殺人ヒーロー ジャック・ザ・リッパー 作:謎多き殺人鬼
私は街灯が光る夜、レディ・クイックの指定の場所と時刻に合わせてやって来るとそこにレディ・クイックが確かにいた。
「指定されて来たけど……罠すら張らずに待ち構えてるなんて舐めてるの?」
「別に……ねぇ、私が貴方のお母さんの仇だって知って……どう思ってる?」
「貴方が許せない。それだけはハッキリしてる。父さんを殺したのも貴方でしょ?」
「えぇ……残念でしかなかった。私としては敵同士として戦いたくなかった」
「殺しておいて……!」
私がナイフを手にするとレディ・クイックは拳銃を構えてきた。
抜いて構えるまでが全く見えなかった……ヒーロー名に因まれる様に速撃ちが得意なのね。
「この距離ならナイフよりも銃が速い。もう少し考えてからナイフを抜くべきだったわね?」
「舐めるな!」
私はナイフを投擲し、レディ・クイックが拳銃でナイフの投擲を防いだ隙に私は接近戦に持ち込んでナイフの刃で貫こうとしたけど僅かなどうさで避けられて一瞬の隙を逃されず拳銃で殴られ、蹴り飛ばされた。
私はそのまま地面に転がるとすぐに銃弾が飛んできて咄嗟に避けると私のい位置の地面を正確に着弾した。
そこからまた、発砲されて私はそれを避けてまた攻撃しようとした時、私の背中に痛みが走った。
「がはぁッ……!」
『ジル!!』
「甘いわね……私だって個性持ちよ。少しは後ろに注意しなさい」
飛んでい弾の中に個性の力が影響した弾があったのか私の背中に被弾してしまった。
私は片膝をつくとレディ・クイックは弾込めをしながら話し掛けてくる。
「その程度で仇を取れると思ったの?銃は接近すれば勝てるなんて素人の考えよ。私はもしもの時に接近戦での訓練も受けてる。ヒーローは一芸だけじゃ務まらないって聞いた事があるでしょ?」
「黙れ……貴方はヒーローじゃない……私と同じ……いいえ……同じだと思いたくない殺人犯よ……」
「遺言はそれだけ?まぁ、良いわ。御両親と早く再会させてあげるわ。あの世でね」
レディ・クイックは撃鉄を引きこ起こして私に照準を向けるけど私は負けるつもりはない。
私は近くの街灯に何本かナイフを投擲して壊して光を打ち消すと暗闇に紛れた。
「暗闇に逃げても無駄よ」
もしかしたら暗闇に対応する何かを持っているかもしれない……完璧じゃないと思うけど注意しないと。
私は暗闇に紛れ、隠れて隙を伺いながらレディ・クイックが一瞬、後ろを向いた所を突いてナイフを振り下ろした。
「ぐッ!?」
ナイフはレディ・クイックの右肩に深く突き刺さり、レディ・クイックは痛みで持っていた銃を落としたけど変わりに左腕の拳が私の顔に飛んできた。
私は殴られたけど流れた鼻血を拭いながらレディ・クイックの懐に飛び込んで力付くで押し倒した。
互いに倒れて体勢の有利を取り合う様に転がる中、ナイフは落としてしまったけど私が上乗りになる形になり、体勢の優位を取ったけどレディ・クイックは諦めずに私を睨みながら残った左腕で抵抗してきた。
「ジル!!!」
「クイック!!!」
もはや個性関係無しの殴り合いになり、私は殴られても殴り返す様に、レディ・クイックも殴り返してきた。
互いに殴り合う中、私は鬱陶しい左腕を足で押さえ込むとそのままレディ・クイックを何度も殴った。
母さんを見せしめの為に殺し、父さんの想いを踏みにじって殺し、それを指示した連中に尚も従う彼女に私は消えない憎しみを晴らす様に何度も殴っているとレディ・クイックが左腕の拘束を解いて私を殴り飛ばすとそのまま拳銃を取ろうとしたから私は咄嗟にナイフを投擲してレディ・クイックの右足に当てて転ばした。
「私は……まだ……!」
レディ・クイックは尚も這いずって拳銃を取ろうとするのを私は近づいて手にしようとしていた左手を踏みつけた。
痛みで小さな悲鳴を挙げるレディ・クイックに私は冷たい視線を向け続ける。
「無様ね。あれだけ優位に立ってたのに今は私の前で這いつくばってるなんてね」
