殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー 作:謎多き殺人鬼
私は激戦を繰り広げる出久君、轟君、勝己の三チームに向かって行くと私に気付いた轟君が氷の壁を作って妨害を仕掛けてきた。
確かに壁を作ってしまえば迂回させる時間が出来るけど。
「舐めないで貰えるかしらね!」
私はナイフを手にすると氷の壁に投げつけて突き刺すと、そのナイフを足場にして一気に飛んで見せるとそのまま地面に着地した。
「ジル!?」
「ちッ……やっぱりあの程度じゃ止まらねぇよな」
「……化物か」
出久君は驚いて、勝己は止められない事を予想して舌打ち、轟君には化物扱いされた。
後でお話しようね轟君。
私だって女の子だから傷つくのよ。
「ナイフしか使えない女だけどね。貴方達には負けないわよ?」
「はッ!寝言は寝てから言えや!」
「手加減はしねぇぞ!」
各々、言い合うと私と勝己、轟君で妨害しつつ1000万を奪いあう戦いが此所に始まった。
~別視点side~
一方、三人もとい三チームの乱戦が確定し、巻き込まれた出久チームは全力で逃げの一手を打ち続ける。
「勝っちゃんや轟君だけじゃなくてジルまで来るなんて!」
「霧先さん逃げ切れば突破確定してるのに!」
「霧先にも向上意欲があるのだろう。それが本人の意思か、中にいる者の囁きか、両方か」
「ヒーロー科って大変ですね!私のベイビー達が壊れない事を祈りますよ!」
出久達は三人の猛者達の猛攻の中、何としてでも逃げ切ってやるとばかりに気合いを入れていく。
その頃、その様子をカメラで何度も修める綾乃の姿があった。
ヒーローを目指す為に競いあうその姿に綾乃は微笑みながら。
「……下らない」
そう静かに罵倒した。
綾乃にとってヒーローが何故、競い合うのか理解しがたいものだった。
確かにヒーローの活躍はある意味では奪い合いであり、活躍は収益に繋がる以上は協力はするが基本的には手柄の奪い合いだ。
ヒーローは人を助けるべき存在である筈なのに競う事を促すこの体育祭や教育に綾乃は気分を害するばかりだった。
綾乃は適当に写真を撮る中、スマフォが鳴り、観客席から離れて人通りの無い場所へと来るとスマフォの電話に出た。
「はい。広瀬ですが?」
《広瀬さん。すみません、天晴です》
「天晴さん?どうしました?」
《実は一緒に体育祭を観戦しようと言う話なんですが……仕事が長引きそうで今回は見送るしかないみたいで……すみません。せっかくのお誘いの筈ですが》
「……いいえ。分かりました。気にしませんよ。また、来年見ましょう。弟の活躍を一緒に」
《はい。すみませんでした。それではまた》
その言葉を最後に天晴からの電話が切れると綾乃は電話の切れたスマフォを見つめながら涙を流した。
「馬鹿な人ですね……」
仕事よりも、自分を選んで欲しかった。
その本心が見え隠れする中、綾乃は観戦に戻って行った。
~side終了~
爆破、氷の二つの力が入り乱れる戦場と化した会場を出久君達は上手く立ち回り、私もそれを避けて出久君を追い掛ける。
「ひょえぇぇぇぇぇッ!!?む、むむむ無茶苦茶だぞ!き、ききききり、き霧先!!?」
「良いからしっかり掴まってハチマキを守りなさい!!」
情けない声を挙げる峰田君を他所に私は出久君に飛び掛かろうとするとそこで勝己からの妨害があった。
「抜け駆けはさせねぇぞ!」
「邪魔なのよ!この馬勝己!」
私は妨害を仕掛けてくる勝己にそう言ってやると今度は氷が勢いよく迫ってきてそのまま通り過ぎると道を塞ぐ様に展開された。
「これ以上は進ませない」
「……本当、強力な個性が羨ましくなるわね」
『んなもん。羨ましがる事はない。お前にはお前なりのやり方と力があるだろ?』
「(そうね)」
私はナイフを手にすると勝己と轟君に向かっていく。
邪魔をするなら先に倒すまで。
私は牽制にナイフを投擲して勝己達に飛び掛かろうとしたけど片足が上がらなかった。
私は足元を見ると片足がテープの様な何かに引っ付いてしまっていた。
「へへッ!俺達がいるのを忘れるなよ!」
テープの様な個性……瀬呂君の個性ね!
