殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー 作:謎多き殺人鬼
今日は実技の無い普通の授業で終わり私は皆への説明やら出久君が無理に帰した件で頭が吹き飛びそうな程に何度も頭を下げて謝るのを止めたりとしながら疲れたと思いながら帰り支度をする中、相澤先生が来た。
「霧先。帰る前にお前に客だ。例の件のだ」
相澤先生がそう言った時に私はその後ろを見るとそこにはジャッジがいて、鋭い視線を向けていた。
「分かりました(本当に来たよ……)」
『ほらな。言った通りだろ?』
アーサーはそう言って笑う中、私は生きた心地がしないまま取り敢えず鞄を置いて心配する皆を余所に教室を出た。
相澤先生とジャッジの二人に着いて行くと個室へと通されるとそこには刑事さんらしき人がいて私はジャッジと対面する形で座った。
まるで取り調べみたいな状況だ。
「早速だが本題に入る。お前はあの時間、悲鳴が聞こえて様子を見る為に路地に入り、殺人事件に鉢合わせ、死体を目撃した。間違いないか?」
「はい。目撃した後、警察に連絡しようとしてジャッジさんが来ました」
「成る程な。犯人……ヴィランは見たか?逃げた姿でも影でも良い。知ってる情報を話せ」
「残念ながら……何も見てません」
ジャッジはそれを聞いて何かを考える素振りを見せ、私はその姿に不安を抱くとジャッジは言う。
「俺の個性を知ってるか?」
「いえ、知りませんが?」
「俺の個性は……人の善と悪を見極める事ができる審判と言う個性だ。善なら白が、悪なら黒のオーラが見える。お前はあまりに妙なオーラの形を持っている」
「妙……とは?」
「善と悪……お前にはそれが半分ずつ見える」
「ッ!?」
『へぇ……』
ジャッジの個性によって見えるそのオーラが善と悪で半分ずつに分かれて見える。
私は何故、そんな事になっているのか分からずにいるとジャッジは言う。
「お前の境遇は知ってる。殺人鬼、アーサー・ヒューイット。又の名を切り裂きジャックの再来……大層な奴を背負ったもんだな。お前は恐らく善と悪の狭間にいる状態だ」
「善と悪の狭間……」
私はその言葉に夢に見てしまった人を殺す夢……私はその夢を思い出し、青ざめる中、ジャッジは視線を鋭くして問う。
「お前はどちらの心に傾けるつもりだ?ヒーローか?それとも殺人鬼か?」
「ジャッジ!それを言うのは……」
「おい、ジャッジ。それ以上を言うのは教師として俺が許さねぇぞ」
「大事な事だ。この問いが後から答えられる時がどちらになっていて殺人鬼になってましたじゃ済まねぇんだよ。後の巨悪が現れかねない可能性がある……酷だがこいつ自身が白黒ハッキリさせてやらねぇと取り返しが着かねぇ事になる。俺が悪者になっても構わねぇから自分で言え、霧先ジル」
ジャッジは止まらない。
私の心にある善そして悪……
私はどう言えば良いのか分からなくなってきた時、個室の扉がノックも無く開かれ、レディー・クイックが入って来るとジャッジに近付いて耳打ちする。
「……そうか。また……すぐに向かう」
レディ・クイックからの耳打ちの内容を聞いたジャッジは溜め息をつくと立ち上がる。
「残念だがまた被害者が出た」
「何だと!?今度は誰が?」
「眼鏡を掛けた髭を生やした会社員の男だ。被害者だが運が良い……重体だが即死は免れた。今は病院で運ばれて手術している所だそうだ。ただ、被害者が発見された場所は……この雄英の近くの路地だそうだ」
「……被害者の名前は?」
「花咲 透だ」
花咲?……花咲……花咲志奈と力斗……偶然ね……名字が同じなんて……同じ……お願いよ……被害者があの二人の……
「普通科の志奈と力斗を呼ぶ。お前達の親父さんがヴィランに襲われて重体だと」
そんな……なんて事なの……!!
「駅から近付いて来てやがる。まさかと思うが……」
「霧先。帰る時は俺に言え。まさかとは思うが……お前、狙われている可能性がある。連続強盗殺人のヴィランにな。俺がお前を家に送る。登校の時も誰かを寄越す」
私は目の前が真っ暗になった。
私のせいで……私のせいで二人のお父さんが……!!!
『ジル。気をしっかり持て。気を失うぞ?』
「(でも!!私が……私が事件に関わったせいで二人のお父さんが襲われたかもしれない!!私は……!!!)」
『なら……やるか?』
「(え……?)」
『そのヴィランはどうやら罪から逃げ、多くの罪も何も無い市民を襲い殺す外道だ。ならお前……いや、俺達がそいつを裁かないか?』
アーサーは私に対して殺人を……薦めてきた。
私はヒーローを目指してる……殺人は絶対にしない……でも……
『お前が選べ。俺の手を取るか?こいつらの教えに従うか?』
アーサーはそう言って手を伸ばす仕草を見せ、手を取れとばかりに笑っている。
『花咲の兄妹は父親を殺され掛けてさぞ、悔しいだろうな?平穏に暮らしていた筈なのに自分達の知らない所で大事な者が傷つけられ、奪われかけた。ジル!!これは正当な復讐だ!!罪から逃れ、平然とする悪に報いをくれてやる為のな!!!』
「(私は……)」
私は選ぶ。
その先の行動は私の全てを決める事になる……だから、私は!!!