殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー 作:謎多き殺人鬼
緋色との一夜を過ごしてから朝になり、私は色々とした後、眠りはしたけどそれでも少し疲れが出て、緋色は肌がツヤツヤになった様な感じに見える。
今、朝食まで貰ってるのだけど……緋色のお父さんが凄い顔をしながら私を見てるんだけど……怖い……まるで憎い相手が目の前にいるかの様に見てくる緋色のお父さんに私は流石にビクビクとしながら朝食を食べるしかなかった。
因みに緋色は今日は登校なので雄英の制服姿だ。
「……緋色が随分と機嫌が良いが……昨夜は何かあったのか?」
突然、昨夜は何をしていたのか聞かれた私は昨夜の事を思い出してしまい目を反らしてしまうと緋色は賑やかに言う。
「ガールズトークですよ。女同士。気になる事や好きな相手の話をしていましたよ。それと……ちょっとジャレたりしてましたね」
「す、好きな相手……!?ジャレる……!?」
「(緋色!?)」
明らかに動揺とショックを受けている緋色のお父さんを見た私は昨夜、私と緋色が何をしていたのか察しているのは明白、そして更にそれを察した緋色がからかう様に言った事に私は勘弁して欲しいと思った時、緋色はいつの間にか朝食を食べ終えていた。
「それじゃ私はもう出ないと行けないので。ジル。また会おう」
「ち、ちょっと緋色!?」
「私も二人で話さなければならない事が出来た様だ。行ってくると良い」
私にとっての死刑宣告が緋色のお父さんから聞こえるとアーサーに鼻で笑われた。
緋色を向かえに来た諢は私の状況を見て同情すると言わんばかりの表情で見た後、緋色と出ていってしまい、残された私は緋色のお父さんの方を見るとそんなの出ない筈なのにオーラが出ている様に見える。
「……貴様……女だからと緋色に手を出すとは!!しかもまだ16歳だぞ!!」
「ご、誤解です!!お父さん!!……あ」
「誰がお義父さんだ!!!」
私の失言で怒りの火を点けてしまった私は涙目になりながら嵐が過ぎるのを待つしかなかった。
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~別視点side~
緋色はいつもの様に登校し、放課後まで授業を受けた後、やる事も無いので諢に向かえに来る様に連絡しようとしていた時、クラスの全員が突如として移動を開始した。
「何だ?急にどうした?」
緋色は謎の団体行動に戸惑う中、力斗と志奈の二人に聞くと力斗は呆れた様に言う。
「決まってるだろ神速。雄英体育祭に向けてヒーロー科A組に敵情視察だ。ヴィラン追っ払ったて言う奴等がどんなものか拝みに行くんだよ」
「私はお兄ちゃんが喧嘩しない様に着いて行くの」
「そう言えばもうすぐだったな……なら、私も行こう。ジルの事で気が病んでるだろうし様子を見に行こうと思っていたんだ」
「そうだよね……ジルさんは何処に行っちゃったのかな……」
「ふん。勝手に辞めていった奴の事なんか気にするな。……元気にしてるだろ。そんな事より今年の雄英体育祭で彼奴が辞めて空いた席には俺が座ってやる。必ずな」
力斗はそう言って決意を固めた瞳を二人に見せた。
絶対に譲らない……そんな強い意志が力斗から感じられた緋色はジルがもし、まだそこにいたら諦めていたのかと思いながらも良い心構えだと思えた。
「お兄ちゃん……」
「やれやれ。この普通科で一番気にしてるのは君じゃないか。もしかして惚れてたのか?」
「う、うるせぇ!!惚れるか馬鹿が!!ほら、行くぞ!!」
「はいはい(まぁ、昨日の内に僕が食べたから君の物にはならないしね)」