私は自分の迂闊さについ、舌打ちをしてしまうと靴を脱ぎ捨てて脱出した。
騎馬だったからこそ成せる行為……騎手だったら靴なんて履いてないから大変だったわ。
「予想はしてたが行動早いな!?」
「たっりまえだ!彼奴は頭の回転だけ速ぇんだよ!一度意表を突いたからって油断してっと逆に足元すくわれんぞ!」
「爆豪!前!前!!」
ありがとう勝己。
貴方が一瞬でも余所見をしてくれたから私は貴方の爆破の反撃を許さない距離まで迫れた。
私は一気に距離を詰めて勝己に飛び掛かってハチマキ奪おうとするけだ勝己はそれを避けた。
私は地面に着地してもう一度と思った時、体勢を崩したのか切島君、芦戸さん、瀬呂君の三人が必死に落ちそうになる勝己を支える姿と私の方にそのまま倒れてくる勝己がいて……
崩れなかったけど、そのまま勝己の顔が私の胸に収まった。
「ッ!!!?!?」
私は声にならない悲鳴を挙げた後、勝己は勢いよく体を起こしたのを私は見ると私は怒りに任せて飛び上がって。
「この変態!!!」
「ぶふぉッ!!?」
力一杯に勝己にビンタしてやった。
「わぁ……痛そう……」
『合掌だな』
峰田君とアーサーは勝己に同情的だけど事故とは言え、私の胸に顔を埋めるってどういうつもりなのかと思えば一発くらい許してほしいわ。
私は勝己に怒りを見せつつ、勝己達も臨戦態勢に入った時、会場が盛り上がった。
私は出久君達を見るとハチマキが轟君に取られていた。
それを見た私は駆け出すと勝己達も続いていく。
「「抜け駆けするなぁッ!!」」
私達が轟君に迫る中、出久君達も取り戻す為に轟君為に迫る。
時間がもう無い中、私は必死に轟君に向かうけど先に行ったのは近くにいた出久君で個性を応用したのか轟君の防御を崩してハチマキを取り返した。
『いや、まだだ!あれはダミーだ!1000万はまだ轟が持ってやがるぞ!』
「抜かり無しって事ね……!」
私は最後の最後まで追い付けないまま……
《TIMES UP!》
制限時間が来てしまった。
《早速、上位五チームを見てみよか!!一位轟チーム!!二位爆豪チーム!!三位霧先チーム!!四位心操チーム!!》
「結局、出久君達は……」
1000万を取り返せずに終わり、出久君の反応を見る限り、ポイントも通過する程ではないのか悔しそうにしている。
勝負とは言え、いたたまれない気持ちになる私を他所にアーサーは出久君達を見ていると思えば笑った。
『ジル。彼奴の選んだ人選は間違いじゃなかったらしいぜ』
「え?」
私はそれを聞いた時、出久君のチームの一人の常闇君がいつの間にかハチマキを手にしていて、それに書かれていたポイントは1000万に比べれば安いものだけどそれでも通過は充分な物だった。
《五位緑谷チーム!!以上が最終種目へ……進出だあぁーーーーー!!》
私はそれを聞いて少し安心すると同時に出久君が昔の様な弱気な人じゃない事に考えさせられる気分だった。
彼はもう侮れる様な相手じゃない。
次にぶつかる可能性があるなら私は手加減はしたりしない。
「も、もう……懲り々だぜ……ガクッ」
「あ、忘れてた……ちょっと峰田君。こんな所で寝ないで」
『やれやれだな。全く』
峰田君が騎馬戦の疲れなのか寝てしまい、私が困る姿を見てくるアーサーに呆れられてしまったけど……私、何かした?