殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー    作:謎多き殺人鬼

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ヴィラン狩りの夜 ~中編~

私はマスキュラーに言われた事が頭に響きかせながら森を駆けていた。

 

"結局、お前は気前の良い大義を掲げて人を殺すのを楽しんでんだよ!認めろよ!俺と同じだ!!"

 

「(違う!私は……奴の様に快楽で殺しはしていない……!)」

 

『ジル。奴の言う事なんか気にするな。お前自身がそう思っているなら俺がとうの昔に殺している。何しろ俺達は良くも悪くも一心同体。一蓮托生だ。考えてる事なんて嫌でも聞こえるし、行動を見て判断出きるしな』

 

「……そうね……気にする事はないわ。私は……私よ」

 

私は今は気にする時ではないと判断して走り続けている内に明らかに女装した猫のおっさんとサングラスのオカマと言う変態同士の戦いと猫の女性と無駄にナイフで組み合わせた大剣を使うトカゲがいた。

 

「どちらがヴィランだと思う?」

 

『どう見てもサングラスのオカマとトカゲだろ?』

 

「そうよね」

 

私はそう言うとナイフを猫の女性に振り下ろそうとしているトカゲの腕に投げて当てるとトカゲは叫びながら大剣を取り落とすとバラバラになった。

 

いや、脆いな。

 

もう少し頑丈にしてるのかと思った。

 

「クソッ……誰だ!!俺の腕にナイフを投げやがったのは!!」

 

「私だけど?」

 

私はそう言って姿を現すとそこにいた全員が驚きに包まれた。

 

「切り裂きジャック!?」

 

「ちょっと嘘でしょ!?こんな時にまで現れるなんて!!」

 

「あら……これはマズイわね……」

 

「切り裂きジャック……!ステインの後継者!!」

 

「いや、後継者じゃないし……まさかと思うけどステインにあてられたの?」 

 

「俺はスピナー!!ステインの夢を紡ぐ者としてお前に勝負を挑む!!ステインの後継者!!」

 

私がトカゲに質問するけどトカゲは全く聞いてない。

 

所謂、狂信者……つまりは一時期の流行りに乗っかった馬鹿であると言う事だと言うのがわかる。

 

「行くぞぉッ!!」

 

トカゲことスピナーはそう叫んで壊れた大剣の一部であるナイフを持って向かって来る。

 

「ちょっと!?待ちなさいよスピナー!!」

 

「仕方ない……どうせ、殺すしね。簡単に人の命を奪おうとするなら……思想家だろうが何だろうが……容赦はしないわよ?」

 

オカマの止める声も聞かないスピナーに呆れながら私はそう言ってナイフを片手に立つとスピナーのナイフを受け止めた。

 

激しい金の硬質な音が鳴り響き、噛み合う形で押し合う。

 

「ぐぅッ……!」

 

「あら?女に力負けしてるわよ。トカゲさん」

 

「トカゲと言うなッ!!!」

 

スピナーは怒りに任せて私を押すとそのまま切り込もうとする。

 

でも、隙だらけで私は腕よりもリーチのある足で腹に一発、蹴りを入れてあげると地面を転がっていく。

 

「あら、足が入ったわね?ごめんなさいね……トカゲさん」

 

「ッ!?この尼がぁッ!!!」

 

スピナーはそう怒りに任せて叫びながらナイフを私に何度も振るうけど私は受け止めもせずにその刃を何度も避けてあげた。

 

何だろう……マスキュラーは強かったのにスピナーは何処か素人の様に思える……まさか本当にその場の勢いに任せて参加したのかしら?

 

「スピナー。もう止めといた方が良いわ。大人しく捕まれば短い期間で出所できるかもしれないわよ?」

 

「何を言っている……!」

 

「だって、貴方……人を一度でもちゃんと殺したの?まるで戦いにも慣れていない様にも感じる……いえ、少しは出来ると言った具合かしら。見てたけど戦闘向きじゃないとは言えヒーローと戦えてるし、才能はありそうだけど……無駄な所で使ったわね。もう止めたら?私一人に傷一つ付けられない時点で無駄だもの」

 

私の言葉にスピナーは怒りや絶望が入り雑じった表情を見せる中、奴は腹の底から叫んできた。

 

「うるせぇッ!!!俺は……俺はステインの夢を紡ぐんだ!!お前なんかがステインの後継者だとは認めん!!!私利私欲に動き、人並みの幸せを夢見るヒーロー擬きは粛清してやる!!!」

 

「私利私欲で動くのは兎も角……ヒーローが人並みの幸せを夢見たらいけない理由なんてあるの?」

 

私の言葉にスピナーや他の三人も唖然としている……そんなに意外かしら?