力斗からジルへの脈を感じた緋色は女の余裕を出しながらドスドスと歩いていく力斗に着いていった。
緋色達が来るとA組の教室前は既に人だかりが出来ており、緋色は予想以上にA組は注目されていると感じた。
「やっぱりヴィランを追い払った彼等はちがうね~。注目の的だ。……悪い意味でな」
「私……やっぱりヒーロー科にならなくて良かった……とてもA組みたいになれない」
「弱音を吐くな志奈。俺まで不安になるだろうが」
緋色達はそれぞれの感想を言う中、そこへA組で主席の爆豪勝己が現れた。
「敵情視察だろ雑魚。ヴィランの襲撃に耐え抜いた連中だもんな。体育祭の前に見ときてえんだろ。意味ねぇからどけ、モブ共」
「知らない人の事、取り敢えずモブって言うの止めなよ!!」
飯田の注意するが爆豪の挑発染みた言葉に集まった生徒達は苛立ちを覚え、緋色達も苛立ちと不安を覚えた。
「何だ彼奴……!」
「主席の人だよお兄ちゃん。私、苦手かもしれない……」
「ふーん。大した自信だな。慢心が過ぎる……と、言いたいがそんな感じじゃないな」
「何でだ?」
「ある意味では……君と同じだろうね力斗。負けられない。ただ、それだけだろうが良い目をしてるな」
緋色はヤクザの娘として幹部として培った洞察力で爆豪に良い判断を下すと生徒の群れの中から爆豪の前に現れた者がいた。
「どんなもんかと見に来たが随分と偉そうだなぁ。ヒーロー科に在籍する奴は皆こうななのかい?こういうの見ちゃうと幻滅しちゃうなぁ。折角、席が一つ空いたのに」
「心操か」
緋色は出てきた人物が同じ普通科の心操人使だと知ると意外だなと思っていた。
「普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったって奴、結構いるんだ知ってた?体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科編入も検討してくれるんだって。その逆もまた然りだってよ……敵情視察?少なくとも俺は調子にのってっと足元ごっそり掬っちゃうぞって宣戦布告しに来たつもり」
「「「(この人も大胆不敵だな!!)」」」
近くにいた緑谷、麗日、飯田はそうツッコミを入れてしまう。
「隣のB組の者だけどよぅ!!ヴィランと戦ったつうから話聞こうと思ってたんだがよぅ!!エラく調子付いちゃってんなオイ!!!本番で恥ずかしい事になっぞ!!」
「「「また不敵な人が来た!!」」」
三人はまたツッコミを入れた後、爆豪の方へ頼むから何も言わないでくれとばかりに見る中、このままでは喧嘩になるのではと緋色は考えて取り敢えず止めに入った。
「まぁまぁこれ以上の言い合いは止そう」
「誰だテメェ!!A組か!!」
「違う。俺と同じ普通科だ。制服をちゃんと見ろ」
「神速さん!」
「何だ?知り合いか?」
緑谷の反応に心操はヒーロー科の生徒が普通科の生徒と顔見知りな事に意外だと感じていた。
「まぁね……取り敢えず言い合いは終わりだ。此処にいつまでもいても埒が明かない。なら、決着は雄英体育祭で決めるべきだ。そうだろ?心操。それに……誰だ?」
「俺はB組の鉄哲徹鐵だ!!」
「そうか。私は神速緋色だ。よろしく。爆豪も異論は無いな?」
緋色はそう聞くと爆豪はそのまま黙って群衆を押し退けて帰ろうとする所で切島が、文句を言う。
「待てコラ!!どうしてくれんだ!おめーのせいでヘイト集まりまくったじゃねぇか!!」
「関係ねぇよ……」
「はぁーーー!?」
「上に上がりゃ関係ねぇ」
爆豪はそう言って帰ってしまうと緋色はジルが嫌っているのにそれなりに気に掛けている理由がそれなりに分かった気がすると近くにいた生徒の話が聞こえた。
「知ってる?雄英体育祭に欲強議員も来るらしいよ」
