殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー 作:謎多き殺人鬼
雄英体育祭の騒動から一週間後、私は智枝美との約束を果たす為に診療所へやって来た。
緋色からは目的の場所からヒーローを遠ざけて貰い、私は変装をして智枝美との買い物に付き合うと言った具合だった。
そう……そんな具合だったのだけど……
「本当に大丈夫かい?ジル君がいるとは言え、私から離れて買い物に行くのはやはり心配だ。ジル君から離れたりするんじゃないぞ?それと危ない事もやめるんだぞ?」
「もうお父さん!朝から何度も聞いてるわよ!もう!」
外堂先生が智枝美の事が心配になり過ぎて何度も引き留めては注意し、智枝美は少しウンザリした様子を見せていて私は心配なんだなって苦笑いした。
「ジル君。智枝美の事をくれぐれも頼むよ?」
「はい。責任を持って預かりますから」
「行ってきますお父さん!」
私は智枝美を連れて診療所を出ると智枝美は私の手を握ってつなぐと微笑み、私は微笑み返した。
~別視点side~
その頃、綾乃はインゲニウムが運ばれた病院である保須総合病院へとやって来ていた。
綾乃は受付を済ませてインゲニウムこと飯田天晴の病室の前へやって来ると迷う事もなく開け放った。
「失礼しますよインゲニウムさん」
「広瀬さん。わざわざお見舞いに来て頂いてすみません」
「長く贔屓させて貰ってますからね。それはそうと怪我の方は?」
「……下半身麻痺だそうです。もうヒーローとして活動出来ないそうです」
インゲニウムのその言葉に綾乃は笑う事もなく無表情でインゲニウムを見つめる。
「あはは……駄目ですよね。弟の為にも笑っていないといけないのに」
「……あまり、無理しないで下さいね。天晴さん」
「珍しいですね。貴方が名前で呼んでくれるなんて?」
「ヒーローを辞めるならヒーロー名ではなく、本名で呼ばれる事に馴れないといけませんよ」
綾乃のもっともな言い方にインゲニウムは笑った。
インゲニウムのその笑顔の裏には最後まで
弟は友人であり、冷酷な殺人鬼であり、悲しみを見せる少女。
インゲニウムはもう二度とヒーローとして彼女を救えない。
~side終了~
私は智枝美と一緒に近くのお店が建ち並ぶ場所に訪れると洋服屋やスイーツ店、アクセサリー店と色々な店がある中で私は智枝美が行きたい所に行くつもり。
「沢山あるけど……どうする?」
「お洋服屋さんに行きたい」
「うん。なら、行きましょうか」
私は智枝美の手を引いて洋服屋へと入ると私達は彩り鮮やかな服を選びながら試着……と言うより殆ど智枝美にさせてたりした。
いや、私は今は変装をしてるから試着は少し無理があるからそんなに頬を膨らませて怒らないで智枝美。
次はケーキを主に販売しているスイーツ店へ足を運ぶと私はガトーショコラを頼んで智枝美はショートケーキを頼んだ。
飲み物には智枝美はミルクティーを頼んで私は……
「(こんな所まで止めてよ!珈琲を飲むの!!)」
『紅茶にしろ!前にも散々、飲ませてやったろ!!』
「(私は甘いものには苦い珈琲って決めてるのよ!!)」
「どうしたの?」
「い、いや……何でもないから。珈琲お願いします。ブラックで」
『おい!!』
アーサーと喧嘩しながらも智枝美と美味しいケーキを食べながら頼んだ飲み物を飲んで楽しむと今度は適当にふらついていると路上ライブをしている集団がおり、私達は流れる音楽に耳を傾けた。
私達は思い々に楽しむと次に寄ったのがアクセサリー店だった。
髪止めやリボンと様々な物が売られていて何れも智枝美に似合いそうな物ばかりだった。
「何れが良い?」
「うーん……これかな」
そう言って智枝美が手にしたのは……青いリボンだった。
私が過去に身に付けていた両親からの贈り物だったリボンはもうあの家に置いてきた。
智枝美の手に取った青いリボンを凝視してしまったけど私はすぐに笑顔になって誤魔化した。
「素敵ね。きっと似合うわよ」
「違うよ。お姉ちゃんに着けてほしいの」
「私に?」
「うん!きっと凄く似合うと思う!」
智枝美のその言葉に私は迷ってしまうけど……智枝美を悲しませるといけないから買う事にしましょう。
「ありがとう智枝美。帰ったら着けてみるわね」
私はそう言って智枝美と一緒にリボンの会計をした後、私達は良い時間なのでそろそろ帰る事にした。
「今日はありがとう。楽しかったよお姉ちゃん」
「別に良いわよ。気分転換も出来たしね」
私はそう言って微笑むと智枝美も微笑み返してくれた。
今日は智枝美のお陰で良い気分転換になったし、また機会があれば智枝美や緋色と一緒に行こうかな。
~別視点side~
ジャスティスは自分の事務所で思考を巡らせていた。
霧先ジルこと
ロンドンにいた時から半信半疑ながらも調べている内にその存在が今もなお存在し、この日本にいると確信した。
グリーン・メイスン。
かつて19世紀のロンドンでは子供の躾に使われた秘密結社で緑頭巾の者達が子供を拐うロンドンの暗躍する者、グリーン・メイスン。
そんな感じで現代でも都市伝説めいた話があるがジャスティスはその存在が日本におり、尚且つ昔に嵌められた欲強議員と繋がりがあったと掴んだが生憎、ジルに始末された。
折角の手掛かりが無くなり途方に暮れて溜め息をつくジャスティスの元へレディ・クイックがやって来た。
「ジャスティス。今日の見廻りの報告に来ました」
「そうか。ありがとう。お前は真面目で良いな」
「普通ですよ。それよりも今回、切り裂きジャックの動きが今日は無かったです」
「……彼奴も休む事を覚えたか」
「ジャスティス?」
「いや、何でもない。ご苦労さん。休んでて良いぞ」
ジャスティスはそう笑いながら言うもレディ・クイックは動かなかった。
「何だ?まだ何かあるのか?」
「……レディ・ナガンの事件についてです」
「お前……それをまだ追っていたのか?」
「当然です!彼女は……彼女は確かに罪を犯しました!!しかし、事実と異なる罪を着せられた!!彼女は本当の罪で償うべきです!!」
「俺だってどうにかしたいが……公安が相手だ。しかも暗部のな。俺だってこんな事は言いたくない……諦めろ」
「ッ!?ジャスティス!!」
レディ・クイックは怒りを露にして机を強く叩くもジャスティスは動じずに話す。
「なぁ、打美。確かに昔の俺は罪を暴く為なら汚い手段だって使ってきた。だがな、それをやり続けた事で全てを失った。幸い、支えてくれた奴がいて立ち直ったがお前にはいない。お前の憧れで師であるそいつはタルタロスの中。お前に何かあっても俺は助けられないかもしれない」
ジャスティスのその言葉を聞いたレディ・クイックは怒りを露にしながらその場から去るとジャスティスは深い溜め息を吐いた。
「(悪いなぁ打美。俺が公安なんかに目を付けられちまったばかりにな。今、俺は公安なんかに邪魔される訳にはいかねぇんだ)」
ジャスティスはそう思いながらまだ手掛かりがあるか調べていく。