 

「だって別に家庭を持ってもヒーローとしての志を忘れなければ良いだけの事。それが無理なら引退して身を引くのもまた一つの道。私はね……人並みの幸せを……家庭を持ってもヒーローとして誇りを持って活動しているヒーローを知っている。全く家にかえって来ないのが玉に瑕だけどそれでも……私はそれを……父さんを誇りに思っている。他にも壊されてしまったけどウォーターホース夫妻もまた、命を賭けてでも市民を守った素晴らしいヒーローがいる。……幸せを抱くのが何がいけないの?ヒーローも人なのよ?」

 

私のその問いにスピナーは答えられずに固まる中、私はナイフの刃を向けた。 

 

これは最後通牒だ。

 

「スピナー。手遅れになる前に投降しておきなさい。それでもやると言うなら止めはしない……私が地獄に送るだけよ」

 

私はスピナーを睨みながらそう言った時、猫の女性がスピナーを後ろから取り押さえた。

 

「貴方にこの場で殺人はさせないわよ!!」

 

「ちょっとスピナー!!あんたのせいよ!切り裂きジャックに構うから!!」

 

「うるさい!誰かのせいと言うなら……悪事を働いた己の所為だ」

 

ヒーロー二人がスピナーとオカマを押さえるのを見た私は残念な思いを抱きながらナイフをしまうと次の獲物を探しに行く。

 

「何処に行くつもりよ!!」

 

「何処へって……次の獲物探し?」

 

「止めろ!!ヴィランを殺して何になる!」

 

「悪を少しでも減らして……私の理想の世界にする。犯罪の無い幸せな世界……誰にも大切な人が奪われないそんな世界にする。邪魔はしないで。それと……洸汰君は大丈夫だから安心してね」

 

「洸汰……!?洸汰に近づいたの!」

 

「別になにもしてない。マスキュラーとの戦闘の際に出久と一緒に逃がしたから無事の筈よ。それと洸汰君に伝えてね。……仇は討ったからって。もう悪夢を見る必要は無いからって」

 

私はそれだけを告げると取り押さえていて身動きが出来ない二人を置いて残っているヴィラン連合のヴィラン達を狙う為に移動する。

 

~別視点side~

 

マンダレイと虎はマグネとスピナーを取り押さえたがその間にジルが別の獲物を探しに行ってしまった事を受け、マンダレイが個性、テレパスで相沢や他の雄英生達にすぐに伝達した。

 

《皆!!!切り裂きジャックが現れたわ!下手に刺激を与えず当初の目的に沿って行動して!!良いわね!間違っても彼女の元に向かっては駄目よ!!特にA組!!!》

 

マンダレイ達はジルの事情を把握しており、自主退学として処理された元A組であり殺された母親の復讐と法では裁かれない悪を殺す殺人鬼とも聞いているし、ニュースでも嫌と言う程に見た。

 

ヴィラン連合によるUSJの襲撃や切り裂きジャックによる雄英体育祭の議員暗殺劇からは慎重に慎重を重ねて此処が選ばれていたがヴィラン連合の襲撃によってマンダレイは此処まで来られてしまった以上はやむ終えないとし、ジルの到来を伝えた。

 

いずれにしても何処かで接触してしまう可能性がある……A組がジルの元に行ってしまわない事を祈りながらも洸汰の事をマンダレイは考えた。

 

「何で洸汰の事を知っていたのかしら?それにマスキュラーを殺したの?あの子が?」

 

「分からん……もしかしたらとうの昔に来ていた可能性がある……それがヴィラン連合の襲撃直前か、それを見越して潜伏していたのか。いずれにしてもA組が彼女に接触しようと思わなければ良いが……話が本当ならマスキュラーはジャックと戦闘の際に既に殺害されたと言う事になるな」

 

マスキュラーが殺された事に驚きつつもマンダレイはジルが襲撃前に現地入りしていた可能性がある事を考えればマタタビ荘にも立ち寄っている可能性があり、そこで何度も接触している事も考えられた。

 

でなければ彼女が洸汰の事を知り、尚且つ案じるなんてしない。

 

「私達は何時から彼女の接近を許していたの……?」

 

マンダレイは殺人鬼が容易に近づき、尚且つ潜伏していた事実に困惑と恐怖を覚えながらも確保したスピナーを逃がさない様にしつつ他の生徒や連絡の無いラグドールの安否を確かめなければとだけ考えた。

 

~side終了~

オールフォーワンやっちゃう?

  • 構わん。やれ
  • やらんくて良い
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