殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー    作:謎多き殺人鬼

45 / 109
保須へ

私は久しぶりに休みを満喫して楽しんだのだけど……いざ、仕事に出ようとしたらいつの間にかヒーローがわんさか歩き回ってるし、A組とB組の生徒がコスチューム着て同伴してる姿も見かけた。

 

「それは多分、職場体験だろうな」

 

様子を見に来た緋色のその言葉に首を傾げていると私は体育祭の本来の趣旨を思い出した。

 

「あぁ、雄英体育祭のね。ヒーロー達もスカウト目的で沢山来てたし」

 

体育祭にな多くのヒーロー達がスカウト目的で来てた。

 

あれだけいて誰一人として動かなかったのは後で疑問に思ったりしてだけどそれは良いとして今は。

 

「飯田君は……やっぱり?」

 

「保須のノーマルヒーロー、マニュアルの所に行ったらしい。保須はヒーロー殺しが出没した街だ。全く……ジル。これは明らかな私怨だ。お兄さんの仇であるヒーロー殺しを追おうとしている。でなければ態々、ヒーロー殺しが出没した保須に事務所を構えるマニュアルの所なんて行かない」

 

「……そうよね。本当に馬鹿な委員長よ。普段は馬鹿真面目な癖に私情に振り回されるなんてね。……だから……飯田君の無念は分かる。私だって母さんの仇を追ってるもの。でも、飯田君はヒーローを志している。仇を討つ為に全てを溝に捨てる必要はない」

 

私はそう言い切り、拳を握りしめると緋色は小さく溜め息をついた。

 

「つまり、行くんだね。保須に?」

 

「復讐するつもりなら止めてあげないといけない。雄英出身の復讐者なんて私一人で十分よ」

 

私はそう言うと緋色は仕方ないなと笑った。

______

____

__

 

私は飯田君が行ったとされ、ヒーロー殺しが今もそこに潜伏していると思われる保須へと足を運ぶと私は路地を歩く中、私は背後に気配を感じて振り替えるとそこにはヒーロー殺し、ステイン本人がそこにいた。

 

「この保須に何の用だ……ハァ……切り裂きジャック?」

 

「元クラスメイトに忠告に来たのよ。貴方が潰したヒーロー……インゲニウムの弟が貴方を探してる」

 

「ハァ……インゲニウム?」

 

「足をやったのでしょう?覚えてないの?」

 

「知らんな……インゲニウムなどに手を出してはいない。ハァ……」

 

ステインの主張が正しいならインゲニウムは誰にやられたと言うのかしら?

 

私は思考を凝らしているとステインは立ち去る素振りを見せている。

 

「ハァ……要件を済ませたいのなら早くする事だ切り裂きジャック…………もし、その弟を俺を見つけたら……殺す」

 

「……何で?」

 

「ヒーローが私情で動く事は許されない……その弟は私怨に駆られて俺を探しているのなら……ハァ……そいつも偽物だ」

 

ステインはそう言い放ってその場から立ち去ってしまった。

 

私は残された時間は少ないと考え、このままでは飯田君がステインを見つけてしまえばすぐにでも殺される。

 

「全く……本当に世話の焼ける委員長ね……」

 

お願いだから飯田君……ステインを見つけないでね。

 

~別視点side~

 

ステインとジルが話していた頃、飯田天哉は保須に事務所を置くノーマルヒーロー、マニュアルの元に職場体験に訪れていた。

 

一見すると普通の行いだが飯田の捉える視線は全て路地に集中していた。

 

「(ヒーロー殺し……現代社会の包囲網でも捉えられぬ霧先さんいや、切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)と同様の神出鬼没ぶり。無駄な事かもしれない……それでも今は追わずにはいられない。僕は彼奴が許せない)」

 

飯田の心にはステインへの憎しみ、殺意が芽生えていた。

 

本能が兄を傷付けたヒーロー殺しに対し復讐すべきだと訴えているのだ。

 

しかし、同時にヒーローとしての心がそれを許さない。

 

