殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー    作:謎多き殺人鬼

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【第一話】信念貫く【ヒーロー END】

私はアーサーに殺人をして止める様に促されたけど……それが本当に正しいのか?

 

確かに殺せば全て解決するかもしれない……でも、力強くで解決した所で根本的な部分は解決出来ないかもしれない。

 

だから私は……!

 

「(駄目よ!それだけは……絶対に駄目!)」

 

『ジル!!』

 

「(貴方の意見は聞かない!私は私なりの方法で解決する!)」

 

『……そうかよ。勝手にしな』

 

私はそう言ってアーサーの意見を退けると私はこれからやる事は先生達をがっかりさせるかもしれないと分かっていてもやるしかないと思った。

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私は今日、相澤先生に家に送られて帰ると相澤先生は母さんに色々と事情を話して私がヴィランが捕まるまでは送り迎えを行うと説明していた。

 

母さんは不安になったのか相澤先生が帰った後、しまってあったロンドン市警時代に使っていた時と同じトンファー型の警棒を取り出して腰に着けていた。

 

「大丈夫。貴方には傷一つ付けさせたりはしないわ」

 

と言って笑顔で言ってくれたけど私の心は既に決めている。

 

『本当に良いんだな?お前はこれから……』

 

「良いのよ。これは私の問題。私が解決しないと……」

 

自分の信念を貫く為に、私はこれからやる事の覚悟を決めてから母さんに悟られない様に家を抜け出した。

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私は家を抜け出した後、路地へと足を踏み入れた。

 

路地はヴィランや浮浪者達の溜まり場で危険だから近付くなと幼い頃から言われてきたがそう言われていたのが不思議なくらいに人がいなかった。

 

『そりゃあ、ヴィランだって夜には寝たいだろ?これから後ろ暗い事をする奴以外は……な!』

 

アーサーはそう言い終わった時、誰かが飛び掛かって来た。 

 

アーサーは私から身体の主導権を握るとナイフを産み出して振るわれた何かを弾き返した。

 

鈍くも路地に響く金属と金属がぶつかる音が鳴る中、私とアーサーは襲ってきた相手を見る。

 

相手は目立たない黒い服装とフードを深く被った男で手には大きな刃物を持っている。

 

間違いない……連続強盗殺人事件のヴィランだ。

 

「御大層な挨拶だな。普通は淑女相手には一礼して丁寧に声を掛けるべきだと思うぜ?」 

 

「うるせぇ!あと少しと言う所で余計な介入をしやがって……おかげで犯行が何時、バレるか怯える毎日だ!この小娘が!!」

 

「逆ギレか?罪も何も無い市民を殺しておいて自分は悪くないなんて言い様だな?」

 

「……仕方なかったんだ!こうしないと妻を助けられないんだ!!」 

 

『このヴィラン、奥さんがいるの?助けられないってどう言う事なの?』

 

私は疑問に思う中、ヴィランは犯行に至った経緯を話し始めた。

 

「妻は肺を患っていて臓器移植が必要だ。手術にはかなりの額がいる……だけど、俺は盗みや喧嘩やらで前科持ちで学歴も中卒までだ……ろくな仕事に着けねぇんだよ。自業自得なのは分かってるけどよ。せめて妻だけは助けねぇと地獄に行くにも行けねぇんだよ。だけど銀行とかそんな所を狙ってもすぐにヒーローが飛んできて捕まる。だから収入は少なくても路上強盗に手を出したんだ」

 

「だからと言って殺した奴にも家族や友人がいた。そいつらはどう思う?お前が奪った奴はそいつらにとって大切な存在なのかもしれない。お前はそれを無惨に奪い去った。どんなに都合の良い大義名分を掲げても悪は悪であり、罪は罪だ」

 

アーサーはそう言った後、私に主導権を返した。

 

此処からは自分でやれ……そう言う意味で私に渡したのかもしれない。

 

