殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー    作:謎多き殺人鬼

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雄英体育祭 ~開幕~

~別視点side~

 

明かりを点けていない暗い部屋。

 

そこでは綾乃が床に座りながら狂気的な笑みや営業スマイルも無い無表情か顔で置かれている写真を見ていた。

 

綾乃の父とそして母。

 

理不尽な理由で殺された二人、そして自分の身体を好き勝手にしたヴィランは捕まらず時効を迎えつつある事に怒りを覚えつつも不適に笑った。

 

「もうすぐだからね……お父さん……お母さん……もうすぐで彼奴を地獄に落とせる……ふふ……きっと世間様はさぞ、驚くでしょうね……」

 

綾乃はそう言って立ち上がると衣服をしまっているタンスの引き出しの一つを開け、服の間に無造作に手を突っ込むとそこからある物を取り出した。

 

そのある物とは……拳銃だった。

 

ヒーロー社会の今でもヒーローでもない一般人が銃を持つ事は違法行為であり、昔よりも手に入れやすい環境とは言え見つかれば逮捕は免れない代物だった。

 

「私が……仇を取るからね……この手で」

 

綾乃はそう言って冷たい憎しみを宿しながら笑っていた。

 

~side終了~ 

 

雄英体育祭、当日。

 

私は結局、あまり練習すら出来ずに当日を迎えてしまい、結果を残せなかったらどうしようなんて思いながら指定のジャージに着替えて控室で不安がるしかなかった。

 

「だ、大丈夫……?」

 

「すっごく顔、暗いよ?」

 

そんな私に見かねてか麗日さんと芦戸さんが話し掛けてくれた。

 

「うん……もしかしたら私、除籍になるんじゃないかな~……なんて思ちゃって……」

 

「何で!?」

 

「幾らなんでも本番前にネガティブ過ぎるよ!?」

 

「私、休み過ぎてあまり訓練出来てないから遅れを取るんじゃないかなって……本当にどうしよう……」

 

私はもう悩まし過ぎて頭を抱え込んで視線を変えた時、轟君が出久君に話し掛けていた。

 

耳を傾けて聞いてみると……

 

「客観的に見ても実力は俺の方が上だと思う」

 

「へ!?うっうん……

 

「(轟君は急に何を言い出すの?)」

 

『へぇ……面白い事になりそうだな。ジル』

 

アーサー……貴方の面白い事になりそうと言う言葉は私にとっては嫌な予感なのよ……

 

私は不安になりながら二人を見て、聞いていると轟君の雰囲気に何処か闇を感じた。

 

「お前、オールマイトに目ぇ掛けられてるよな?別にそこを詮索するつもりはねぇが……お前には勝つぞ」

 

轟君の突然の出久君に対する宣戦布告に私は驚きを感じていると回りもこの宣戦布告に驚いている感じだった。

 

「おぉ!?クラス最強が宣戦布告!!?」

 

「急に喧嘩腰でどうした!?直前に止めろって……」

 

上鳴君が驚きながら言い、切島君が止めに入ったのを見た私も止めに行こうとした時、身体が上手く動かなかった。

 

こう言う時の原因は……

 

「(アーサー!)」

 

『落ち着けよ。あれは二人の問題だ。あの轟って奴の急な宣戦布告に何の意味があるのか……それは出久が受け取るべき事だ。俺達は俺達でクラスメイトを含めたライバルを蹴落すべく戦う。いらん事に首を突っ込んでモチベーションを崩すな』

 

確かにアーサーの言う事は最もだけど……私はそれでも止めに行こうとすればアーサーに止められて終わってしまう。

 

私はどうしようもない中、二人を見守るしかなかった。

 

「轟君が何を思って僕に勝つって言ってんのか……は分からないけど……そりゃ君の方が上だよ……実力なんて大半の人に敵わないと思う……客観的に見ても……」

 

「緑谷もそーゆーネガティブな事、言わねぇ方が……」

 

「でも……!!皆……他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ。僕だって遅れを取るわけにはいかないんだ。僕も本気で獲りに行く!」

 

出久君のその言葉に前までの弱気な姿はなく、私は唖然としているとアーサーは笑っていた。

 

『言ったろ?今の彼奴なら臆する事はない。彼奴への過保護を卒業するんだな』

 

アーサーにそう言われた私は少し、出久君への過保護が過ぎていたと思った。

 

もうあの頃の人見知りで怯えている様な出久君はいない。

 

今は少しだけ元の性格は出てるけど前よりも勇気のある人になっている。

 

私も、臆していられないわね。

 

「(……私達も負けられないわよ。アーサー)」

 

『はッ!俺の出番なんて来るのかやら。だが、俺を出させる奴がいたとするなら……あの三人か』

 

