殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー    作:謎多き殺人鬼

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悩み、苦しむ

私が銃声を聴きながらゲートを通り抜けた時、すぐに二人を見ると綾乃は唖然としており、緋色は……息を荒くしてその手に拳銃を手にしていた。

 

「緋色……何で……」

 

「仕方なかった……銃口を向ければ出久が離れると思って……オールマイトを撃つつもりはなかった!!」 

 

私がテレビを見るとそこには血を流して倒れたオールマイトが出久やベストジーニスト、後から来たのかエンデヴァーやあの時の老人のヒーローが駆け寄っており、オールマイトの周り意外の場は静まり返っていた。

 

何も言わない、動きもしないオールマイトを見た私は緋色を見たら私を怯えた眼で見てくる……当然よね……私を助ける為とは言え……オールマイトを撃った。

 

「出ていって……」

 

「ジル……僕は!」

 

「出ていけ!!」

 

「ジャック様!」

 

「……一人に……なりたいの……」

 

私はそう言ってソファーに座る。

 

今は喋りたくないし人にも会いたくない……その内に早足で帰って行った緋色とそれを追い掛ける綾乃。

 

私は一人になった時……アーサーが声を掛けてきた。

 

『ジル。あんな言い方はないだろ?』

 

「……分かってる。分かってるけどオールマイトが……私のせいで……」

 

『お前のせいじゃない』

 

「じゃあ、オールマイトの撃たれた原因は何なの?私が彼処で負けたからよ!!そうじゃなかったら私を助ける為に緋色は銃なんて使わなかった!!そうでしょう!!!」

 

私はアーサーに当たる様に言うとアーサーに溜め息を吐かれた。

 

『もう良い。そうやってウジウジしてろ。じっとしてても答えなんて出てこねぇからな。たく……』

 

アーサーはそう言ってそっぽを向き、私は今は何も考えたくなくてうつ向き続けるしかなかった。

 

~別視点side~

 

対個性最高警備特殊拘置所、通称"タルタロス"

 

本土から約5km離れた沖に建造された収容施設。便宜上拘置所とされているが、実態は国民の安全を著しく脅かす、または脅かした人物を厳重に禁固し監視下に置くものであり、刑の確定・未確定を問わず様々な”個性”の持ち主が収容されている。

 

居房は6つに区分されており、”個性”の危険性や事件の重大性によって振り分けられている。危険性の高い人物程、地下深くに収監される。

 

一度はいれば生きて出ることは叶わないといわれており、”個性”社会の闇とも呼ばれている。

 

そんなタルタロスの厳重警戒な面会室では囚人服を着た女とジャスティスが面会していた。

 

「どの面を下げて面会に来たんだ……ジャスティス?」

 

「いや~……あれだ。その……だな……」

 

「打美一人すらまともに見れない奴がどの面を下げて来たって言ってるんだよ!このボケ!!」

 

「いや、本当にすまなかった!!だからな!落ち着かないと撃たれるぞ!ナガン!」

 

「ちッ!」

 

女ことレディ・ナガンは舌打ちした後、ジャスティスを睨む中、ジャスティスは個性への対応能力の高い強化ガラス越しとは言えかなりビビった面持ちでレディ・ナガンを見る。

 

「それがな……その……いなくなった」

 

「誰がだ?」

 

「……打美」

 

「よし。お前をぶっ殺す」

 

「待て待て待て!?だから撃たれるって!?」

 

「こんなやり取りを繰り返していたら警戒のケすらなくなるわ!!見てみろ!あの看守、欠伸をしてたぞ!!」

 

実際の所、レディ・ナガンとジャスティスはたまに面会する中で時々、ジャスティスが預かった打美ことレディ・クイックの状態を聞かせる為にジャスティスが訪れては毎回の様にレディ・ナガンを怒らせたりする。

 

このやり取りが毎回の様にする為に厳重警戒の筈のタルタロスの看守がこの面会だけは少し気を緩めてしまう程だ。

 

「打美は何処に行ったんだ!!」

 

「分からねぇ……」

 

「あぁ?分からねぇだ?」

 

「マジだ。ジャッジ……秋人がやられてからいなくなった。実は秋人に打美の尾行をさせていた……何もないと信じて送ったが結果は秋人が死んで打美が行方を眩ませた」

 

「……打美が黒だって言うのか?」

 

「そんな事……思いたくねぇ。打美がそんな事をするとは思いたくない。だが……いなくなった。もしかしたら拐われた可能性もあるが殺害した可能性もある……それだけだ」

 

レディ・ナガンはそれを聞いて拳を握りしめた時、ジャスティスから予想外の提案を受けた。

 

「取り敢えず出るか?」

 

「は?」

 

「いや、タルタロスから出るかって?」

 

突然の言葉にレディ・ナガンが固まった後、立ち直ってから少し考え込んだ後、ジャスティスに呆れた視線を向けた。

 

「……馬鹿かお前?」

 

「いや大マジだ!!……あの公安のババァから了承を取れた。仕事が上手くいけばお前は無罪放免で自由の身だ。俺の追っている事件の解決にはお前の力が必要だし、何より打美が拐われた可能性があるなら見つけ出してやらねぇと。……力を貸してくれ。ナガン」

 

「……あのババァがね。何か裏でもあるんじゃないのか?」

 

二人が言う公安のババァとは現ヒーロー公安委員会の会長の事を言っており、レディ・ナガンが公安直属のヒーローにスカウトされる際にもその場にいた。

 

その為、暗部時代のレディ・ナガンの事もよく知っている。

 

