殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー 作:謎多き殺人鬼
私は二人に対峙する中、最初に動いたのは轟君だった。
右手の氷で地面を殺させて来るのを確認すると私は地面を強く蹴って跳ぶと壁を蹴る様に跳び跳ねるとそのまま轟君の左肩に目掛けてナイフを突き立てようとすると出久がカバーに入り、空中にいる私に向かって拳を振るい、私はそれを防ぐと凍った地面を転がると今度は轟君が炎を操って私を牽制して離れさせた。
「ジル!君は犯罪を……悪を誰よりも許さない人なんだって思ってた!誰よりも優しくて良い人だって!オールマイトだって君の事は善人だって言っていたのに!!」
「善人……?それは間違いよ。良い!善人はね……悪人に負けるのよ。騙されて、搾取され、惨めに死ぬの。善人ばかりが死んで悪人は自らの手を汚さずに闇に潜む!知ってるでしょ?欲強議員の汚職を。……あんな奴等を潰すには善人じゃいられない!だから……私は悪人にだってなってやるわよ!!」
私は出久にそう叫ぶとナイフを投擲し、出久はそれを紙一重で避けるけど私は一瞬の隙を見逃さずに駆け出し、出久の腹に蹴りを入れ、次にナイフをまた生み出して轟君に横薙ぎ振るうと轟君はそれを頬を掠めながらも避けて炎で牽制しつつ氷で捕縛しようとしてくる。
私は炎と氷を上手く躱しながら轟君の隙を見つけながら切りつけたり、投擲して攻撃していく。
「お前とはあまり関わってないがはっきり言えば殺人鬼になるなんて思いもしなかった」
「そうよね。普通、思いもしない。でも、現実は常に非情。見ての通り私は殺人鬼、
「テメェは
「別に本物、贋物とか気にしないわ。結果は行動で示す。私が
私は轟君にそう言うと轟君を掴むと向かって来ようとしていた出久に向けて投げてぶつけると二人して地面に倒れた。
「情けないわよ二人とも。女一人に男二人揃って手こずってどうするの?」
「クソッ……!」
「くッ……!」
「はぁ……もう良いわ。弱い貴方達にいつまでも構ってる暇はないのよ」
「うおぉぉぉぉぉぉぉッ!!!」
私は立ち去って仕事に行こうとした時、飯田君が私に向かって走ってきた。
その眼は憎しみに満ちていないヒーローとして決意を固めた眼だ。
「レシプロバースト!!」
「ッ!?」
私は咄嗟に腕で防ぐけど強い衝撃と共にナイフが飛ばされてしまい、武器を失った状態でまた飯田君が蹴りを入れてくるのを私は避けて後ろに大きく後退した。
「飯田君!!!」
「解けたか。意外と大した事がねぇ個性だな」
「二人ともすまない……僕がどうかしていた」
ステインの個性で動きを封じられていた飯田君が解けた事で事実上の一対三となった。
「あら、飯田君。意気消沈してた癖に闘うの?私に対して報復するの?」
「違う……あの時、どうかしていた。僕は自分の憎しみに負けて殺意を抱いてしまった。ヒーロー失格だ……だが、此処で立ち上がらなければ二度と彼らに、兄さんに追い付けなくなってしまう!僕は折れる訳にはいかない……僕が……俺が折れればインゲニウムは死んでまう」
「……良い眼ね。好きよ。その眼をして欲しかった。飯田君。忘れないでね。貴方はヒーローなんだから」
私はそう笑顔で言うと三人は身構え、私は折れたナイフの代わりとして個性でナイフをもう一度、生み出して構え直して戦闘を再開した。
成長して怪我をしない出久、氷と炎の強個性の轟君、エンジンによる高速のインゲニウム。
三人は強く、私は押される中、ナイフを振るい、投げ、蹴り、殴り、掴んで投げると攻撃を避けつつ反撃してもこの三人は攻めの手を緩めない為に隙を見せてしまった私は出久の攻撃を防ぐけど自分に有利な地形だった路地から大通りに飛ばされてしまった。
「むッ!あれは切り裂きジャックか!?」
その声に私が振り向いた時、目の前に私を飛び蹴りしようとしている老人のヒーローがいた。
私は咄嗟に飛び退いて避けると老人のヒーローと対峙した。
「やるじゃないか。若い癖に良い反射神経だ。ヴィランにするには勿体ないな」
「それはどうも、お爺さん。誰なの?」
