モンスターハンター:サンライズ・ブレイカー   作:ディヴァ子

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サンブレイクでも片手剣がメインのハンターでございマス。


カエルの叫び

 広がり止まぬ、樹と蹟の秘境

 踏み入れる事を許された彼の地は

 萌える木も、湧く水も、朽ちた蹟も

 集うモノたちを招き入れる地となろう……

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 「密林(正式名「テロス密林」)」。

 とある巨大な湖のど真ん中にポツンと浮かぶ小島で、浸食と風化により穴だらけとなった岩山を中心に青々とした木々が生い茂り、山の頂にはラージャンが腰掛けられそうなキノコが生える捩じくれた大木が聳え立っている。

 一見すると人の手が全く及んでいない秘境に思えるが、過去には文明が栄えていたようで、エリア3の浅瀬の対岸にはピラミッドのような遺跡があり、内部には決戦のバトルフィールドのような空間が広がっている。

 主なモンスターはダイミョウザザミやヨツミワドウなどの水棲生物で、飛竜も棲んではいるが、基本的に陸生の強い種族が多い。小型モンスターの代表格はランポス、ヤオザミ、ブルファンゴ、ランゴスタ、カンタロス、ガーグァなど。エリア毎の棲み分けが為されていて、特にエリア1の広場にはガーグァばかり居る。つまり、大型モンスターの餌場である。

 

「暑いな」

「密林だからな」

 

 そんな密林へ、俺たちは狩りに赴いていた。

 今回は初のマスターランクのクエストという事もあり、狩猟対象は交易航路を塞いでいる厄介者なヨツミワドウで、ついでに繁殖し過ぎたヤオザミとランポスの数を減らすサイドクエストを加えられているなど、比較的易しい内容となっている。幾ら狩り慣れた相手とは言え、秘境中の秘境である密林育ちのモンスターは強大であり、決して油断して良い相手ではない。

 ようするに、上位と最上位の感覚の違いを、身を以て体験しよう、という主旨のクエストなのだ。

 実際、体験版に出て来たMR個体のヨツミワドウは、上位の頃が嘘のように強くなってたからね。何あの高機動丸呑み力士。オサイズチが結局かませのままだったのはご愛嬌。

 

「……しかし、ヨツミワドウかぁ」

「やり辛いか?」

 

 カムラの里に居たもんね、オトモンっぽい巨大ヨツミワドウ。

 

「いや、ヨツミワドウって焼くと意外と美味しいんだったと思ってな」

「そうなのか……」

 

 遠慮どころか容赦すらなかった。お前よく食えるな、あの里で……。

 

「それにヤオザミは鍋にすると美味いってクスネが言ってたし、今夜は豪勢になりそうだなぁ」

「………………」

 

 最早ハンターじゃなくて捕食者(プレデター)なのよ、思考回路が。頼むから、人の頭蓋骨を背骨ごと引っこ抜くなよ?

 

「いやぁ、愛弟子との狩り最高!」

 

 あと、何故ここに居るウツシ教官。今回は俺とザギによるランデブーの筈だろう。お前はお呼びじゃないのよ、ただでさえ暑苦しんだから。

 つーか、この人、ザギがアルロー教官と話している最中に、シュシュッと参上してたな。何時の間に渡航してたんだよ……。

 

「さて、ヨツミワドウを探そうか」

 

 しかし、ザギは無視した。流石で御座います。

 

「ベクターの情報によれば、「エリア4」の辺りでウロウロしているようだな」

 

 さらに、偵察から飛んで戻って来たフクズク(名前はベクター)の情報提供で、ヨツミワドウの居場所も分かった。ライズ(とサンブレイク)の狩猟は色々と便利で良いね。昔はペイントボールをぶつけないと移動先も分からないんだっけか。令和のハンターで良かったー。

 

「ただ、「エリア11」にロアルドロスが屯しているそうだ」

 

 だが、目と鼻の先にロアルドロスがルドロスたちと一緒に居座っているらしい。かと言って空洞を通ろうとするとダイミョウザザミとかち合ってしまうし、多少なりとも遠回りをせざるを得なくなっている。

 ここは高台でヒトダマドリの花粉を集めつつ、上から奇襲を掛けるべきだろう。

 

「では、行くぞ!」「了解した!」「行こうか!」

 

 という事で、エリア2から心もピョンピョンと岩場を上って行き、ソウソウ草の群生地で草刈りを敢行、花粉集めに精を出す。ついでに泥玉コロガシも拾っておく。

 

「見付けた! ハァッ!」

『ゲコァアアアアアッ!?』

 

 そして、早速ザギが上から大タル爆弾Gを投下。狩猟開始のGONGを鳴らした。

 

『ガブガブガブ……ゲコァヴァアン!』

 

 と、いきなり爆撃を食らったヨツワミドウが、徐に砂利を呑み始めたかと思うと、一気に膨張状態となった。これぞマスターモーション。上位だった頃とは比べ物にならない、厄介な行動の数々の1つである。

 

