殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー 作:謎多き殺人鬼
二つの選択肢。
私は迫るタイムリミットの中、私が選んだ答えは。
【それでも助けに行く。見殺しにはできない】
私の答えは決まった。
迷う必要はもう無く、私は野次馬を押し退けて駆け出した時、私と同時に駆け出した人影があった。
その人影には見覚えがある……いや、と言うより学校であってまだそこまで時間が経ってない。
「何してるの出久君!?」
「霧先さん!?」
まさか私と同じタイミングで尚且つヘドロの所に行こうとするなんて驚き過ぎてそれ以上、言葉が続かない。
「馬鹿ヤロー!!止まれ!!止まれ!!!」
ヒーローの誰かの怒鳴り声が聞こえるけど賽は投げられた。
後戻りなんてしていたら勝己は今度こそ助からないのが目に見えているのに引き返せる訳がない。
「出久君!貴方は引き返して!死ぬわよ!」
「霧先さんこそ死ぬかもしれないのに何で!」
「私は彼奴が嫌いでも見殺しになんて出来ない!ヒーローが動かないなら私がやるだけだと考えてたら走ってたのよ!」
「僕も気が付いたら走ってて……と、とにかく!行動しなきゃ!」
出久君はそう言ってヘドロの近くまで走り抜くと持っていた鞄をヘドロに投げつけヘドロが一瞬、怯んだ所で勝己の元へ飛び込んだ。
『おいおい。彼奴まで捕まるぞ?』
「無個性なのに無理して……だったら私も覚悟を決めるわよ!」
私は二人を助ける為に個性を使う事を決め、左手にナイフを生み出すとヘドロの目に目掛けて投げつけた。
「うぉッ!?ナイフだと!?何処から飛んできた!?」
ヘドロはナイフを避けたが目をナイフの投擲で狙われたと言う事実によって怯み、勝己の拘束を緩ませる事ができた。
私はその隙を突いて勝己の腕を掴んでいる出久君ごと掴み、勢いよく引っ張り出した。
私は二人を引っ張り出すと二人は荒い呼吸をしておりすぐには動けそうにないがとにかくこれでヒーロー達は動ける筈だ。
「よくも俺の邪魔をしたな小娘!死ねぇ!!!」
私がそれを聞いたときにはヘドロの腕が迫っていた。
殺される。
私はその考えが過った時、意識が途絶えていく……そんな中、アーサーが話し掛けてきた。
『やれやれ。無茶をする奴だ。まぁ、良い。後は俺に任せて寝てろ』
私はその言葉を聞くと同時に意識を手放してしまった。
~周辺side~
ヘドロのヴィランがジルを殺そうとしている。
その事実がヒーロー達と出久達を焦らせ、ヒーロー達は必死に駆け出すが距離的に間に合わない位置にいるせいで間に合わない。
ヘドロのヴィランの攻撃が当たる……その事実が出久達が認識した時、ヘドロのヴィランの腕が吹き飛んだ。
いや、正確には切り飛ばされた。
「な、なに!?」
出久は急な事態に驚く中、そこにはヴィランに殺される掛けていたジルの姿があるが左手には大きめのナイフが握られ、雰囲気とは違う何処か荒々しく強い殺気を放っていた。、
「全く……最近のガキは無茶をするのが流行りなのか?まぁ、良い。おかげで俺がこの場に出られたんだ。感謝するぜヘドロ野郎」
明らかに話し方が違う事に出久も咳き込む勝己も気づいた。
まるでお手本の様に礼儀正しいが何処か抜けてもいるが丁寧な喋り方は忘れなかったジルが男口調で喋るなど知り合いから刷ればあり得ない話だった。
「き、貴様!俺の腕を!」
「あぁ?ヘドロの癖に腕を切られたのが嫌だったのか?どうせすぐに戻るんだろ?」
ジルはそんな事は言わない。
付き合いは短いがジルはどんな理由があろうと犯罪行為は悪だと言い切れる様な人物だ。
出久はジルでありながらジルではない誰かを見ているしか出来ずにいるとジルが出久達の方へ振り向く。
ジルの顔は笑っており、そして左目の瞳が赤かった。
「何している?無謀な行動を無駄にするつもりか?早く逃げろ」
「き、霧先……さん……?」
「ほらほら早く行け。巻き込まれるぞ」
ジル?はそう言って出久達を逃がそうとした時、ヘドロのヴィランが不意を突いて再び攻撃をするがジル?は無駄もない小さな回避だけで攻撃を避けると再びヘドロのヴィランにナイフで切りつけた。
一撃、二撃、三撃と連続して入るジル?のナイフは確実にヘドロのヴィランを追い詰め、そして遂に体力が尽きたのはヘドロのヴィランとなった。
「これにてチェックメイトだ。ヘドロのヴィラン君?」
「く、くそ……何なんだよ!お前!ナイフなんか使いやがって!」
「これは正当防衛。身を守る為なら致しかたないじゃないか?まぁ、良い。お前に刻んでやるよ……"
ジル?はそう言ってナイフを逆手に持ち変えると振り下ろそうとする動作を見せたら。
「や、止めろ!そこの君!それ以上は正当防衛じゃないぞ!」
ジル?の行動を見て何をするつもりなのか察したヒーローの一人、シンリンカムイが叫ぶがジル?は止まりそうになく、そのままナイフが振るわれようとした所で出久がジル?の身体に抱き付く様に掴み掛かる。
「もう止めようジル!それ以上は駄目だよ!」
「あぁ?邪魔だぞ出久。退け」
ジル?の退けと言う言葉を聞いた出久は身体中が刃物で刺される様な殺気を感じ退きそうになるが放してしまったら取り返しの着かない事になるのは明白。
出久は恐怖で逃げ出しそうになりながらも必死にしがみつく中、ヘドロのヴィランは逃げ出そうとするもそこに体格の大きい人物が現れた。
「少年の言う通りだぞ少女。幾らヴィランとは言え殺人は許されない」
その人物はそう言ってジル?とヘドロのヴィランの間に立つと拳を振るう。
「DETROIT SMASH!!!」
その人物はまさに必殺技とばかりにそう叫び、振るわれた拳はヘドロのヴィランを吹き飛ばし、発生した上昇気流によって雨が降った。
「へぇ、凄いな。あんたがオールマイトか?」
「そう言う君こそ霧先少女だね?」
「何だ?NO.1ヒーローが俺を知ってんのかよ?」
「君のお父さんからよく話を聞いているからね。君には"二つの人格"がある事もね」
オールマイトの言葉にジル?は余計は事を言ったなとばかりに舌打ちするとオールマイトは続ける。
「さぁ、君はそろそろ本当の霧先少女に身体を返すべきだ」
オールマイトは拒否は許さないと言葉で示さなくても伝わる威圧的にジル?は溜め息を吐いた後、ナイフをしまう。
「分かった分かった。じゃあ、後はよろしく。しっかり支えろよ?」
「支える?…ッ!?霧先少女!」
ジル?は突然、意識を手放し、倒れようとした所でオールマイトが慌てて支えた。
先ほどの狂暴な気配は無く、眠る様に気を失っているジルにオールマイトは黙って見つめるだけだった。