殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー 作:謎多き殺人鬼
~別視点side~
広瀬綾乃は行き付けのBARで注文したカクテルを飲みながら取材と称して接触した霧先ジルについて考えていた。
霧先ジルは"事前の情報"通りに真面目であり、曲がった事が嫌いであり、そして……とても大人びた子供だった。
今時の子供は全くとは言わないが警戒の色は薄く、事件が目の前で起こるか、巻き込まれでもしないと危機をなかなか悟らない様な時代になっている。
現にジル以外の生徒に綾乃が近付いてもヴィランとまで行かなくても道端で立って、見つめてくる女を不審者とは認識もせずに無警戒に近付く様な愚か者が割りと多い。
そんな子供の中でジルは大人びた対応をしている……いや、大人び過ぎていた。
母親を殺された事もあるとは言え、"名刺"にまで警戒を見せていたジルの警戒心の高さは異常にも見えた。
「……とても興味のある子ですね。報告して見ましょうか?」
綾乃は"自分の師"に連絡して勧誘するのは少々、骨が折れるが価値があると伝えるべきか迷う中、綾乃は軽く笑った後、カクテルを飲み干した。
一方、とある街の一角にある洋と和を足した様な大きな屋敷、現代に生きる極道の一つ、獅子皇会の本拠の一室では緋色はベッドに寝転がりながはジルの事を考えていた。
「……ジル。君がもう少し、此方側に近付いてくれたら僕も気兼ねなく触れられるのに」
緋色はジルに対して友人としての感情もあるが一種の"恋心"を抱いていた。
どんな男にも目もくれなかったのにジルを一目見た時に心の底から沸き上がる様な高揚感に浸り、その後から会う度に冷静を装うのが大変だった。
あと、ほんの少しでも条件が揃っていたら迷う事もなく手を出していたと確信できた。
「僕は君を愛してるんだ……でも、僕は裏社会の人間だ……とても光の中を歩こうとする君を引き留める様な事はしたくない……」
欲しければ奪え。
裏社会の暗黙のルールと言えるこの言葉は緋色の頭に何度も過ったが実行なんてすればジルは間違いなく悲しむ事になる。
それは緋色の望む事ではない。
緋色は自分の心の苦しみを抱きながらその日を過ごした。
その頃、ある警察署では……
「待て!」
「探せ!まだこの近くにいる筈だ!」
警官達が大挙として集まり、捜索しており、その原因となった男、ジャスティスは路地の暗闇の中である物を確認していた。
「やっと尻尾を掴んだぜ……もう逃がしやしねぇ。必ず捕まえてやるからな。欲強!」
ジャスティスの手にする物は写真で、ある時、事務所に"ある事件の証拠品"があると言う話があり、半信半疑ながらも罠を警戒しながら探ると情報通りの証拠品が出てきたのだ。
過去に受けた屈辱と悔しさ……それを全てぶつける為にその場を立ち去る。
そして、雄英の寮では。
夜はまだ更けきれていないがジルは身体を動かした事で疲れがあり、少し早めに就寝していた。
ジルが寝息を発てて眠る中、アーサーはその姿を静かに見ていた。
「シャーロット……」
数百年の時を越えた時代、当然、アーサーの知り合いなど全員、墓の中に眠っている。
母も、父も、友人達も、ハリーも、ローリィも、シャーロットも。
気が付けば一人だった。
だが、そんな事は覚悟のうえだった。
殺人鬼になる報いが孤独と言うのなら甘んじて受けるのが
だが一つ、アーサーは残してしまった。
殺人鬼の血を。
アーサーは捕まえる前から既に詰みを迎えていた。
ある物と人物がいなければアーサーは短命となり、死刑を待たずして死ぬ身になってしまった。
アーサーは罪もろくに償わずに路上で死ぬのはしょうに合わないと考え、ある人物を呼び出し、捕まるつもりだった。
だが、いつの間にかアーサーとその人物は禁句を犯した。
"異性"同士だったとは言え、前まで追う、追われるの関係だったのにも関わらずアーサーが根負けする形で交わってしまった。
その結果、自分の知らない所でジルまで自分の血筋が残ってしまった。
「ふん……つくづく彼奴と似過ぎてるもんだな……お前ら母娘は……」
アーサーはそう言いながらジルに向かって優しげに微笑みながら彼女を試し続ける。
彼女が自分の道を貫き通せるのかを。
~side終了~
作品話数が100話を突破しました!\(^-^)/
本当にありがとうございますm(__)m
此処まで来れるとは思いませんでした(*´∀`*)
これからも応援よろしくお願いいたしますm(__)m
あと、そろそろヒロアカ関連で別の作品を投稿したいと思っていますが……どちらが良いですか?
一様、最初はと言う感じで。
勿論、この作品と平行して書いていくつもりです。
・ぬらりひょんの孫(主人公をリクオの子供にする予定。つまり、四代目)
・ステラリス(自由に文明と国家を決めて発展させるゲーム。自由度は高く、独裁制でも民主主義でも可能。無論、戦争も可能)
この2つの何れかを書きたいと思っていますが無論、止めとけなら止めときます。