレム生活がいきなり、難易度アップしてしまったが、どうしたものか……。
静かに悶えるひよりから視線を外して、Cクラスに向かった。
教室は、程々に人が集まっているみたいで各々初めましてと会話していたり、ぼっちルート一直線に向かう生徒もチラホラいた。
はは、残念だったな。ぼっち共。俺には、つま先までむっつり成分たっぷりな美少女幼なじみがいるんだよ。貴様らぼっちとは違うんだよ、ぼっちとは。
なんて内心、ほくそ笑みながら座席を確認する。
黒板に張り出されている座席表を見れば、俺とひよりの名前が最後列に並んでいた。
懐かしいな。
「隣同士なんて、なんだか小学1年生の頃みたいですね」
「あの頃はひよりに嫌われてたな」
「この前までの間違いでは?」
懐かしさに失敗談で花を開かせようと思ったら、茎のところからスパッと切られてしまった。
ははっ。
天然だなぁ。的確に急所を狙ってくる。
「ひよりには、アサシンの才能があるんじゃないか?」
「……私、運動は苦手ですけど?」
そう言えばそうだったね。
なんだかんだ慣れたとはいえ、ひよりの天然度合いはいつでもフルスロットルだ。
不思議そうに首を傾げるところはかわいい。
幼なじみのマイペースさは諦めて、席に着くと、ひよりはさっそくと言わんばかりに読書を始めてしまった。
こうなってしまうと急用でもない限り、声をかけても構ってくれない。
別に無理やり声をかけて振り向かせてもいいけど、それだと中学までの二の舞。学んだ俺は、声をかけないのだ。
とはいえ、暇だ。暇すぎる。
このまま時間停止して、女の子たちの体を触ったりしてもいいんだけど、結局のところ停止しているから時間が減るわけじゃない。
となると、ここは先生が来るまでぼーっとするしかないか。正直、このクラスでひより以外の友人はまぁ、後々作っていけばいいし。伊吹も今のところは食指がわかん。
今は様子見でいこう。
次々と入ってくるクラスメイトたちを適度に観察しながら待っていると、遅れて後の王、龍園翔が気だるそうに登校して、その後担任の坂上が入ってくる。
「新入生諸君。私はCクラスを担任する坂上数馬だ」
そう言って坂上が説明を始めた。
けど、俺はどうにも話を聞く気になれない。形だけ聞いている風を装っていた。
あれだ。オジサンだとテンションが上がらない。そう考えると、美人な茶柱先生とか星之宮先生がいるB、Dクラスが羨ましいな。
Aクラス? 筋肉はいらないです。
前の席から回された資料を手に取り、適当にめくる。内容は事前に確認した時と同じ。まぁ、この辺は原作通りというか、そこまで注視しなくても大丈夫そうだ。
時期がくれば本当のシステムについて説明されるだろうし。
その間にも坂上の話が続き、ようやく10万ポイントの話になって、周りが騒然となる。本来学生に与えられるような金額ではないし、当たり前の反応だろうり驚いていないのは俺くらいか?
ちらっと龍園を観察すれば獰猛に笑っている姿が見れた。んー、ワイルド。
この時点で学園の異常性に気づいたのか知らんけど、とにかく楽しそうだ。
ついでにひよりの方を見れば、無表情ながらどことなくソワソワとしていた。
たぶん本がたくさん買えるとか考えているのだろう。くそ天使かわいい。
「…………」
ふむ。ここまでは予想の範囲を超えていない。となると、やることは事前に決めていた通りだ。
カチリと。時を止めて俺は立ち上がる。
自分以外の全てが停止した世界で、軽くひよりのおっぱいをはたいて気合いを入れた。
「それじゃあ始めますか」
カバンの中からメモとペンを取り出す。
そのまま天井を見上げると、設置されているカメラを見つけた。
俺はその位置と見えている範囲を確認しては、メモに書き込んでいく。
監視カメラの把握。
この学園は実力を図り、点数を決めるためのカメラをあらゆるところに設置している。
本当はスマホで撮影したり、片手でメモするのが手軽なんだけど、時間停止中は当然スマホは起動しない。
なんで、地道にアナログ作業でやっていくしかない。
にしても、教室一つだけでこのカメラ量。どう考えてもやり過ぎだ。
たぶん他の教室にもあるし、廊下とか校舎外にも設置されている。
この街中全部、はさすがにしんどいから最初は校舎内の監視カメラだけでも把握しておきたい。
まぁ、言うても位置と範囲の把握だけだから、そう時間もかからないだろ。
辺りを見渡しては、メモに書き込んでいった。
「だぁあーーーッ! 数が多いわッ‼︎」
絶叫しながら思わずペンを投げ捨てる。
しばらく勢いに乗って投げ飛ばされたペンは途中で減速していき、ある程度の距離を稼ぐと、空中で停止した。
それを死んでいるであろう目で眺めながら、ため息を吐く。
「やってられるか、こんなもん」
どんだけカメラ設置してあるんだよ、この学校は。