「グラントリノだ。覚えておけ小娘」
老人のヒーロー、グラントリノ。
聞いたことがない……でも、あの飛び蹴りではっきり分かる。
実力はあるけど無名のヒーローと言う事がね。
「ジル!て、グラントリノ!?」
「んなっ……何故、お前が此処に!?座ってろっつったろ!!!」
「ごめなさい……」
怒られてるみたいだからどうやら知り合い……と言うより出久の職場見学先みたいね。
出久の成長を助けれる様なヒーローが無名……世の中も分からない事が多いわね。
「逃がさないぞ霧先さん!!」
今度は轟君と飯田君まで出てくると次は脳無に対応していたヒーロー達まで駆けつけ私を見ると身構えて戦闘態勢に入った。
「まさかヒーロー殺しだけではなく切り裂きジャックまでいるとは!?」
「保須は呪われてんのかよ!!」
「ちッ……鬱陶しいわね」
私はヒーロー達を睨むと割りと簡単に気圧されて後退りするヒーローがチラホラといて私は情けないヒーローに苛立ちを覚えた。
「聞いて呆れるわね。ヒーローが数人いて殺人鬼一人に怯えるなんて……情けない。本当に情けない」
私の言葉にヒーロー達は目を逸らして誤魔化そうとするけど遠慮なく言ってやるわ。
「貴方達はヒーローなのよね?どう?殺人鬼一人が好き勝手に活動して挙げ句の果てにはヒーロー扱いされてる姿は?」
「……お前なんかヒーローじゃない」
「はっきり視線を合わせてから言いなさいよ。弱虫ヒーロー」
私はせめてもの反論程度にとほざいてきたヒーローにそう言うとそのヒーローは黙りを決め込んだ。
「はぁ……ステインが活動したくなる理由が分かるわ。情けなさ過ぎる。こんなのが大勢いるなんてね」
「そろそろ止めてやりなジャック」
私がヒーロー達を酷評する中、グラントリノが話し掛けてきた。
「確かにあの姿は情けないが……お前は自分の威圧を知らないで出しているのか?寒気がする様な殺意が嫌でも分かるぞ」
グラントリノに言われて私は首を傾げていると何処からか羽ばたく音が聞こえた時、グラントリノが叫んだ。
「伏せろ!!」
その叫びと共に羽で飛んできた脳無が急降下してくるとそのまま出久を鷲掴みして飛び立とうとしていた。
「なに、どさくさ紛れて人拐いしてんのよ!!」
私はそう叫びながら咄嗟にナイフを投擲して脳無の翼に当てたけど飛ぶバランスを奪った位でまだ飛び続けてる。
このままだと本当に出久が連れ去られてしまうと思った時、脳無が急に力を抜いて出久を放した後、その出久を掴んで怪我をしない様に落ちていく脳無を仕留めるステインがそこにいた。
「ステイン……」
私はてっきり何処かへ姿を消したのかと思っていたけどまだ近くにいるとは思わなかった。
「贋物が蔓延るこの社会も徒に力を振りまく犯罪者も粛清対象だ……ハァ……ハァ……全ては正しき社会の為に」
ステインはそう言って手にしていた刃物を脳無から引き抜くと私に視線を向けた。
「だから……行け、切り裂きジャック……お前の信念ある殺意と刃で……ハァ……この社会を切り裂いていけ」
「貴方はどうするのつもりなの?」
「此処に多くいる贋物を仕留める……」
ステインはそう言って刀とナイフを手にヒーロー達に飛び掛かり、交戦状態に陥った。
私はそれを遠巻きに見ていたけど私はステインの言葉を思い返す。
"信念ある殺意と刃で社会を切り裂いていけ"
思想こそ違うけどステインは私に託すように掛けた言葉を胸に私は逃げる為に駆け出した。
"全ては犯罪の無い誰もが幸せな世界の為に"
その為に私はまだ捕まってあげる訳にはいかない。
「ジル!!!」
私の事を叫ぶ出久を他所に私は駆けて近くの路地に入った所で黒い靄が私を包み込むと次に見た光景は何処かのバーだった。
「此処は……?」
『ジル。気を付けろ。さっきの靄はUSJで見た彼奴のだ』
「……ヴィラン連合」
「その通りです。切り裂きジャック」
私は振り返り様にナイフを手に振り向くとそこにはヴィラン連合のワープの個性を持つあのヴィランとヴィラン連合を率いてた死柄木弔がそこにいた。
「我々は敵対するつもりはありません。出来ればお時間を頂けますか?」
靄のヴィランはそう私に言ったのだった。