「貴方には分からない……たった一人に責任を押し付けてのうのうと権力の椅子に座る連中への怒りを!!私は只、奴等を引きずり下ろしてやりたかった!!引きずり下ろして責任を押し付けた報いを受けさせてやりたかった!!レディ・ナガンは私にとって母親の様な人なのよ!!」
レディ・クイックは興奮気味にそう言ってきた。
母親……こいつがその言葉を吐くとは思わなかった。
「私は……孤児だった……親の顔も知らないし、ましてや親なんて呼べそうな職員は無関心。同い年の同じ孤児達には個性のせいでヴィラン扱いにしてヒーローごっこと称した虐めを受けてた……」
私も個性を隠して無個性なんて言ってたから虐めを受けていた……
「毎日辛い時に孤児院にレディ・ナガンが慰問にやって来た。孤児院の皆は本物のヒーローに大はしゃぎで私はどうせ個性がヴィランみたいだと思われると思って離れてた。でも……レディ・ナガンが私に気付いてくれた。自分も似た様な個性だって……私もヒーローになれるって言ってくれた……」
ヒーローになれるって言ってくれる人がいた……それは根津校長や母さんの様に私を私と見てくれる人達……
「私を引き取って、私に戦い方を教えてくれて、ヒーローになれた私をサイドキックとして連れていってくれて……楽しかった……なのに……公安の連中はレディ・ナガンの力を利用して汚れ仕事を押し付けていた!!レディ・ナガンが帰ってくる度に疲れきって……落ち込んでて……最後には公安の会長を殺してタルタロス……事件は揉み消されてレディ・ナガンが仲間殺しをしたから入れられたなんて言われた」
罪事態はレディ・ナガンにはある……だけど確かにやるせない。
レディ・ナガンにはレディ・ナガンの罪があり、公安には公安の罪がある。
「レディ・ナガンだけが世間から悪く言われ続けて公安は知らぬ顔をして!!平気そうな顔で社会を動かして卑怯よ!!私は許さない!!絶対に奴等を潰す!!奴等が大事に守ってきた社会を粉々にしてやる!!!」
「……貴方の境遇は分かった。でも、だからと言って人の大切な人を奪う権利は無いでしょ?私も自分勝手に動いて、殺して、逃げ回った。でもね……私は誰かの大切な人を奪ったりはしなかった。貴方は自分のやっている事を正当化して周りに押し付けて罪を犯した」
「違う!!」
「母さんを殺すだけじゃ飽きたらず父さんも殺した」
「命令だった……オリヴィアは見せしめにしろって……ジャスティスを抹殺しろって未完成の個性消失弾を渡されてそれを他のグリーン・メイスンが狙った所を撃って一人になった所でトドメを刺して……」
「止めて。言い訳なんて聞きたくない。もう……終わりにしましょう……」
私はナイフを逆手にして持つとレディ・クイックを背中きら突き刺そうと狙った時、レディ・クイックはまだ諦めないのか左手を外そうと踠く。
「ジル!!だったら公安の罪はどうなのよ!奴等は今でも知らぬ顔で存続してる!貴方が法に裁かれない悪を殺すって言うなら何で奴等にその刃を向けないの!!」
「向けない訳じゃない。只、全員に向ける訳にはいかない。純粋に社会に貢献しようと働いてる人だっている筈よ。狙うなら腐敗した連中を叩くだけで良い」
「どちらにしても公安の闇は晴れないじゃない!!」
「法は完璧じゃない……だから逃げられたり、知らぬ顔でのうのうと生きる奴も現れる。でも、それを不満にして善悪関係無しに無差別に殺したら大義も何も無い。それに私は今は……大義なんて語らない。あるのは復讐だけよ。さよならレディ・クイック。両親を殺した……その報いを受けろ!!」
私はそう言ってナイフをレディ・クイックに突き立てるとレディ・クイックは深く刺されてもなお、諦めずに抵抗しようとしている。
「私は……負ける訳には……レディ・ナガン……!」
その言葉を聞いた私はもはや何も思わず再度、ナイフを深く突き立てるとレディ・クイックは最後まで抵抗し、レディ・ナガンの名前を言いながら死んでいった。
これで……私の復讐は果たされた……
でも……何故か……
とても……虚しかった……