理性は兄の意思を継いでヒーロー殺しを捕縛すべきだと告げているのだ。

 

「(僕は……どうすれば……ジルはこんな思いを抱きながら殺人鬼になったのか……)」

 

飯田は母が殺されたジルの感情がこんな風に分かれた末に殺人鬼に墜ちたのかと理解した。

 

飯田には最初は何故、ジルが殺人鬼に墜ちてしまったのか理解しきれなかった……したくなかった。

 

だが、もう誤魔化せない……飯田の心は今、ジルと同様に復讐の心に耳を傾けようとしているのだから。

 

~side終了~

 

私は一日中、飯田君を探して歩いたけど指名手配されている都合もあって探せる範囲に限界があったせいで全く成果が無かった。

 

「最悪ね……これだけヒーローに彷徨かれてたら……」

 

私は舌打ちして難航する捜索に手を焼いていると後ろから足音が聞こえた。

 

振り替えるとそこには鋭い視線を向ける父さんのサイドキック、ジャッジがそこにいた。

 

手にはトンファー型の警棒が握られているから間違いなく私を捕まえに来たのは確かだった。

 

「切り裂きジャック。やっと見つけたぞ」

 

「……久しぶりねジャッジ。何で私を見つけられたの?」

 

「少ないがお前の目撃情報を元に居場所を洗い出した。そこからは難しいが……お前の中途半端な善、悪のオーラは変わってなかったんでな。視線に入れば簡単だったのさ」

 

「そう言えば貴方はそう言う個性だったわね」

 

『やるねぇ……戦闘に特化しないからこそ、こう言う使い方をするのか。これは厄介な相手になるなぁ、ジル?』

 

ジャッジの個性で審判……単純に善悪を見分ける個性だけどこうして変装してり、隠れる相手を見つけるのに適しているのは厄介ね。

 

いつの間にか雨が降り頻る中、私とジャッジは対峙した。

 

「切り裂きジャック!テメェを殺人罪で拘束する!大人しくしてれば痛い目に合わせたりはしねぇぞ?」

 

「はッ!大人しく捕まるとでも?」

 

「そうだろうな!!」

 

ジャッジはそう言って警棒を振るって来ると私は素早くナイフを手にすると警棒を受け止める。

 

硬質な音が路地に鳴り響く中、ジャッジから距離を置いてから素早く懐に入り込んで顔に向けてナイフを振るうけどジャッジはそれを紙一重で躱してから警棒を持たない手で私を殴って来た。

 

私はそれを腕で防ぐと蹴りを入れて離れさせてからナイフを右肩に投げつければジャッジはそれを避けて私に接近すれば警棒を何度も振い、私も応戦して警棒をナイフで防ぎつつ、ナイフで切り付け、ジャッジも警棒で防ぎながら攻撃する。

 

一進一退の攻防に私はジャッジが予想以上に強い事に驚きと焦りを覚えた。

 

「(強い……!)」

 

『あの警棒の技……ロンドン市警か。何度もやり合ったが訓練を施された市警を何度も相手にしたが……彼奴は別格だな。シャーロットみたいだ。やれるか?』

 

「(大丈夫よ。でも、不安ね……)」

 

私はそうアーサーに言うとジャッジは叫んできた。

 

「切り裂きジャック!!テメェがやっている事は偽善だ!!法に基づかない私刑が何をもたらしているのか分かっているのか!!」

 

「ヒーロー達の士気が下がった事?それともヒーローの信用が失いつつある事?全部、自業自得よ!!ヒーロー達はそれだけ怠慢だったと言うだけでしかない!!」

 

「ちげぇよ馬鹿が!!テメェは確かに悪人を裁いてるだろうがそのせいでテメェの言った通り、ヒーロー達の士気と信頼は下がった!!それだけならマシだ。だが、信用を無くした事でヒーロー達への通報に戸惑う奴が出てきた!!そのせいで被害が死人が出る程に大きかった!!その理由が何だと思う?ヒーローよりもテメェの方が良かったなんてほざいたのさ!!」