「貴方の言いたい事は分かったわ。でも……お願いだから罪を償って」

 

「何だよ……急に大人しげになりやがって……?」

 

「それは今は良いわ。それよりも本当に奥さんの事を思っているの?」

 

「当たり前だ!だからこうして!!」

 

「ヴィランとして貴方が捕まったら。その奥さんはどうなるの?」

 

私のその問い掛けに彼はうつ向いて黙ってしまった。

 

「これ以上の事をやり続けて捕まりでもしてニュースになればきっと悲しませるだけじゃなくて肩身の狭い思いをさせるかもしれない……貴方が本当に奥さんの事を思っているならこれ以上は止めないと」

 

「う、うるせぇ!!お前に何が分かるんだよ……!俺は……無個性なんだよ……!」

 

「無個性……!?」

 

彼がまさか無個性だとは思わなかった……だって、あの動きは何かしら個性を応用してるかと思っていた。

 

でも、無個性だと言うなら納得出来る。

 

この社会は明らかな異形型の人や変わっていたり、危険な個性を持つ人、無個性の人にはとても冷たい……常に差別の対象にされる。

 

私も……過去に無個性と偽っていた時は酷い虐めを受けていた。

 

「無個性だから遊びでは常にヴィラン!無個性だから高校受験で落とされて!無個性だから素行が悪いとか言われて!……個性を持ってるお前に何が分かるんだよ!!言ってみろよ!!どう足を洗おうとしてももう、ヴィランの肩書きは消えないし!!無個性だからとか理由を付けられて社会から省かれる!!なのにどうしろって言うんだ!!」

 

「……分からなくはないわ。私も昔に虐めを受けてね。無個性だって偽ってた事があったの。自分の個性が嫌だった」

 

私が自分の過去の事を言うと彼は叫ぶのを止めて私の言葉に耳を傾けた。

 

「私の個性はこれ。ナイフを出すのよ。そう、凶器を出せるの。私はもしかしたら何時かは誰かを傷付けてしまうんじゃないかって思って怖かった。だから無個性だって嘘をついた。でも……そんな私に待ってたのは虐め。遊びで無個性だからヴィラン役。可笑しいわよね!無力な人間を守るのがヒーローなのにヒーローが無力な人間を襲うなんて!」

 

私はそう言って自暴自棄になった様に笑った後、私は自分の過去の事を話し続ける。

 

「私は結局、我慢できなくて殴り飛ばしたら中学まで恐怖の対象にされちゃってね。いつも一人だった……でも、そんな私を受け入れてくれる人もいた。私の家族。私の友人。私の雄英の恩師達。私は……いつの間にか沢山の人達に救われていたの。生きていれば受け入れてくれる人もいる。だから貴方にだっている筈よ。大切にしてる奥さんとかね」

 

私はそう言って微笑むと彼はいつの間にか涙を流してそのまま凶器を地面に落とした。

 

地面に落ちる硬質な音がなる中、彼はそのまま地面に膝を着くと泣き出した。

 

「貴方は一人じゃない……貴方と同じ様な境遇を持つ人達は沢山いる。罪を償いましょう……胸を張って奥さんに会う為にも」

 

私がそう言い終わった時、バタバタと足音が聞こえて振り返るとそこにはジャッジとレディ・クイック、相沢先生までいた。

 

「霧先!?お前は帰った筈じゃないのか?」

 

「あの……その……ごめんなさい!!」

 

相沢先生の凄みに私は頭を下げて謝るとジャッジはそのまま泣いている彼の所に近付く。

 

「連続強盗犯のヴィランだな?テメェ……まだ年端も行かない奴を襲うとしやがって。その身できっちり罪を償って貰うからな!クイック!警察に連絡しろ。例の連続強盗犯を捕まえたってな」

 

「待って下さい!」

 

「何だ?」

 

「彼の事は……自首と言う事には出来ませんか?」

 

