殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー 作:謎多き殺人鬼
アズエル教会とフォールン・救火の正体を掴んだ私は現状では彼等を裁く事が出来ない為に退いたけど……待っていても事態は変わらないし、被害者も増えてしまう。
なら、どう動こうかしら?
『先ずは奴等の後ろ楯をどうするかだ。腐敗してるとは言え、ヒーローはヒーロー。実力云々は兎も角、ヒーローとして活動しているなら支持もある。もし、信用するなら殺人鬼かヒーローかなんて聞けば間違いなくヒーローだと答える奴が圧倒的だろう。だから先ずはそのヒーロー共から消すぞ』
「(それならアズエル教会に繋がってるヒーローを探し出さないといけないわね)」
『簡単だ。教団員の連中に聞けば良いのさ。夜の路地で……ゆっくりな』
「(……それ……良いわね)」
私はアーサーの提案に笑って答えると夜までに用意を整える為にその場から去った。
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夜になり、私は夜闇に紛れてアズエル教会の教団員の誰かが出てくるのを待ち構えていた。
もう夜も遅く、人通りも少ない中、私は静かに待っていると一人で出てきた教団員を見た私は獲物が来たと分かり、教団員の背中を追いつつ人気の無い場所まで来た所を狙って路地の暗闇に引き摺り込むと叫ばれない様に口元を手で強く押さえると壁に押し付け、すぐに逃げられない様に太股をナイフで深く突き刺した。
「むぐうぅぅぅぅぅッ!?」
教団員は痛みで叫ぼうとするけど口を押さえられてるから響く事もなく、無様に涙や鼻水を……ちょっと止めて欲しいわね。
汚いわね……後で手袋を変えないと……。
「ごめんなさいね。少し、聞きたい事があるのよ。……私の質問に答えてくれる?」
私は教団員を微笑みつつ睨みながら言うと教団員は激しく頷き、私は口を押さえるのを止め、その代わりに首を押さえた。
「アズエル教会の後ろ楯……ヒーローと呼ぶのも烏滸がましい連中の名前を吐きなさい。知ってるだけで良い。もし、拒否するならもっと痛い思いをして貰うわ」
「や、止めてくれ!言うから!う、後ろ楯はレッサーヒーローのレッサーパンダーやマネーヒーローのゴール・D・マネーがいる!ソードヒーローのブロードマンもだ!その下のサイドキックもグルだ!!」
「へぇ……事務職絡みでね……しかも三つも……人を助けるべきヒーローが不正なんて最低な連中ね」
私は三人のプロヒーローとその下にいるサイドキック達までも腐敗にまみれている事に腹が立つ中、教団員は命乞いとばかりに恐怖を浮かべた顔で私に言ってくる。
「ゆ、有益な情報だろ?アズエル教会とも縁を切って真っ当に生きるから……い、命だけは取らないでくれ!」
「……そうね。良い情報だわ。じゃあ、早速だけど……お礼よ。受け取りなさい」
私はそう言って逆手でナイフを持つと勢いよく教団員の首を突き刺して息絶えるのを確認してからナイフを抜き取ると血糊を払った後、壁に
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次に足を運んだ場所はレッサーヒーローのレッサーパンダと言うヒーロー事務所で私は迷わずに中に入った。
「ん?おい、嬢ちゃん。此処はレッサーパンダのヒーロー事務所だぜ。何かの店と間違ったか?」
レッサーパンダのサイドキックらしきコスチューム姿の男が近づいてくる。
あくまでも丁寧な口調だが何処か嫌らしい目付きをしている……単なる被害妄想かもしれないけど嫌なものは嫌だ。
「いいえ。此処に用がありまして」
「用?事件かな?」
「用はですね……」
私はサイドキックの不意を突いて頸動脈目掛けてナイフを振るい、返り血を大量に浴びた。
サイドキックは声にならない悲鳴を挙げながら床に倒れると私は告げた。