「「バクステ!」」「これぞ教官パワー!」

 

 しかし、今更バインドボイスを食らう程ヘタッピでもない。俺とザギはバックステップで躱し、ウツシ教官は朧翔けでカウンターを決める。片手剣のハンターは、バックステップ時に極限まで意識をクリアにする事で、一瞬だけ無敵超人と化すのだ。まるで意味が分からんけど、事実だからしょうがない。

 

「フゥウウウン……ドラァッ!」『ゲコァッ!?』

 

 さらに、ザギのバクステは既存の物とは違う独特な物で、後ろに下がりながら刃を盾に擦り合わせており、それを火種に盾に鬼火を纏い、爆破属性を付与した。

 もちろん、ジャストラッシュの初めは盾からである。この一連のコンボにより爆破・毒・麻痺を一気に叩き込む。やり方がエグい……。

 

「教官ラッシュ!」

 

 その上、ウツシ教官が螺旋斬と鬼人空舞のコンボ攻撃を繰り出し、雷やられを誘発した。腐ったMでも教官って事か。

 これは、俺も負けてられないな!

 

「ファルコォーン、パァーンチ☆!」

『ゲコアァアアォッ!?』

 

 という事で、必殺の滅・昇竜撃。丁度水ブレスを吐こうとしていたタイミングでクリーンヒットしたので、ヨツミワドウは堪らず引っ繰り返った。蛙なだけに?

 

「……何か今、変な事考えてなかったか?」

「狩りに集中しろ!」

 

 エスパーか貴様。そんな事より、攻めるんだよぉ~!

 

『カニザンマイ!』

 

 おっと、ダイミョウザザミが来たか。これは操竜チャンス!

 

「私に良い考えがある!」『カニナベェ!?』

 

 疾替えで風車に切り替えて、横槍を入れようと盾鋏を構えていたダイミョウザザミを一瞬にしてブレインコントロール&ライド・オンさせて貰った。行くぜ行くぜ行くぜぇ!

 

「パンチだ、蟹!」『キングラーッ!』

『ゲプハァッ!?』

 

 そして、無限クラブハンマー編で再びヨツミワドウをダウンさせる。おら、寄って集って殺してやれ!

 

「よいしょっと」

 

 おーい、ザギ(こいつ)、大タル爆弾Gを2つも置きやがったぞ!?

 

「気焔万丈!」

『ケロァアアン!?』「ドペェーッ!?」

 

 あ、滅・昇竜爆撃にウツシ教官も巻き込まれた。そのまま昇天してしまえ。

 

『ゲゴァアアアアッ!』

 

 クソッ、マスターランクの個体はタフだなぁ!

 

『ゲココ、ココア、ミニストップ!』

「はぶふっ!?」

 

 最後の突っ張りを避け損ねた!

 

『グゥゥゥ――――――「バルス!」……ゲァアアッ!?』

 

 おお、ヒップドロップをかまそうとするヨツミワドウを、ザギの閃光玉が撃ち落としたぞ。片手剣の良い所は、抜刀中だろうが素早くアイテムを使える事だよね。だけど、何でバルス?

 

『ゲコォオオッ!』

 

 ぬっ、見えないながらも猫騙しをしようとしてるな!?

 

「頼むぞ、ウツシ!」「ハァ~ン!?」

 

 食らえ、今必殺の“写し身の術”……もしくは肉盾!

 

「よいしょっと」

 

 こ、この男、ウツシ教官が猫騙されてる間に、何事も無く落とし穴を設置しやがった。流石はザギ、名前の由来が暗黒破壊神なだけはあるぜ!

 だが、これは絶好の機会だ。

 

「どっこいしょ」

 

 俺も大タル爆弾Gをセットして、

 

「「風車ぁ!」」

『ゲギャアアァァ……ッ!』「教官は星となったのだ! アッー☆!」

 

 合計4つ分の爆破ダメージを加えたダブル風車により、ウツシ教官ごとヨツミワドウの命を消し飛ばした。一切合切、大合掌!

 

「流石は猛き焔、見事な腕前だな」

「それ程でもある」

「ま、愛弟子ぃ~」

 

 ……やっぱり、マルチプレイって楽しいなぁ~♪




◆ヨツミワドウ

 「河童蛙」の別名で知られる両生種。異名は「丸呑み力士」。
 カモノハシにカエルと河童を混ぜ合わせた、ユーモラスな姿のモンスター。上位時点だと鈍重で跳びはねるだけの雑魚助だったが、マスターランクになると一転、甲殻種のような身軽さと小癪な技を携え、舐めて掛かったハンターをしばき始めた。それでも慣れると楽なのはご愛嬌。
 サンブレイクでは密林にも姿を現しているが、海を渡ったりしたのだろうか?
 まぁ、池でカジキマグロが釣れるような世界なので、あまり深く考えない方が良いかもしれない……。
 ちなみに、今作のカムラの里に棲んでいる個体はまだ亜成体だが、既にイブシマキヒコぐらいデカくなっている。
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