「はぁ?何だよいきなり?」

 

彼にはもう罪を犯す気力は無い。

 

なら、此処で捕縛と言う形で逮捕するよりも自首と言う形で罪を償わせてあげた方が良い。

 

私は頭を下げてジャッジにお願いする中、ジャッジは。

 

「はぁ……全く。クイック。内容は変更だ。例の連続強盗犯が自首をしたいってな」

 

「分かったわ。連絡してくる」

 

ジャッジのその言葉に私は顔を上げればジャッジはめんどくさそうな表情をし、レディ・クイックは微笑みながら私に頷いた後、連絡しに行った。

 

私は何とか通じた事に安堵の溜め息を吐く。

 

「お前……何で……?」

 

「貴方はもう罪を犯さないと思ったから……だからお願い。これだけは約束して下さい。もう奥さんを泣かせる様な事はしないで。そして罪をちゃんと償って生きて下さい」

 

私はそう彼に言うと彼は声を挙げて泣いた。

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彼は駆け付けた警察達によってパトカーに乗せられて連行されて行き、私はと言うと……

 

「霧先。お前は……自分が何をしたのか分かっているのか!殺されるかもしれなかったんだぞ!!今度、勇気と無謀を履き違えてみろ!俺は必ずお前を除籍にする!!」

 

「本当に……すみませんでした……」

 

私は相沢先生からの有難いお説教を受けていた。

 

事情聴取の為に一度、警察署まで来れば相沢先生からのお説教が始まった。

 

「まぁまぁ、今回は無事だったんだ。それくらいにしてあげてくれ」

 

そこへ現れて言ってくれたのは雄英にジャッジと来ていた刑事さんだった。

 

「駄目だ。甘くすればまた調子に乗る」

 

「だが、彼女は恐らくは自責の念に囚われてあの行動を取ったんだろ?もうこんな無茶はそうそうしないさ。それに彼女はヒーロー活動ではなく、説得で彼奴を止めたんだろ?あまり褒められた事じゃないが……余罪も無いしそのまま帰っても良し!」

 

「適当過ぎるわね……」

 

『よくもまぁ、刑事なんてしてるなこいつ』

 

私とアーサーは刑事さんの適当ぶりに呆れそうになるとレディ・クイックが来た。

 

「終わった?」

 

「おう!終わったぜ。そっちもか?」

 

「手続きも終わったわ。それよりもジル」

 

「は、はい……」

 

「もう少しだけお説教を受けないとね。お母さんが来てるわよ?」

 

あ……終わった。

 

母さんにまでお説教をされる未来を浮かべた時、勢いよく母さんが入ってきた。

 

「ジル!!」

 

「母さん……その……」

 

私は一発ぶたれる事を覚悟して目を強く閉じた時、私は母さんに抱き締められていた。

 

「何て無茶をするのよ!!本当に……心配したのよ……!」

 

「母さん……ごめんなさい……私は……どうしても自分が許せなかった……私のせいで花咲さんのお父さんが襲われて……!」

 

「ジルのせいじゃない!ジルも……被害者なのよ……自分を責めては駄目。貴方は自分が正しい道に行ったって信じているなら自信を持ちなさい。でも、危険な無茶はして欲しくないけどね……」

 

母さんはそう言って少し離れると涙を浮かべて微笑んでいた。

 

私は母さんを泣かせてしまった事に不意目を感じてしまう。

 

「さて……帰ったらたっぷりとお説教だからね!覚悟しなさい!!」

 

「そ、そんな……!」

 

『自業自得だな』

 

私はアーサーに言われて腹がたちながらも無事に済んで良かったと思った。

 

私も説得なんて賭けでしたなかった。

 

もし、説得に失敗していたら……

 

「(殺されていたか……殺していたか……)」

 

終わった以上はもう何も考えるつもりはない。

 

今は長い期間になるかもしれないけど……彼が更正して奥さんに会える事を祈り続ける。

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