「お前が公安や今の社会に不審を覚えてるのは無理もないが……俺とあのババァはお前に嘘はつかねぇ。命だって賭ける。万が一、裏切ったら俺とババァの頭を撃ち抜いても構わねぇ。因みに嘘ついたら頭を撃ち抜かれるのはババァも了承済みだ」

 

レディ・ナガンは頭をかきむしりながら苛立ちを見せた後、ジャスティスに顔を近づけて結論を言う。

 

「……一度だけだぞ。それ以上は絶対に関わらねぇからな」

 

「よし!手続きが終わったら迎えに行くぜ!久々のシャバだ!楽しみにしとけよ!」

 

ジャスティスはそう言って面会室から出ていくとレディ・ナガンは軽く溜め息を吐いた後、看守に連れられながら若い頃に見た嵌められて全てに絶望した表情のジャスティスを思い出した。

 

「よくもまぁ、立ち直ったもんだよ。私じゃ駄目だった癖にな」

 

「何か言ったか?」

 

「忘れろ」

 

看守にそう悪態をつきながらレディ・ナガンは自分の独房へと戻って行った。

 

一方、その打美ことレディ・クイックはある場所に訪れていた。

 

「ジャッジを始末出来たのは大きいですね。レディ・クイック」

 

「しかし、ジャスティスの元にはいられなくなりました。これからは監視は出来ないでしょう」

 

「いいえ。監視はもう良い。だけど……邪魔ね。奴に追われて数年。何度と邪魔されかけた。ジャックが暴れた事で我々、グリーン・メイスンは力を付けれた。そろそろ目障りですし……永遠の眠りと言う引退をして貰いましょう」

 

「……しかし、ジャスティスの個性は厄介です」

 

「その心配はありません。これをお使いなさい」

 

その人物はそう言ってある物をレディ・クイックに手渡した。

 

「個性消失弾。ちょっとした伝手で手に入れました。と言っても効果時間がある劣化品……ですが奴の個性を封じる間に始末すれば済む話です」

 

その人物はそう言って笑い、レディ・クイックは個性消失弾を手に見つめる。

 

その見つめる瞳には何の光も宿さない冷酷な闇が広がる。

 

~side終了~

 

あの後のニュースでオールマイトは駆け付けたリカバリーガールの懸命な治療によって奇跡的に助かったそうだ。

 

だけどもう、オールマイトは以前の様な活動は出来ないとニュースで告げられた。

 

ヴィラン連合は拐われていたのは勝己で、何とか奪回したものの肝心のヴィラン連合は何処かに転移させられて消息不明となったそうだ。

 

オールフォーワンと言う巨悪を殺し、勝己は助かり、オールマイトは活動こそ出来ないけど命は助かった……でも、何かが足りなかった。

 

考えても分からない……

 

私はじっとしているのも嫌になって夜の散歩がてらにフラフラと出歩いていた。

 

夏の夜風が心地い中、私は歩いていると前から人が数人歩いて来るのが見え、私は気にも止めずに通り過ぎようとした時、突然、獣の爪の様な腕が振るわれ、私は避けるといつの間にか取り囲まれていた。

 

五人とか十人とかの規模じゃない……もっと沢山に囲まれてる。

 

「何よ。貴方達は?」

 

「悪いが死んでくれよジャック」

 

「出来れば大人しくしてな。すぐに済ませてやる」

 

辺りを埋め尽くす程の人数に私は……はっきり言ってイライラしてたから丁度良いと思った。

 

「分かった……死ね」

 

「……は?」

 

私が放った一閃は通り魔の集団の一人を切り裂くと赤い血が飛び散り、私は返り血を受けると不適に微笑んで見せた。

 

「貴方達が何処の刺客か……吐いて貰うわよ?」

 

私はそう言って強く蹴り出すと刺客達を切り裂いて行った。

_______

____

__

 

私は無数の刺客達を一掃すると生き残ったリーダーらしき奴をボコボコに殴って胸ぐらを掴んだ後、ナイフを首元に突きつけた。

 

「さぁ、白状しなさい!誰の刺客よ!」

 

「し、知らねぇ!俺達は指示されて来ただけだ!!切り裂きジャック擬きを殺れってそう言われて!!」

 

「擬き?私は正真正銘、切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)よ!!誰の指示か言え!」

 

「ほ、本名は知らねぇ。遣いが来てR.Kって言う奴からの多額の依頼でお前を殺す様に指示された。それ以外に知らねぇ!だから助けてくれ!!」

 

「R.Kね……単調な名前だわ。まぁ、良いわ。ありがとう。御礼をあげるわ……このナイフの冷たい感触を味わえる最高の時間よ」

 

私はそう言ってナイフをゆっくりと刺していき、リーダーらしき奴の腹を切り裂いていく。

 

「い、嫌だぁ!!死にたくない!!死に……たく……な……い……!!」

 

リーダーらしき奴の死を確認した私はその場に捨てると血糊を払ってからいつもの様に"FROM HELL(フロム ヘル)"と書き込んでからその場を後にした。

 

「R.Kって奴は何で私なんかを狙ったのかしらね?」

 

『さぁな。だが、もしかしたら大元がお前を邪魔扱いし始めたのかもしれないな』

 

「大元ね……グリーン・メイスンかしら?」

 

『それはこれから探れ。奴等が現れる時は……近いぞ』

 

私はアーサーのその言葉に頷くと夜の散歩を止めて足早に帰路に着いた。

 

喧嘩してしまった緋色に何て言えば良いかと考えながら。

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