アーサーはそう言って視線の先には出久君や轟君、勝己の姿があった。

 

『最も油断がならない三人だ。気を引き締めろよ』

 

「(言われなくても)」

 

私はそう言って遂に開会式が始まる時間になり、私達は胸を張って会場へと歩いて行く。

_______

____

__

 

私達が会場の出入口までやって来ると山田先生の放送が鳴り響いた。

 

《一年ステージ!生徒の入場だ!!雄英体育祭!!ヒーローの卵達が我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!!どうせてめーらアレだろこいつらだろ!!?ヴィランの襲撃を受けたのにも関わらず、鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!》

 

その声と共に会場の外へと出ようとしている……緊張で少し汗が流れるけど私は胸を張りながら堂々と外へと踏み出した。

 

《ヒーロー科!!一年!!!A組だろぉぉ!!?》

 

何とも大々的な山田先生の紹介で大きな歓声が上がり、私の中のプレッシャーが高くなる中、他の組や科の人達の紹介が始まったけど……

 

《B組に続いて普通科C・D・E組……!!サポート科F・G・H組も来たぞー!そして経営科……》

 

『何だこの紹介?まるで俺達の引き立て役みたいな紹介だな?なぁ、ジ……おい?顔、怖いぞ?』

 

「(だって幾らなんでも酷いじゃないの!B組も体育祭の主役の筈だし!他の科の人達だって千載一遇の機会なのよ!それなのにやる気を削ぐような事をして……!)」

 

『落ち着け。こんな事でやる気を落として負けたんならその程度の連中だったってだけさ。勝負は本番から始まる。あの、バカ声先生を見返す奴等は多く出るだろうよ』

 

アーサーのその言葉で私は怒りを納めると所定の位置に並ぶと、香山先生が開催宣言を行う様だ。

 

「選手宣誓!!」

 

「18禁なのに高校にいても良いものか」

 

「良い」

 

「静かにしなさい!!選手代表!!男子代表1-A、爆豪勝己!!」

 

余計な一言がある中、その力強い言葉で進行が続いた。

 

勝己は確かに主席だったわね……て、男子代表?

 

確か、男女関係なく代表宣言は一人だったわよね?

 

「今年は男女別で同列で主席が二人いるわ!特例として男女別に代表宣言するわよ!」

 

「えッ!?それって……」

 

『休んでた時、何かお知らせ的な何か貰っていなかったのか?』

 

「(……送られた様な気がする。でも、落ち込んでて見てなかった様な)」

 

私はまさかと思いながら聞いていると予感は的中した。

 

「女子代表1-A組、霧先ジル!!」

 

あぁ……やっぱり……こうなったわね。

 

どうしよう……A組の皆は兎も角、他の人達(B組や他科)からの視線が痛い。

 

私は観念して勝己と香山先生の前に出てくると先に勝己から切り出した。

 

「せんせー……俺が一位になる

 

「絶対やると思った!!」

 

勝己の宣誓にA組の皆までブーイングに参加して批判しており、私はもう頭を抱えながら全員が静かになった後、周りからの視線が痛い中で宣誓をする……つもりだけど全く、考えてない。

 

「(ど、どうしよう……)」

 

『おいおい、俺達に相応しい宣誓があるだろ?』

 

「(相応しい宣誓?)」

 

『分かるだろ?どのみち、何時かは知られるんだ。だったら開き直ってぶちまけてしまえ』

 

私はアーサーが何を言いたいのか何となく悟ったんだけど……確かに何時かは知られるのならいっそ、開き直ってぶちまけてしまいましょう。

 

「宣誓する前に伝えておきます……私は嘘をつくのが苦手です。だから、この雄英体育祭で私のもう一つの顔を見せます」

 

その言葉に周りがざわつく中、私は片手を挙げて宣誓する。

 

「宣誓!私達は!!」

 

私がそう言った時、それを合図にアーサーが私と入れ替わった。

 

「俺達は!正々堂々!!全力を挙げて勝たせて貰うぜ!!」

 

私とアーサーの宣誓に周りのざわつく声が大きくなる中、そこで鞭の音が鳴り響くとざわつく声が止んだ。

 

「静かになさいったら!!全く……それで良いのね?」

 

「はい。これで良いです。どのみち、何時かは知られるののでくから」

 

私はアーサーと代わってそう伝えると勝己と元の場所へと戻ると出久君達が不安そうに見てきた。

 

「良かったの?下手をしたら今後のアピールに支障が……」

 

「良いのよ。ありのままの私を受け入れてくれないなら……それだけだったって話だから」

 

私はそう告げると最初の種目を告げられるのを待った。

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