「あの慈善活動で有名な議員さんが?」
「そうなのよ。選挙活動が目的と言う訳じゃないらしいけどその場を借りて犯罪抑止と差別の反対を訴える事になったらしいよ」
「(へぇ……雄英体育祭にあの議員が……ジルに知らせるとするか。まさか体育祭に乗り込むなんて事はしないだろうけど)」
緋色は聞き耳を立てた後、思いがけない形でジルに伝えるべき情報を手に入れ、後で知らせる事になった。
~side終了~
私は緋色のお父さんをどうにか宥めて事務所に帰って来るとソファーに深く座りながら緋色に対して流石に恨み言の一つは言ってやりたいと思った時、スマフォの電話が鳴り、私は電話に出た。
《ジルか?今日は》
「緋色。先ず、謝らなきゃいけない事があるよね?」
《いや……その……》
「緋色」
《……ごめんなさい》
「全く……冗談も程々にして。あれから色々と大変だったから……それで連絡を入れたのは何で?」
《それが実は》
私は緋色が今日、起きたら出来事のあらすじを聞き、勝己は相変わらずだななんて思いながら私は欲強議員が雄英体育祭に現れると聞いた。
「まさか体育祭に出てくるなんてね」
《オリンピックに取って変わった行事だからな。注目を求めたいなら雄英体育祭だろうし何より悪い事を言いに行く訳じゃない》
「言ってる事とやってる事は違うけどね」
私は賄賂を受け取る写真以降、欲強議員の不正と疑惑を暴きつつあった。
人身売買、違法薬物、暗殺、脅迫と挙げれば切りが無い程に悪事を働いている事が分かった。
しかし、こう言った情報の出所は全て綾乃経由。
此処まで詳しく調べあげる綾乃にまるで欲強議員に消えて貰いたいとばかりの憎しみ感情が見え隠れしている。
本当に私の味方なるつもりか或いは利用するだけに近づいたかは真意は分からない。
だけど分かる事は一つ……欲強議員は裁かれるべき悪だと言う事。
「……綾乃を呼ぶわよ」
《なに?》
「綾乃の個性なら雄英に入り込めるのでしょ?なら、乗り込んで殺す」
《待て待て。雄英体育祭は他の体育祭とは違うんだぞ?警備はヴィランの襲撃があってからかなり高まっていて更にスカウト目的で訪れるヒーローが何百人と来る様な所だ。しかもオールマイトもいるんだぞ?》
「そうかもね。でもね……知らしめたいのよ。法から逃れる悪に安全な場所は存在しないって事をね。私、指名手配犯だから顔バレも問題ないわ」
《君はな……分かった。でも、雄英内では僕は助けてあげられない。それは分かってるね?》
「うん。分かってる。何とかするわ」
《何とかね……当日、健闘を祈るよ。頼むから捕まらないでくれ。もし捕まったら僕は……》
「大丈夫よ緋色、私は捕まらないから。それじゃあね」
私はそう言って電話を切ると一息ついた。
~別視点side~
明かりを点けていない暗い部屋。
そこでは綾乃が床に座りながら狂気的な笑みや営業スマイルも無い無表情か顔で置かれている写真を見ていた。
綾乃の父とそして母。
理不尽な理由で殺された二人、そして自分の身体を好き勝手にしたヴィランは捕まらず時効を迎えつつある事に怒りを覚えつつも不適に笑った。
「もうすぐだからね……お父さん……お母さん……もうすぐで彼奴を地獄に落とせる……でも、万が一の時は……」
綾乃はそう言って立ち上がると衣服をしまっているタンスの引き出しの一つを開け、服の間に無造作に手を突っ込むとそこからある物を取り出した。
そのある物とは……拳銃だった。
ヒーロー社会の今でもヒーローでもない一般人が銃を持つ事は違法行為であり、昔よりも手に入れやすい環境とは言え見つかれば逮捕は免れない代物だった。
「私が……仇を取るからね」
綾乃はそう言って冷たい憎しみを宿しながら笑っていた。
~side終了~