想像以上の量に思わずげんなりしてしまった。
作業は同じ過ぎて疲れるし、時間停止中だから世界は無音で集中できないし。とはいえやり始めたことを途中で投げ出すのは嫌だし。
そんなどうでもいいプライドに肩を揺すられながらなんとか頑張っていたけど、それも限界だ。
「憂さ晴らししてやる」
ムカつく。
櫛田ほどじゃないとはいえ、ストレスの溜まりやすい自分に辟易する。
なんで嫌な気持ちになってまで、ここまでしなきゃいけないのだろうか。
というわけで、この疲れを癒すためにも女の子が必要です。
空中に浮かぶペンを回収し、女の子を求めて向かった先は1年Dクラス。ドアを開けて中を覗けば、ラノベやアニメでよく見たキャラたちが盛りだくさんだ。
もちろん、時間は停止しているから誰も俺に気づけない。
「お邪魔しまーす」
まずは誰にしようか。
主人公がいるクラスなだけに美少女が多い。残念ながら性格難の子ばかりだけど。
茶柱先生のいる壇上から教室内を眺めて、思案。
選り取り緑で悩む悩む。
しばらくして。やっぱり最初はこの子だと決めた俺は机の前に立って、手を伸ばす。
「うわっ、堀北のおっぱいやわらけー」
ツリ目ながら端正な顔立ちをした美少女を真正面から眺める。
1巻の表紙を飾り、奇しくも前半戦で綾小路と相棒というか隠れ蓑にされるツンツン毒舌美少女。堀北鈴音。
そのおっぱいは見かけ通り柔らかかった。
今までの二次創作主人公で、最初期ヒロインと時間停止中に初めましてした奴は何人いるのだろうか?
しょうもないことを考えながら、
ふにふに。むにむにと、両手で揉んでみると、弾力で押し返される。
あー、幸せじゃあ……。
「ほんと黙ってればかわいいのに。もったいないなぁ」
一言投げかければ、10倍になって返ってくるであろう毒たっぷりの理攻めを想像して、やだやだと首を振る。
ついでに乳首の先を摘んではピンッと弾く。
とはいえ、反応がないのは正直、つまんない。
いつもは停止解除した後の反応を見て楽しむのだが、このタイミングでここにいるのはおかしいから見れない。
そのせいで未だに欲求不満、疲れを癒しきれていない。
となると他の人でも楽しむのが良いだろう。
堀北の胸から手を離して、今度は櫛田に近寄って後ろから鷲掴む。
おぉー。
「やっぱ櫛田の方がおっぱいデカいな」
揉んでも揉んでもおっぱいが手から零れ落ちてしまう。
下から持ち上げれば、ぽよんぽよんと水風船みたいに弾んでおもしろい。
ここまで大きな子は中学までにいなかった。ひよりだとあるとはいえ、控えめな方だし。これは、今後の楽しみが増えたぞ。
「んー、堀北にも言えることだけど、櫛田はハーレムに入れるか?」
おっぱいを揉みながら、彼女らのハーレム入りがありかどうかを考える。
どちらも美少女でかわいい。おっぱいも柔らかくて大きいし、癖はあるが能力も備えている。ハーレム候補には申し分ないはず、
でも……と櫛田の後ろ頭を見下ろす。明るい色の髪の毛はふわふわ。
ついでに匂いを嗅げば、シャンプーの香りがした。
「この子も、性格がクズだから悩むよねー」
残念なことに櫛田の性格はトップクラスにめんどくさい。彼女は承認欲求が高めなのだ。
どれくらいすごいかって言うと、あの男子嫌いだとかあの女子キモいとかっていう黒い本心を抑えて、その子たちにも笑顔を振りまいて、友達になろうとする、いい子ちゃんを演じるほどの承認欲求モンスター。
その演技力と欲望を叶えるためなら、精神を切り詰めても行動する胆力はすごいと思うけど、その代償にストレスを発散させないといけない。
難易度と労力、その後のハーレム難易度を考えると、櫛田の攻略は最優先事項じゃない?
でも、前半戦はとにかく櫛田が絡むイベントが多い。好感度を上げるチャンスなのは、明白。
それを逃すのはもったいない。
堀北に関しては攻略自体が難易度ルナティック。他クラスだから、ヘイトしか稼げないんだけど。
うーん。
ぽよんぽよん、と。
しばらく考えてみて、一旦やめることにした。
「まぁ、今考えることじゃないか」
どの道、まずは土台作りが必要だ。
Cクラスに所属しながらでもハーレムを作る。そのための準備をしないといけない。
それに早く終わらせて、
兎にも角にも、まずは監視カメラの配置把握が必須だろう。
なので、いつまでもここにいてはいけない。メモを取りにいかないといけないのだ。
それなのに櫛田のおっぱいが手に吸い付いて離してくれない。
ダメだ。時間を止めて動かないのに、俺の事を誘惑してくる。
あぁ……。
「……あと、もうちょっとだけ」
それからメモ作業に戻るまでしばらく、櫛田と堀北のおっぱいを交互に揉んでを繰り返しては時間が過ぎていった。
あれは、魔性のおっぱいだ……。
次から触る時は心構えしておかないといけない。