 

「ッ!?」

 

私はそれを聞かされて動揺を覚えた時、ジャッジの警棒と私のナイフで噛み合い、互いの顔が近い程に接近した。

 

「テメェのやった結果が人を傷付けた!!そして殺したんだ!!」

 

「……そうね。それが私のした事の結果なら悔いるわ。でも、悪党を一人殺せばこの先の百人は助けられる!!私のやっている事は無駄じゃない!!それに法で裁けないのに貴方達はどうするつもりよ?私よりも野放しにする様な法こそが間違ってるのでしょう!」

 

「これは受け売りだがな……法や制度は人が作った物だ。完璧じゃねぇ。だがな、全てが誤りじゃねぇ筈だ!」

 

「だけど!その誤りの部分が弱者を踏みにじり、苦しめ、権力者や法から逃げる悪を生き長らえさせている!そんな奴等を相手にするなら同じ土俵に登ってでもいえ、その上を行く悪党にならなきゃいけない!」

 

私はそう言い放つとジャッジは力任せに跳ね除けた。

 

でも、私は怯まずに間合いを詰めてジャッジに切り掛かるけどジャッジは動じる事もなく冷静に突き出されるナイフの刃を警棒で的確に弾いていく。

 

「確かにな……俺もかつてはそうだった……だが、俺を胸を張ってヒーローだと言わせてくれたジャスティスに言われた事がある!毒を以って毒を制してはならない!どんなに許せない相手でも、心の底から憎い相手でも、与えられた役目を果たす。それがヒーローとしての在り方だってな」

 

ジャッジのその言葉を言い終わると同時に私はナイフを勢いよく振るうとまた、警棒とナイフが噛み合った。

 

「心意気なんかで犯罪なんか無くせないわよ!建前だけ……虚しい言葉よ。でも、貴方にはそれを言う資格はありそうね」

 

「資格なんて興味はねぇ。だがな……ジル。俺達はお前を信じていたんだぞ?俺が……俺達がもう少し、テメェを疑っていれば此処までの犯行を許さなかった筈だ。テメェが罪を犯した可能性に俺は気付いていたがそれを言えなかった。何故だとおもう?……信じていたからだ!!俺がもう少し疑い深い性格だったなら行動はもっと早く出来た筈だった」

 

「そうね。私は周りの皆を裏切った……それは覆しようがない事実。だけどそれを選らんだのは私!私の選択よ!!選んだ選択への責任を取る覚悟でやってるのよ!!今更、裏切ったなんて不意目を感じてる暇なんて無いのよ!!」

 

「ジル。お前もそうだったろ?悪を許さない、人を助けたい。その思いはお前の周りのいた奴等も強く抱いていただろ?なのに自ら否定してきた物を自ら被りに行った事に……罪悪感すら感じなくなったのかよ!」

 

「そんな物!!」

 

「ジル!!お前にまだ引き返したい気持ちがあるなら戻ってこいって言ってやりたかった!だが、現実は非常だな!テメェはもう戻る事すらねぇ冷酷な殺人鬼だ!!」

 

ジャッジはそう叫ぶと私を蹴り飛ばして地面に転ばすとそのまま上にのし掛かり、押さえ付けた。

 

「切り裂きジャック!!テメェを拘束する!!」

 

「離しなさい!!離せぇッ!!」

 

「離さねぇよ!!テメェに罪を償わせてやる!!観念しな!!」

 

私はこのままでは逮捕される……最悪な考えと共に観念する時が来たと思った時、何処からか爆発音が鳴り響いた。

 

「何だ!?」

 

ジャッジが驚いて拘束の手を緩めた時、私は咄嗟に力強くで押し退けると駆け出した。

 

「待て!!……クソッ!」

 

その声からして追跡よりも爆発で起きた民間人の安否の方が先だと判断したと私は思うと出来る限り早くその場から離れた。

 

一体……何が起きてるのかしら?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。