「地獄から弱者達を踏みにじった屑を始末しに来たのよ」
私はそう呟いた時、異変に気付いたのかバタバタとレッサーパンダのサイドキック達が現れた。
「貴様!何者だ!」
「此処がプロヒーロー、レッサーパンダの事務所と知っての事か!!」
「知っての事に決まってるでしょ?ほら、早くレッサーパンダに取り次ぎなさい。と言っても……腐ったヒーローは皆殺しだけどね」
私の言葉に苛立ちか恐怖を覚えたのかサイドキック達は一斉に向かってきた。
私は冷静にどのサイドキックから始末するか考えて床を蹴ると、先ずは無駄に露出の多い女のサイドキックの首を切り、巨漢のサイドキックの顎を蹴ってから脇腹と手首の動脈を切り、首を深く突き刺す。
今度は猫や犬みたいなのが来たけどナイフを投擲して胸や首に当てて黙らせた。
サイドキック達をそうやって蹴散らしに蹴散らして歩いて行くと大きな部屋に一人でいるレッサーパンダみたいなの男がいた。
「俺はレッサーヒーロー、レッサーパンダ!此処まで来たと言う事は俺のサイドキック達を殺したのか!!」
「そうだけど?仲間として情があるの?」
「はッ!あんな奴等は手駒にしか過ぎん!寧ろ給料をこれ以上、払わなくて済むと思えば安いもんだ!雄英体育祭もあるんだ!有能な人材はまた抱えれば良い!」
ヒーローとは思えない腐った言動。
間違いない……完全に腐敗しきったヒーローだ。
「そう。良かったわね。でも貴方も死ぬの。腐敗したヒーローなんて……善ある市民達には必要無い」
「何が善ある市民だ!奴等は我々を潤す為にある!それに死ぬのは貴様だぁッ!!」
レッサーパンダはそう言って飛び掛かってくるけど……見た目通りの個性ならもう少しそれに合ったものにしたら良かったのに……早く終わらせよ。
私はレッサーパンダの攻撃を避けて躍り掛かるとそのまま頸動脈に一撃、腹や脇腹に二刺し、目を横薙ぎに切り裂き、そのまま蹴り飛ばした。
レッサーパンダは頸動脈を切られて声も出せず、痛みに悶えた後にそのまま死んだ。
私は血糊を払うと事務所の壁を見てニヤリと笑った後、いつもとは違うアピールに動き出した。
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~別視点side~
レッサーパンダのヒーロー事務所襲撃から翌日の朝。
レッサーパンダの経営を預かっていた男がやって来た事で事件が発覚し、多くの警察とヒーローが駆け付ける事態となった。
「これは……酷い……!」
警官の一人がそう呟く程に内部は無惨に切り裂かれ、血が溢れ、時には臓器が飛び出してしまっている死体もあり、捜査に来た警官やヒーローの中には吐き気を覚えて現場を荒らさない為に慌てて外に飛び出す者までいた程だ。
ベテランの警官やヒーローまでも顔をしかめてしまう様な惨状の中、殺人事件として捜査を開始、被害者はプロヒーローであるレッサーパンダを含んだサイドキック全員。
相手は複数犯と最初は見ていたがある物を見てその考えは捨てた。
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事務所の壁に大きく、目立つ様に書かれた血文字がそこにあった。
現場から遠く離れた場所には別の死体があり、その現場にもメッセージがあった事から同一犯そして……単独犯の線が浮上した。
警察とヒーロー達はこの悲惨な殺人事件に怒りを覚え、犯人であるヴィランを取り押さえる為に徹底した調査をするも証拠は挙がらず難航する事になる。
そして、警察とヒーロー達は恐怖する。
最近になってメディアに取り上げられつつある""劇場型犯罪の元祖"にして伝説の殺人鬼"、
「……犯行は続くと決まったな……はぁ……切り裂きジャックの呪われた血筋は……消えやしないと言うのかよ……なぁ……ジル……」
その場にいた髭ずらの男のヒーローはそう呟いて壁に書かれる"